2024年9月15日

1387. JR東日本 盛岡変電所設備移転更新 スコット結線変圧器と変電所移設先の変圧器と単結線図(予想2)

 盛岡変電所は盛岡駅南側に現在移転工事中である。

新しい情報が入ったので秋田新幹線 き電設備が設けられているようだ。

Xに投稿された新盛岡変電所の画像 akabako @akabako131投稿引用を元に一部修正

1313. JR東日本 盛岡変電所移転 新設工事の背景

1332. JR東日本 盛岡変電所移転更新状況(受電、変圧器一次側まで)

どうやら画像を見ると秋田新幹線用AF,TFき電線が引き出されているので、akabako @akabako131の投稿画像を元に修正をした。


以下からの記事は個人の私見で妄想です。一部修正
結論
 よって移転先の盛岡変電所に設置されるスコット結線変圧器は複電圧ではなく154㎸降圧22㎸の単純なスコット結線変圧器となる。明電舎製なのでM点アレスタは設備されない。

154㎸降圧22㎸ スコット結線変圧器 30MVA 22㎸碍管が4個見える(左の隅)
本設電-31101-1A 一次側3相一括GIS母線対応 重量74.8t
 手前の放熱器は高配用変圧器のもの 高配変圧器の奥にスコット結線変圧器が置かれている。
 図面では一次側154㎸×112A×√3=30MVA 二次側 22㎸×√3×682A=25MVAとなっており差分がでている。一次側がY結線のように見える。二次側のU、OUが巻き線1本の並列接続のM座。 V、OVが巻き線1本だけのT座となっていた。
 U、OU、V、OVの表示があるのでスコット結線変圧器(相数3/2の相変換変圧器)は確実だがM座、T座の表示が無い。かろうじてインピーダンス表示の部分にM座、T座の表示がある。誘導電圧ベクトル図はスコット結線変圧器そのもの 以下表示内容抜粋


盛岡変電所(新)き電用トランス 表示

 別文献のスコット結線変圧器 この書き方で一次側がY結線に見える。二次側が巻き線2本並列と巻き線1本。M点の絶縁距離を大きくとる。絶縁被覆を厚くすると、まあこの書き方になるのか?


 東北電力との現受電契約が現盛岡変電所は高配変圧器(15MA)と合わせて45MA×2なので盛岡変電所(新)も同じと考えと30MVAスコット結線変圧器154㎸降圧22㎸が2台 15MVA三相変圧器(高配)154㎸降圧6.9㎸が2台設置される。

 JR東日本のBTき電区間でのスコット結線変圧器で154㎸ 受電は、この盛岡変電所(新)が初めてとなる。

 現盛岡変電所は、ATき電対応及び新幹線基地き電(単相)も担当しているのでこれに対しては以下の対応をとるものと推定する。

秋田新幹線ATき電対応
 現盛岡変電所に設置されている単巻変圧器は新品交換してAT電化区間の秋田新幹線デッドセクション(AT-BT)からのAF,TFき電線が繋がる。AF,TFき電線は、相間電圧50㎸なので現行22㎸の電圧から50㎸に昇圧しなければならない。(最大電圧で記載)
 22㎸昇圧50㎸の単相2線式変圧器を設置して対応

新幹線基地用25㎸単相電源
 20㎸昇圧25㎸の単相2線式変圧器を設置して対応
   20㎸昇圧25㎸の例は、五稜郭機関区(JR貨物所有の設備で例がある。但しATき電)


現在の盛岡変電所のき電線引き回し状況

現盛岡変電所からのき電線引き出し
上部3本は秋田新幹線(田沢湖)線用AF,TF,PW(NW)盛岡変電所(新)ではAT設備は撤去
下部 5本 東北本線上下 IGR線上下とNFは共通 多分盛岡変電所(新)ではNFは分離


 盛岡変電所から駅構内へき電線が引き出される 奥に盛岡変電所(新)が構築されている。
213,214き電線がT分岐して盛岡駅北方に伸びている。
奥 仙北町方 手前 盛岡駅

