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2019年2月25日

885. JR東日本 中央線 停電 号外

#中央線 # 停電 号外
 
このところ停電事故が続いている。(JR東日本系)
 
 
 
 
今回 新宿⇔御茶ノ水間の中央線(快速、緩行)の運行停止を分析してみた。
この間の、き電用・高配用変電所は以下の通り
 
 
 
 
 
 
この変電所群で、健全な変電所は、神田交直変電所と新宿交流変電所の2箇所
理由
神田交直変電所
京浜東北、山手、上野東京、総武(御茶ノ水から千葉方面)が運行もしくは運行可能な状態
 
新宿交流変電所
山手、中央快速緩行(新宿から高尾方面)、埼京が運行
 
機能不全変電所
 新宿⇔御茶ノ水駅の、高配が完全に落ちているので高配(信号高圧を含む)が停電している。
秋葉原駅の総武線ホームの情報だと、御茶ノ水折返しを画策しているようだが、御茶ノ水駅の工事の状況から、御茶ノ水駅での乗客集中は、安全確保の点から避けるはずだ。
 
 飯田町、四谷、信濃町各変電所は、神田交直変電所からの66kV 2回線で給電を受けている。
 この66kV系ケーブルの事故の可能性は低い、各駅をつなぐ高配(信号高圧を含む)6.6kV系の事故かが疑われる。
 
 おりしも、飯田橋駅の改築移転工事で、飯田橋駅から市谷駅間は、仮設の高配ケーブルやき電ケーブルが、張り巡らされているので、停電事故が起きるとすれば、ケーブル関係の事故であろう。
 66kVケーブル2回線は、重要な経路なので、管路防護をしており、ケーブル事故の発生の可能性は低い。

 運転再開は9:00と出てきたので 間違いなく6.6kV系のケーブル損傷事故で、飯田町、四谷、芝野町の各変電所の機能は、保全されておりき電系、高配系の各変電設備は健全である。

 首都圏の高配(信号高圧を含む)6.6kV系は、2回線で経路を引いており、1経路が、機能不全に陥っても自動切換えで別経路での送電が行われるが、今回は2経路が、同時に機能不全となっている。

 最終
 やはり6.6㎸ケーブルが燃えた。溶断作業中の火花が付近の工作物に移り、発火。付近の6.6㎸ケーブル2回線を損傷したことによる停電。 通常6.6㎸架空配線は、線路の両際上空を通過するが、工事にため架空配線をケーブルに変えて一括敷設したための事故。ケーブル敷設径路を違う径路にすれば良いが、無駄が多くなる。ケーブルを管路に入れて防御すれば解決するが、簡易型の防火シート(ガラス繊維)より価格が高くなる。
 
 
 
 

2019年2月17日

884. JR東日本 戸田変電所(直流) 設備更新

戸田変電所 設備更新

戸田変電所が場所を移動して設備更新(鉱油入りからシリコーン油へ脱却)
IP配電盤システム TCP/IP方式で制御 既設メーカに捕らわれず機器交換可能

一般的な6相整流器(三相全波整流)では発生する5次及び7次高調波電流を発生するため、抑制効果を考え12相化を進めているが、今回の戸田変電所では、さらに等価24相変圧器が導入されている。このため11次および13次高調波が抑制されている。
2台を同時に運用することで高調波を抑制させている
この場合SRTr2の結線を辺延デルタ結線を用いて
等価24相変圧器となる


埼京線沿線の設備交換が2016~2019年に行われ、日進、戸田が設備更新されている。
残る変電所は、南与野だが、まだ更新の芽吹きは見えない

2013年の記事
旧 変電所を残して戸田公園寄りに新設された。

2015年当時の画像

2018年建築許可の看板が出現 この場所に戸田変電所が老取された。微量PCBを含む油入り変圧器及油入りシリコン整流器の交換
首都圏では、同様な交換作業が我孫子、取手等で行われている。
旧来の場所に増設して取り換えは、大動脈である埼京線では行われなかった。


高架からケーブル引き下し
戸田開閉所からの66㎸ 2 回線

ケーブル引き下し口 

手前 高配用変圧器 
左 整流用変圧器  6440kVA その左奥にも同様に整流用変圧器が設備されている
設備更新は6440kVA×2台に大容量化 12相変圧器2台による等価24相へ

