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2014年12月8日

239. JR東日本 新一ノ瀬補助き電区分所(新幹線・ATき電)

新一ノ瀬補助き電区分所 高崎起点34k200m

グーグルマップでは、表示名が出ない。                                    
アプローチ:横川駅 ハイキングになる。 熊注意 困難片道2時間30分(横川駅から)                
一ノ瀬トンネルの枝坑を利用。 霧積川の橋梁部に、き電部分の一部が露出。
本体は一ノ瀬トンネル内。 枝坑の部分は、そのまま残って外部と繋がっていると思ったら、閉塞してあった。      
高崎側トンネル上部へのアプローチは、閉塞してあるトンネル脇の枝尾根を直登し尾根に出てトンネル上部まで移動。但し急登であり、途中岩場あり。                                
           
次変電所:東京方 新箕郷変電所 長野方 新軽井沢き電区分所 軽井沢き電区分所は、50Hzと60Hzの異周波接続点なので互いの変電所からの延長き電は、行なえない。            

AT交換の際は、トンネル内部からの搬入が必要。上越新幹線 新高山補助き電区分所と同様な時間が限られた交換となる。但しこちらのトンネルは工事基地からの距離があることと、30‰の勾配があるので、交換の難易度が増す。
橋梁部の変電施設は、ATき電線とトロリ線に避雷器が直付け。谷間の橋梁だが、上州名物 雷対策をしっかり行なっている。 一ノ瀬トンネルおよび霧積橋梁は30‰の勾配


霧積橋梁 景観を考慮した工法である。
県道からは、樹木に遮られて全貌が見えない。せっかくの工法だが新幹線上では10秒にも満たない時間で通過し
林道からは、自動車で通過するので全貌が見えない。
3径間連続PC箱桁方杖ラーメン橋 橋脚をロアリング工法で作成
ロアリング工法とは、構造物を施工が容易な状態で構築。PC部材をケーブルでピボットを利用し
所定位置まで回転固定させる工法。
橋梁上の避雷器
碓氷峠トンネル側 点検用入口 新一ノ補助き電区分所は、反対側霧積川対岸トンネル内にある。
碓氷峠トンネル 6,092m
 
一ノ瀬トンネル横坑 閉塞部 この脇の急斜面を登ってトンネル直上に移動
碓氷峠トンネル下りき電線が引き込まれている。
霧積橋梁上部の避雷器下り線側
E7系通過 奥碓氷峠トンネル 手前一ノ瀬トンネル
30‰の峠を駆け下りるE7系
一ノ瀬トンネル上部 き電線がトンネルから伸びる。
一ノ瀬トンネルは、延長6165mのトンネルで中央部付近に曲線半径4000mの曲線があり
かつトンネル全体が30/1000(30‰)の連続勾配
 
上り線側避雷器 碓氷峠トンネル上部から俯瞰
一ノ瀬トンネル この奥150mくらいのところに補助き電区分所がある。
一ノ瀬トンネル 長さ6165m 東工区と西工区に分割して施工
西工区は、霧積橋梁工事と競合するため県道56号線部分から横坑位置高崎起点34k220mに横坑掘削
一之瀬トンネル出口高崎起点34k371mであるので、このトンネル入口から約150m奥に横坑がある。
横坑部分の長さ約61mで、この横坑に新ノ一瀬補助き電区分所を設置
 
おまけ 一ノ瀬トンネルまでのハイキング途中での景色
霧積ダム 渇水状態
放流口 全開
西群馬幹線500kV運開(1,000kV仕様) 柏崎刈谷原発から送られてくる電力を新富士変電所まで送る。
西群馬幹線500kV運開(1,000kV仕様) 8導体プレハブジャンパー線
8導体送電線
県道56号と並走する信越本線下り き電線、架線、レールはそのまま
勾配66.7‰
灌木が線路に生えている
き電線は、大電力を送れるよう2条×2本並列 下り方
その下に補助帰線
ツインシンプルカテナリーにき電していたき電線
インピーダンスボンド中性点に帰線が繋がる
上り線のインピーダンスボンドとクロスボンド
そして補助帰線に繋がる。
下り線クロスボンド用インピーダンスボンド
一ノ瀬トンネルから戻る際に、県道56号が信越本線と並走する場所(66.7‰)があり、線路に上がってみると上下線とも架線、線路が、そのままの形で残っていたが、潅木が生え通行困難であった。ところどころにインピーダンスボンドがあり、中性点に太い帰線が繋がっていた。辿ると補助帰線が架空で別に張られており、その部分に繋がっていた。

上下線ともインピーダンスボンド中性点を接続したクロスボンドが取られている。下り方面のき電線は2条×2の構成、上り方面は、1条+2条の構成。EF63の重連、ときには3重連の構成で碓氷峠越えは運用されていたので、大電力が必要だった。

そのため電食の関係から別に、補助帰線を架空で敷設したことが伺える。信越本線が活きていたころ、訪問しておけば良かったと悔やまれる。
インピーダンスボンド中性点から架空補助帰線に帰線が伸びる。
上り線クロスボンド用インピーダンスボンド
丸山変電所跡
66.7‰の勾配
補助帰線にインピーダンスボンドの中性点が繋がる。

碓氷鉄道文化むら 直流変電所(キュービクル)
6.6kV受電
キュービクル
碓氷鉄道文化むら EF63運転用直流き電部6.6kV整流650V供給
整流部
760V加圧状態 電流は0~1,000Aまで 重連での運転でも1,000A以下なのだろう
架線に給電するき電線650V
EF63 12
横川駅にあった地震計

参考文献

一ノ瀬トンネル・霧積橋梁とその周辺

熊耳哲雄:一ノ瀬トンネル 膨圧と湧水との闘い
土木施工;Vol.38,No.10,pp.87-93

熊耳哲雄:北陸新幹線霧積川橋梁の設計・施工と景観
橋梁;1993,Vol.29,No.11,pp.1-6

熊耳哲雄:膨圧と湧水に挑む 北陸新幹線一ノ瀬トンネル     
トンネルと地下;1995,Vol.26,No.3,pp.175-182

椎井和文:鉄道橋初の構造で景観に配慮した橋りょうを作る –北陸新幹線 霧積川橋梁- 
日本鉄道施設協会誌;1993,Vol.31,No.8,pp.577-579

沢誠之助:北陸新幹線霧積川橋梁 
土木学会誌;1994,No.78,No.3,pp.6-9