田町湧水管理場(グーグルマップでは田町排水処理場と表示)
アプローチ:田町駅
機能:横須賀線・総武線快速の東京トンネルの湧水は、以前は簡単な処理を行い湧水として河川に放流していたが湧水の水質悪化に伴い、東京都の下水水質基準に適合しなくなり処理法の改善を行い放流する方法に変わった。芝浦変電所(芝浦立坑)に設置されている処理装置と田町湧水管理場(田町立坑経由)に設置されている処理装置が該当する。
機能:横須賀線・総武線快速の東京トンネルの湧水は、以前は簡単な処理を行い湧水として河川に放流していたが湧水の水質悪化に伴い、東京都の下水水質基準に適合しなくなり処理法の改善を行い放流する方法に変わった。芝浦変電所(芝浦立坑)に設置されている処理装置と田町湧水管理場(田町立坑経由)に設置されている処理装置が該当する。
田町湧水管理場は、田町立坑から汲み上げた湧水を化学処理して凝集沈殿させている。化学処理法は、化学的酸化法といわれているが、脱水素酵素を利用した生化学的方法で行なわれているのが特色である。その方法とは、酵素反応によって生じた活性酸素により、炭素、窒素を酸化すると言うにわかに信じがたい方法であるが、実際行なわれていると参考文献には、書かれている。
化学的酸化法のあとは、通常の凝集剤を添加して、沈殿槽でSS、BOD成分を沈殿させて上澄を、UV照射して滅菌して放流している。沈殿槽で出た汚泥は、芝浦湧水管理場から運ばれてきた汚泥と混合され貯留される。その後 遠心分離式の濃縮法で固形物と排液に分離され排液は、また沈殿槽にもどり、固形物は、産業廃棄物として外部に搬出されている。
田町湧水管理場は、このように芝浦湧水管理場から出た汚泥も処理する場所となっている。田町湧水管理場で処理する湧水は約1,200㎥/日であり、放流先は新芝運河である。田町湧水管理場の受持ち範囲は、品川口から田町立坑までとなっている。ちなみに東京駅から田町立坑までの範囲は、芝浦湧水処理場が受け持っており約3,000㎥/日であり、放流先は新芝運河である。芝浦湧水処理場からの湧水は、田町までは送られていない。芝浦で発生した汚泥だけが運ばれて処理されている。両国口から東京駅までの湧水は、馬喰町駅排水所・馬喰町駅中継ポンプ経由東京駅の銭瓶排水所に集まられてトンネル内を通過し品川駅を経由 大井町駅先の立会川までダクタイル配管で送水されている。馬喰町排水所からは一部都下水に120㎥/日、東京駅銭瓶排水所からは一部都下水に20㎥/日放流されている。立会川への放流量は約5,000㎥/日にもなる。
JRの人孔 田町排煙所が送られてきている 同時に地中ケーブルも敷設されており向かいの田町変電所に繋がる 穴なしと穴付人孔の蓋 |
この場所の湧水管理場は、田町排煙所からのトンネル内湧水を化学的処理法で 処理し、最終的にUV照射を行い殺菌して大腸菌を減らし河川に放流している。 同様な処理施設は、芝浦変電所に併設されており、こちらは単独で新芝運河に放流 している。この田町湧水管理所とは繋がっていない。 |
沈殿槽の処理水 |
ブルーシート部が原水貯留槽 奥が沈殿槽 |
奥のブルーシートは原水貯留槽 |
沈殿槽 かなり大きい |
汚泥貯留ホッパー エアーハンマーショッカーが付いている。 |
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湧水は、最終的に流水紫外線殺菌装置でUV照射されて殺菌される。
排水口
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秋山淳志ら:総武トンネル漏水活用に伴う送水設備新設工事
日本鉄道施設協会誌;2002,Vol.40,No12,pp.947-949
小池靖人ら:田町排水処理装置の改善
RollingStock & Machinery;2013,Vol.21,No.1,pp.54-58
島田昭道ら:田町排水処理装置の改善
鉄道サイバネ・シンポジュウム論文集(CD-ROM);2013,50th,論文番号150,pp.1-5