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2024年1月2日

1343. 番外 志賀原子力発電所 電源系統(開示情報を基に・情報追加)

 志賀原子力発電所 電源系統

令和6年能登半島地震に被災された方々に御見舞い申し上げます。

 余震は引き続き発生しており原子力発電所(停止状態)の安全は確保されている状況ですが北陸電力から発表された事案内容がWeb上で公開されておりますので引用記事を作成しました。











以下引用 公開資料1/2より
 昨日16時10分、石川県能登地方で震度7(マグニチュード7.6、 震源深さ16㎞)の 地震が発生し、志賀町において震度7、志賀原子力発電所1号機原子炉建屋地下2階で は震度5強、399.3ガルが観測されました。  志賀原子力発電所は、1、2号機とも定期検査により停止中であり、外部電源や必要 な監視設備、冷却設備等については機能を確保しており、これまでの点検において、安 全上問題となる被害は確認されておりません。  
 発電所に設置しているモニタリングポストの数値に変化はなく、外部への放射能の影 響はありません。  
 現時点における主な点検状況として1号機3件、2号機3件について、以下のとおり お知らせします。また、余震が継続しており、今後とも必要に応じて点検してまいりま す。
引用終わり

 原子炉運転系の電力については現在3系統からの受電の内 1系統がDownしている状況ですが、もう2系統が使える状況となっています。





資料から引用 1/2の公開資料
 
資料から引用 励磁用変圧器からの油漏れ 青の部分 第4報 1/3の公開資料
重要
 この2つの単結線配線図には原子力発電所の外部電源の信頼性確保に関する報告について H23年(2011)5月16日における500㎸母線から1号機非常母線(6.9㎸)受電へ、赤住線では直接鉄塔から分岐して66㎸から降圧して2号機非常母線(6.9㎸)受電への電路が記載されていない。

原子力規制庁 1/10面談資料には赤住線2号 緊急電源変圧器が記載されている。
先に発表された北陸電力の資料7、資料2には記載がない。

その後の北陸電力の資料には、赤住線 2号機への電路が書かれている

赤住線の補修作業のため若葉変電所及び風力発電所の遮断器を開路
受電が志賀原子力線だけになるので1号機仮設ケーブルで受電




500㎸母線から引き出さて500㎸降圧6.9㎸の非常用母線につながる電路が無いように見える



 赤住線66㎸1回線に新しい受電設備(2号機用予備電源)が完成しているようだが受電用の鉄構と送電線が繋がっていないように見える。原子力規制庁の1/10発表では繋がっている


 3つの変圧器が油漏れで運用を停止しています。(但しその内1つは発電機励磁用変圧器なので現在は運用していません)本来なら運転中の電力を送り出す志賀中能登線500㎸が2号主変の油漏れで受電不能となっております。

 但し志賀原子力線275㎸から2号予備変圧器及び1号所内変圧器からの受電が可能な状況となっており、更に高圧電源車2台が1,2号の所内電源6.9kV(6.6㎸)をバックアップ、また大容量電源車2台が同様にバックアップを行える体制が取られています。
 更に1号原子炉には赤住線66㎸が予備電源としてつながっている状況です。また非常用発電機も1,2号系統に繋がっており多重保護されています。

 志賀中能登線500㎸(H201)2回線は 志賀原子力線275㎸(H102)2回線とともに中能登変電所500㎸から送出(現時点で原子力発電所停止状態なので)されており中能登変電所は、更に関西電力系、中部電力系と連携されています。

 赤住線66㎸(I105)1回線は若葉台変電所から分岐している赤住線N0.10鉄塔から分岐している志賀原子力発電所受電専用線です。若葉台変電所の上位変電所は、能登部変電所経由、新能登変電所(154㎸降圧66㎸)に繋がっております。新能登変電所の上位変電所は、中能登変電所で中能登新能登線154㎸(H039)2回線でつながっております。

 つまり基幹変電所の中能登変電所全停電(500㎸、275㎸受送電 降圧154㎸)が落ちた場合は、志賀原子力発電所は、新能登変電所からの赤住線66㎸(I105)のみの受電となります。

 新能登変電所は富山側から新能登線154㎸2回線で富山新港火力発電所及び富山火力発電所から受電されます。

 但し今回の地震で富山も震度5+となっており富山新港発電所(石炭、25万kW×2)の1号・2号の出力が50万kWから30万kWへ低下してますが、30万kWの運転を継続中。
 