奥にある整流用変圧器とバスダクトで繋がる6,000kW シリコン整流器×2台

こちらは、旧戸田変電所の油入り整流用変圧器と左 油入りシリコン整流器 4000kW
この変成設備を交換

直列リアクトル 2回路同時運用
左 奥にシリコン整流器が見える

直列リアクトル 2回路同時運用
左奥に整流用変圧器が見える

負極(帰線側)が集約されるレタン 奥は母線断路器のキュービクル



き電線引き出し右 変電所からの引き上げき電線ケーブル 南与野方

南与野方 き電ケーブル立上り


南与野方 き電ケーブル立上り

き電ケーブルの敷線状況
左奥 赤羽方は、まだケーブルが敷設されていない

赤羽方 き電ケーブル 未敷設状態


この部分で赤羽方 き電線と繋がる予定
現在は、平行に張られたき電線と繋がる



追記 参考文献 川上ら;埼京線戸田変電所一括更新工事について:鉄道と電気技術,Vol31,No.8,pp50-53,2020

2019年2月16日

883. JR東日本 羽田空港アクセス線の推定と変電所の配置

羽田空港アクセス線 経路予想と変電所の配置

新着情報 2019/05/20
いよいよ5/30に環境調査の内容が明らかになる。
東京都港区芝浦一丁目が起点なので、この記事は外れかもしれない。

外した 5/30発表の調査計画書 引用東京都環境局 Webより
開削トンネルとシールドで田町駅北に繋げる
田町駅 付近は単線で通過
東海道線の間を割り込む形でトンネル構築


かなりの難工事となる模様 
東海道新幹線の移転支障工事は、行われない。

環境影響調査の結果、及び将来の増便を考え、この部分の単線運転(東京駅方)はネックになるので負荷分散を図る経路 新宿方(埼京方、中央方)、京葉線方(ディズニーに振り分ける)を運用する様子,それとも大穴 単線トンネル中止 複線乗越復活?!

新木場駅のき電系統をUp


JR東日本の会見を基に推定
黄色 羽田空港アクセス線
赤 それぞれの連絡線 臨海部ルート、西山手ルート
青 既存臨海線
ピンク 標点は、変電関係設備を示す


3ルートとも東京貨物ターミナルから羽田空港までのトンネルは共通の課題とする
臨海部ルート
既に臨海線 品川埠頭変電所付近から複線の旧京葉線が東京貨物ターミナル方に出来上がっており、一部 臨海線の八潮車両基地の出入りで複線の内 片方を運用している。もう片方は、TEPCO大井火力発電所付近に立ち上がるのだが現在は、閉塞されている。
これが一番簡単そうである。但し 乗客数は、それほど期待されないので現有の基地引き上げ線を利用した単線運転かもしれない。

鉄道建設・運輸施設整備支援機構Web閲覧資料からの引用
機構(旧日本鉄道建設公団含む)が携わった鉄道建設の工事誌・業務に関する動画の一部を掲載しているWebから引用
鉄道建設・運輸施設整備支援機構 アーカイブ 引用
臨海副都心線 東京テレポート・大崎間
臨海副都心線工事誌(東京テレポート~大崎間)平成15年9月 日本鉄道建設公団・東京臨海高速鉄道 編 pdf注意

臨海線の路線図 この臨海線と羽田空港アクセス線が繋がる
既に車庫線は、東京貨物ターミナルに引き込まれている


品川埠頭変電所部で既存複線シールドトンネルから分岐する形で臨海線が大崎方面に延長された。
分岐部の上部に品川埠頭変電所が設けられた。
中央 右の品川埠頭変電所から臨海線は、大崎方面へシールドトンネルが掘られた
既存シールドトンネルの解体と新たなシールドトンネルのつなぎこみが行われた。
車庫側は複線構成 但し 現在の臨海線は、この部分は旧京葉線の上り線を使って運用されている




旧京葉線 台場トンネルと東京貨物ターミナルへの経路
上がり線の開口部は現在の臨海線開口部と一致
下り線は、TEPCO大井発電所付近に開口部があるが閉塞されている、