        2019年当時の BT側のき電線が振り分けられる電化柱
奥 212,211が東北本線 上下 20㎸BTき電 仙北町駅方のデッドセクションへ。現在は新しい盛岡変電所(新)のき電線引出電化柱から北仙駅方へ伸びている。
 手前側 214,213がIGR沼宮内方(盛岡駅構内)上下 20㎸BTき電。ここで214,213き電線は架線に繋がる。前方の陸橋の下に東北本線上下のエアーセクションがあり断路器で駅構内を区分している。このき電引出電柱の下2線路と直ぐ左の線路は下り213き電。

盛岡駅構内の現在のき電系統(盛岡駅構内は沼宮内方き電213,214)

 出典(「配線略図.net・https.www.haisenryakuzu.net/」から引用改変 東北本線部分
 盛岡駅構内の仙北町駅方と青山駅方にエア―セクションがあり、き電区分が行える形になっている。エア―セクション間は、仙北町方は断路器があり、エア―セクションの仙北町方の架線電圧を測るVTが4台(上下線)付いている。
 また青山駅方にも同様にエア―セクションがあり断路器で区分ができるようになっているが、断路器の片方が盛岡変電所の214,213き電線に繋がっている。ここも架線電圧を測るVTが4台(上下線)付いている。
 盛岡変電所からの沼宮内方き電線214,213は途中でT分岐して青山駅方の断路器と駅構内のトロリ線に繋がっている。
通常は、南北の断路器は閉路されている。


南北断路器のパターン

1.北側の断路器を開路。南側の断路器を閉路。盛岡駅構内以北が渋民き電区分所まで停電する。但し盛岡車両センターは生きる

2.北側の断路器を開路、南側の断路器を開路。南側エア―セクション以南からデッドセクションまで停電(北仙町駅停電)。盛岡駅構内以北が渋民き電区分所まで停電する。但し盛岡車両センターは生きる

3.両端の断路器を開路。盛岡駅構内と盛岡車両センターだけ き電(盛岡変電所から)

4.北側の断路器を閉路。南側の断路器を開路。仙北町側のエア―セクション以南からがデッドセクションまで停電

5.北側の断路器を閉路。南側の断路器を閉路←通常状態

6.北側の断路器を開路。南側の断路器を閉路かつ盛岡変電所停電の場合。日詰、渋民延長き電状態 デッドセクション以北と盛岡駅構内が停電する。盛岡車両センターは断路器閉路(緑色)でき電

7.北側の断路器を開路、南側の断路器を開路かつ盛岡変電所停電の場合。日詰、渋民延長き電状態 デッドセクション以北と盛岡駅構内が停電する。盛岡車両センターは断路器閉路(緑色)でき電。岩手盛岡駅、盛岡貨物ターミナル駅までき電

8.北側の断路器を閉路。南側の断路器を開路かつ盛岡変電所停電の場合。日詰、渋民延長き電 南側 岩手盛岡駅、盛岡貨物ターミナル駅、盛岡駅構内と盛岡車両センター、盛岡駅以北だけ き電、仙北町方のエア―セクションからデッドセクションまで停電(仙北町駅停電)

9.北側の断路器を閉路。南側の断路器を閉路かつ盛岡変電所停電の場合。日詰、渋民延長き電 南側岩手盛岡駅、盛岡貨物ターミナル駅までき電。仙北町駅、盛岡駅構内と盛岡車両センター、盛岡駅以北だけ き電(沼宮内変電所から)
と色々なパターンが組める。補助き電区分所のような機能を持つ

214 仙台駅構内北側のエア―セクションの沼宮内方に繋がる214き電線
VTが2台 断路器両端の電圧を測定(片方は214き電線、もう片方は沼宮内方)

別角度 エア―セクションの電車線区分標が見える
VTが2台 断路器両端の電圧を測定(片方は214き電線、もう片方は沼宮内方)


213 仙台駅構内北側のエア―セクションの沼宮内方に繋がる213き電線
右にVTが2台 断路器両端の電圧を測定(片方は213き電線、もう片方は沼宮内方)



別角度 213 仙台駅構内北側のエア―セクションの沼宮内方に繋がる213き電線
右にVTが2台 断路器両端の電圧を測定(片方は213き電線、もう片方は沼宮内方)
 

