鉄道総合技術研究所 公開 平兵衛まつり 変電・き電に特化 10/13
過去に鉄道総合技術研究所は、外から見学していたのだが、中々公開日が予定に合わず逃していたのだが、今回は万難を排して行くことができた。
広大な敷地、昭和の香りある建物、構内に桜並木、研究員用のカフェテリア、食堂。グラウンド、宿泊施設、研究を補助するサービス部、工務部の設置等、昔所属した総研も同様な規模であった。研究開発するには、持ってもない環境が整えられている。
平兵衛まつりは、一般公開と負担金を支払うJR社の関係者の接待の場でもあるようだ。所員がJR関係者を連れて解説を行う場面も見受けられる。カフェテリアには、お土産用のRTRのラベルがついた赤白ワインセットも販売されている。
地元しか告知しない Web上では、検索しても中々出てこない |
目的は、変電き電の公開内容 |
広大な敷地、昭和の香りある建物、構内に桜並木、研究員用のカフェテリア、食堂。グラウンド、宿泊施設、研究を補助するサービス部、工務部の設置等、昔所属した総研も同様な規模であった。研究開発するには、持ってもない環境が整えられている。
平兵衛まつりは、一般公開と負担金を支払うJR社の関係者の接待の場でもあるようだ。所員がJR関係者を連れて解説を行う場面も見受けられる。カフェテリアには、お土産用のRTRのラベルがついた赤白ワインセットも販売されている。
鉄道総合技術研究所 全景
北西部分 変電所がある側が電力関係の実験室
過去記事
19. 公益社団法人 鉄道総合技術研究所 ブログリンク 2014年記事
鉄道総合技術研究所(以下技研とする)は、国鉄時代から鉄道技術の研究開発拠点として運営されてきたが、今はJR民営化とともに公益財団法人「鉄道総合技術研究所」として現在に至る。
技研は、その過去の歴史から電源は国鉄時代の経路を生かしJR東日本から受電している。
交流電源は、境-立川線1,2号の国立駅立川寄り気中接続部からの66㎸ 2回線T分岐
隣にあるJR中央システム株式会社と共用
隣にあるJR中央システム株式会社と共用
直流電源は、立川変電所 技研線 1回線 専用電線が変電所方面に繋がる。
技研変電所
変電所右 脇 シャッターが開いている部分が電力関係の実験室
武蔵境交流変電所からの送電系統図 技研が鉄道技術総合研究所にあたる 点線が地中ケーブル、実線が架空送電線 |
技研変電所
変電所右 脇 シャッターが開いている部分が電力関係の実験室
技研 変電所 配置 電力技術研究部用6.6㎸は、他所に影響を与えるため別系統で分離 |
国立駅を通過する地中ケーブル 境-立川線1号西国立川線2号
66kV地中ケーブル トラフ内に敷設
境立川線1号 気中接続部に繋がる |
西国立川線2号 気中接続部に繋がる |
66㎸ケーブル引き下しおよび引き上げダクト |
ハンドホールを経て気中接続部へ |
66kV気中接続部 国立駅 立川方 66㎸ 2回線 T分岐部 |
66kV気中接続部の中身(モールド成形ではなく気中であるので、事故時は停電後 手動で切断できる) 66㎸ 2回線に分岐 |
一番左がマルス方(受電端) 中央が武蔵境方(送電端) 右が立川方(受電端) |
一番左がマルス方(受電端) 中央が西国分寺方(送電端) 右が立川方(受電端) 西国分国分寺方は、武蔵境から地中ケーブルが西国分寺駅で一旦武蔵野線 西国分寺変電所にπ分岐するため名前が変わっている。 |
技研変電所への66㎸ 1回線 ケーブルヘッド 裏の金属箱部分が国立駅からのケーブル立ち上がりGIS接続部 |
この表示部の裏が、国立駅 気中接続部からの送電線立ち上がり部 |
西国立川2号線 技研への架空送電線1回線 66kVGIS化された遮断器・断路器・アレスタ 表示ラベルがある部分が国立駅からのケーブル立ち上がり |
