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2021年10月6日

1135. 東武鉄道 伊勢崎線 曳舟変電所とその周辺

 曳舟変電所

 
アプローチ:曳舟駅 容易 
受電:不明 多分 地中送電ケーブルによるTEPCO玉の井変電所 からの受電
き電:伊勢崎線浅草方、押上方 押上では地下鉄半蔵門線と電力融通 、Zセクションは浅草方上下線に組み込まれている。亀戸線
変成設備:シリコン整流器4,000kW×2

 現在浅草方は高架工事中なので、架空敷設のき電線はケーブル化されて工事現場を通過し工事に支障がでないようになっている。
 Zセクションの浅草方は上下一括き電で構成されている。通常変電所直下にはエアーセクションがあるが、鐘ヶ淵SS方は、東向島駅を過ぎて、鐘ヶ淵SSのZセクションで初めてき電区分される。つまり曳舟SSから引き出されるき電線 浅草方構内線上下と鐘ヶ淵SS方上下線は、トロリ線を介して同一のき電範囲となっている。

変電所本体とき電線引き出し部



手前 道路側の大きいピットはTEPCO送電線収容
小さいダクトは高配が収容されている
高架下のダクトはき電線収容
一番近いTEPCO変電所は、道路を挟んだ反対側にある玉ノ井変電所
玉ノ井変電所は、66㎸受電6.6㎸配電の配電用変電所なので22㎸降圧変圧器が無いため
必然的に曳舟変電所は玉ノ井変電所の66㎸受電分岐の66㎸受電と思われる。

高架下 シリコン整流器 4,000㎾

シリコン整流器とその後 バスダクトで繋がる整流用変圧器

シリコン整流器は4,000kW 1,500V 2,667A×2

インピーダンスボンド中性点に繋がる帰線

インピーダンスボンド中性点に繋がる帰線

き電線引き出し部

浅草方 専用き電線引き出し部 浅草専用線は1回線(上下一括き電 き電線3条)

浅草方 き電線(構内)上下 き電線2回線 1回線2条

Zセクション上下線 き電線1回線(1条)  亀戸線 1回線(1条)

鐘ヶ淵SS方 き電線 上り線(1条+2条)1回線 下り線1回線(2条)


亀戸線へのき電
一番左 亀戸線き電線1回線(1条)

一番左 亀戸線
インピーダンスボンド中性点に繋がる帰線 亀戸線側

奥 亀戸方 一番左 亀戸線き電線がき電線分岐装置でトロリ線にき電
4番線側は構内線上りでき電 下の画像と組み

奥亀戸方 亀戸方き電線(1条)より分岐
Zセクションき電線(1条)は通過
構内線上り(2条)は、3,4番線にき電線分岐装置でき電
右に少し見えているのは構内線下り 2番線にき電

4番線側(構内線上り)から5番線側(亀戸線)への渡り線上の
セクションインシュレーターと電車線区分標
一番右 亀戸線き電線(1条) 亀戸線へき電
次 Zセクションき電線(1条)は通過
右 構内線上りき電線(2条)は、浅草線上りと半蔵門線B線にき電

4番線側(構内線上りき電)から5番線側(亀戸線き電)への渡り線上の
セクションインシュレーターと電車線区分標

京成線を潜るため一端ケーブル化される亀戸方き電線

亀戸線 上下一括き電のためき電線は1回線(1条)


半蔵門線(伊勢崎線押上支線)へのき電
 一部記事は1135. 東武鉄道 伊勢崎線・半蔵門線乗り入れ部 押上変電所(半蔵門線)伊勢崎線と重複する。
伊勢崎線押上支線のき電線は、別の場所から立ち上がる2条1回線×2

坑口に向かう 2条1回線×2のき電線 

まだこの部分は 構内上下き電線で上下線をき電
2番線と3番線は異電源(上下線別)なので渡り線にセクションインシュレーターがある
曳舟変電所からの東京地下鉄き電線は、右に敷設されている(ケーブル化)