臨海線ができる前の旧京葉線の経路
下り線は、TEPCO大井発電所付近に開口部があったが現在は閉塞されている



旧京葉線上下線の関係
上り方の方が勾配が緩い
旧京葉線 上下線の位置関係


旧京葉線と東海道貨物線の配線関係
京葉線下り線が開口部からトンネルに導入される部分
大井火力発電所付近
YAHOO地図だと開口部の記号がある









西山手ルート
大井町 東京車両センター付近から単線のシールドトンネル上下2段が品川シーサイド駅の大井町方にあるので、この部分から大井ふ頭へ向けてシールドトンネルを掘る。途中清掃工場があるので、その部分の迂回、首都高の大規模なジャンクションがあるので迂回し、JR東海の大井周波数変換変電所をかすめて、東京貨物ターミナル方に顔をだす経路
既存シールドトンネルからの分岐工事は、既に臨海線 品川埠頭付近で経験済

鉄道建設・運輸施設整備支援機構Web閲覧資料からの引用
機構(旧日本鉄道建設公団含む)が携わった鉄道建設の工事誌・業務に関する動画の一部を掲載しているWebから引用
鉄道建設・運輸施設整備支援機構 アーカイブ 引用
臨海副都心線 東京テレポート・大崎間
臨海副都心線工事誌(東京テレポート~大崎間)平成15年9月 日本鉄道建設公団・東京臨海高速鉄道 編 pdf注意


大崎からの経路は多数検討された
最終的に26ルートと160ルートが採用された。
品川シーサイド駅 手前の単線シールド部分からの分岐が妥当だろう
斜線部分 単線シールド部分からの分岐が妥当だと考える
東山手ルート
 一番の難工事 札の辻橋の部分で、今まで複線だった東海道貨物線が単線となる。東海道貨物線は、さらに海側を浜松町付近まで伸びるが、ここに拘ってはダメである。
東海道新幹線及び東海道新幹線の回送線を海側からどうやって乗り越すかが大きな課題だが、
東海道新幹線回送線と東海道貨物線が並走する区間からの乗り越しが一番ハードルが低いと考える。その部分ヒントは、運河上にある。
 既存の東海道貨物線の新幹線を乗り越す高架化は、古くからある三田ナショナルコートからの反対が大きく予想される。また札の辻橋の部分で経路が45度変更になるので、かなりの急角度を経て着地しなければならない。
 芝浦橋の運河上を経由、高浜公園上空を通り、東海道新幹線及び既存JR東の線路を越えて
着地するルートが一番ハードルが低い。運河上なので用地買収が最小限で済む
 途中 カナルサイド高浜のマンションがあるが、田町方に交換建築で建て替えを行う。住民としては、駅が近くなりWin-Winの関係が保たれる。
以下がその想定ルート
この部分から乗越が始まる


この場所の上空を羽田空港アクセス線が横切る


羽田空港アクセス線の変電所 
羽田空港アクセス線周囲の変電設備を以下の画像で水色で表す。またアクセス線の関係する変電所を赤で示す。
既存変電所の66kV化を2か所行う
田町変電所 浜松町変電所からの22kV 運用を66kV 化

51.  JR東日本 田町変電所(直流)ブログリンク
大井ふ頭変電所の66㎸化
 JR東海の大井周波数変換変電所までは、66㎸1回線が既に来ているので2回線化と延長
新設変電所
 羽田空港内に一か所 空港内の22㎸スポットネットワーク回線から受電
大井埠頭変電所から5㎞になるので必須となる。
末端にあたる変電所となるが、京急は、羽田変電所、東京モノレールは、西ターミナル、多摩川、羽田変電所を空港付近の重要変電所として位置付けている、ので、アクセス線も羽田空港敷地内に変電所を設けることになる。
 どうやら新ターミナル地下2Fに変電所が設けられるようだ。
掟破り
 既に東海道貨物線は、天空橋付近を通過しているので、この部分から京急線に平行して国際ターミナルを経て国内線ターミナルと繋げる。両ターミナルをつなげる一番簡単だが何かハードルが高いものがあるのだろうか?貨物列車との輻輳が問題になるのか?

