立山黒部アルペンルート大町⇔室堂間の送電系統
891. 立山黒部アルペンルートの電気設備 全面改訂 電気バス 関電トンネル導入 ブログリンク
845. 立山黒部アルペンルート 送電線経路についての一考察 ブログリンク
785. アルペンルート 温故知新 ブログリンク
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845. 立山黒部アルペンルート 送電線経路についての一考察 ブログリンク
785. アルペンルート 温故知新 ブログリンク
黒部ダムがあるので、通称黒四の発電所から供給されていると思う人もいるだろう、もしくは富山側から供給されていると思う人もいるだろう。実は、信濃大町にある中部電力 北大町変電所から供給されている。
このリンクの情報は一部古い。以前、電話は、ホテル立山にあったマイクロウエーブ回線で富山と繋がっていたが、現在は、アルペンルート道路下を地中ケーブルで富山側から光ケーブルで接続されている。道路にNTTの人孔がある。(陀ヶ原から延伸)また室堂内も各観光施設には、光ケーブルが張り巡らさられている。以前は、剣御前では携帯の電波が入らなかったが回線が強化されたため電波が入るようになった。
大観峰にあるソフトバンク 携帯基地局 |
ホテル立山にある室堂ライブカメラとマイクロウェーブ回線アンテナ |
室堂 某宿泊施設にあるauリピーター |
ホテル立山にある携基地局 |
受電 北大町変電所から扇沢まで22kVでの供給
給電 関電トロリーバス、扇沢建物、ダムサイト観光施設、ケーブルカー、黒部平観光施設、ロープウエイ、大観峰、アルペンルートトロリーバス、室堂観光施設(ホテル立山)室堂周辺の宿泊施設(室堂山荘、雷鳥荘、みくりが池温泉、雷鳥沢ヒュッテ、ロッジ立山連峰)(追記 最近室堂から天狗平山荘まで地下ケーブルが敷設された。)
ダム本体施設は、関電の黒四発電所からの所内電源
供給電力量による電圧の推定
2,000kW以上~10,000kW未満=22kVまたは33kVと一般に言われているので、アルペンルート全体では10,000kW未満と考えられる。しかしながら室堂の観光施設では、慢性的な電力供給不足が前から議論されている。費用の負担問題で、不足分は自家発で賄っている。
黒部ダム建設のため扇沢には、送電線で工事用の電力が供給されていた。その供給元が北大町変電所であった。その後、その送電線は、アルペンルートへの送電に使われている。
以前からアルペンルートへの送電は22kVで行われていた。また故障時の早期対応のため送電線に沿って新しく、光警報ケーブルが敷設されている。このケーブルは途中で電話線と接続されている。
以前からアルペンルートへの送電は22kVで行われていた。また故障時の早期対応のため送電線に沿って新しく、光警報ケーブルが敷設されている。このケーブルは途中で電話線と接続されている。
北大町変電所のアルペンルートへの送電設備をみると単相の変圧器3台が三相の接続で利用されている。変圧器に供給される電源は6.6kV。出力は22kVとみて間違いないだろう。中部電力の供給電圧は22kV。場所によって33kV、次が77kVである。単相変圧器3台への供給電圧が6.6㎸とは!! 碍子は22㎸系を使っている。
77kVを22kV および6.6kVに降圧 |
昇圧された22kVは断路器を通り油入り遮断器を経て断路器を通り、避雷器に接続されて送電線に送出される。真中の太い碍管の装置は、VTであろう(故障点評定用) |
右に出ている3本が、アルペンルート送電線22kV |
扇沢駅に伸びる22kV送電線 架空地線が無い |
アルペンルート室堂までの送電は、中部電力が供給し関西電力の施設を経由北陸電力が管理する複雑な形態をとっている。室堂への電力供給は、1回線しかなく、そのためトロリーバス路線の増設に対して北大町変電所⇔扇沢間の22kV送電線を太線化し電力量としては1.5倍送れるようにしたのだろう。
黒部ダムサイトから黒部平の送電線をみると絶縁体の状況が22kV用のようだし、ケーブルヘッドの形状も22kVのままなので、北大町変電所からの送電線が、そのまま黒部平への22kVへの変電所が設けられていると考える。
送電線が地下に潜る爺ヶ岳登山道 扇沢出合
右の箱は、警報用の光ケーブルが配線されている箱。ケーブルが光仕様で光クロージャーがある。高級な電流差動方式の光PCM装置か?1回線だけの重要送電線なのでそれくらいは、装備するだろう |
アークホーン付長幹碍子と避雷器 |