 盛岡駅南側のエア―セクション部は駅構内にあり接近不可能なため、東北本線前面展望でエア―セクションと断路器、VT確認


盛岡車両センター行き専用線と盛岡駅構内を区分する同相交流セクションインシュレーター
左 断路器 開路で盛岡車両センター停電


別角度 

盛岡車両センター行き専用線と盛岡駅構内を区分する同相交流セクションインシュレーター
左 断路器 開路で盛岡車両センター停電


213き電のトロリ線から盛岡車両センター行き専用線へき電する断路器 定位開路
上の模式図で緑の断路器


盛岡変電所(新)のき電線引出電化柱

 盛岡変電所(新)からのき電線引出電化柱 212,211き電線が現盛岡変電所から引き込まれている。車中から撮影 避雷器2台と直列コンデンサが見える。キ本11、12電化柱建植
変電所2次側の機器類が装着される架台が見える。

 盛南大橋からの遠望 盛岡変電所(新)からのき電線引出電化柱 212,211き電線が現盛岡変電所から引き込まれている。

盛岡変電所(新)二次側機器配置推定
この架台から2次側機器類の配置を推定してみる。

JR東日本 電気SIO広報(公式)から引用(X)旧
 
Twitter

機器の架台が配置されており、左に き電線引出の電化柱ができている

き電側の配線と機器配置推定するための情報源
 盛岡変電所(新)のき電側はまだ、設備が置かれていないので、BTき電でスコット結線変圧器2台で並列設置されている変電所を調べたところ以下の結果となった。

東北本線
郡山,福島,北白川,東仙台,盛岡  盛岡は複電圧なので直列コンデンサが20㎸、40㎸別々に置かれていたが郡山、福島、北白川、東仙台は共通で各M座、T座 1台ずつ

奥羽本線(山形線・山形新幹線)
峠、米沢 共通で各M座、T座 1台ずつ

常磐線
土浦,友部,東海,泉 土浦以外は変圧器別で直列コンデンサ M座2台,T座2台となっている。

 この中で比較的設備が新しいのが東仙台、土浦となる。この き電配線内容を参考にして盛岡変電所(新)のき電側の配線と機器配置を推定してみた。但し土浦は牛久RPCで藤代と電力融通を行っているので若干違うようなので、郡山、福島も参考にした。


まずはGIS部の単結線図
変圧器まで全て明電舎製
接地開閉器ES(89BE)GLT-14032B
ガス絶縁開閉装置は以下の機構がまとまっている
断路器DS(89TP)GDT-140532M
接地開閉器ES(89TE1)GEF-14032M
真空遮断器VCB(52TP)VBU-170532B
接地開閉器ES(89TE2)GEF-14032M
ここまで一体型
ガス絶縁タンク形避雷器LA ZF-D2FT

き電用トランス(スコット結線変圧器)154㎸降圧22㎸ 相数3/2 本設電-32101-1A NORSD-G
高配用トランス 154㎸降圧6.9㎸ 三相 NORSD-GA

き電用トランス(スコット結線変圧器)22㎸二次側の単結線図(予想)
新予想図 秋田新幹線き電用設備の追加
画像を分析したところ通常のBTき電部分の単結線図は合っているようだ


 スコット結線変圧器からのM及びT座には、断路器(89TS)が各変圧器につき4台置かれる。引き出されたM及びT座き電線は、き電母線で並列に接続される。NF側は絶縁等級6号なので断路器部にケーブルヘッドを設け6㎸ケーブルで各直列コンデンサと保護回路に繋がる可能性がある。 M及びT座のPF側とNF側には変流器(CT)が設置される。

  き電側のパターンは、M及びT座母線から各方面別き電線が引き出されるので、線路と並行に置かれている4つのコンクリ台座には、横形単極VCB(52F)が置かれる。
 VCBの前後には、断路器(89FB)と断路器(89FL)が置かれる。方面別き電の上下線間にはタイ断路器(89T)が置かれる。各方面別き電線には電圧測定VT及び避雷器(LA)が断路器で繋がる。
 
