南古谷き電区分所は過去に夢想の記事を書いている。
1196. JR東日本 夢想 川越線複線化に伴う変電所位置(推定)2022年2月6日Up
2022年の記事 もし複線化した場合の変電所構成66㎸受電とした。
それ以前の記事
61. JR東日本 南古谷き電区分所SP
2014年の記事 画像も少ない このころは、変電き電設備数をこなすことに専念。
さて、JR東日本の有価証券報告書は毎年6月の株主総会後に公表(今年は6月22日)される。その公表内容の変更点を毎年記事にUpしていたのだが、2023年5月に東急電鉄 日吉駅構内 発煙事故が起こり、調査対応記事を書いていたらすっかり忘れてしまった。
1308. 東急電鉄 日吉駅構内 発煙事故 考察 帰線電流(電位)差2023年6月27日Up
昨年度の有価証券の記事
1231. JR東日本 有価証券報告書 2021年度 有価証券報告書よりデータ加工 JR東日本 全変電所名と線区 2022年度3月2022年6月23日Up
今回 有価証券報告書の変電所数を確認していたら、川越線で1カ所増えて5カ所になっていた。増えた場所は前から考えていた南古谷き電区分所が変電所化されてることは自明であったので早速調査して記事にすることにした。
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指扇変電所ー川越変電所の中間部に き電区分所を置くのは常套手段 両変電所との距離は約4km き電区分所は、一番電圧降下がある地点 変電所間の1/2の位置に設ける。
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2018年8月時点 まだき電区分所のまま |
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2021年11月時点 またき電区分所のままだが内部で工事が行われ、き電線引出口と帰線引出口の加工が行われている。Google Street View現時点での最新画像 |
2022年4月1日から2023年3月31日の間に変電所化されたため2023年6月発表の有価証券報告書に記載があがっていることになる。
受電:TEPCO 6.6㎸ 一般需要家線から分岐 VCTの容量200A
き電:
通常 指扇変電所からの専用線で川越車両センター内はき電、指扇変電所は川越車両センターが夜間滞泊している電車(補機稼働)があるため全停電ができない状態。指扇変電所が停電時(点検・定時停電)は、川越変電所からき電。
今回 独立電源を設備して両変電所 停電時(点検、定時停電)の際 川越車両センターの夜間滞泊電車(補機稼働)へ供給を行うために設けられ、同時に川越線電圧降下の補いに対応。
受け入 AC 6.6㎸ VCTの定格200Aだと1,320kW
整流用変圧器でシリコン整流器入力電圧1,200Vに変換
損失が無いとして1320kW=1,200V×1,100A 交流側 整流後 約900A 1,500Vが妥当な数字か? シリコン整流器は1500kW 1台設備と思われる。
整流用変圧器を例えば2,000kVAとすると2,000kVA=6,600V×175A×√3=1,200V×962A×√3 整流後 約1,000A 1500Vの小容量
野岩鉄道の男鹿高原変電所は6.6㎸受電で電車1~2本を動かしている。
指扇ー川越変電所間の電圧降下を補い、夜間は川越車両センターの補機へ供給と考えれば妥当な値かと推測する。とても複線化対応の容量ではない。
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全体像 小容量なので変成設備は全て屋内に収容 6.6㎸高圧受電盤だけ屋外に設備 |
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一般需要家6.6㎸配電線から分岐引き込み電柱 JR東日本川越車両センター 奥に電柱はJR東日本の高配6.6㎸
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柱上用SOG開閉器とVCTが電柱上に設置 開閉器の定格電流は300A、LA(避雷器)VT(制御電源用変圧器)付属 |
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柱上用SOG開閉器は「入」
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電力需給用計器用変成器 VCT 定格一次電流200A |
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方向性SOG制御装置 |
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電力量計 |
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電柱からのVCTケーブル引き込み部分 アスファルト斫り跡 |
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新しく新設された6.6㎸高圧受電盤(南古谷変電所用) |
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指扇方から見たき電区分所時代の電車線区分標 |
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南古谷変電所直下のエア―セクション川越方出口 架線柱にセクション表示が並ぶ |
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川越方から見たき電区分所時代の電車線区分標 エア―セクションが、そのまま南古谷変電所のエア―セクションとなっている セクション表示はき電区分所時代からある
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南古谷変電所 き電線引出口 一番左 川越車両センター庫21L 次 指扇SS方11L 一番右 川越SS方13L 31Zは、川越SSと川越車両センターを繋ぐ断路器(開放) 21L及び11Lは元を辿れば指扇SSの直流母線から引きだされている |
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31Zの断路器は開放 き電線が繋がっていない碍管部分の名称は、左から車両センター、指扇下り、川越下り |
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レタンという名称だと思ったらレターンボックスになっている
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| 四ツ谷変電所 レタンボックスと明記
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負帰線母線 昔はレタンだった(田浦変電所)
| 橋本変電所 レタン表示 |
| インピーダンスボンド中性点に繋がる帰線 容量的には小さいインピーダンスボンド
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き電保護パック 変電所、車両センター等に普遍的に設置されるようになってきた |
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き電保護パックのの接地側(緑線)がインピーダンスボンド中性点に繋がる |
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き電保護パック2台分の接地線がインピーダンスボンド中性点に繋がる |
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2台ぶんの接地線(緑線)がインピーダンスボンド中性点に繋がる |
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奥の川越車両センター専用き電線から分岐 各電留線に分配 |
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電留線(トロリ線)を接地する接地極付き断路器 |
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電留線と分岐線を区分するセクションインシュレーター 接地極付き断路器を接地側にすると右側トロリ線が接地される |
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南古谷変電所の入口 変電設備があるので不活性ガス(窒素)消火装置が設備された ハロン等から不活性ガス(窒素、二酸化炭素)等に置き換わる例が増えている(新座SS等) |
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銘板は南古谷き電区分所のまま |
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内部の機器配置が判る表示だが300mm望遠でも読めない 多分左側が変成設備、右側が直流高速度遮断器が収容された部分 |
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小さく南古谷変電所と表示がある |
運輸局では「構内以外の場所から伝送される電気を変成し、これを構内以外の場所に伝送するために設置する整流器、変圧器及びその他の電気設備を設置した場所」が変電所新設の定義に該当することとなり、工事は認可事項となる。
但し、中小国、木古内き電区分所は25,000Vから20,000Vへの降圧変圧器が設置されているが通常は、き電区分所としての運用なので運輸局了解のもと「き電区分所」のままである。
この元南古谷き電区分所は小容量のき電設備なので「き電区分所」の名称かと思ったが
有価証券報告書2022年版に川越線で変電所が1カ所増えているので「南古谷き電区分所」の表示のままは規則違反に該当すると思われる。
おまけ
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指扇変電所直下のエア―セクション 左にき電線2本が見えるが左が川越車両センター用専用き電線 次が南古谷変電所に繋がるき電線 |
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荒川橋梁 堤防拡張工事の為 立て替え 奥川越車両センター方 左にき電線 2本(車両センター専用線と通常のき電線) |