2024年8月30日

1386. JR東日本「66kV東北連絡送電線の廃止に向けた電鉄用変電所の切換工事概要について」を読んで

佐藤 充ら「66kV東北連絡送電線の廃止に向けた電鉄用変電所の切換工事概要について」
鉄道と電気技術,Vol.37,No.7,pp.41-45,2024

 東北本線 電化の際の高崎線 桶川変電所から分岐した黒磯変電所までの国鉄自営送電線は、JR東日本内では「66kV東北連絡送電線」と呼ばれていることが判明。

 工事記録には66kV東北連絡送電線の名称は使われていない。

  同様に 高崎線電化の際に大宮変電所から岡部交流変電所を経由、高崎変電所まで自営送電線が敷設されていた。これも66㎸高崎連絡送電線と呼ばれていたのだろうか?

 この高崎までの送電線はTEPCO化されることもなく線路沿いのトラフに自営地中送電線(一部架空送電線)として生き残っている。

1046. JR東日本 高崎線 電化今昔 高崎線全変電所

 投稿された報告内容と以前ブログ投稿した記事と整合性がとれているかを確認することにした。

 当該文献の引用文献は、東北本線上野・宇都宮間電化工事記録日本国有鉄道東京電気工事局/編 -- 日本国有鉄道東京電気工事局 -- 1958 -から引用されているので当ブログで引用したものと同じ。

これまで書いた記事 新着順(一部内容重複)

1380. 国鉄 東北本線の宇都宮以南の電化工事 自営送電線径路 2024年7月

1372. JR東日本 黒磯変電所 TEPCO受電中 2024年6月

1371. JR東日本 矢板変電所 TEPCO受電は、まだまだまだ先 2024年6月

1370. JR東日本 蒲須坂変電所 TEPCO受電は、まだ先と栃那線No.90 2024年6月

1368. JR東日本 宝積寺変電所 TEPCO受電開始直前と烏山線増強線、喜連川線との接続点 栃那線No.101鉄塔 2024年6月

1329. JR東日本 宇都宮以北の直流変電所 受電源の思考実験(TEPCO受電)一部最新情報に書き換え 2023年11月 宇都宮以北の受電がどのようになるかの思考実験 TEPCOの烏山線増強線の計画は知らなかった。

1328. JR東日本 西那須野変電所 TEPCO電源に切替済 2023年10月

1233. JR東日本 小金井変電所⇔雀宮変電所間 自営送電線 バルーンで撤去 2022年7月

1232. JR東日本 小金井変電所 自営送電線撤去作業にドローンを使用 2022年7月

1034. JR東日本 小山変電所から 矢板変電所経由 黒磯変電所までのJR送電線 TEPCO乗換の現実  黒磯変電所まで  2021年4月

1032. JR東日本 小山変電所から 矢板変電所経由 黒磯変電所までのJR送電線 TEPCO乗換の現実  宇都宮変電所まで 2021年3月

334. JR東日本 雀宮変電所(直流)小山⇔黒磯間のJR送電線に繋がる変電所 2015年8月

333. JR東日本 宇都宮変電所(直流)小山⇔黒磯間のJR送電線に繋がる変電所 2015年8月

332. JR東日本 宝積寺変電所(直流)小山⇔黒磯間のJR送電線に繋がる変電所 2015年8月

331. JR東日本 蒲須坂変電所(直流)小山⇔黒磯間のJR送電線に繋がる変電所 2015年8月

330. JR東日本 矢板変電所(直流)小山⇔黒磯間のJR送電線に繋がる変電所  2015年8月

329. JR東日本 西那須野変電所(直流)小山⇔黒磯間のJR送電線に繋がる変電所2015年8月

328. JR東日本 黒磯変電所(BTき電・交流・直流) 小山⇔黒磯間のJR送電線に繋がる変電所 2015年8月

かなり以前から関連記事をUpしていた。

 JR東日本の記事にはTEPCO烏山線強化線のことは一切触れられていない。一言 電力インフラの改善とだけ述べられている。
 ただTEPCO烏山線強化線があったらこそ、宝積寺、蒲須坂変電所の切替ができたことは確かなことである。

主要送電線路の整備計画(66kV) TEPCO資料 但し烏山線強化線については内容が途中で変更されている経緯は以下に詳細が書いてある。

1368. JR東日本 宝積寺変電所 TEPCO受電開始直前と烏山線増強線、喜連川線との接続点 栃那線No.101鉄塔

 烏山線増強線は完工が2025年となっているが既に、JR宝積寺変電所付近まで運開となっている。鬼怒川の渡河の架空送電線が未着工(2024年6月時点)となっている。

 小山変電所以南の東北連絡送電線のことは、1996年 蓮田-小山間の4変電所の受電切替を行い亘長55.3㎞を廃止した旨の簡単な記載がある。

 2020年には小山-宇都宮間の4変電所の受電切替を行い亘長30.3kmを廃止した旨の簡単な記載がある。

 2025年の送電線路廃止(亘長60.5㎞)に向けて現在5カ所の切替工事を行っているとあるので宝積寺(切替寸前)、蒲須坂、矢板、西那須野(切替済)、黒磯変電所(切替済)が該当する。

