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2022年1月1日

1182. 正月企画 東北・北海道巡検18 北海道電力 新北海道本州間連系設備

         新年あけましておめでとうございます
        本年もよろしくお願いいたします  


新北海道本州間連系設備

 今までは、鉄道関係の巡検を行っていたが、今回 通過地点に新北海道本州間連系設備があったので寄り道して正月特集の企画としてUpする。もちろん吉岡変電所、竜飛き電区分所も順にUpして行きます。思いのほか新北海道本州間連系設備は鉄道に関係していました。

 北海道電力 新北海道本州間連系設備は日本で初めての自励式周波数変換所で繋がった直流幹線である。

主な交直送電(海を跨ぐ)

1980年北海道・本州連系設備(北本直流幹線・電源開発)現在±250㎸で運転 他励式 
60万kW、双極1回線プラス側の本線と帰線、マイナス側の本線と帰線の合計4本の電線

2000年阿南紀北直流幹線(関西電力)±250㎸で運開 他励式 140万kW
双極1回線プラス側の本線と帰線、マイナス側の本線と帰線の合計4本の電線

2019年北斗今別直流幹線(北海道電力)(250KV)で運開 自励式 30万kW
単極1回線プラス側の本線と帰線で構成 合計2本

新設された経緯
 北海道・本州の直流幹線は、電源開発が運用している1980年代運運開の回線しかない状態だった。60万kW(30万kW×2極)で東京、東北、北海道の緊急応援や周波数安定に重要な役割を担っている。この系が設備点検等で半分となる30万kW時点で北海道内の発電所にトラブルになると電力の安定供給に支障をきたすため、新たに30万kWの連係設備を安価に構築する必要があった。
 電源開発の設備は1980年代から増強改修が行われてきたが設備の使用期間が40年に渡りそろそろ全面改修の必要性が出てきている。30万kWづつ改修すればよいが30万kw運用時に北海道内の複数の発電所が停止すると電力が不足し電圧、周波数が不安定にる可能性があり
常時60万kWの安定供給を目指すため新しく北海道本州間連系設備を構築することになった。
 北斗変換所、今別変換所とも北海道側、本州側末端に位置しており系統が比較的弱い(短絡容量が小さい)ため自励式を採用することになった。

自励式の特長 資料より引用

他励式・自励式の比較 資料より引用


自励式の方が調相装置、高調波フィルター、直流コンデンサ、直流リアクトルが不要
資料より引用

自励式の2つの方式
2レベル変換器 
半導体スイッチ(高耐圧化のため直列接続)で、直列の半導体スイッチのON/OFFのデューティ・サイクルを調整することで交流波形を作り出す。
出力側に交流フィルタが必須

MMC変換器(新北海道本州間連系設備で採用)
 半導体スイッチとコンデンサ、保護ダイオードで構成されたチョッパセルを単位として、これを多数直列に繋いだアームと短絡電力抑制用のリアクトルで構成されている。新北海道本州間の変換器の、スイッチング素子は、4.5㎸ 2100A 圧接型IGBTで構成され素子故障時も導通状態を維持し外部短絡スイッチなしに運転可能な構成となっている。
 MMC型はチョッパの動作タイミングをずらすことにより、滑らかな波形を取り出すことができ交流フィルターが必要なくなる。

 新北海道本州間連系設備では、さらにバッファリアクトルをなくした三巻き線変圧器を開発し、部品点数を減らすこと可能となった。

実際の構成は上アーム、下アームを交流母線を支点として半分に折り曲げ、上アーム、下アームが交互に並び、お互いの静電誘導を打ち消す形で組まれている。それが下のバルブとなる。
 前部で6列のアーム(上下)×2となり、左側にアームの上の部分から取り出すのが本線、下の部分から取り出すのが帰線の配置になっている。そのため右側は本線、帰線の母線となっている。交流部分はこのバルブの左に位置するので見えない。本線側には避雷器が入っている。

 北海道側停電時のブラックスタートは、北海道側停電時でも可能とのことであるが、実際は北斗変換所の非常用発電機を起動、所内電源確保の上 本州側の今別変換所から直流送電を行い北斗変換所で交流を送出できる。(所内電源は必須)

