変電・饋電(き電)・通信のもろもろ: 1160.　東武鉄道　全変電き電関連設備　一覧

　東武鉄道　全変電き電関連設備　一覧

　変電所等設備は、変電所58ケ所、受電所1カ所、き電区分所2ケ所、き電開閉所1カ所電力貯蔵所1ケ所の設備があり、TEPCO66㎸受電一部6.6㎸受電を行っている。変成設備はすべてシリコン整流器で構成されている。

　東武鉄道は、き電開閉所として複線区間で並列き電送電している両変電所の間隔が比較的長い場合、電車線路の電圧降下抑制とき電保護能力を目的として両変電所の中間点に設けている。その構成により

1.き電区分所　上下のき電線を直流高速度遮断器を介して並列に接続し、電圧降下抑制だけでなく事故時や作業時のき電区分を行う。（上福岡、志木）

2.き電タイポスト　上下のき電線を直流高速度遮断器を介して並列に接続し、作業時のき電区分は行えないが、簡単な構成でき電区分所と同程度の電圧降下抑止効果を得ることができ経済的な方式である（北春日部）

の各方式がある。　

　き電方法は方面別上下別き電、一部の路線　野田線全線、伊勢崎線館林ー鷲宮間、曳舟ー浅草間、日光線東武日光ー栗橋間、東上線森林公園-武蔵嵐山、は上下線別になっているき電線をボンドして上下一括き電を行い、回生電力の有効活用と電圧降下を軽減、き電電力の節約を実施している。変電所直下では、セクションオーバーによるトロリ線溶断防止策としてZセクション（直流部デッドセクション）を設けている。

487.　直流電化区間のデッドセクションとエアーセクション

　受電所は、近傍にTEPCOの66㎸送電線がなく遠くから66㎸を導入しなければならない小菅変電所用に、梅島受電所を設けて66㎸降圧22㎸の変圧器を置き22kV送電を行っている。

嘗ては、伊勢崎線春日部変電所ーせんげん台変電所間、東上線川越受電所川越変電所ー上福岡変電所間、柳瀬川受電所-鶴瀬変電所、志木変電所に自営送電線22kVが敷設されていた。

　そのほかに電力貯蔵所が2ケ所ある。

上福岡き電区分所は、隣接するふじみ野ー川越変電所間が7.18㎞と通勤区間・高密度線区となり他の区間と比較的長いためラッシュ時も電圧降下と安定した電力を目的としてき電区分所内に設備された。

　大宮公園回生電力貯蔵装置は、以前導入していた運河駅の貯蔵装置が変電所に置き換わったので移設され、野田線末端の大宮駅における電圧降下抑制と安定した電力を目的として設備された。

き電線は、硬アルミ510㎟を多用していたが硬銅撚り線325㎟に変更していくそうである。（流せる容量は同じ）銅の方が持ち（耐候性）が良いため。

跨線橋等き電線が潜る場合、積極的にケーブル化されている。