 宇都宮変電所は既に切替済 それ以北の変電所が現在切替工事中(宝積寺、蒲須坂、矢板)か切替完了(西那須野、黒磯)資料より引用

 これにより1967年(ブログ主・修正1957年が正しい)より東北本線への電力供給を行ってきた東北連絡送電線は役目を終えることになると結んでいる。

 

宇都宮以南の送電線切替についても一部記事がある。

 切替前は、TEPCO小山変電所66㎸受電、TEPCO片岡開閉所栃那線154㎸分岐矢板変電所受電の2箇所から受電。各変電所が東北連絡送電線でカースケードに繋がっていたため検査・修繕等で送電線路を平均で月3回程度 停電作業する際の調整が大変だったようだ。TEPCO受電回線を停止する際は、系統構成を大きく変更する必要になり、また長距離送電区間での電圧降下があるため運用制限も行われていた。

 このTEPCO切替により各変電所は2回線受電(1回線予備)となり検査・修繕等も楽になるとのこと。TEPCO受電の為には各変電所にMOFを置かなければならない。そのスペース確保と受電回線が地中送電線路となること、時代の趨勢によりC-GIS受電盤が多くの切替変電所で使われている。

 今回の切替工事でC-CIS盤を使わない変電所は154㎸受電(154㎸受電は廃止)の矢板変電所だけになるはずである。(ブログ主現地確認)

 既存のGISがあったのは宇都宮変電所だけだったので既存GISに繋ぎこみを行った関係上C-GISではない構成となっている

宇都宮変電所 同部分

東北連絡送電線の外観で引用されている画像の場所特定 
雀宮変電所2回線引込部分 架空地線の鉄塔が上部に出ているのがここだけ

多分反対側から撮影 左右に送電線が分岐している


設備写真の場所特定
左 奥に何もなので蒲須坂変電所の2回線引込、中 奥に新幹線橋脚があるので雀宮変電所
左 154㎸降圧66㎸は矢板変電所
現在切替工事中の画像は切替工事概要の記事の中には無い。


切替の手順 どれも変電所母線を示している〇は断路器、遮断器を示す
STEP2 受電回線引込C-GIS盤まで 連動試験、耐圧試験を実施
STEP3 C-GIS盤の母線と既存変電所内母線に繋ぎこみ
STEP4 連絡送電線切離

STEP2の状態 宝積寺変電所受電盤 受電盤2号はTEPCO66㎸受電中
右からVCB(910表示)はOFF(緑) 盤の開閉ノブに操作禁止のテープ貼付
受電2号盤 受電加圧なし 920表示
VCB(920表示)はOFF(緑)
無表示の盤は母線連絡盤
VCT盤(TEPCOの電力量計MOFが入っている)
VCTバイパスDS盤(VCTは取引計量器に該当するため定期交換時の停電回避)
この受電盤、西那須野、雀宮、小金井、黒磯、蒲須坂変電所と同じ形式で同じ東芝製

STEP3直前の状況 宝積寺変電所
C-GISからのケーブルヘッド 変電所内母線の下に設備
送電端には接地線が繋がっている
何時でも上部の変電所母線にジャンパ線で繋げられる状況

STEP4 連絡送電線廃止
C-GIS受電盤の母線を変電所母線に繋ぎこみ 右側にC-GISの受電盤
上部架空送電線は東北連絡送電線の末端 切断済

 連絡送電線撤去後の鉄塔が建植されていた土地は、ほとんどが借用地ではなくJR東日本が所有している。鉄塔の基礎部の取り扱いについては「既存地下工作物の取扱いに関するガイドライン」に則り実施しているとのことであった。


結論
投稿した記事の整合性はとれていた。


参考資料
佐藤 充ら「66kV東北連絡送電線の廃止に向けた電鉄用変電所の切換工事概要について」
鉄道と電気技術,Vol.37,No.7,pp.41-45,2024


2024年8月29日

1385. 東京都/大江戸線の受変電所新設、設備更新工事中に電力を安定供給/日刊建設工業新聞記事に反応

 東京都/大江戸線の受変電所新設、設備更新工事中に電力を安定供給/

日刊建設工業新聞記事 2024年8月23日 工事・計画

東京都/大江戸線の受変電所新設、設備更新工事中に電力を安定供給

以下引用

 東京都は地下鉄大江戸線で使う新たな受電変電所を2025年度に開設する。都交通局の大門庁舎(港区)を事業区域に含む再開発に伴い、既存庁舎との権利変換により整備スペースを確保した。詳細な場所はセキュリティー上非公開。大江戸線は全線開業から20年以上がたち受変電設備の更新時期を迎えている。新たな受電変電所を造ることで工事する既存の受電変電所を停止しても安定した電力が供給できる体制を整える。

