王子交流変電所
受電:蕨上野線66kV地中3回線(そのうち1回線はT分岐で赤羽変電所経由)
池袋変電所、日暮里変電所、田端開閉所、赤羽配電所に22kV送電
給電:東北・高崎線、田端操車場、京浜東北線 ケーブルラック方式で東北線分岐部まで敷設
沿革
1978年交流変電所開設 1997年 66kV降圧22kV 主変圧器5万kVA LTC付き×2台に交換
22kVはC-GIS設備で屋外にある。
蕨・王子線は、1,2号のOFAケーブルと3号のCV-Tケーブルで接続されている。この3号のCV-Tケーブルで多数の絶縁破壊事故が発生しており、原因究明をしたところ電食防止のため、CV-Tケーブルは変電所端でのみ接地しており、その関係でCV-Tケーブルの線間静電容量で遮蔽層に高電圧が発生(約400V)していることが判明。その高電圧でシースの絶縁破壊を起こすことが判明され、相間ボンドを行なうことにより3相の静電容量が打ち消しあい発生する電圧を低下させることができた。ちなにみOFAケーブルは、外装が金属管なので問題がなかった。
道路にあるケーブル埋設標 |
22kVケーブル 敷設トラフ |
王子池袋線22kV 1回線 |
王子日暮里線22kV |
22kV C-GIS設備 |
22kV C-GIS設備 |
22kV C-GIS設備 |
22kV C-GIS設備 奥に送電用変圧器66kV降圧22kV用放熱器 |
C-GISから出てくる22kV 王子連絡線1,2号 整流用変圧器用 |
蕨から来る66kVケーブル敷設ダクト 上野方面 途中王子交流変電所T分岐 |
左 変電所建屋内の整流用変圧器 |
上野方面 66kV OFケーブル 途中王子交流変電所T分岐 尾久駅上野寄り |
OFケーブル用油槽 蕨・上野線1,2号用 |
東北・高崎線上下 客14~11と尾久車両センター用庫21 |
貨物上下14~12と庫21 |
京浜東北線上下 |
ケーブルラックで配線 |
奥にケーブルラックで き電線が敷設されている。 |
左より 白 京浜東北 南北行 帰線 青 京浜東北 北行、南行 赤羽方 北行、南行 日暮里方 緑 東北貨物下 オレンジ山手貨物上下 緑 東北貨物上 |
美しい き電線の敷設状態 |
左より 青 京浜東北 上下 赤羽・日暮里方 白 京浜東北 帰線 |
左より緑 東北貨物上下 オレンジ 山手貨物下上 白 田端操構内線新幹線側常磐貨物線方面 貨物63L回線 |
紫 東北 田端運転所 白東北 客田端(構内) 尾久方面 |
常磐貨物線で行く鉄道博物館 臨時列車 車内から俯瞰 |
常磐貨物線で行く鉄道博物館 臨時列車 車内から俯瞰 |
常磐貨物線 貨63L 王子電源き電線 |
常磐貨物線 貨63L 王子電源き電線 拡大 |
インピーダンスボンド 中性点に接続される帰線 |
き電線の電柱に付いている き電保護パック
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高抵抗地絡問題の解消の為 開発された装置
故障点の抵抗が0.5Ω程度の場合 き電線や電車線が構造物に接触した場合故障が検知できないで、大電流が流れ続け信号・通信ケーブル等の焼損が発生する。
これを検出し保護するために開発された装置。
き電電圧が1500Vと低く高抵抗のコンクリート柱などは地絡した場合、故障電流が小さい、その一方電気車負荷電流は2~4kAと大きく、運行密度が高い変電所の回線電流は数kA以上になる。 原理としては、高抵抗地絡故障による構造物の電位上昇により放電ギャップを作動させて故障電流を速やかにレール帰路に移行させて変電所の保護回路を作動させることによる。
参考文献(順不同)
王子交流変電所 単結図
藤森英雄:東北新幹線上野・大宮間電気設備概要(上野ターミナル電源設備)
電気鉄道;1985,Vol.39,No.3,pp.17-19
由井清ら:放電ギャップを応用した高抵抗地絡保護装置の開発実用化
鉄道と電気技術;1889,Vol.43,No.8,pp.2-7
このときは、まだ原因が解明されていない。
大豆生田 博文:蕨・王子間CVケーブルの絶縁破壊について
電気鉄道;1987,Vol.41,No.2,pp.22-25
相間ボンドが有効との考察
塩田 弘:蕨~王子3号線絶縁破壊事故の考察
鉄道と電気技術;1994,Vol.5,No.4,pp.38-40