アレスターに繋がる磁鋼片(被雷の強度を測る) |
ZCTが送電ケーブルに噛まされている。左の箱は、地絡事故等が発生した場合の警報機器(光PCM方式)が入る |
ここからケーブルは地下に潜る。中部電力の人孔がある。 |
扇沢名物 黒部ダムカレー ご飯がダムの形 |
扇沢駅から送出される直流600V(±300V)直流き電線・黄色の保護管で絶縁(扇沢駅に直流変電所がある) 扇沢駅 乗車
トロリ線に太いき電線が接続
拡大 扇沢変電所(直流)からのき電線がつながる
駅舎出口で剛体架線化 き電線から剛体架線に分岐線がつながる
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トロリ線とは別にき電線は、配線されている |
トンネルに向かう直流600V(±300V)直流き電線 |
電圧計 左より26V車上装置用電圧、105V補助バッテリー充電電圧、650V架線電圧、運転席には速度計、電流計、空気圧計が設置されている。 |
トンネル駅部は剛体架線 |
黒部湖駅トロリ線の上にき電線(ここまで伸びていることを考える、と黒部湖駅にも直流変電所がある) |
トロリーバス交換所 |
大町トンネル 車両交換所(退避所) き電線が伸びている。右側の太いケーブルは22kV 送電線 |
関電トンネル 左に22kV送電線 |
正面 赤沢横坑 左側 太いき電線 |
左側の太いケーブルはき電線 赤沢横坑部分にトロリーバスの黒部側変電所がある |
駅部を外れるとトロリ線 |
関西電力リリース 2017/8/28
どうやらJR東日本のAccum方式のバスを導入するようだ 以下関電Webから引用
当社は、昭和39年8月1日より、関電トンネルにおいてトロリーバス事業を行ってまいりましたが、平成31年4月の営業開始以降は、トロリーバス全車両15台を電気バスに変更することとし、本日、これに伴う関電トンネルトロリーバス事業にかかる鉄道事業廃止の届出を北陸信越運輸局に行いました。引用終わり
トロリーバスは、普通のバスと同じように「大型二種免許」が必要とともに、更に電車として運行しているため、「動力車操縦者運転免許証」という免許証があり、これを取得しなければ運転できない。電気バスにすれば、この縛りが解ける。またリチウムイオン電池は、東芝開発の「電気自動車用SCiBモジュール」を使用すれば危険性は、少なくなる。
関電トロリーバスと電気バスの仕様 pdf 注意 関電資料
関電資料pdfからの転載 |
関電の車載パンタグラフの画像は、この画像を反転したものらしい Schunk社 Web引用 |
充電中の画像 Schunk社 Web引用 |
車体側に充電コネクタを持ってくる例 Schunk社 Web引用 |
Schunk社 Web引用 |
Schunk社 Web引用 |
Schunk Smart Charging パンフレット pdf注意Schunk社 Web引用
以下引用
東芝は、短い停車時間を挟んで連続運行を行える電気(EV)バスを開発。車載用蓄電池および充電システムに二次電池SCiB™を用い、スムーズかつ短時間での充電を推進します。定時性や高密度の配車スケジュールにも対応する環境にやさしいEVバスシステムです。引用終わり
どうやら関電が導入する電気バスは、東芝が電気関係を受注するようだ。(現在のトロリーバスも電装は東芝が担当)
NEDOと東芝がマレーシアに導入する電気バスがタイムリーに同様な充電系を積み込む
NEDOと東芝がマレーシアに導入する電気バスがタイムリーに同様な充電系を積み込む
扇沢から送られてきた22kV送電ケーブルが、ケーブル引出し点に向かう |
下の廊下方面出口 |
出口から見上げると先ほどのケーブルが立上り送電線に繋がる。
拡大
22kVケーブルヘッドと付随する避雷器
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ダム下流を通過する22kV送電線 架空地線が張られている
尾根上の22㎸送電鉄塔
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左上の太いケーブルは、LCX漏洩同軸ケーブル無線用 |
黒部湖から黒部平までのケーブルカー パンタグラフが付いているが、車上装置用の電力を供給している低圧電力。たぶん100Vか200VACであろう。それを取り込んで整流して使用している。24V 12Vバッテリー2個分 |
黒部平 黒部湖側からみた鉄塔
