2019年3月8日

887. JR北海道 交流変電設備分布と直流変電所(整流ポスト)東洋経済の記事の考察

JR北海道 交流変電設備分布と直流変電所(整流ポスト)東洋経済の記事の考察

東洋経済の記事 以下引用
JR内房線で採用された整流ポストによる交流き電で直流電化は実現可能だ」
東洋経済 Web記事リンク JR「ダイヤ改正」から読み解く各社の損得勘定
が如何にどんな意見であるか調べてみた。

交流変電設備とは、変電所、き電区分所 、補助き電区分所とする。

以下道内電鉄変電所をざっと調べてみた。

JR北海道の在来線電化区間は、駅間で示すと以下のようになる。
1.室蘭本線 室蘭駅⇔沼ノ端駅間 ATき電 20kV
2.千歳線  沼ノ端駅⇔白石駅間 ATき電 20kV
3.函館本線 函館駅⇔新函館北斗駅間 ATき電 20kV
小樽駅⇔旭川駅間 BTき電 20kV
4.海峡線  中小国駅⇔木古内駅 ATき電 25㎸
5.学園都市線 BTき電 20kV
となっている。
このほかに北海道新幹線ができたため
道南いさりび鉄道が
木古内駅⇔五稜郭駅 ATき電 20kV
となる。

 交流電化区間の在来線は、BTき電方式で変電所間隔は30~50Km ATき電方式では60~100Km間隔となりATき電方式のほうが変電所間隔は長くなっている。

 直流鉄道は、供給容量にもよるが都市部で約5~10km間隔 地方で約15km間隔となる。

 これを道内にあてはめたら、多数の直流変電所(連絡送電線:き電補助線を設けた)を置かなくてらならず現実的ではない。 多数の直流変電所+直流車両作製で初期費用が増大する。
 
 整流ポストは
1.簡易的な設備で、設置費用を安くする。(親変電所からの制御)
2.直流変電所を設けなければならないが、近辺に電源用の送電線が引かれていない。
との状況で設置された。



 ATき電区間は、JR北海道の在来線の場合約10km置きにATをATポスト、変電所中間にき電区分所を置いているので、大体の感覚であるが、以下のピンク点に直流変電所を置かなくてなならなくなる。
 BTき電区間は、約30㎞置きに変電所、中間部にき電区分所が置かれているので、同様にピンクの点に直流変電所を置けばよい。

 各直流変電所には、フル装備のシリコン整流器と整流用変圧器、直流高速度遮断器をセットし、かつ交流側に遮断器、断路器を設ける形となる。

 内房線の整流ポストの設置理由は、鹿野山の観測所の地磁気測定に影響を及ぼさないよう、かつ直流電化のコストが最小限になるような構成と間隔で設置された。また整流ポストが置かれた君津、大貫、竹岡各整流ポスト付近にTEPCOの送電線が無かったことも一因である。現在 君津には、近傍にTEPCO送電線があるので、そこから受電している。

 整流ポストに直流高速度遮断器を置かない構成は、保安上問題が大きくなるので現在は、直流高速度遮断器を設置して変電所に格上げされている。

 これらかつて整流ポストとよばれた変電所群は、き電補助線と呼ばれる連絡送電線33kVで結ばれているが、山越え送電線の保守等問題があり、JR東日本では、電力貯蔵装置の利用を考慮して実験を行っている。しかし一部のき電補助線の山越え部分は、線路際のケーブル送電に切り替わっている。
114. JR東日本 君津変電所(直流)とその周辺 ブログリンク
116. JR東日本 大貫変電所(直流)ブログリンク
115. JR東日本 佐貫町変電所(直流・交流) ブログリンク
117. JR東日本 竹岡変電所 ブログ リンク
750. JR東日本 内房線 直直デッドセクションはあるか 大貫変電所 回生電力貯蔵装置の実態 ブログリンク


 また、かつて福島⇔米沢間の直流電化の際に、連絡送電線を設けて変電所間で回生電力を融通したことがあったが、これは勾配が続く区間だったため回生電力の融通を考えてのことである。
662. JR東日本 福米線電化の道筋(直流→交流、狭軌→広軌)ブログリンク

 羽越線の村上駅にも村上整流ポストがおかれたが、これは村上駅近傍に東北電力の送電線が無かったためである。現在は、村上整流ポストは、東北電力からの66㎸受電に切り替わっている。
700. JR東日本 村上変電所(交直)とデッドセクション 羽越本線 700投稿記念 元旦号 ブログリンク

699. JR東日本 平林変電所 羽越本線  直流 かつては154kV受電であった ブログリンク

縮尺は、3枚の画像は大体同じにしてある。

ピンク BT電化区間の変電所 き電区分所 緑 市営地下鉄 直流変電所
函館本線 小樽駅⇔旭川駅間 BTき電 20kV、学園都市線 BTき電 20kV き電区分所を含む


札幌都市部の緑の直流変電所の分布で考えると、内房線のかつて整流ポストと呼ばれたような小容量の変電所の場合 数多くの新設直流変電所を設けなければならない。


AT電化区間 変電所 き電区分所
室蘭本線 室蘭駅⇔沼ノ端駅間 ATき電 20kV、千歳線 沼ノ端駅⇔白石駅間 ATき電 20kV

説明を追加



ATき電 
海峡線  中小国駅⇔木古内駅 ATき電 25㎸、函館本線 函館駅⇔新函館北斗駅間 ATき電 20kV、道南いさりび鉄道 木古内駅⇔五稜郭駅 ATき電 20kV
ポイントが重なっている部分は、北海道新幹線 関係のトンネル斜坑位置も含むため



