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2018年11月26日

845. 立山黒部アルペンルート 送電線経路についての一考察(全面誤記訂正)

         立山黒部アルペンルート 送電線経路についての一考察

過去に立山黒部アルペンルートの変電・き電について2回ほど記事にした。
 
 
  
 今般 新しく情報を仕入れて、さらなる考察の強化を図ることにした。
以下は、中部電力の系統空容量マッピングにある「送電線、変電所の運用容量など」の引用データである。
154kV以下系統の運用容量等(長野県)[PDF:1,058KB] pdf注意
のデータを示す。

中電資料から引用
このデータの大町付近のデータを抜き出す

中電資料から引用 拡大

 変電所番号5142の北大町変電所と扇沢付近に 凡例から察すると変電所もしくは開閉所があることになる。送電線末端に開閉所があることは、ままないので扇沢に変電所があることになる。
さらに扇沢の先には、他社の変電所もしくは開閉所があることが判る。

以下の情報が判明 北大町変電所は内部で2つの変電所に分かれている
周辺配電77㎸降圧6.6㎸  配変用変電所5142
扇沢変電所に送る降圧77㎸降圧22㎸ 降圧変電所5031

扇沢にある変電所が扇沢変電所 変電所番号5267 22㎸降圧6.6kV 設備容量 不記載
送出しの北大町変電所 変電所番号5031 77㎸降圧22㎸ 設備容量5MW
北大町変電所から扇沢変電所までの送電線名 
北大町扇沢線 送電線番号57250 設備容量8MW

扇沢を上空からグーグルマップで俯瞰した画像を示す。
どうやらこの中心の建屋が怪しい

拡大してみると扇沢変電塔の文字(potaro67 さんからの投稿画像)

さらに扇沢出合で地中ケーブル化された送電線がこの建屋に引き込まれさらに駅舎に向かうようである 。ターミナルに向かって人孔がある。

長方形の白い標識のようなものが変電塔に引き込まれ又出ていく
これは以下の高圧送電ケーブル埋設標にようだ。

扇沢出合にあるケーブルヘッドからの地中送電線 埋設標


ここで中部電力の送配電線について調査

配電線路設備形成指針より
以下抜粋
20kV級配電線路設備とは
22、33kVの配電線路設備の総称をいう。

送変電設備整備計画指針より
配電部門が掌握する22,33kV設備は除く

中部電力の二次変電所の定義
二次電圧が22kV以上44kV以下の変電所を言う
77kVからの降圧は 77/44kV、77/33kV、77/22kVの3種22kV、33kVは多数の運用があるが44kVは、西山貫線(静岡)のみである。

変電塔の脇にある管轄表には発変電課長の名前が見える
ということは、この施設は送変電設備管轄の配電線を除く22or33kVの施設と言うことになる。

1-1 154kV以下系統送電線及び変電所番号図(北部方面)
によると長野県北部は、154kV、77kV、33kV送電線があるが北大町変電所が繋がる送電線は送電線番号5146北城大町線、5148北大町分岐線、5156北松本大町線の77kV 2回線のみ。

 また変電所番号5142北大町変電所は公称77kV/6.6kVの配電用変電所の役割を持つ。
つまり北大町変電所から出ている扇沢までの送電線については22及び33kVの表示が無い施設特有の送電線であると言う事である。

運用容量図の留意事項として
社会的に影響を与えることが懸念される重要施設への供給系統に関する情報や、電力供給契約が特定できるような第三者情報などについては公開しておりませんとあるが、扇沢に向かう送電線は、公開されている。

扇沢に送られている送電線については、過去の経緯から当初から22kVであった。

 北大町変電所の扇沢方の送電線の送出は、3台の変圧器が繋がる変則的な構造である。
碍子の襞の数が微妙に違う
単相変圧器3台を接続し6.6kVから22kVに昇圧 黒部アルペンルートの送電施設は、さらにフェンスで区切られている

変圧器の平行運転と台数制御について  社団法人日本電気技術者協会 リンク
 

 当初は77kV降圧6.6㎸の配電用変電所であったため6.6㎸昇圧(単相変圧器3台での運転)22kVでの送出で行っている。
 扇沢に中部電力の変電塔が設けられたのは、扇沢周辺の施設が増えたためとトロリーバス用の変電所が6.6㎸受電であったため22㎸降圧6.6㎸の変電塔を設けている。

 中部電力の送電線及び配電線の運用規程には、配電塔の記載があるが変電塔の記載は無い。中部電力管内では2017年のデータだが10箇所の配電塔があることになっている。

中部電力における配電塔の設備は
20kV級配電線路設備のうち20kV級/6.6kV主変圧器、一次遮断器、二次遮断器、各種保護装置の総称と定義されている。配電塔の変圧器容量および台数は、容量 6,000kVA、台数1が標準的な構成である。
 
 中部電力の系統図には、扇沢に変電所・開閉所があるような書き方である。残念ながら扇沢の変電塔には、変電所番号が記載されていない。

以上が考察のすべてである。

 おりしも黒部上部軌道が2024年ごろ観光資源として開放される予定である。
この観光資源化には、電力も重要な役割を持つので、上部軌道開放の際は、関電の黒四電源が引き込まれる可能性が高い

黒部ルート見学会の一般開放・旅行商品化プロジェクトについて  富山県 pdf注意

富山県と関電、黒部ダムと黒部峡谷を結ぶ「黒部ルート」の一般開放に合意。旅行商品化に向け協定締結 記事リンク

さて来年4月まで扇沢は閉ざされる。なぞの解明は、来年までお預け