直流電源
一部過去記事から引用
直流電源は、立川変電所から専用き電線で送られてくる。
但し、実験内容(大電流実験)によっては、所内の短絡発電機と同期電動機の組み合わせで生成されている。この短絡発電機は、60Hzが発電できる発電機で、新幹線の試験線区大磯仮設変電所で使われたものを技研が払い下げを受け現在まで使用している。実験で立川変電所を落としたら一大事である。
23. JR東日本 立川変電所(直流)ブログリンク
左より緑・き電線 立川変ー技研、紫・き電線 西国分寺変ー立川変、黄・立川構内 南武線、紫・国分寺変ー立川変 中央線 下,上、立川変ー日野変 中央線 上,下 靑・立川変ー拝島変 青梅線 上,下 黄・府中本町変ー立川 南武線 上,下 Z母線方式による断路器群 バスバーに断路器の一端が繋がる。左から3番目が閉極(ON)となっている黄・立川構内 南武線がZ母線と繋がり1,500Vき電中 |
一番左が技研への専用き電線(立川変電所) |
右5本は帰線、次が技研専用き電線 |
国立駅 立川方 技研 帰線がインピーダンスボンドの中性点につながる 左 太いケーブル |
右 立川変電所からのき電線が引き止められ垂下する 帰線は、クリートで保持され垂下する |
右 立川変電所からの専用き電線 左 帰線 帰線はこの部分でインピーダンスボンドを介してレールと繋がる |
接続部 多分責任分界点 |
道路を横断して立ち上がる |
廃線跡を経由 |
廃線跡をき電線と帰線が通る |
廃線跡をき電線と帰線が通る |
技研の線路末端 左 帰線用断路器 どうゆうわけか交流仕様の断路器 中央線からの帰線電流を遮断するため実験時のみ投入 右 き電線用断路器 |
交流用断路器からのケーブルは線路に繋がる |
線路脇には機能していないインピーダンスボンド |
交流断路器の両端が絶縁部を挟んで繋がっているようだ |
直流き電線は、この断路器から裸線となる 3条一括 |
立川変電所からのき電線 3条一括 奥 国立駅 |
立川変電所からのき電線(左 3条一括)は、この断路器群で所内に分配される 右 旧試験台電気室行は、途中交流変電所の外周部を通る |
断路器は、どれも接地付き断路器で「切」で受け側が接地される |
一番右の断路器の表示 |
このき電線が旧試験台電気室へ向かう |
左 2回路は、ここで地中ケーブル化される 上 左 立川変電所からのき電線 3条一括 右 旧試験台電気室へのき電線 3条一括 |
一番 左の断路器は接地極が横にあるタイプ 二番目は、本体に接地極があるタイプ |
まずは、電力技術研究部 |
左 直流1500V 碍子単体 この碍子が2個一組で対応 中 直流1500V ポリマ碍子 この1個で対応 右 交流20~25kV碍子単体 在来線20kVは3個一組と直流用1個で通常は対応 3個と1個の間にはせん絡導線がつながる |
架線吊り具 |
リニアモーター式 集電試験装置 |
永久磁石式 集電試験装置 |
正式名称 集電試験装置 昭和49年 松井博士発案の加減速性能の高い直流リニアモーターを駆動力としている。
総延長500m
トロリ線と吊り具 |
別の場所にある集電試験装置の説明 |
変電所にあるリニア台車回線用の装置 |
リニア台車制御装置 直流リニアモータ駆動装置 |
交流を直流変換 |
切替器でコンデンサに充電 |
充電した電力をサイリスタSWで高速に切替 電磁石を順次駆動 リニアで加速する リニアサイリスタ装置 |
技研構内は、交流も加圧可能な架線配置 交流セクションインシュレーターと交流断路器 奥の渡り線にも交流セクションインシュレーターが見える |
一部に剛体架線 剛体架線側は、先のセクションで分離されている 手前側は、交流加圧可能だが加圧する際は、隣の断路器からのき電線を外す必要がある。 |
