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2018年6月7日

808. JR東日本 礼拝変電所 越後線 compleat

礼拝変電所
#架線凍結  #着氷 #着霜 防止
   
グーグルマップで表示名が出ない
アプローチ:礼拝駅 電車の本数が極端に少なくなる
全 JR東日本管内273か所の全直流変電所を巡って、初めて見た装置
DC-VR装置がある。AC-VR装置は、数々の線区(新幹線を含む)でみたがDC-VR初めてであった。このDC-VR装置は、越後線では、この礼拝変電所と小島谷変電所に置かれている
受電:東北電力 西山線よりT分岐

礼拝と小島谷変電所にはDC-VR装置が設備されている。
また着霜除去装置が小島谷変電所に設備され礼拝変電所先柏崎・吉田間で作動するようになっている
 

小島谷・吉田変電所間は16.2km、礼拝変電所間は19.5kmと、かなりの間隔が空くが東京近郊でも20㎞を超す変電所間隔が空く場所がある。それは八高線 高麗変電所・拝島変電所間である。
八高線との違いは、その輸送密度である。
 越後線 吉田以南は3時間に1本程度となり極端に少なくなり変電所変成設備も2,000kW/SSと最小レベルとなる。また近隣送電線の関係で変電所の間隔も大きく取らざるをおえず、そのためDC-VR装置が設備され架線電圧の嵩上げが行える装置が設備されている。

DC-VR装置の結線図

通常の整流器に+されたSCR型整流器 ベース部の嵩上げを行い送り出しDC電圧を高くする


DC-VR装置の接続例 サイリスタ整流器を直列に入れて嵩上げを行う
DC-VR装置の原理は。直流負荷が無負荷もしくは弱負荷の場合SCRのゲート制御で、直流電流は、フライホイールシリコンダイオード(バイパスダイオード)を通過させておく。負荷が増加して変電所の内部電圧降下により出力電圧が低下しようとすると、出力電圧または負荷電流の大きさを検知して、必要とする補償電圧が得られるようにゲート指令をサイリスタに与えて位相制御し出力電圧を一定に維持する

それでは、見てみよう


変電所銘板が無い

東北電力
66㎸ 1回線 引き下し鉄塔

66㎸ 1回線引き下し

水田を潜って農道へ

地中送電線 埋設標

地中送電線 注意喚起
礼拝変電所 受電端

左 受電端 断路器、遮断器、MOFの順

MOFの次は避雷器

整流用変圧器は周辺が住宅地のため防音壁で本体が覆われている
奥に放熱器

左 整流用変圧器建屋上部から降圧されたACがシリコン整流器と奥DC-VRに加わる

シリコン整流器(油浸)右に正極母線CTが咬む

正極・負極母線断路器から建屋へ
一部分離して電力沪波器(Fl)へ

DC-VR装置と左直列リアクトル

インピーダンスボンド中性点に繋がる帰線

き電線の引き出し
奥 柏崎SS方
手前 小島谷SS方

#架線凍結  #着氷 #着霜 防止
 
以下は、架線凍結、着氷等を防止する装置 小島谷変電所で解説あり。

807. JR東日本 小島谷変電所 越後線 ブログリンク
き電線が奥と手前に分離 奥柏崎SS方 手前小島谷SS方
奥架線柱に交流6600V用高圧切替開閉器(流用・断路器として使用)と
エアーセクション
 


手前 小島谷SS方き電線から連絡線が分離

交流6600V用高圧切替開閉器(流用・断路器として使用)に繋がり、奥の柏崎SS方き電線に繋がる

エアーセクション間を短絡させることができる


交流6600V用高圧切替開閉器(流用・断路器として使用)の役割は
小島谷変電所の時述べた着氷霜防止装置の柏崎方への延長切替の役目
ここを「開」にすると小島谷・礼拝変電所間の着氷霜防止が行われ、「閉」にするとその先柏崎SS方の着霜ダイオードがなくなって直接き電線が分岐している部分までの着氷霜防止が行われることになる。


おまけ 燕三条駅
燕三条駅(新幹線乗換駅)弥彦線 直接吊架方式

燕三条駅(新幹線乗換駅)弥彦線 直接吊架方式



参考文献

図1 電化工事概要図
蔵田 幸一;越後線・弥彦線-東三条間電化開業:交通技術,1984,Vol.39,No.6,pp.14-15

図2 送電き電系統図(一部追記改変) 図3 変電所単線結線図(礼拝・小島谷SS)
小坂橋 光; 越後線、弥彦線(弥彦-東三条間)電化設備:電気鉄道,1982,Vol.36,No.10,pp.3-6

DC-VR装置解説 図1 き電電圧補償用整流器の構成
三浦 梓;赤穂線に設置したき電電圧補償用整流器について:電気鉄道,1970,Vol.24,No.9,pp.7-9