個別のポイントの変電所名は以下のWeb参照
×が鹿野山の観測所
 鹿野山測地観測所と直流変電所 グーグルマップ リンク




結論
 新たな直流変電所(連絡送電線:き電補助線を設けた)を構築し、直流車両を導入する意義はない。
 ただし、現有交流電化区間も運行頻度が低い、室蘭本線 室蘭駅⇔沼ノ端駅間、函館駅⇔新函館北斗駅間、木古内駅⇔五稜郭駅は、交流電化設備の老朽化があるので、場合によっては交流電化廃止も考えられる。この場合の運行形式としては、男鹿線で取り入れられた交流蓄電池車(JR東日本EV-E801系電車:ACCUM)の導入、ディーゼル(ハイブリッド)車の導入が考えられる。

901. 東北巡検その二 JR東日本 男鹿変電所 男鹿線  EV-E801(ACCUM)用 AC20kV ブログリンク
 
貨物は、青函トンネル以外はDL運行

 運行頻度の高い 小樽、札幌、旭川(△)は、BTき電のまま。千歳線は、AT電化設備の更新がおこなわれているので現有ATのままで維持するのが吉である。
(個人の見解です)

2019年3月6日

886. JR東日本 羽田空港アクセス線 東山手ルートの妄想  外した妄想で終わる

羽田空港アクセス線 東山手ルートの妄想

新着情報 2019/05/20
羽田空港アクセス線(仮称)の環境影響評価手続き着手について pdf注意
いよいよ5/30に環境調査の内容が明らかになる。
東京都港区芝浦一丁目が起点なので、この記事は外れかもしれない。

外した引用 京都環境局 Webより
環境評価調査計画書 pdf注意 
開削トンネルとシールドで田町駅北に繋げる
田町駅 付近は単線で通過
東海道線の間を割り込む形でトンネル構築


当該区間の平面図 概略 pdf注意
かなりの難工事となる模様 
東海道新幹線の移転支障工事は、行われない。
 
 
変電き電関係で集めた資料から考察
 883. JR東日本 羽田空港アクセス線の推定と変電所の配置の記事が変電関係でもないのに思いがけなく記事の閲覧回数が伸びたので妄想の根拠を述べる。


浜松町及び札の辻を経由しない理由は、以下の通り

1.浜松町付近の新幹線を海側に一時移動させて都営地下鉄12号線を構築したが、その際の工事が難工事となった。浜松町Bv
現在新幹線の運転間隔は、約3分程度 15本/時間の運行頻度であり、再度海側に新幹線の線路を移動して、その間に羽田空港アクセス線を構築するのはJR東海としても承諾できない。浜松町駅から田町駅海側に用地があるが、これは高層ビル用地として利用する。

2.浜松町駅⇔田町駅
 旧貨物線(単線)上に東京モノレールが通っており、これ以上の線路は引けない。

3.田町駅⇔札の辻 跨線橋
 東京都との工事調整が難航して、貨物線1本をトンネルとして通すに留まった。工事費用は国鉄負担での対応となった。この部分で在来線及び新幹線は、大きく向きを変えるため増線の難易度は上がる。交通量も多いので、いまさらアクセス線のために建て替えは影響が大きいので見送られる。

 新幹線回送線は、以前は単線構造であっため複線に直した経緯があり、その工事の難易度は高かった。いまさらこの回送線を動かすことは、新幹線の運転間隔を考えると不可能となる。

 JR東海としても、既得権である回送線及び本線には、構ってくれるな!が、その主張となるので、一番影響が少なく回送線及び本線を越えて、在来線に着地する場所としては、先に示した高浜橋付近からの乗越が無難である。
 高浜橋付近から回送線は、徐々に高度を上げて本線を乗り越すので、その手前から羽田空港アクセス線は、高度をあげてカナルサイド高浜(解体中)を越え在来線に着地する経路が妥当な経路となる。

高浜橋の手前 浜路橋のさらに大井寄りは、首都高。モノレールを乗り越すため特殊な橋梁を設けているので、この部分からの分岐は無い。


大井回送線は、実は最初は札の辻部分の本線乗り越し部分で単線であった。との事実
 回送線複線化のルールは、その時分存在しなかった。JR東海では210km/hで走る本線ルールのみであり、1967年に回送線を作った回送線設計ルールがJR東海に引き継がれていなかった。そのため最小曲線半径300mでの速度制限70kmを本線並みにして欲しいとの要求を約1年6ヵ月を掛け設計したと文献には記載されているが最終制限速度が何km/hになったかは文献に記されていない。

 大井地区の再開発は、今まで国鉄として一体であったものを、JR東海、JR貨物、JR東日本の各社が混在する形となり調整に時間が掛かったそうである。

 JR東海の既得権がある、旧大井車両基地の後ろにJR東海の新車両基地、新保守基地を建設。玉突きでコンテナホームを東京貨物ターミナル後方へ移転させている。


札ノ辻跨線橋 新設貨物線は、トンネルとして通している。

妄想の具現化
 高浜橋から先の札の辻部分までの既存貨物線跡は、電留線として活用。羽田空港アクセス線は、高浜橋から高度を上げて回送線の上を通り、新幹線本線を乗り越して在来線側に着地
この経路ならば、速度規制も無く運行できる。


 


 

参考文献
大植ら;新幹線品川車両基地の大井移転について:JREA,Vol.35,No.12,pp21370-21373,1992
林康夫;大井埠頭~汐留間線路増設工事-2-:土木技術,Vol28,No.7,pp.91-104,1973
林康夫ら;大井埠頭~汐留間線路増設について:交通技術,Vol25,No.8,pp.36-39,1970

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