22㎸受電 黒部平変電所 降圧6.6㎸
黒部湖から黒部平 接続点 架空地線が張られている。ケーブルカー駆動用の動力供給がここで供給される |
ロープウエイは雲海の中 |
大観峰接続点 架空地線が張られている 黒部平変電所からここまでは6.6kV送電(仕様は22㎸対応碍子) |
22kV仕様の送電線の受電点を母線として区分開閉器3台が繋がる。たぶん一番太いケーブルが室堂行で残り2条が、それぞれ、ロープウエイとトロリーバス用の変電所 に接続されている。 |
めったに見られない雲海の黒部湖 正面は赤沢岳方面 |
立山トンネルバス どうやらフロックと言われるターミナルのループ状接続点を越えると極性が逆転するようだ。2015年5月確認
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右の太いケーブル上が 6.6kV送電ケーブル |
立山直下 車両交換所(退避所) き電ケーブルが雷殿から伸びている |
出発信号 赤 閉塞中 |
室堂駅は剛体架線 トロリーバスの性質上 終端はループになっている |
終端はループの先は、フロッグと呼ばれるデッドセクションを通過 |
トンネル入口 右にき電線を経由して高圧カットアウトスイッチと避雷器が繋がる。避雷器は、接地されづ直接き電線につながる。これはトンネルとその周辺が岩盤に囲まれて、高抵抗であるためである。避雷器の上のケーブルは6.6kV送電線
左より駅を通ってきたループ架線が繋がる。フロッグと呼ばれるループ状分岐部 |
6.6kVケーブル接続箇所 |
6.6kVケーブル引き込み箇所 |
6.6kVケーブル引き込み点 古いケーブルの張替えが行われており、切断箇所から三相心線が見えている |
黒部ダムサイトから黒部平の送電線をみると絶縁体の状況が22kV用のようだし、ケーブルヘッドの形状も22kVのまま。大観峰の受電鉄塔には22kV仕様の送電線が接続されている。
大観峰の区分開閉器の形状が6.6kVタイプである。室堂の電力状況が逼迫していることは現状でも同じであり、室堂の各観光施設は、自家発電で凌いでいる。黒部平から室堂までの送電線の22kV化は多大な費用が発生するので見送られているのだろう。
黒部平、大観峰、室堂の狭隘な場所に押し込められた各変電所の機器の入れ替えを 6.6kV供給しながら行うのは、無理である。
大町トンネルに敷設されている22kV地中送電線は、トリプレックスタイプではなく、1本のCVケーブルであるので、1相の事故でもシースが一括なので被害が甚大である。黒四側から扇沢に新たなケーブルが敷設されているので、黒四の電源を扇沢に伸ばす可能性がある。(関電トンネルの電気バスは関電直轄になった。2019年)
トロリーバス
車体設計は関電と東芝。足回りは、三菱自動車工業 車体は大阪車両工業
電源±300V 定格600V(400~700V)VVVFインバーター制御、主電動機
三相かご形誘導電動機120kW AC440V 210A
96Vバッテリーによる短時間補助走行可能
発電ブレーキ装備(回生は行わず抵抗器で消費)
補助電源は制御回路および補助回路用の24Vバッテリーおよびパワステ、補助走行用の96Vバッテリーを充電するDC-DCコンバーター
大町トンネル トロリーバス
扇沢に直流変電所・黒部湖に直流変電所(予備?)。き電線がトロリ線とは別に配線されている。
立山トンネル トロリーバス
今は、出入りできなくなったが雷殿に直流変電所を設置。
雷殿に出入りできなくなった理由は、表向きは雷殿から東一の越の登山道の整備に費用が掛かるとのことであるが、トロリーバス用の変電所の設置場所が、大観峰・室堂とも置ける場所が無く、邪推だが雷殿を潰せば場所の確保ができるためではないか?
6.6kV大観峰からの受電。変圧器 モールド型自冷式840kVA×2台(常用・予備)
沸騰冷却自冷式シリコン整流器750kVA×2台(常用・予備)出力 DC600V 1,250A
常用と予備を持つ2重化対応
年間を通してトンネル内は2~4℃に保たれているので自冷式で対応できるのであろう。
き電点 待避所付近と雷殿変電所付近 絶縁の関係から600V給電だが±300V給電を行い、対地電圧を300Vに抑えている。
参考文献
高井均:いろいろな電気鉄道 立山直下のトロリーバス
鉄道と電気技術;2000,Vol.11,No.2,pp.45-48
駒沢博郎ら:トロリーバス用インバータードライブシステムの開発
平成6年電気学会全国大会講演論文集;1994,8-161