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2019年10月6日

916. 東北巡検その十一 JR東日本 赤渕補助き電区分所(ATき電)

赤渕補助き電区分所
 

アプローチ:赤渕駅 容易 折り返し電車利用
田沢湖線電化当時からの補助き電区分所、新幹線運行時に新幹線電気車からの高調波抑制用のHMCR装置が設備された。

田沢湖線電化の際は、小岩井、大地沢、田沢湖、角館、羽後長野のATPは、無かった。
また、田沢湖変電所も無かった。
田沢湖ATPは、田沢湖SSPであった。
赤渕SSPは、電化当時からSSPであった。

田沢湖線電化当時の変電設備配置

保線基地に囲まれているため遠望


奥 AF側 HMCR装置HMCR装置(高調波共振抑制装置 ・higher harmonic resonance suppressor with CR equipment)
秋田新幹線は1997年当時PWM制御のVVVFインバーター+誘導電動機の新型車両が投入された。この新型車両の高調波は、従来車両より低次高調波が少ないがPWM制御方式のキャリア周波数に基ずく高次高調波が発生する。
 秋田新幹線は、ATき電方式であるため、そして変電所間隔が長いため、電源の誘導リアクタンスと電車線路の容量リアクタンスによる共振周波数が低く、高次高調波電流がき電回路の共振周波数に近く多い場合、共振を起こす恐れがあった。
 そのため長い線区の盛岡-大曲間の特性インピーダンスから赤渕SSPと大曲SPに共振周波数を低次へ移行させるHMCR装置(フィルター)を設けた。

別角度 右 HMCR装置 AF側
奥 コンデンサ、次 抵抗 リアクトルの順



CR装置=HMCR装置
 

抵抗部分 コイル状抵抗器が見える 放熱対策 絶縁架台上に抵抗器が積み重なる
この項 大曲き電区分所の画像



中心にAT(単巻変圧器)があり両端にAF,TFが出力され、負荷断路器に繋がる
エアーセクションを挟んで田沢湖側TFと盛岡側TFがトロリ線に繋がる。
HMCR装置は、ATのAF,TFのブッシングに繋がる
左に見えているのはAF側のHMCR装置
 

AT(単巻変圧器)両端 左右に負荷断路器(AF,TF) 車中より撮影


左 AT(単巻変圧器) 右 TF側HMCR装置C-TF=コンデンサトロリ線側 R-TF=抵抗トロリ線側

AT(単巻変圧器)を挟んでAF,TFの負荷断路器がある
こちら側は、田沢湖方

AT(単巻変圧器)を挟んでAF,TFの負荷断路器がある
こちら側は、盛岡方

ATき電線(AF) TFき電線(TF)の補助き電区分所への出入り
こちらは、盛岡方

右 奥に エアーセクション 右に補助き電区分所

エアーセクション 盛岡方 架線柱にAF(ATき電線)
盛岡方トロリ線にTFが繋がる

エアーセクション 田沢湖方 架線柱にAF(ATき電線)盛岡方TFが通過
 おまけ
赤渕補助き電区分所の側線は、保線基地になっている







参考文献(順不同)
二階堂 彰一ら;秋田新幹線の電気設備工事:電気と工事,Vol.37,No.12,pp.57-65,1996
野村秀成;田沢湖線電化開業について:車両と電気,Vol.34,No.1.pp.15-18
井上一ら;秋田新幹線のき電システム:電気学会産業応用部門大会講演論文集,pp.57-60,1996