 
 新北海道本州連系設備の自動周波数安定装置は、他励式電源開発の変換所と近接した場所にあるため電源開発系に具備されている自動周波数制御装置と相互に協調運転を行い周波数安定を維持できるようになっている。

新北海道本州連系設備での事故時の対応

起こりうる事故対応
架空線での地絡事故では、一端送電を停止、その1秒後変換器をリスタート、直流送電を開始(架空線事故の多くは落雷による一過性の事故)
地中ケーブルでの事故発生では、リスタートは行わず直流送電は停止される。

重故障、中故障、軽故障の分類 保護連動のアルファベットは下記参照


 MRTB投入は、帰線保護装置で帰線の架空線部地絡を検出するとMRTB(今別変換所しかない)に投入指令を出し投入動作と地絡電流消弧の時間を取って、開放指令を出す。開放指令を出した時点で地絡事故が継続していた場合は、再度MRTBに投入指令を出し、整定していた回数上限までは地絡電流が無くなるまでMRTBの投入・開放を繰り返す。上限まで達しても地絡事故が解消しない場合は重故障に移行し、点弧用ゲートパルスの停止、交流遮断器の開放を行う。(北斗変換所では帰線は接地点で常時接地されている)

 MRTBの内部動作は、地絡電流を接地する原理であるが、接続点にガス遮断器があり、遮断時のアーク負性抵抗特性とリアクトル・コンデンサで発生する自励振動を利用しMRTB遮断部を流れる電流にゼロクロス点を作って遮断する。ちょうど直流大電流を遮断する真空直流高速度遮断器の転流コンデンサと同じような働きをする。

回線構成


変換器の構成は、北斗、今別とも同じ構成
 MCC型自励式変換器、特殊巻き線の変換機用変圧器を使用
 他励式変換器に必要な、高調波、直流フィルター、調相機は必要ない

今別変換所の帰線側には帰線強制消弧装置(MRTB)が設備されている
北斗変換所の帰線側は常時接地の接地点がある

直流側幹線には直流遮断器はついていない。断路器のみで構成(MRTBは除く)
各変換所の停止は、交流側遮断器で行う

直流送電容量:30MW 250㎸ 1200A最大
旧来の電源開発北本幹線と協調運転

吉岡ケーブルヘッドー竜飛ケーブルヘッド間
1.ケーブル導入 JR北海道 北海道新幹線ケーブル斜坑を利用している
2.青函トンネル内は作業坑を利用している

新北海道本州間連系設備
全体の構成 本坑と平行に掘られている作業坑を利用 参考資料より引用


 2回線目の敷設が認可され工事の開始が2023年から行われている。現有敷地内に2回線目の設備を設置。ケーブルは1回線目と同じ経路
直流送電容量:30MW 250㎸ 1200A最大((完成すれば60M250㎸ 1200A)×2となる)

2回線目増設時の系統 従来線と平行に設備される 参考資料より引用
 今別変換所の右に出ている〇は、JR北海道 北海道新幹線 今別変電所
北海道電力 大野変電所の下の長方形は北海道電力 知内発電所30万kW一部は専用線でJR北海道 北海道新幹線 今別変電所につながる(この図には未記載)



まずは、北海道側から順に説明。
北海道電力ネットワーク北斗変換所
アプローチ:新函館北斗駅 徒歩1時間30分 約7㎞


上空からの俯瞰 参考資料より引用 右に出ているのが道南幹線
下側に出ているのが北斗幹線

結界の標識が見当たらないので傍まで近づけた


北斗幹線275㎸ 50Hz 受送電

北斗幹線は2回線受送電 変換所内はGISで繋がる

 北斗幹線は、大野変電所(一次変電所)に繋がり187㎸に降圧される。大野変電所は新幹線新函館変電所へ187㎸を供給、さらに187㎸を上磯変電所(二次変電所)に送り66㎸に降圧 五稜郭開閉所からJR北海道五稜郭変電所に供給されている。また新幹線函館総合車両基地変電所も上磯変電所から66㎸の供給を受けている。


