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2024年11月10日

1394. JR四国 本四備讃線(瀬戸大橋)で架線切断で立ち往生 2024/11/10 随時記載

 NHKによると以下引用

JR瀬戸大橋線で列車が立往生 架線断線 車内に乗客約150人 11/10 

以下引用

 10日午前、JR瀬戸大橋線で架線が断線し、高松発岡山行きの快速列車が瀬戸大橋の上で立往生し、5時間あまりにわたって乗客およそ150人が列車内に残されています。

 JR四国によりますと、10日午前7時半すぎ、JR瀬戸大橋線で架線が断線しているのが確認され、岡山県の児島駅から香川県の宇多津駅の間の上下線で運転見合わせとなっています。

引用終わり

JR四国の基本方針は

1.海峡部に列車を止めない

2.異常時に列車を陸上部に引き上げる

との観点から海峡部両端に変電所を配置、海峡部事故時の区分限定のため島しょ部に2ヶ所のき電区分所を配置している。

上から児島変電所
櫃石島き電区分所
与島き電区分所
番の州変電所

 どこの部分で架線が切れたかで き電区分が決まるが午前7時8分高松発岡山行きの快速マリンライナー10号が停止している。架線部分だけき電区分所でき電停止を行ない、反対側の電車線を生かして救援列車を送り込めるはず。
  き電区分所直下のエアーセクションでの溶断ならき電停止区間は長くなる。き電区分所間であればき電停止区間は短くなる。

午後1時現在も、坂出市の櫃石島付近に止まっているとのことなので櫃石島き電区分所のエアーセクションでの架線切断も考えられる。

以下追記
JR四国提供 架線ブラケット破損個所画像 橋梁部ではない
奥に電車線区分標が見えるので櫃石島き電区分所のエアーセクションで確定
拡大して確認すると前方鉄構部上部に碍子で引き止められているき電電が見える。これが与島き電区分所からのき電線。両脇に2本先に伸びているき電線があるがこれが児島変電所までのき電線。4本のき電線がこの手前にあるき電区分所に引き入れられている。

5時間も海峡上で待たされるのは基本方針のBCPがしっかりできてないとしか考えられない。

 昨日の四国停電時 JR四国の変電所は多くは一時的に停電になっていたはず。幸い瀬戸大橋上に電車は在線してなかったようだが、延長き電で動かしていた場合 エアーセクションでの電位差は大きくなるはず。

 また番の州変電所は停電範囲にないっていないようだが四国全体で電源動揺が起こりJR四国の受電電圧(番の州は66kV )も低下していたとするとエアーセクションでの電圧低下が発生していた可能性もある。
 ただ き電区分所は上下線のき電線をまとめて電圧低下を抑える性質があるのでそんな大きな電位差は出ないはず。(児島変電所と番の州変電所間で並列き電)電圧としては児島変電所>番の州変電所となり、電流は電圧が低い方に流れる。この電源動揺でき電区分所のエアーセクション架線が通過電車の離線時アークで弱くなっており、その後の電車通過で破断した可能性も考えられる。JR四国の調査が小出しに出てくるが「なんらかの原因で熱が加わった形跡があるとのこと・11/11 16:00確認」

 今回の事象はエアーセクションで止まったために架線が切断したわけではない。快速マリンライナー10号が停止している位置は時速80㎞でエアーセクション通過して架線を巻き込みながらブラケット破損(与島き電区分所方)を起こし緊急制動を掛けて500m走行。橋梁上に停車しており、この時点では全パンタ破損のため児島変電所方の架線は生きている。

 番の州変電所の近傍には坂出発電所があり187kVを1回線 香川変電所に送電。もう1回線を今回の停電事案を引き起こしている讃岐変電所に送電している。
 讃岐変電所(500kV連係変電所)が落ちているので香川変電所の範囲は停電していないはず。番の州変電所66kVは香川変電所から送電されている。

 本州と四国間の電力融通は本四連絡橋を通過している本四連携線(2回線)と阿南交直変換所を経由している電源開発の 阿南紀北直流幹線(2回線)で連携している。
 
 JR四国の本四連絡橋両端の児島変電所⇔番の州変電所間(約12㎞)も直流で並列き電している。児島変電所から櫃石島き電区分所は約4㎞ 櫃石島き電区分所から番の州変電所は約8㎞ 番の州変電所のき電電圧が低下すれば約12㎞離れた児島変電所からの送り出し電流も増えるはず。この両変電所間で電圧勾配が発生したとして、電車が各き電区分所を通過している際のエアーセクション通過で通常では発生しないアークが発生していた可能性も考えられるのではないか?おしりも、この快速マリンライナー10号の通過10分前には特急も通過していた。アークで弱くなった架線が破断した可能性も考えられるのではないだろうか

参考資料
岡部新;鉄道事業者の変電設備(10)ーJR四国の変電設備(直流)ー:鉄道と電気技術Vol.34,No.7,pp.73-77,2023