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2020年9月21日

1001. 総合車両製作所(横浜)の交流き電設備(デッドセクション)Google street viewの確認

   総合車両製作所の交流き電設備(デッドセクション)google street viewの確認

1001号記念

過去に直流電化地域(関東以北)での車両基地等で交流き電設備を調査してきた(順不同)

843. つくばEX 守谷基地公開 ”つくばエクスプレスまつり 2018” 変電・き電に特化  交流加圧施設詳細

840.  鉄道総合技術研究所 公開 平兵衛まつり 変電・き電に特化

450. JR東日本 大宮総合車両センター 交直デッドセクション 詳細

80.  JR東日本 大宮総合車両センター変電所(交流・直接き電)(古い情報)

68.  JR東日本 尾久車両センター・田端運転所(交流・直接き電)

42.  東芝府中事業所

675. 東芝府中事業所 デッドセクション詳細と連絡線の状況

639. JR東日本 新津変電所 信越本線・羽越本線 直流と総合車両製作所 新津事業所

番外 交流電化地域(関東以北)での直流き電設備

899. 東北巡検その一 JR東日本 秋田総合車両センター 変電所 直流き電調査

 今回 総合車両製作所の交流き電設備をGoogle street viewで調べ、さらに現調したのでstreet viewと対比して記事にした。

 総合車両製作所は種々の電車線電圧・周波数 直流 600、750、1500V 交流 20kV、25kV 50/60Hzに対応する車両を製作している。各種試験には、それら電車線電圧・周波数の多様性に柔軟に対応する電源を持っているはず(e7系、四季島等)

事前調査で、富士電機がWebで読める文献をUpしていた。但し他社事業所

新幹線車両走行試験用周波数変換装置 - 富士電機 pdf注意

 交流3.3kV60Hz(多分工場内配電線)をPWMコンバーター・インバーターで周波数変換、その後の昇圧変圧器で20,25kV50/60Hzを作り出す設備である。

富士電機の回路図
同様な機構の装置は、過去に明電舎でも対応していたが、文献をまだ引いていない。原理は、サイリスタ素子でPWNコンバーター・インバーターに似たような動作をさせて、周波数変換を行う。出力は、多重変圧器で合成し、その後昇圧変圧器を通す。というものであった。どこの工場に納品されていたかまでは記載がない。ただ受電が3.3kV 50Hzなので富士川以北の50Hz供給地区の事業所であろう。

 

明電舎1981年時の回路図
交流3.3kV50Hzサイリスタ変換その後昇圧変圧器で17.5~27.5kVを作り出す回路

 総合製作所内の変電所には、それら多様な電圧、周波数を生み出す役目が与えられていると考える。

まずは受電

TEPCO 金沢変電所 66kV受電の配電用変電所だが最終受電鉄構に66kVのケーブルヘッド 2回線がある。近傍に大規模な工場は、総合車両製作所しかないので、多分工場の受電端だと思う

 
 
総合車両製作所受電変電所 GIS設備が見られるのでTEPCO金沢変電所からの66kV 2回線はここに引き込まれている  

き電用変電設備 直流・交流(50/60Hz)対応

それでは、金沢八景駅から順に辿ろう
金沢八景駅 横浜方 総合車両製作所への分岐

Y型セクションインシュレーター 京急の電車線区分標Y形 
このセクションはジャンパ線で短絡

奥 金沢八景駅 上部にY型セクションインシュレーター

別角度

総合車両製作所への最終分岐 

京急側には、架線終端標識が無い
総合車両製作所への最終分岐 上部にY型セクション


供給区分分界点 Y型セクションインシュレーター上部に表示

保守分界点 京急側 上部にY型セクションインシュレーター

この地点で軌道の保守分界点 総合車両製造側


Y型セクションインシュレーター 別角度


導入部

第二の関門 Y型セクションインシュレーター
京急側接地対応 ここはDC1500V対応設備
右下に標識 後述

多様な電源に対応 AC 20,25kV 50/60Hz DC

軌道部分のセクション  排流器設備対応

総合車両と京急の最終責任分界点

Y型セクションインシュレーターの両端を断路器で結ぶ

断路器は、接地極付き断路器
しかし、接地極側は接地されていない
投入すると総合車両製作所側電源 DC1500Vで
京急敷地内までき電

Y型セクションインシュレーター 別角度

いよいよデッドセクションが登場
AC25000V対応設備となる 高圧ピン碍子登場

直流き電部 京急側を下部にある区分き電用断路器でDCき電
セクションインシュレータで分離
架線設備はAC25000V耐圧
断路器は、周辺のケーブルの状況をみるとAC25000V耐圧は無い

区分き電用断路器盤

DC変電所から来る直流電源部 3回路断路器AC耐圧
投入するとセクションインシュレーターで囲まれた中間部をDCき電
さらに、先に述べた区分き電用断路器を投入すると入口のY型セクションインシュレーターまでき電、

総合車両製作所側 ACき電時の最後のセクションインシュレーター間を結ぶ
AC25000V耐圧 断路器
この型の断路器部分は製作所内に多く点在する


全体の構成

Google Street View 構成は変わっていない

Google Street View
直流側 京急方 がYスライダー型のセクションインシュレーター(方向性あり)だった
黒磯で見かけたもの

Google Street View
総合車両製作所側もYスライダー型のセクションインシュレーター(方向性有り)だった

まとめ


セクションインシュレーター部分

Google Street View 製作所内への引き込み線部のセクション

Google Street View 中央奥 交流セクションインシュレーター(スライダー型)
黒磯で見かけたもの

Google Street View  交流セクションインシュレーター(スライダー型)
黒磯で見かけたもの

デッドセクション用のセクションインシュレーターに交換
AC断路器は、入口にあったものと同形

別角度 AC断路器のブレードが奥に見える

Google Street View セクションインシュレーター

現状は、変わらず

Google Street View 建屋前

架線電圧表示板 AC/DC表示

新幹線対応のため25000V表示

もう一か所セクションインシュレーター
下部に断路器
断路器は、先に説明したものと同型


き電用変電所
やはりPWM制御の変電所であった。
過去にGoogle street veiwで脇道に入れていたのに、入れなくなっている。

Google Street View 切り取りしておいてよかった。
仕様変更で見られなくなる場合がある。

PWM盤と受電盤(3.3kV工場内配電線)

PWM用変圧器盤、コンバータ盤、直列リアクトル盤で構成

高圧受電盤、直流出力盤等で構成

直流出力部 下から立ち上がるのが変電所 直流出力
断路器を経て 一部は製作所内にき電
銅撚り線部分は、トロリ線にき電 AC25000Vもこの断路器に加圧される。

トロリ線へ繋がるDCき電線立ち上がり部

トロリ線へ向かうDCき電線1500V 25000V耐圧


トロリ線に繋がるDC1500Vき電線 奥
手前は AC25000Vき電線

昇圧変圧器の出力が3分割され断路器を経る 設備が新しくなった
手前は、先ほどのトロリ線に繋がる
奥2つは、ケーブル化されて製作所内へ向かう

断路器のブレードが落ちている この部分は新しい
奥 トロリ線に繋がる
手前 2回路分はケーブル化される

昇圧変圧器 右端の出力は線条に繋がる
左端は、避雷器へT分岐して先ほどの断路器に繋がる

右 複周波数(50/60)、複電圧(25000/20000V)対応昇圧変圧器
左 昇圧変圧器1次側のき電用遮断器

参考文献
竹内久雄ら;車両走行試験用2250kVA静止型周波数変換装置:明電時報,Vol.159,No.4,pp28-30,1981