         北斗幹線と道南幹線(西双葉開閉所向け)の分岐点 所内母線部
右 道南幹線 左 北斗幹線

    道南幹線(西双葉開閉所向け)275㎸ 道南回線(西双葉開閉所向け)も2回線受送電

         道南幹線(西双葉開閉所向け)には電力線搬送装置が設備されている

道南幹線(西双葉開閉所向け) 電力線搬送装置 LT=ライントラップ、CC=結合コンデンサ



西双葉開閉所 手前の送電線が北斗変換所からの道南幹線(西双葉開閉所向)となる。


北斗変換所交流側275㎸所内母線
変圧器用ガス絶縁遮断器 300㎸ 1200A 2ユニット
母線・送電線用ガス絶縁遮断器 300㎸ 4000A

所内母線と変換機変圧器を繋ぐGIS化された三相一括母線275㎸
右端 伸縮接手
第一極変換装置用変圧器 275㎸ 316MVA 

別角度 第一極変換装置用変圧器 正面が275㎸入出力 
右側面が変換器が入っているバルブホールに繋がる母線
バルブホール内変換器冷却水用冷却用ファン


バルブホール部
内部にガス絶縁開閉器 本線 250㎸ 1200A 1ユニット
帰線用 10㎸ 1200A 1ユニット 

 スイッチング素子は、4.5㎸ 2100A 圧接型IGBTで構成され素子故障時も導通状態を維持し外部短絡スイッチなしに運転可能な構成となっている。これを多数直列に繋ぎ直流250㎸を出力する。
バルブ内変換素子群 碍子2段が本線側、碍子1段が帰線側 6Unitが並列接続
交流側は内側に出ている(左側)
参考資料より引用


1ユニット分 工場組み立て時 参考資料より引用


バルブホールから引き出される直流部 円筒形の装置は接地開閉器(本線側)
手前 本線 250㎸ 1200A
奥 帰線

別角度
バルブホールから引き出される直流部 円筒形の装置は接地開閉器(帰線側)
手前 帰線
奥 本線 250㎸ 1200A
直流 入出力部 
帰線側はケーブルヘッドで電線が露出しているが本線側は直ぐにGIS化される

帰線側設備 接地開閉器、断路器、帰線接地点、CTで構成

帰線用接地点 北斗側しか、この設備は無い

帰線側接地点
CTの中心に銅ブスバー 奥側は接地されている
運転時も常時接地されている


帰線側避雷器とブロッキングコイル

右 本線側 一番右の円筒形の装置は接地開閉器
左 帰線側の円筒形の装置は接地開閉器

250㎸ 北斗今別直流幹線 本線 帰線


今別ケーブルヘッドまで亘長76.9㎞ 鉄塔数205基の開始
本線、帰線、架空地線(OPGW/14AC)のセット


吉岡ケーブルヘッド
アプローチ:木古内駅下車 函館バス松前行き吉岡下車


松前行きバスから見た北斗今別直流幹線

松前行きバスから見た北斗今別直流幹線

松前行きバスから見た北斗今別直流幹線



北斗変換所から、はるばる送られてくる北斗今別直流幹線


ケーブルヘッド手前の鉄塔

トーショナルダンパー
本線は、アルミ被鋼心アルミ撚り線(ACSR/AC)810㎟=直径約32㎜

循環電流防止装置を兼ねるジャンパ補強装置
硬アルミ撚り線(HAL)850㎟=直径約33㎜


循環電流防止装置を兼ねるジャンパ補強装置


全体像
320㎜直流耐塩用懸垂碍子 51個/連 碍子延長約10m

ケーブルヘッドに向かう本線

吉岡ケーブルヘッド(正しくはこの建屋内にケーブルヘッドがある)
建屋の名前は、遮風建屋
左にあるのは帰線 設計は10㎸ 避雷器 帰線用ケーブルヘッド
アルミ被鋼心アルミ撚り線(ACSR/AC)410㎟




アルミパイプ100㎜Φでケーブルヘッドに繋がる


奥にあるのが真のケーブルヘッド 直流250㎸ 1200A加圧中
ケーブルヘッドから引き出されるケーブル側は
直流用架橋ポリエチレン絶縁アルミ被難燃ビニル防食ケーブル
 周辺温度でケーブル径を800㎟=約32㎜Φ、1000㎟=約36㎜Φ、1500㎟=約44㎜Φに切替て使用、トンネル内は低温なので800㎟が使われている模様