奥 曳舟駅
3番線(伊勢崎線押上支線)と4番線浅草方は
構内き電線上りでき電されている(一番左のき電線)
一番右は、亀戸線き電


坑口に向かう 2条1回線×2のき電線 右ケーブル化されたき電線2回線
奥の架線柱で伊勢崎線押上支線方に移動する

拡大 クリートで保持され移動する

奥の架線柱で伊勢崎線押上支線方に移動する

ケーブル化されたき電線が、裸線となる

乗入れA線=下り線
 乗入れB線=上り線 

別角度


乗入れA線=下り線と乗入れB線=上り線が坑口に向かう
上り線側は、構内上りき電線と乗入れB線とのエアーセクションが始まる。
電車線区分標でセクションを表示
同様に下り線側も、この奥でエアーセクションが始まる

構内上りき電線と乗入れB線とのエアーセクションが始まる。
電車線区分標の表示がはじまる。

伊勢崎線 鐘ヶ淵方

鐘ヶ淵方は3線き電線が出ている

内訳はの上り線方1回線(1条+2条)下り線方1回線2条 の2回線

東向島駅方 き電線はそのままで通過

亀戸線用車両の回送や半蔵門線・田園都市線直通運転中止の際の折り返し(北千住から当駅までは回送)に使用される。両渡り線をき電線はそのまま通過する。
各上下き電線は上下線にき電。渡り線部分はセクションインシュレーターで区分

両渡り線部分 き電線はそのまま通過

両渡り線には、セクションインシュレーターの表示

東向島駅
き電線は、そのまま通過 曳舟駅方のトロリ線にエアーセクションはない。

駅中間部に10両後部の表示
北千住折り返しの際の最後部の確認用(渡り線セクションインシュレーター部)

鐘ヶ淵SS方き電線 奥鐘ヶ淵 下り線1回線(2条)上り線1回線(1条+2条)


鐘ヶ淵変電所 曳舟方き電線
踏切より曳舟方 右架線柱に3F下り線曳舟方面が引き止め
3F下りき電線からき電線分岐装置にき電(最終)
左から曳舟方き電線 上り線1回線(1条+2条) 下り線1回線(2条)
右 2FSセクション曳舟方
1FSセクション曳舟方、4F上り曳舟方
曳舟方にZセクションがある
 曳舟変電所の構内上下線 浅草方と鐘ヶ淵方き電線上下線は、トロリ線上では曳舟ー鐘ヶ淵方Zセクションまでを連続してき電している。(エアーセクションが無い)


伊勢崎線 浅草方 Zセクション(上下共通あり)

 工事区間なので架空配線のき電線は少なく、ケーブル化されており判りにくい。ケーブル同士の接続点は気中接続となっており、被覆接続点は少数と思われる。
5本あった留置線は、3本に減縮され、残りは工事用地として利用されている。

