受電:JR東日本 佐貫町変電所よりの き電補助線33kV 1回線受電
給電:内房線
特徴:狩野山測地観測所の地磁気測定に擾乱を起こさないよう き電区間が約5kmで区切られている。変成設備容量も3,000kWと小型化されている。直直デッドセクションは、無い。
追記2017/10/10 JR東日本
列車位置情報を活用した変電設備スリム化の実証試験について JR東日本 pdf 注意
以下引用
「列車位置情報を用いた効率的な蓄電池の充放電制御」に関する実証実験
当社で既に導入している回生電力貯蔵装置(拝島変電所・桶川変電所・久喜変電所)は、架線電圧の値によって充放電を制御し、電車に電力を供給しています。その結果、実際は電車が電力の供給を必要としない場合でも架線電圧によっては充放電してしまうことがあり、蓄電池容量はこの不必要な充放電を考慮して決定される課題が生じていました。
「列車位置情報を用いた効率的な蓄電池の充放電制御」では、GPS による列車位置情報を用いて適正な位置に列車が在線しているときのみ充放電する制御を行うことで、蓄電池の小型化ならびに長寿命化の実現が期待できます。
2. 試験内容
(1)試 験 箇 所 内房線 君津~上総湊間 大貫変電所
(2)実 施 時 期 2017 年10 月25 日~2018 年6 月(予定)(試験終了後に装置は撤去予定)
(3)試 験 内 容
① 回生電力貯蔵装置による列車への電力供給データの取得
② 回生電力貯蔵装置の列車位置情報を用いた制御方法の優位性の検証
③ 隣接変電所の異常時を想定した、回生電力貯蔵装置による列車への電力供給データの取得
引用終わり
ATACSとの統合試験が行われるかもしれない。
佐貫町駅を通過する き電補助線33kV |
佐貫町駅を通過し山越えする き電補助線33kV |
佐貫町変電所から送らてきた き電補助線33kV |
大貫変電所受電口 |
君津方面は、33kV 補助き電線は敷設されていないが、かつては、君津変電所まで送電していた。 左の架線柱が高くなっており、その部分に送電線が敷設されていた。 |
ケーブルヘッドと避雷器が見える |
整流用変圧器と直列リアクトル SLが見える |
直流高速度遮断器が入っているアルミパッケージユニット パッケージユニットにすることで建築確認がいらない 工期の短縮が図れる |
直流き電部 |
インピーダンスボンド 中性点に繋がった帰線 感熱ラベルが貼ってある |
踏切方面から見たアルミプパッケージユニット |
君津方面 き電線が上下2段 エアーセクションが変電所から離れた場所にあるため かつては、君津変電所まで送電していた。 右の架線柱が高くなっており、その部分に送電線が敷設されていた。 |
直直エアーセクション |
参考文献から引用(一部省略)
内房線 大貫変電所、竹岡変電所は山間部に設置され、東電 特高回線が付近に存在していないこのため両変電所(大貫・竹岡)は、中間にある佐貫町変電所が受電した66kVを降圧して33kVに降圧して「き電補助線」を通じて電源供給を行っている。き電補助線は、き電線や高圧配電線と共に添架され、トンネルは狭小の為内部を通過せず上部の山を越えており鳥害や樹木によるトリップが多く、また設備の老朽化も進み対策に苦慮している。当該変電所(竹岡)付近は、単線運転で列車負荷も大きくなく、電力貯蔵装置を設置した場合に列車運行が可能かを調査し、き電補助線と変電設備スリム化に繋がるかを検証した。(竹岡変電所 脱落時を想定)
まとめ
架線電圧1,200Vを担保として最大負荷時間30秒(朝の特急走行時)を確保する電力量として5.56kWh 拝島変電所で運用を開始している日立製リチウムイオン電池B-CHOPシステムの2000hWpを使用することにより8.08khWの電力量を確保できる。つまり竹岡変電所に電力貯蔵装置を設置することにより、き電補助線が経年変化による改修が必要であり改良を含めた施工を考えた際に対費用効果として電力貯蔵装置の設置が優位であると考える。同様な検討を大貫変電所についても確認を行う。
Nori Tada私見
東京メトロでは、南北線駒込変電所で66kV/6.6kVの受電用変圧器を利用し6.6kVから整流器で1,500Vを供給している。つまり33kVき電補助線を6.6kV 化して大貫・竹岡変電所に電力貯蔵装置を設置すれば、33kV 回線を撤去できるのではないかと、私は想像する。6.6kV送電ならばトンネル通過も問題ないし配電線と共通化できる。もしくは、国府津変電所のように66kVケーブルを敷設すれば、良いが既にある33kV変電設備を利用するならば、33kV ケーブルを線路際に敷設すればよいと考える。
参考文献
市原剛ら:内房線への電力貯蔵装置設置の検討
電気学会全国大会論文集CR-ROM,IEE Japan;2014,44A-4,5-083,第5分冊pp.145~146