遮風建屋 参考資料より引用


帰線側設備 避雷器とケーブルヘッドで構成
手前側 帰線 奥の鉄塔頭頂部に架空地線(OPGW/14AC)170㎟

手前側 帰線 
奥の鉄塔頭頂部に架空地線(光ファイバ複合アルミ被鋼撚り線・OPGW/14AC)170㎟


帰線用避雷器 3個/組で使用 並列構成で短絡容量を増やす

帰線ケーブル
架橋ポリエチレン絶縁アルミ被難燃ビニル防食ケーブル
周辺温度でケーブル径を800㎟=約32㎜Φ、1000㎟=約36㎜Φ、1500㎟=約44㎜Φに切替て使用、トンネル内は低温なので800㎟が使われている模様。この部分は外気なので44㎜Φだろう。

帰線側ケーブルヘッド


建屋に表示 中心部分

表示内容

JR北海道 北海道新幹線 ケーブル斜坑入口

JR北海道 北海道新幹線 ケーブル斜坑への通路 地下に潜っている


道路の下を洞道で通過

ケーブルヘッド敷地内の北斗今別直流幹線(地中部表示)

ケーブルヘッド敷地内の北斗今別直流幹線(地中部表示)

本線と帰線、光通信ケーブルで構成 参考資料より引用

この部分の下に北斗今別直流幹線の管路3条
本線・帰線+光ケーブルが埋設されている
奥に見えるのは、JR北海道 今別変電所
洞道は、左から続い続いている


洞道に、この部分から北斗今別直流幹線が引き込まれているようだ(合流点)

竜飛ケーブルヘッドまで亘長24.4㎞
直流用架橋ポリエチレン絶縁アルミ被難燃ビニル防食ケーブル
 周辺温度でケーブル径を800㎟=約32㎜Φ、1000㎟=約36㎜Φ、1500㎟=約44㎜Φに切替て使用、トンネル内は低温なので800㎟が使われている模様

この上に本線、帰線、通信ケーブルが載る 参考資料より引用

作業坑内の新北海道本州間連系ケーブル まだ余裕はある 参考資料より引用

樹脂製ラック上の本線、帰線、通信ケーブル
温度監視システム用光ファイバがある方が本線


竜飛ケーブルヘッド
アプローチ:津軽まいべつ駅下車 三厩駅行き乗車 乗り継ぎ竜飛岬行き

 


奥に見えるのはJR北海道 竜飛き電区分所
ケーブル引き出し部は竜飛き電区分所のケーブル斜坑
この標識の下に北斗今別直流幹線のケーブル3条(本線・帰線・光通信)が敷設されている



駐車場に向かう

駐車場に埋戻しの跡


この部分で、竜飛ケーブルヘッド敷地内に引き込まれる

敷地内の北斗今別直流幹線(地中部標識)

敷地内の北斗今別直流幹線(地中部標識)中央の〇の部分


敷地内の北斗今別直流幹線(地中部標識)


遮風建屋に引きこまれる部分
北斗今別直流幹線(地中部標識)

吉岡ケーブルヘッドまで亘長24.4㎞

竜飛ケーブルヘッド(建屋は遮風建屋が正式名称)

帰線部 避雷器とケーブルヘッド

CH=ケーブルヘッドの略号

構成は、吉岡ケーブルヘッドと同じ


本線引き出し部

奥に真のケーブルヘッドがあるが見えてない(吉岡ケーブルヘッド参照)
アルミパイプ母線の支持ポストが見えている

今別変換所まで亘長20.8㎞ 鉄塔数64基の開始

帰線も架空地線も吉岡側と同じ

今別変換所まで亘長20.8㎞の架空送電線

今別変換所まで亘長20.8㎞の架空送電線
隣りの鉄塔はJR北海道 竜飛き電区分所 配電所までの66㎸2回線


北海道電力ネットワーク今別変換所
アプローチ:津軽まいべつ駅 徒歩
結界が張られていて近づけないにで遠望で観察
 この変換所は、JR北海道 北海道新幹線 今別変電所受電電圧変更に関係している。
154㎸→275㎸ この変換所ができる前は、東北電力青森変電所からの154㎸がこの今別変換所予定地を横切っていた。また北海道新幹線今別変電所は当初から154㎸から275㎸昇圧を見越して変電所、鉄塔等の設備を整えていた。

