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2017年12月3日

671. JR東日本 羽前千歳変電所 BT・ATき電 奥羽本線(山形線)仙山線

羽前千歳変電所

グーグルマップで表示名がでる
アプローチ:羽前千歳駅 容易
奥羽本線(山形線)と仙山線(狭軌)の平面クロスが見られる
ATおよびBTとも20kV
SCR形の電圧補償装置がある。(SVC) 
複電圧スコット結線変圧器 T座並列接続20kV M座直列接続40kV ブッシングの大きさが違う
複雑な き電経路が形成されている。(仙台側と山形側の座を交換したため変電所内で交差している)
直列コンデンサ(ATき電線用)が大型キュービクル形(AT用)
変電所第一ATが変電所外に設置されている。(秋田変電所 大曲方、青森西変電所 青森車両センター方と同じ構成)

BT側の直列コンデンサが仙台側と山形側で別にNF側に入っている。
羽前千歳変電所 機器構成



JR千歳線 東北電力66kV 2回線受電
交流電化当初のき電系統図 下段右 羽前千歳変電所結線図
新庄側 M座 山形側M座 仙台側T座
このき電系統図は、新在負荷が山形までであったときのき電系統図。現在は新庄まで延伸されている。


66kV  2回線受電入口断路器2か所を母線化遮断器1個で済ます
奥にオレンジキャップMOF GPTも見える

左 複電圧スコット結線変圧器 放熱器 一次側

鹿児島本線 八代変電所 例示 複電圧スコット結線変圧器 最初の複電圧スコット結線変圧器
鹿児島本線 八代変電所 例示 複電圧スコット結線変圧器
ATは省略

鹿児島本線 八代変電所 例示 複電圧スコット結線変圧器 地図を埋め込むと世界地図が表示されてしまうのでリンクを記すhttps://maps.app.goo.gl/Ecn9fwAdAY5ytubw5

複電圧スコット結線変圧器 本体 一次側 左 断路器所内母線より
複電圧スコット結線変圧器 右 二次側ケーブルヘッド BT20kV対応 AT40kV対応線間電圧

まん中 複電圧スコット結線変圧器
20kV BTき電 ケーブルヘッド 左 40kV耐圧直列コンデンサ(ATき電線用)


 40kV耐圧AT用直列コンデンサ(保護器付属)
AT用40kV対応 SVC(無効電力補償装置)群 ケーブルヘッド接続
ケーブルヘッドの始点は、奥羽本線ATき電引き出し部から
AFとTF 40kV側
SVC装置について

羽前千歳変電所に設置された無効電力補償装置の方式 サイリスタ方式



左 高インピーダンス変圧器 隣 コンデンサ 右サイリスタスイッチ群 SVC装置 全景



拡大 サイリスタスイッチ盤


BT側 力率改善用 コンデンサ・リアクトル・放電コイル類  仙台系統

複電圧スコット結線変圧器からのケーブル立ち上がり 
左BT用20kV 右AT用40kV AT側は、ここで2分割 き電用と降圧用に分かれる
降圧用は、建屋を越え道路側の40kV降圧20kV単巻変圧器に繋がる
もう片方は、右へのび40kV側力率改善装置を経て奥羽本線新庄方へ繋がる


左 AT用40kV耐圧 40kV降圧20kV 単相変圧器に繋がる BT山形側き電
右 BT用20kV耐圧対応 BT側直列コンデンサへ 碍子形状が違う BT仙台側き電
BTき電 引き出し部 左 仙山線T座 右 奥羽本線(山形線) 山形側
き電用避雷器 VT、遮断器で構成

BTき電 右 トロリ線に繋がる 
左は、引き出され 左方に延び仙山線 デッドセクション後仙台側につながる


架線死区間予告標識

仙山線側 デッドセクション BTき電 仙台側へのき電線がトロリ線に繋がる

仙山線側 デッドセクション後にき電線がつながる

力行標


ATからBTの生成
現在の構成
奥 AFおよびTFの40㎸が、右 単相変圧器で20kVに降圧される 現在の形
この形は、盛岡変電所、青森変電所、青森西変電所(調査済)で見られる形である

TFは変流器に経て40kV降圧20kV単相変圧器に繋がる
AFは、直接単相変圧器に繋がる
この構成は、盛岡変電所の二枚橋方き電の降圧パターンと同じである

40kV降圧20kV 降圧変圧器 二次側
二次側のNFに該当する部分は、さらに直列コンデンサを経る

降圧変圧器NF側 コンデンサ投入を断路器で切替
断路器の下にコンデンサ
複雑なNF側の処理


奥 ATき電用 き電用避雷器 GP装置、VT、き電用遮断器の順
手前 BT用直列コンデンサ 入力は複電圧スコット結線変圧器 二次側
出力は、降圧変圧器NF側と統合される 中心電柱左側で結線

TSC型架線電圧補償装置に繋がるケーブルヘッドが見える


ATき電線 引き出し この部分は、ケーブルヘッドでTSCに繋がる
向きを変える


BT・AT 区分用デッドセクション 奥側AT区間 手前BT区間
ATき電線AFとトロリフィダー線TFが通過する

デッドセクション部 奥AT側 手前BT側 20kV

変電所からのTF(トロリフィーダー線)がトロリ線に繋がる 奥BT区間 手前AT区間
AFき電線は通過

デッドセクション 新庄側 200mの位置にATがある 変電所第一ATとして機能
このようにTFき電線がトロリ線に落ちた後、単巻変圧器に繋がる例は
秋田変電所の大曲方で見られる

羽前千歳変電所 第一ATとして機能
羽前千歳変電所脱落時は、末端ATとして機能
このようにATが離れた位置にあるのは、秋田変電所、青森西変電所で見られる

おまけ 
狭軌 広軌 平面クロス



加圧ビームは黄色着色 狭軌・広軌 同一BTき電

参考文献
荒井 仁ら;福米線の交流電化:JREA,Vol.11,No.9,pp35-42,1968
鳩巣 哲昭;電力設備と工事の概要:鉄道と電気技術,Vol.3,No.7,pp.9-13,1992
三浦 梓 ;技術雑感 交流き電システムのあゆみ(第7話)福米線の交流化とATき電方式
      の開発:鉄道と電気技術,Vol.17,No.8,pp.41-44,2006
渡辺 信行;静止型無効電力補償装置(SVC)の有効性について:電気学会研究会資料,LD-16-58,TER-16-15,pp.73-78,2016