 通常 直列コンデンサは、スコット結線変圧器近傍にT及びM座用が置かれるのだが、この盛岡変電所(新)はき電用電化柱の両端に置かれているのでスコット結線変圧器からの引き回しがある。
 
 線路と並行に2個の鉄構が置かれているが、これは断路器(89PC)が置かれる。また2個の台座があるが、小さい方は真空遮断器VCB横形双極(82PC)が置かれる。
 
新盛岡変電所には力率改善用のリアクトル、コンデンサ、放電コイルは置かれないようだ。設備が省かれる場合(土浦変電所)がある。大きな台座があったがこれは後述する昇圧変圧器用のものと判断した。

 一番悩んだのが新幹線基地への25㎸き電設備の設置場所である。現盛岡変電所はT座から引き出されているので同様にT座に置いてみた。
 現盛岡変電所のき電設備は以下の構成である。
AF,TFき電母線から引き出され
断路器ー遮断器—降圧変圧器ー電圧測定VTー断路器からNW側は地絡保護用放電装置(GP)をT分岐してCTを経て同軸き電ケーブル外被に繋がる。もう片方のTF側は同軸き電ケーブルブッシングに繋がる。
真ん中がGP装置 緑がCT変流器 現行の盛岡変電所 新幹線基地へのき電設備

変流器(盛岡変電所と同じ物)

 
変流器銘板
 
 現盛岡変電所は極間電圧44㎸なので耐圧があるVCBが必要だったが、今回の盛岡変電所(新)では22㎸である。また流れる電流は現盛岡変電所の降圧変圧器を参考にすると

現行のの盛岡変電所は降圧変圧器である。変圧器銘板 最高電圧で表示
一次側44kV(標準電圧40kV) 二次側30kV(標準電圧25kV)
10,000kVA=44㎸×227A=30㎸×333A 単相なので√3は入らない

 二次側同電流を確保するとすると 22㎸から昇圧して30㎸として10,000kVAとして
30㎸ ×333A=22㎸×455Aとなる。  
 台座後ろの小さい台座はVTを置くことにした。同軸き電ケーブルブッシングを置く架台は左右非対称の金属枠で中央に穴が開いているので昇圧変圧器の横の架台に確定。非対称部分にはCT(緑色・変流器)を置く。非対称金属枠の右の台座には地絡保護用放電装置(GP)を設置。昇圧変圧器後の断路器2台は、非対称金属枠台座の前に架台があるのでそこに設置。
Xに投稿された新盛岡変電所の画像 akabako @akabako131投稿引用の画像をよく見ると右端に緑の変流器様のものが見えるので間違いないだろう。


 昇圧変圧器二次側からのAF及びNWは、架空配線か、もしくはNW側を6.6㎸ケーブル引き回しで断路器につなげることで径路を確保することで完成。

前回の予想

 この予想では盛岡変電所から秋田新幹線へのき電はしないとの判断であったが、画像を確認すると昇圧変圧器と単巻き変圧器(AT)が見えるので、新たなき電設備として昇圧変圧器22㎸昇圧50㎸を入れてみた。単巻き変圧器(AT)で対地電圧は22kVとなる。AT及びFT用の22㎸が必要となるのでM座から引き出してみた。(現行もM座)

 さて今度盛岡行きは、いつになるか不明だが盛岡変電所(新)が稼働した後の二次側配線が予測した配線とどのように異なっていたか見るのが楽しみである。
 

参考文献(順不同)
戸石泰司;奥羽本線(秋田・青森間)電気運転設備の概要〔Ⅰ〕電気設備について:電気鉄道,Vol.25,No.10,pp10-20,1971

「配線略図.net・https://www.haisenryakuzu.net/」から引用改変 東北本線部分

小山 義夫;「しゅう電」段絶縁されたスコット結線変圧器の耐圧試験方法:電気鉄道 ,Vol. 28,No.12,pp./35~36,1974

岩下二男;「しゆう電」スコット結線変圧器のインピーダンスについて教えて下さい :電気鉄道 Vol. 28,No.12,pp.26-28,1974

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