この画像は、まだ直流幹線の工事が終了しておらず、JR北海道 新幹線 今別変電所行の275㎸設備が完成した時点と思われる。北斗変換所は母線スルー化で対応 
画像のキャプションは2021だが実際は2019年以前の画像と判断できる 

周辺道路にはこの標識が目立つように立っている

望遠で変換所銘板を特定

奥 北斗今別直流幹線 250㎸ 1200A
手前 JR北海道 北海道新幹線 今別変電所へ向かう275㎸送電線

北斗今別直流幹線 250㎸ 1200A

北斗今別直流幹線 250㎸ 1200A

北斗今別直流幹線 250㎸ 1200A

変電所内に引き込まれる北斗今別直流幹線 250㎸ 1200A



左 本線 
右 帰線 接地点は北斗変換所のみだが
こちらの今別変換所には帰線強制消弧装置(MRTB)が設備されている


本線部分は、北斗変換所と同じ構成

奥のライポスト碍子でバルブ方とMRTB方に分岐する

この三角屋根の部分が帰線強制消弧装置(MRTB)となる。
 帰線架空線区間の地絡時にMRTBを遮断器で投入し地絡電流をMTBRに転流させて消弧を行い事故点の絶縁が回復した後に開放することで自動的に電流を帰線に戻す機能がある。
 三角屋根の中は、コンデンサとリアクトルが直列接続され、それに避雷器が並列に繋がったものとなる。
 またIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)等の自己消弧形半導体素子を適用した自励式直流送電においては、架空電線路にて地絡が発生した場合、交流電力を直流電力に変換する変換器の制御を停止したとしても、交流/直流変換器素子保護用の還流ダイオードを介して電流が交流側より流れ込むため、事故電流が増加し続ける。それをMRTBを投入することで解消させる。


鉄柱の脇にブッシングがあるがMRTB用の避雷器(サージアブソーバー)部分と思われる


拡大MRTBのコンデンサとリアクトルに並列に入る避雷器(サージアブソーバー)と思われる

中心部ケーブルヘッドの導線が、その後のラインポスト碍子で2方面分岐
片方は、バルブホール本体へ。もう片方はMRTB用避雷器を経てMRTB遮断器へ

左のブッシング引出し部と右MRTB引出し部は端子の形状から同じものと思われる
その後ろの引出し部も同じ形状なので、鉄塔に遮られて見えないがMRTBからは2個の引出し部が出ているものと思われる


 MRTB用避雷器からの遮断器(横方向にブッシングが出ている)への導線の先に微かにブッシングが見える。さらにOPGW接続箱の横 遮断器にブッシングと導線が見える。この導線が三角屋根MRTB本体(コンデンサ・リアクトル直列接続)にブッシング(実際は見えていない)で繋がっている。左円筒形の部分のブッシングからの導線もMRTB本体のブッシング(わずかに見えてる)繋がる。つまりMRTB本体からは2本の導線がブッシングから出ている



資料から引用 他所で用いられているMRTBの配置
MRTBの基本構成 転流開路キュービクル内にコンデンサ、リアクトル、避雷器(サージアブソーバー)内蔵型 正面と横から見た図