2019年2月15日

882. JR東日本 三鷹車両センター き電保護パック き電保護線 設備状況

三鷹車両センター き電保護パック き電保護線 設備状況
 
き電保護パックについては、池袋駅の新設状況などUpしてきた。
 
 
高抵抗地絡に関する一連の記事
各記事には、鉄道総合技術研究所の文献引用を行っていたが、ポリシーの変更により引用できなくなっている。
 
 
 
籠原駅構内も三鷹車両センターとい同じようなき電保護パックの連系が行われている。
 
この高抵抗地絡事故の早期検出にはき電保護パックの設置が必要である。
228. JR東日本 王子交流変電所(直流併設) き電保護パックについて解説 ブログリンク

多連で設置されている例は、他所にもある。
552. JR東日本 き電保護パック 設備状況  ブログリンク
 
このところ き電保護パックの設備状況を調査していたら、き電保護パックの碍子側でないパックの底部(アース側)から出ていたレール側のケーブルの名前が判明したので記す。

この三鷹と同じような例が鉄道総合技術研究所の検索「高抵抗地絡」で引っかかった。
保護線を用いた直流高抵抗地絡保護手法 電力技術研究部 き電研究室主任研究員 森本氏論文 pdf注意
同論文pp.4からの引用
放電ギャップが「 き電保護パック」を意味する
今回の三鷹車両センターの「き電保護パック」の設置状況は、この文献とは若干違う
 
場所は、三鷹車両センター の電留線部分の一部 ケーブル収納トラフ上に記載があった。
  

画像上のコンクリ架線柱 庫8と9のコンクリ架線柱にき電保護パックが取り付けられている。


8番の架線柱に き電保護パック
碍子側は分岐

碍子側分岐は、き電保護パックの後ろを経て

アース側と一緒にトラフに収容される
トラフには表示がある

き電保護線と表示
トラフを辿ると9番の架線柱に き電保護パック
碍子側に緑の線
先の 8番の碍子側とアース側は、並列につながっている

8、9番 架線柱におけるき電保護パックの設備状況
奥 9番 手前 8番
8番の碍子側はケーブルで立ち上がりビームに沿って線路を横断する


横断したケーブルは中央の架線柱から引き下ろされ、中央から左下の真新しいトラフに収容される
奥 右 上の 真新しいトラフは、先ほどの9番架線柱から線路を横断したケーブルが収容される
奥 武蔵境方 手前 三鷹方

9番架線柱からのケーブルが引き下ろされ、真新しいトラフに引き込まれる 奥 武蔵境方



8番 架線柱からのケーブルはこの架線柱で引き上げられ線路を横断する 奥 三鷹駅方
左下 真新しいトラフにき電保護線の赤表示

線路を横断した先に き電保護パック

き電保護パックの碍子側に先の8番架線柱の碍子側が並列につながる
分岐した片方は、下部に延びトラフに収容される

トラフにはき電保護線の表示




トラフからケーブルが立ち上がる FEP管の部分

三鷹車両センター 入り口のパンタ摺り板検査用カメラ部分のき電区分を行う断路器
よく見るとケーブルが立ち上がる


ビームに、き電保護パック碍子側から延長されたケーブルがボンド

アース側 単独のトラフ き電保護線の表示

き電保護パックのアース側は、インピーダンスボンドの中性点につながる

おまけ
パンタ摺り板検査装置

両端にセクション挿入 駅側

両端にセクション挿入 車両センター側

パンタ摺り板 検査装置 両側にセクション
このセクション間は、手前 接地極付断路器でき電されている。
接地側にすると、セクション間は、接地状態になる


断路器左側のき電線は、左方向に伸びる
電留線用断路器 左架線柱

中央 車両センター母線から二分岐 接地極付断路器
武蔵境交流変電所からの三鷹車両センター専用線

この断路器まで伸びる 右 武蔵境交流変電所からの三鷹車両センター専用回線

中央 車両センター母線 右 断路器 武蔵境交流変電所からの車両センター専用回線
左 中央線 下り方 き電吊架線につながる 断路器は開極
両方向からのき電区分ができるよう車両センター母線は設備されている。
大規模なところは、両端の変電所から専用線が引かれる
例 豊田、尾久など

左 断路器側き電線は、下り方き電吊下線につながる

境荻窪線66kV地中ケーブル 新宿方面 左方に敷設

境吉祥寺線22kV地中ケーブル 新宿方面 左方に敷設


境新宿線 154kV 地中ケーブル新宿方面 左方に敷設