拡大 剛体架線は直流1500V仕様 交流20㎸は加圧できない どうやらHi-Tram用の急速充電用剛体架線にようだ |
技研内 直流き電線が外され絶縁カバーで巻かれている 交流20kV加圧時は、多分このような処置がされるのだろう |
交流の剛体架線例
仙山線 仙山トンネル 交流20kV 加圧は、交流用碍子3個が必要 剛体架線の両脇にトロリ線 徐々に剛体架線に移行 |
どう見ても直流1500V仕様 |
構内を横切る 超電導き電ケーブル |
内を横切る 超電導き電ケーブル |
超電導き電ケーブル 屈曲部 |
超電導き電ケーブル |
いよいよ試験線路
国土地理院の最新版は、まだ国立駅からの接続線が記載されている。
1992年当時のマップは、技研外周部のループ線が記載されている。
試験線路 |
奥に断路器群 直流試験台からのき電 |
左に直流加圧用断路器 架線は20㎸仕様 このケーブルは、立川変電所からのき電線に繋がる |
拡大 交流20㎸ 加圧時は、き電線を取り外す必要がある |
真ん中の断路器からのケーブルが先の断路器に繋がる 立川変電所からのき電線 左 3条一括 |
上の断路器 右側が旧直流試験台電気室に繋がるき電線 構内経由 |
同上 |
上部 立川変電所からのき電線 3条一括 下 2本 立川変電所から分離する3回路の断路器の内 中間と左側の断路器がつながるケーブル |
ケーブルは左右に分かれる 左は、円周部の断路器に繋がる 右は、線路を潜って別の場所に |
線路を潜るき電ケーブル |
3条軌道 |
3条軌道 載り越しクロス |
交流セクションインシュレーター |
同じく交流セクションインシュレーター |
交流セクションインシュレーター 分離用 交流断路器左側 接地タイプ |
奥 国立駅方 廃線行き止まり 左 上に注目 |
直流き電線が外され絶縁カバーで巻かれている |
中央 左の直流き電線が、立川変電所から送られてくる直流1500V 旧試験台電気室送りのき電線 碍子の数が番う |
交流22㎸変電部 左は負極き電線 中央交流20kVき電母線 |
左の架台は、多分旧直流試験台 裏は交流試験台 |
直流試験台 立川変電所からのき電線が繋がる |
直流試験台分岐断路器群 |
試験台からの交流20㎸き電線が左に横切る 左下 き電用変圧器と整流器
立川からのき電線の直流とは別に6.6kVから変圧しシリコン整流器で直流を作り出す、また交流側は、先に述べた短絡発電機と同期電動機が生み出す交流を使用、同期電動機を回転させ短絡発電機を動かし、同期電動機を切り慣性で短絡発電機を回し、交流を変成設備で直流に変え短絡試験などに用いる。大電流試験用
立川の電源を使用できない、試験に利用 |
短絡試験、大電流試験用大電流変成設備 拡大 |
鉄道技術総合研究所Webからの引用 この部分の変成設備に該当する この短絡発電機60Hzが、東海道新幹線 鴨宮モデル線区 大磯仮設変電所で使われた回転式周波数変換機 |
森本大観;周波数変換装置(2) 鉄道総研の技術遺産 RRR:2015,Vol.72,No.2,pp.34-35
建屋のブシングに交流20㎸が繋がる 多分この建屋は、交流試験用の屋内実験室のようだ。 |
拡大 |
架線加圧用交流き電線 |
最後に
技研に飾られているレリーフ |
JR東海 <春下天開花ー>の碑 新幹線の父 十河信二の座右の銘である |
参考文献
集電試験装置日本鉄道電気協会編:新幹線の連続アークはどのようにして解消されたか;2008発行,pp.25
森 章ら:電気鉄道Vol.28、No.9、1974、pp11~:集電試験装置
「自営電力のあゆみ」(五十年の変遷);2004:東日本旅客鉄道株式会社東京支社電気部給電課