2014年12月9日

266. JR東海 大井周波数変換変電所 記事訂正(新幹線)

大井周波数変換変電所 記事訂正


グーグルマップでは表示名が出ない。
受電:浜松町交流変電所経由66kV 1回線 60MVA 550A流れる
                                  
き電:大崎変電所・汐留補助き電区分所 42、と45の回線があり45回線は架空、42回線は地中ケーブル化されている。

 浜松町にあった回転式の周波数変換機が老朽化したため、また回転式であるので変換効率も悪くなったため大井車両基地に静止形の周波数変換設備を新設した。また新幹線がJR東海に分離されたためもある。

 静止形周波数変換設備の1号機は、網島にある網島周波数変換変電所に設備されており、運用実績もあるため順次回転式が置換わっていくことになる。同様な設備は、沼津にもある。また大雄山線の湘南沼田駅で下りて歩く西相模周波数変換変電所にも網島と同様な周波数変換変電所がある。

 静止形の特徴として変換効率またメンテナンスの容易さがあげられるが、回転式は過負荷に強く捨てがたい。またどうしても発生する高調波の問題も静止形では、避けきれない問題もあり、すべてを静止形に変えられないでいる。鉄道のような短時間での負荷の変動が大きい電力系での静止形の運用は難しい。浜松町にあった回転式の周波数変換機は公称60MVAで1台であったが、大井周波数変換変電所では30MVA×2台で運用を行なっている。

 大森・東京間は、品川駅もあり、またカーブもあり騒音問題などで速度を出せないので、事足りているのだろう。
 
 大井車両基地の海岸よりにある大井ふ頭変電所は、昭和62年(1962)当時から存在し、東京貨物ターミナル 塩浜方面へのき電を行っている。変電所までのトラフには2万ボルトの表示があり、今は使われていない貨物線の脇に沿ってCVケーブルが2回線敷設されている。ケーブルの立上がりは、旧海岸通の品川高浜橋付近に認められる。

大井ふ頭変電所向け22㎸2回線管路 高浜橋から貨物線沿いに大井ふ頭変電所へ
大井周波数変換変電所向けの66㎸1回線はこれとは別に貨物線沿いを通る

 大井周波数変換変電所(以下大井FC)は平成24年(2012)に浜松町周波数変換変電所(以下浜松町FC)が廃止されると同時に立ち上がっており、その時期に、この66kVと思われる浜松町ふ頭線が新しく立ち上がったと見るのが妥当であろう。
 品川・大井町間には、大井町・神田間の66kV送電ケーブルの予備管が見られる。この浜松町ふ頭線は、新橋・田町間では予備で敷設された大井町・神田間のケーブル敷設管を利用し、途中田町前で線路を横切り新幹線側に移動している。
 



東芝文献から引用 重要設備なのに66㎸1回線受電である


  静止型周波数変換装置の出力部 近づけないのでGogle Street Viewの過去画像を探した
    よく見ると3本の回線が引かれているが真ん中の碍子数が少ない。手前側が45き電線。奥側が42き電線となっている。訂正部分

 右上の黄色の標識に45回線 1本挟んで奥に42回線の表示が見える。この部分が周波数変換器の出力端となっている。


 東芝の文献では、このように表示されているが実際はレールを真ん中に挟んで両脇が42,45回線のき電線である。

両脇から静止型変換機2台からの配線が母線化されている
ここから基地内及び大崎変電所、新田町分岐、新田町き電区分所に分岐している



新橋変電所から浜松町ふ頭線(大井周波数変換変電所向け)66㎸1回線は、送出されている。
66kV 浜松町ふ頭線1号


浜松駅を通過する 浜松町ふ頭線1号上と下2本大井神田線1,2号 66kV地中ケーブル



ガードを潜る


このダクトから浜松町ふ頭線1号は新幹線沿いに敷設されている。

新設された浜松町ふ頭線1号

浜松町ふ頭線1号 接続部

上部 
浜松町ふ頭線1号66kVパイプと
下部
新鶴見浜松町線154kVトラフの共架


左 浜松町ふ頭線1号引き出し部

大井埠頭変電所向け22kV×2本と浜松町ふ頭線1号66kVの共架

大井埠頭変電所向け22kV×2本と浜松町ふ頭線1号66kVの共架
地中ケーブル保護管の口径が微妙に違う


大井周波数変換変電所 全景 
奥と手前で1,2号機の周波数変換機が
30MVA×2台設置 入力22kV 50Hz 出力22kV  60Hz
コンバーター・インバーターともIEGT素子 単相ブリッジ三相構成
直流定格電圧6,900V

陸橋からの俯瞰
 66kV 降圧22kV受電用変圧器 と22kV昇圧30kV のき電用変圧器が2組あり
30MVAが並列接続されている。

 き電出力は42,45回線で2回線架空と地中送電線で別々送出。
ヤードき電線との名称。田町SPと田町分岐で汐留SSPと大崎変電所に分岐。

JR東日本側からの俯瞰
大井車両基地入口 区分断路器


引き込み線と車両基地線を区分するエアーセクション デッドセクション用に見えるが
絶縁距離が取れないためエアーセクションの延長部を絶縁している。パンタは触れない。


車両基地 計器用変流器、計器用変圧器と母線群

上記 拡大 避雷器、変流器も見える

周波数変換変電所から母線1,2号  基地内は、単一位相

大井車両基地入口の同相インシュレータ

45回線送出部 
 鉄構上部のき電線 水平対向の碍子中間部から吊り下げられている。どうやら実用新案のき電線吊架体と言うものだ。
 昔は、V字の長幹碍子で吊り下げられていたがV字の部分に鳥獣が留まって接触停電事故を起こすため水平対向式に交換されている。
途中 ケーブルヘッドで立上る線があるが、これは旧浜松町FCのころのケーブルで
現在 使用されていない。

45回線 ポリマ碍子で引留められ通常の碍子で引きだされている。
PW(N)線と組み 上部碍子1個の線



横からみたところ ケーブルヘッドからは接続されていない

中 ケーブルヘッドで立上る線があるが、これは旧浜松町FCのころのケーブルで現在 使用されていない。陸橋下

42回線のトラフ

42回線は、地中送電線 


おまけ陸橋から見えたDr.イエロー

関連する変電設備 


263. JR東海 旧 浜松町FC給電点(新幹線・同軸き電) ブログリンク

267. JR東海 大崎変電所(新幹線・ATき電.同軸き電) ブログリンク

262. JR東海 汐留補助き電区分所(新幹線・同軸き電)ブログリンク

参考文献

大西 満ら:新幹線単相き電用静止形周波数変換装置の車両基地への導入
JREA;2012,Vol.55,No12,pp.37360-37363

大西 満ら:新幹線単相き電用静止形周波数変換装置の車両基地への適用
電気と鉄道技術;2013,Vol.24,No.1,pp.39-43 上記文献と内容同じ

宮嶋 宏樹ら:新幹線車両基地向け単相き電用静止形周波数変換装置
東芝レビュー;2012,Vol.67,No.10,pp.52-55

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