第一極変換装置用変圧器とGIS化された275㎸母線

今別変換所 275㎸ 母線部分


今別幹線275㎸ 2回線 送受電 東北電力が管理




今別幹線275kV  2回線 東北電力 青森変電所に繋がる

反対側にもう2回線275kV 送電のみ
バルブホールの冷却ファンが見える

GISのケーブルヘッドから引き出される

JR新今別線 2回線 送電のみ 275㎸


JR新今別線 2回線 送電 275㎸

JR新今別線 2回線 送電 275㎸


JR新今別線は、東北電力管理

JR新今別線 2回線 送電 275㎸
変電所名は、JR北海道 北海道新幹線 今別変電所 新が付かない


JR北海道 北海道新幹線 受電系統との係わり
新北海道本州間連系設備ができる前


 最初 JR北海道 今別変電所は東北電力 青森変電所から154㎸受電を今別線で受電していた。将来的には275㎸昇圧できるよう今別変電所の受電用変圧器にタップ切替が備わっていた。その後275㎸に昇圧されたが、この時に今別変換所が送電線直下に建設されたので、分断して今別変換所経由となった。
 北海道との電力連系は電源開発北本連系で直流連系されていた。知内発電所からの専用線がJR北海道 吉岡変電所に繋がっている。電源開発の北本連系線が南流運転の際は、知内発電所の電源も北本連系線で東北電力上北変電所経由青森変電所経由でJR北海道今別変電所の電源の一部となっていた。

 

新北海道本州間連系設備完成後

電力広域的運用機構資料から引用一部改変

 新北海道本州間連系設備の今別変換所は、JR北海道 今別変電所に送る送電線の直下に構築され275㎸に昇圧されている。北海道電力 大野変電所からの道南幹線直下に北斗変換所が構築されている。
 知内火力発電所30万kWで発電された187㎸をJR北海道 吉岡変電所、北海道電力大野変電所に送電している。大野変電所は187㎸をJR北海道 北海道新幹線 新函館変電所に送電している。さらに187㎸を上磯変電所(二次変電所)に送り66㎸に降圧 五稜郭開閉所からJR北海道五稜郭変電所に供給している。また新幹線函館総合車両基地変電所も上磯変電所から66㎸の供給を受けている。

 まさに大野変電所は函館地区 JR北海道給電の要である。

2022年1月6日 TEPCO管内電力使用量 一時的計算上100%となる。
新北海道本州間連系設備も本州方に送電中だろう

TEPCOでんき予報より引用
潮流計画








供給量が変更5,467万kW(本日の予定供給量5,443万kW・0.4%増強)



依然厳しい状態は続く

:系統潮流実績(黒グラフ)北海道・本州間連系は最大90万kW(17:30現在 80万kW)


 危機は、脱したかのように見える
 供給量が変更5,569万kW(本日の最初の予定供給量5,443万kW・2.3%増強)

東北から東京に送る双葉幹線の潮流 一時的にマージン上限を超えてる


危機は脱したと思われる





参考資料(順不同)
小渡 匠ら;新北海道本州間連系設備向け自励式直流連系設備保護システムの開発:電気学会研究会資料PPR-19-23,IEEEJapan,2019(14-29),2019,11.2pp.51-56

喜多見 英次ら;建設工事座談会 建設が進む北海道電力・250㎸北斗今別直流幹線新建設工事:電気現場,Vol.56,No.662,pp.12-23,2017

北海道電力株式会社工務部用地グループ;事業概況紹介 北海道本州間連系設備増強工事:用地ジャーナル(公共用地補償機構編)Vol.28,No.1,pp.15-20,2019

編集部;北海道と本州を結ぶ北本連系の増強工事が完了:電気現場,Vol.58,No.684,pp.54-56,2019

渡邊 真琴ら;建設工事特別座談会 自励式変換器を直流送電システムとして国内初採用、北海道電力が進める北斗変換所・今別変換所新設工事:電気現場,Vol.57,No.670,pp.10-22,2018

新井 卓郎ら;HVDC用高電圧・大容量マルチレベル変換器:東芝レビュー ,Vol.94,No.4   
pp.16-19,2014

内海 貴徳;技術開発レポート:新北海道本州間連系設備に適用した大容量自励式直流送電システムの開発・実用化:電気学会論文誌D(産業応用部門誌)Vol.141,No.6,pp.NL6_6,2021

三浦 昭彦;新北海道本州間連系設備(新北本連系設備)について:電気学会誌Vol.139,No.8,pp.556,2019 
J-STAGEで探すと有料 だがWeb検索をうまく行うと全文が読めた

四方 学ら;直流送電用GISの開発・設計;電気学会論文誌B,Vol.117,No.5,pp.737-742,1997 
直流送電用GISの開発・設計

電力広域的運用機構資料;北海道本州間連系設備に係わる計画策定プロセスについて
第45回広域系統設備委員会資料3,2019/12/10

佐藤悦緒;北本連系線等の増強について:電力広域的運営推進機関 資料 2019/ 5/16