君津SSー大貫SSー佐貫町SSー竹岡SSのうち大貫SSと竹岡SSが廃止されていた。
2025年度のJR東日本 有価証券報告書で内房線の項で変電所が2ヶ所減となったいた。減らされた変電所は、大貫SSと竹岡SSとなる。
以前 論文投稿された「き電補助線撤去に向けた取組み」 七里 和俊ら 鉄道と電気技術:Vol.34,No.6,pp.27-30,2023では最終結論で大貫、竹岡変電所を撤去可能との結論が出ている。これが実施されたことのより、両変電所は撤去された。
以下文献より引用
![]() |
鹿野山より各変電所位置 |
![]() |
一番近い佐貫町駅、及び大湊駅での全磁力F〔nT〕標準偏差 鹿野山の許容値が全磁力Fで2nTなので全て2nT以下なので撤去可能と判断 柿岡 地磁気観測所は0.3nTなので非常に厳しい |
更に2021年8月9日から2022年3月22日まで大貫、竹岡変電所を長期にわたって停止させ、基準電圧1,100V以上を測定。基準を外れる電圧は無かった。鹿野山測候所でも2021年8月26日から8月28日、2022年2月11日から2月13日での全磁束Fの標準偏差は最大で0.64nTであり判定基準の2nT以下であることが確認され、測定に影響がないことが確認されている
実際に大貫、竹岡変電所を停止して延長き電状態で両端の君津、安房勝山両変電所のシリコン整流器定格 E種を越えないか検討
![]() |
君津SS、及び安房勝山SSがこの範囲を受け持つのでシリコン整流器の容量を検討 既存のままで運用可能と判断 |
![]() |
大貫及び竹岡変電所撤去時の最終変電所間隔と線路標高 文献記事を改変 大貫から丘陵地帯を走る |
一時は、大貫、竹岡SSのバッテリーポスト化も考慮されたが対費用効果のため捨て去れれる。また一般需要家線6.6kVも検討されたが設備の大幅入れ替えが発生するため断念された。
7時台の最大需要の時の架線パンタ点電圧も、大貫、竹岡変電所を停止、延長き電時の実際も大貫変電所で1,162V、竹岡変電所で1,155Vと最低電圧1,100Vを上回っていた。
今回実際に下り電車に乗車 6時台のラッシュ時のパンタ点電圧 停車時を電圧計で見てみた。 最低でも1,200Vは維持できている。
|
力行時 1,400V |
|
回生時1,600V |
|
連続すれ違い 停車時 1,250V |
|
連続すれ違い 停車時1,200V |
|
時刻表例 5時から7時台がラッシュ |
内房線電化の際に鹿野山にある測候所の地磁気観測に影響があるとのことで、最初は君津、大貫、佐貫町、大竹に変電所を設けるはずであった。多数の変電所を設けることの費用が掛かることで、佐貫町に主変電所を設け、66kV受電、君津、大貫、竹岡にはき電補助線33kVで供給を行ない、君津、大貫、竹岡に整流ポスト(RP)を設けることになった。この整流ポストのき電方法は、直流側の直流高速度遮断器を置かずに、事故発生の場合交流側の遮断器で事故電流を遮断する方式であった。
![]() |
RP単結線図 一番左が君津、大貫RP、佐貫町SS、竹岡RPとなる |
RP及び佐貫町にはシリコン整流器3,000kWが設備されて直流電化が始まった。またこの電化当初は、高速道路も発達しておらず内房線が唯一の交通手段であったため、運転本数も多く特急も海水浴客を捌くため多発していた。
現在の状態 廃止
|
変電所銘板は、そのまま残っている |
|
アルミプレハブ建屋も残っている |
|
き電線は棒線化 |
|
インピーダンスボンドがあった場所 |
|
変電所内 交流受電盤、整流用変圧器 、シリコン整流器、直列リアクトル 撤去済 |
|
以前 エアーセクションがあった架線は棒線化 新しいき電分岐装置が付いていた |
|
踏切から変電所方 き電補助線 撤去済 |
|
き電線引出部も綺麗さっぱり |
|
コンクリ土台が残る |
|
コンクリ土台が残る |
Wikipediaの内房線の項目の書き直しが必要となる。
参考文献
市原 剛ら;内房線への電力貯蔵装置の検討:
電気学会全国大会論文集(CD-ROM),No.5-083,2014,pp.145-146
この論文では、竹岡変電所への設置での検討。大貫変電所への設置にも言及
竹岡変電所は、取り付け道路が狭く変電所敷地も空きがないため、大貫変電所に白羽の矢が当たった模様
丹羽 正信ら;整流ポストRP:電気鉄道,1968,Vol.22,No.6,pp.25-26
藤村 敏郎ら;房総西線整流ポスト区間人工故障試験:鉄道技術研究資料,1970,Vol.27,No.6,pp.14-15