配線略図.netより曳舟部分の引用と改変 東武鉄道伊勢崎線 配線図ネットより引用


浅草駅構内から とうきょうスカイツリー駅間

特急ホーム き電線分岐装置部
き電線がクリートで固定されている

特急ホーム き電線分岐装置部
き電線がクリートで固定されている

架線は、かなりギリギリの高さで固定されており梁には絶縁体が貼付されている

普通電車ホーム き電線分岐装置部

普通電車ホーム き電線分岐装置部

右 き電線はクリートで保持され屋外にでる

右 クリートで保持されたき電線は1本のき電線(2条)に集まる 

上り方き電線が、下り方き電線よりT分岐する


別角度 上り方き電線が、下り方き電線よりT分岐する


橋梁上のシーサースクロッシング上のトロリ線には上下一括き電のため
電車線区分標がなく、もちろんセクションインシュレーターはない


橋梁上のき電線は、上下一括き電だが、各々のき電線から
上下線別にき電線分岐装置でき電している

奥の架線柱で上下線別にケーブル化される

ケーブル接続点 架線柱から引き上げられ気中で端子板により上下線別に固定される

とうきょうスカイツリー駅のき電線分岐装置接続部
上下線別に固定された端子板から上下線別にトロリ線にき電
上下線間にジャンパ線接続

とうきょうスカイツリー駅のき電線分岐装置接続部
上下線別に固定された端子板から上下線別にトロリ線にき電
左 下り線 右 上り線
上下線間にジャンパ線接続


右 浅草方からきたコルゲートチューブが立ち上がりき電線が端子板に接続される
左にコルゲートチューブが延びる

下り方き電線
2条(黄色ラベル)から3条に増える
上り方き電線
2条から3条に増えコルゲートチューブに収容される

コルゲートチューブに収容された
上下1回線3条に増えたき電線が架空配線(各2条)となる


上下き電線から上下線にき電
電車線区分標が見えるが、留置線への分岐上のセクションインシュレーターの表示


上下き電線はタイボンドされる

上下き電線はタイボンドされる
手前き電線 下り方トロリ線にき電
奥き電線 上り方トロリ線にき電

架空配線のき電線がケーブル化される。

奥 上り線側き電線は3条(2条+1条)にケーブル化されコルゲートチューブに収容される
手前 下り線側き電線は4条(2条+1条×2)にケーブル化されコルゲートチューブに収容

先の画像で上下線で1条化されたケーブルが浅草方上下線につながる
この時点で上下線は、浅草方 残り上り線2条、下り線3条となる。

踏切上をコルゲートチューブに収容されたき電線が跨ぐ
踏切脇の謎の箱
謎の機器箱 開放口が天板しかない。左右どこにも開放部は無い。き電線が引き込まれている。 これはたぶん 上り線2条を3条化する接続点と思われる





架線柱23A 
右 浅草方3条 下り線側 3条+3条の端子板 下り線側にき電 浅草方最終き電点
      左 Zセクション 上り線側 2条+2条+1条 上り線側にき電
浅草方2条下り線側は先の謎の箱で2条から3条にふえて地表部を通過していると思われる。

浅草専用線に浅草方上下き電線が1本化される
コルゲートチューブに収容されトラス部を通過しているのは、Zセクション上り線

裏から見る
確かに3条+3条が浅草専用線につながっている

浅草専用線はAL510㎟×3条 繋がるケーブルは上下3条ずつ
AL510㎟3条は930A×3=2,790Aまで流せる
コルゲートチューブに収容されトラス部を通過しているのは、Zセクション上り線

AL510㎟のき電線に3本のケーブルが圧接されている

3条一括

曳舟変電所 引き出し口 3条一括


曳舟変電所からの構内下り線とZセクション下り



曳舟駅構内を通過する左から構内上り線、Zセクション、亀戸線のき電線
右 とうきょうスカイツリー駅方
ホームは3、4番線

曳舟駅構内を通過する左構内上り線、構内下り線、浅草専用線のき電線
ホームは1,2番線

右から亀戸線き電線、Zセクションき電線、3,4番線き電の構内上り線


黄部分 Zセクションき電線が上下専用に分離 
左から 
Zセクション下り線、浅草専用線(3条)、構内下り線
乗入れA,B線、構内上り線、Zセクション上り線

右からZセクション下り線、浅草専用線、構内下り線
構内上り線は架線柱に引き止められ一番左に移動
Zセクション上り線の下をケーブルで横断


Zセクションの開始点 構内下り線のき電線分岐装置の最終位置
黄 Zセクション下り線 黒 浅草専用線 茶 構内下り線
電車線区分標がある 1番線側

下り線側 右 曳舟方
構内線下りき電線が架線柱に引き止め
浅草専用線(3条)が通過
一番奥にZセクションき電線(1条)

黄部分 Zセクション下り線が架線柱に引き止められZセクション部にき電
さらにケーブル化(2条)されてコルゲートチューブに引き込まれる
通過しているき電線は、浅草専用線(3条) 左 曳舟方

架線柱27A
先にZセクションで2条化されたケーブルが
端子盤につながり一部下り線Zセクション部にき電
端子盤から新たな2条の下りZセクションのケーブルがコルゲートチューブに引き入れられる

架線柱27A
先にZセクションで2条化されたケーブルが
左端子盤につながり一部下り線Zセクション部にき電
左端子盤から新たな2条の下りZセクションのケーブルが
コルゲートチューブに引き入れられる
右端子盤につながるケーブルは上り線Zセクション用ケーブル