 地震で中能登変電所全停電、富山新港火力発電所・富山火力発電所及び七尾大田火力発電所が解列した際は、非常用発電機、高圧電源車、大容量電源車の出番となります。

原子力規制庁 1/10 発表資料から引用

赤住線66㎸1回線 補修完了


原子力発電所の外部電源の信頼性確保に関する報告について H23年(2011)5月16日
に記載がある500㎸母線から6.9㎸降圧変圧器のの電路はまだ2023年時点では完成してないと見た方がよろしい。
 完成していれば、志賀中能登線500㎸1号線の送電線碍子補修を行えば受電可能となっていた。2号線は中能登変電所の受送電端のブッシング破損なので補修には時間が掛かる。

原子力規制庁 1/10 発表資料から引用


北陸電力 中能登変電所 別情報 転載禁止なのでリンクのみ

基幹変電所 中能登変電所
 志賀中能登線 H201 500㎸×2回線は受送電停止中(原因 志賀原子力発電所2号主変の油漏れ)
 今回の地震で北陸電力管内の七尾大田火力発電所(石炭、1号50万kW・2号70万kW)では、稼働中であった1号・2号が停止。275㎸×2回線が解列状態。(右上の赤の回線)
 
 受電は能登幹線、能越幹線各500㎸×2回線のみから受電中。そこから志賀原子力線275㎸×2回線を経由して志賀原子力発電所は受電。

 また、ここで降圧された154㎸2回線が途中 新能登変電所(154㎸降圧66㎸)、能登部変電所を経由して若葉台変電所66㎸へ送電して志賀原子力発電所は受電。新能登変電所は新能登線154㎸2回線でも富山系と連携している。
 
50万ボルト志賀中能登線の運用開始について 引用不可となっていない
 加賀変電所に繋がる富山新港発電所(石炭、25万kW×2)の1号・2号の出力が50万kWから30万kWへ低下していますが、30万kWの運転を継続中。275㎸×2回線で加賀変電所へ送電中

志賀原子力発電所における安全対策について 岐阜県資料

 新たなルート開設には2年程度の時間が必要となっている。つまり2013年には完成しているはず。しかし2023年時点では赤住線のルートしか確保されてなかった。

 500㎸母線から1号機非常母線(6.9㎸)受電へは2023年時点で未着手、赤住線では直接鉄塔から分岐して2号機非常母線(6.9㎸)受電へは2023年時点で完成している。


北陸電力 154㎸以上の系統図 図の転載禁止なのでリンクのみ 
志賀中能登線500㎸(H201)2回線、 志賀原子力線275㎸(H102)2回線が記載

北陸電力 154㎸以上の送電線名 図の転載禁止なのでリンクのみ
H201及びH102については名称省略 しかし志賀原子力発電所に繋がっていることは自明

北陸電力 154㎸未満の系統図 図の転載禁止なのでリンクのみ
赤住線66㎸(I105)1回線

北陸電力 154㎸未満の送電線名 図の転載禁止なのでリンクのみ
I105については名称省略 しかし志賀原子力発電所に繋がっていることは自明
ほかにI107があるが66㎸ 2回線(NTN 能登製作所受電)なので除く。I104については赤住線(~#10)となるのでのNo.10鉄塔までは配電用変電所に繋がっている。その後I105で志賀原子力所の繋がる。

 赤住線66㎸1回線I104は、このNo.10鉄塔までで1回線分岐 福浦風力発電所からの電源が繋がる。ここから先はI105 1回線で志賀原子力発電所へ繋がる


北陸電力 若葉台変電所(配電用変電所) 
左上がI107 66㎸ 2回線(NTN 能登製作所受電)
赤住線 右下がI104のNo10鉄塔まで,それ以降はI105で志賀原子力発電所へ
右上がI103若葉台線66㎸2回線(上位変電所からの受電端)

志賀原子力発電所 500㎸、275㎸送電端(現在は受電端として機能)66㎸は常時受電端
赤が志賀中能登線500㎸(H201)2回線 2号機送電用
オレンジが赤住線66㎸ 1回線 I104のNo10鉄塔まで,以降はI105で志賀原子力発電所へ
黄色が志賀原子力線275㎸(H102)2回線 1号機送電用

引用 平成19年時の地震
 先の能登半島地震でも志賀原子力発電所の1号、2号変圧器が地震の揺れにより変圧器内の絶縁油の油面が変動したため、放圧装置が動作しました。今後、放圧装置を新品と取り替えます。引用終わり と同じような事案が発生しているのが気になる。但し今回の1号、2号変圧器と同じとは限らない


 この報告書を読むと主変1号、2号の放圧装置が作動している。今回の地震では主変2号の放圧装置が作動している。

 この放圧装置の放圧板 日本軽金属製だが過去に検査記録の偽造で試験を省略したことが判明、原子力規制庁からの改善命令と指導が入っていた。