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2018年10月19日

841. JR東日本 国分寺変電所 再訪 き電の工夫とOFAケーブル交換作業(国分寺駅周辺)

国分寺変電所 再訪 き電の工夫


グーグルマップで表示名がでる
アプローチ:国分寺駅 結界が張られていて近づけない
中央線にき電
武蔵境交流変電所より22kV 2回線で受電


国分寺変電所 全景

正面向かって右 立川方き電系

正面向かって左 武蔵境き電系

帰線部分

立川方き電線がインテグレート架線のき電線につながる
左側に引き出されているのが武蔵境方 下りき電線 エアーセクションまで専用き電線

右側に引き出されているのが武蔵境方 上りき電線 エアーセクションまで専用き電線

武蔵境方 下りき電区分エアーセクション 上部に専用き電線 奥 国分寺駅

武蔵境方 下りき電区分エアーセクション 上部に専用き電線
区分標識
専用き電線が 武蔵境方 下り インテグレート架線のき電線につながる 左 国分寺駅


 国分寺変電所の記事は、薄暮のときの画像だったので新たに取材を行ったところ二,三の新しい知見を得たので合わせて記事にする。

国分寺変電所は過去に記事にした。
21.  JR東日本 国分寺変電所(直流)ブログリンク

1.き電線の細工
 国分寺変電所のき電線の出し方は、インテグレート架線での通常の出し方であるが、武蔵境変電所方にエアーセクションがあるので、そこまで専用のき電線で延長してある。この延長は、駅 近傍に変電所が位置するためエアーセクション内停車を避けるための措置である。同様な例として、飯田町、四谷、信濃町変電所のなどでも見られる。 国分寺駅の武蔵境方には、折り返しのWクロスのポイントが設備されており、この折り返しを機能させるためき電線に細工がされている。

 立川方に動力式断路器が上下線のインテグレート架線を分断する形で設備されており、き電停止が可能な構造となっている。トロリ線は、エアーセクションで分離されているが、表示は簡単な区分表示があるのみである。これは折り返しを行っている場合、列車がこの部分に進入しないため簡単な表示で済ませている。

中央線上り線のインテグレート架線 き電線部分からケーブルがつながる

別角度 中央線 上り線のインテグレート架線 き電線部分にケーブルがつながる

先ほどのケーブルが動力式断路器を経て中央線上り線につながる この部分でき電区分を行う
下り線側 インテグレート架線 き電線部分にケーブルがつながる

別角度
先ほどのケーブルが動力式断路器を経て中央線上り線につながる この部分でき電区分を行う
下り線側 インテグレート架線 き電線部分にケーブルがつながる
 

下り線のインテグレート架線き電線からのケーブルが
動力式断路器を経て下り線のインテグレート架線 き電線部分につながる

上り線 エアーセクション形成 区分標識
通常のエアーセクションに見られる標識の羅列は、見られない



上り線側 エアーセクション 奥と手前にき電線がつながる

下り線側 エアーセクション 置くと手前にき電線がつながる
区分標識があるが通常のエアーセクションにみられるような標識の羅列は無い
この折り返し線を有効に使うため 立川変電所が脱落しても
国分寺駅 ホームは、国分寺変電所からの限定き電で生きる


2.国分寺変電所 66kV化は行うのか 

それは否であろう 66㎸化された
 国分寺変電所は、資料によると武蔵境交流変電所からの22kV2回線受電である
この沿線上 武蔵境変電所から立川変電所間は、66kV 2回線 境-立川線1号と武蔵境-西国線2号の経路が通っている。このうち境-立川線1号は、OFAケーブルなので現在CVTケーブルへの交換作業が行われているが、この武蔵境-立川線1号は、国分寺変電所をスルーしているようだ。理由は、国分寺駅の両端でCVTケーブルの接続作業が行われており国分寺変電所への分岐が見つからないためである。

828. JR東日本 66kV 境・立川1号線 OFAケーブル交換 作業  ブログリンク


国分寺駅 西国側にあるケーブル接続部トラフ

境-立川線2号

境-立川線 1号OFAケーブル(油浸) SJ2 SJ2とは油槽の番号を示す OFAケーブルと油槽の接続点

OFAケーブル用 油槽 国分寺駅 西国方 現在 撤去されている



武蔵境~立川 1号線
66kVOFケーブル用 SJ2油槽所と読める
Y字分岐
左 新しく敷設された境-立川線1号CVT-ケーブルトラフ 上部に赤い表示で
右 旧境-立川線1号と境-西国線2号の旧ルート

境-立川線1号 新しく敷設されたCVTケーブル かなり太い 西国側

境-立川線1号 新しく敷設されたCVTケーブル かなり太い 西国側

国分寺変電所側を新しく作られたトラフで横断

 たぶんこの部分が、境-立川線1号の境方CVTケーブルとOFAケーブルの接続点となっている場所
 境方は、高架工事の際にすでにCVTケーブル化されたが国分寺-西国間は旧OFAケーブルのまま放置された。今回この部分をCVT化する

境方 CVTケーブル末端 先の西国方ケーブル末端と1本のCVTケーブルを形成
別の場所のCVTケーブル接続点 テント内作業 電圧が低いため簡易テント
275㎸ケーブルの接続は、無塵テントでHEPAフィルターで無塵空気を導入しながら接続を行う

CVTケーブル接続準備作業

テント内接続作業の終了 CVTケーブルが西国側とつながる

 またこの境-立川線1号のOFAからCVTへの交換は、線径が、太いので将来 境-八王子変電所間の架空送電線を廃止し、現在日野変電所まで伸びている線路脇の66kV 2回線を日野から八王子まで延伸する際の布石だろう。

 現在22kV受電の池袋変電所は66kV受電に切り替える工事を行っており、また建て直しを行っている。すでに、渋谷、目黒変電所は66kV化済み、22kV受電は、山手線沿線では巣鴨、品川、中央線では、吉祥寺(現在66㎸化された)東中野、高円寺が該当する。

 品川変電所は、狭隘な場所にあり、複雑なき電線の取り回しがある。次に建て直すとしたら品川変電所を大井の車両センター内に作るのではないかと思う。あとは戦前の建物である新橋が建て直しの候補に挙がるであろう。戦前の変電所であった飯田町、池袋、新宿、東中野が無くなり、あと残すは、新橋が老朽化対応となる。

火災事故を以前起こしている。

JR東日本 国分寺変電所の火災原因と対策について リンクPdf

国土交通省 行政指導東日本旅客鉄道株式会社で発生した電気火災事故について リンクPdf

 国土交通省の行政指導のほうが内容が濃い。同様な高速度遮断器からの漏電で火災が起きた例が、鍛冶橋変電所火災で発生しており、この時も通信機器室への漏れ電流で機器の焼損がおこっている。地絡事故の防止にため最近では、直流高速度遮断器を真空遮断器タイプにしたり、遮断器自体を収める建屋をアルミパッケージユニットに替えて接地事故に対応している。






参考文献
図3に国分寺変電所と明記
東京消防庁調査課;鉄道変電所から出火しライフラインに影響を及ぼした火災;火災;2009,Vol.59,No.6,pp60-63