架線柱 25A
先に引き込まれたケーブル2条(架線柱27A)が引き出されZセクションにつながる

架線柱25A 
Zセクション 下り線最終き電地点
先に引き込まれたケーブル2条(架線柱27A)が引き出されZセクションにつながる

架線柱25A 別角度
下り線方 Zセクション最初のき電点


架線柱23A下り線側 Zセクション入口
下り線側に繋がるのは、浅草専用線の下り線側最終き電点
電車線区分標が表示され始める
曳舟変電所からの構内下り線とZセクション下り


上り線側 き電線  左から構内上り線、Zセクション上り線

上り線側 き電線  左から構内上り線、Zセクション上り線


上り線側 構内上り線最終き電点 これより左 Zセクション上り線部
右 曳舟駅


上り線 Zセクション最初のき電点


奥 構内上り線は架線柱に引き止め 上画像とは反対側から俯瞰  左 曳舟駅
次 Zセクション上り線
次 浅草専用線
次 Zセクション下り線

架線柱27A 右端子盤からZセクションに1条のケーブルでき電
このケーブルは架線柱23Aの左端子盤から1条で分岐

上り線 zセクション 2条にケーブル化されコルゲートチューブに収容されトラスを横断

横断先は、浅草専用線引き出し口

架線柱23A 
右 浅草方3条 下り線側 3条+3条の端子板 下り線側にき電 浅草方最終き電点
      左 Zセクション 上り線側 2条+2条+1条 上り線側にき電
(内訳架線柱27Aからの1条、浅草専用線立ち上がり部の別のコルゲートチューブからの2条、残り2条は踏切部の上空を通過してZセクション上り方最終部へ伸びる) 
浅草方2条下り線側は先の謎の箱で2条から3条にふえて地表部を通過していると思われる。


架線柱23A 左端子盤からの2条ケーブルがZセクション浅草方最終部につながる


とうきょうスカイツリー駅 留置線
 配線略図.net」より曳舟部分の引用と改変 東武鉄道伊勢崎線 配線図ネットより引用

 伊勢崎線下り線から留置線に分岐する分岐器はシングルスリップで奥のダブルスリップは、シングルスリップで運用されている。き電は、浅草専用線からの分岐でセクションインシュレーターは改良型(水切り)インシュレーターが使われている。

伊勢崎線から分岐する留置線 奥 曳舟方
下り線にシングルスリップを使用

留置線に下りてくる部分 右 車止めはダブルスリップの浅草方
ダブルスリップはシングルスリップで運用中

留置線への第一のセクションインシュレーター
中央 電車線区分標の右下

車止めはダブルスリップの浅草方
ダブルスリップはシングルスリップで運用中


ダブルスリップ部分

浅草専用き電線(上下一括き電)から
第一のセクションインシュレーター後にき電する断路器


ダブルスリップ部にき電

3線ある留置線のうち伊勢崎線側2線のセクションインシュレーター後
にき電するため浅草専用線から分岐するき電線

左 部分に断路器2回路分
奥 浅草専用線からき電線1回線がT分岐

断路器上部が浅草専用き電線に繋がる

断路器 下部からのき電線はセクションインシュレーター後のトロリ線に繋がる

改良型(水切り)セクションインシュレーター

改良型(水切り)セクションインシュレーター

留置線部分

留置線部分

左2線は、第一インシュレーター後 再度インシュレーターを通過する
右1線は第一インシュレーターのみ通過

この部分にもう1線留置線があったが工事のため撤去されている


参考資料
渡部 洋平;鉄道事業者の電車線路設備:鉄道と電気技術,Vol.32,No.3,pp51-55,2021
関根 利文;東武鉄道の本線電力管理システム:鉄道と電気技術,Vol.22,No.2,pp.17-22,2011
千徳 通利;現場だより 東武鉄道 杉戸電気管理所:鉄道と電気技術,Vol.21,No.7,pp.71-74,2010
東武鉄道(株)電気部電力課;電力設備の概要:鉄道ピクトリアル,Vol.58,No.1(臨増),No.1,pp106-109,2008
東武鉄道(株)電気部電力課;電力設備の概要:鉄道ピクトリアル,Vol.68,No.8(臨増),pp94-97,2018
「配線略図.net」より曳舟部分の引用と改変 東武鉄道伊勢崎線 配線図ネットより引用