目次と免責事項

2025年1月14日

1414. 東急電鉄 桜新町変電所 田園都市線

 桜新町変電所


 当初は青線が予定されていたため変電所予定地としては弦巻地区が選択されていたが、実路線はそれよりも246号国道寄りに変更されたため新たな用地を取得している。

 新玉川線全線9.4 キロメートルとして変電所は3ヶ所が安全係数を掛けた数であった。しかし二子玉川園で合流する大井町線の高津変電所との並列き電を考えれば2ヶ所まで減らせるということで大橋変電所と桜新町変電所を設けることになった。

 将来的に輸送量増大時には中間の三軒茶屋附近,および瀬田開口部附近に新変電所またはき電区分所を増設することで建設が始まった。


駅構内B1Fと変電所は換気風洞で繋がっている
駅構内からの出入りができる構造

大きな吸排気ダクトのガラリがある

新桜町変電所の単結線図(大橋変電所と同じ)
 66kVを一旦6.6kVに降圧して配電用とき電用で分割利用。このようにすることで配変66kV降圧6.6kVを整流用としても利用及び6.6kV降圧1.2kVの変圧器の大きさを小さくできる。受電設備は開放型のアルミパイプ母線式。き電方法はデッドセクションを挟む72D方式をとる


建設誌の資料
 建設初期は新桜町変電所はTEPCO等々力変電所から受電していたがTEPCO世田谷変電所ができたため、受電変更を行なっている。



工事用の幕で覆われている

全体像


このような変電所 排気用ガラリが目立つ
Google Street Viewから



工事が行われている

防音壁新設工事

工事内容



裏側の変圧器搬入口は防音のため閉鎖されている 1F部は特高受電部

桜新町駅 変電所側機械室入口 桜新町変電所まで風洞がある


変電所側下り線  左壁に帰線の束がクリートで支えられているのが見える

受電:TEPCO世田谷変電所 66kV 2回線受電
き電:変成設備 当初は4,000kWシリコン整流器2台だったが、さらに3,000kW一台された
   S種定格150%2時間 12パルス整流器 
   上下線別き電(分割き電)停電時隣接の変電所からの延長送電を行なう二重系を取る
   のが基本(桜新町変電所の場合 三軒茶屋変電所、玉川第二変電所からの延長き電)
   三軒茶屋変電所から2.9㎞ 玉川第二変電所から3.2㎞  新大橋変電所より距離が長い
直流デッドセクションをエアーセクションで挟んだ方式
72D方式上下線別き電のため72Dのデッドセクションが上下線別になっている



参考資料

松原優平;鉄道事業者の変電設備(17):鉄道と電気技術Vol.35,No.2,pp.82-85,2024

金澤克美;特集:東京急行電鉄 電気設備の概要:鉄道ピクトリアル:Vol.57,No.749,pp63-65,2004