引用終わり

 大門庁舎の1Fには都営地下鉄 浅草線の変電所が既にあり、大規模開発により移転再構築が行われている。過去の事例として庁舎内に変電所が置かれる場合が、ほとんどなので新規移転先の庁舎内に変電所(大江戸線 受電変電所と浅草線 大門変電所が置かれる)

367. 都営地下鉄 浅草線 大門変電所(直流)

東京都交通局建設工務部様による表彰について 大江戸線大門駅~大門変電所間ケーブル洞道整備詳細設計委託」

第229回 港 区 都市計画審議会議事録 変電所移転について記載

発 注 元:東京都交通局資産運用部契約課

契約番号:28-10045

入 札 日:平成28年8月3日 午前9時30分

件  名:浅草線大門変電所ほか変電所設備更新工事基本設計委託

業 者 名:東電設計株式会社

予定価格:

契約金額:78,840,000

工事概要  浜松町二丁目地区(C街区)再開発に伴う、浅草線大門変電所設備更新、

大江戸線大門変電所(仮称)新設における基本設計(仮称大門変電所は浜松町変電所となる予定 大門変電所が浅草線の為) 既存大門変電所は22㎸受電であったが建て替えに伴い66㎸受電として大江戸線の受電変電所と同一の電源から受電する。

NO.229 浜松町二丁目地区(組合施行) - 東京都都市整備局 地下部に変電所建設

 大江戸線は、新宿線と同様 き電用変電所のほかにTEPCO受電の受電用変電所で66㎸を受電降圧して22㎸で各き電用変電所に供給している。

1238. 東京都交通局 大江戸線 停電事故原因(推測・多分合っている)

 新宿線の場合 千鳥格子状にき電用変電所が配置され受電用変電所で降圧された22㎸で線路脇のトラフ内に敷設された地中送電線から受電されている。

 新宿線で受電変電所とき電変電所が同一の場所にある場合があるので大江戸線でも珍しいことではない。

568. 東京都交通局 江戸川変電所・船堀変電所 都営10号線

 大江戸線の環状部には2ケ所の受電用変電所(新宿、小名木)がある。この2ケ所で環状部のき

  3つの受電用変電所が各3~4カ所のき電用変電所を受け持つと推測できる。各き電用変電所は、連絡送電線で相互に連結されている。赤丸はき電用変電所、黄緑丸、紫丸は受電用変電所となる。

 今回浜松町周辺の大門庁舎の建て替えが行われており同時に都営浅草線の変電所も移転更新される。そのついでに大江戸線の受電用変電所を設置するものと思われる。浅草線の大門変電所は、わざわざ小口径シールドトンネルで大門庁舎までき電線を引っ張っているのでこれは、生かされて使われると思う。
 
 小名木、新宿の受電用変電所の範囲を狭めで大門に受電用変電所を設けることで環状部に3ケ所の受電用変電所ができることになり1カ所の受電用変電所が更新時に連絡送電線でのバックアップ体制が取られることになる。

 都営の地下鉄用変電所の名前は、インターネット上で公開されており工事用入札書類用のコード表がだれでも見られる状態である。但し場所は明記されてない。


たぶんこんな受電変電所の運用であろう

新宿受電用変電所更新時 仮称大門変電所は浜松町変電所となる予定大門が浅草線の為

小名木受電用変電所更新時 仮称大門変電所は浜松町変電所となる予定大門が浅草線の為

光が丘受電変電所更新時 仮称大門変電所は浜松町変電所となる予定大門が浅草線の為

建設当時

東新宿ー飯田橋SS間 22kV  1回線 (新宿受電SS-小名木受電SS)の区分

汐留—麻布十番SS間 22kV  1回線 (新宿受電SS-小名木受電SS)の区分

中井ー都庁前SS間 22kV  1回線 (新宿受電SS-光が丘受電SS)の区分

 この部分を2回線化して麻布十番ー汐留間に大門受電変電所(66kV降圧22㎸)を割り入れることになる。環状部ー枝線部が22㎸ 2回線送電となるため受電用変電所、き電用変電所の柔軟な運用が可能となる。


2024年8月23日

1384. 立山黒部アルペンルート「架線好きのあなたへ」 立山トンネル トロリーバス 2024年11月廃止

 関電トンネルのトロリーバスは過年 電気バス化されてトロリーバスが廃止されたが、立山黒部貫光の立山直下を運行している大観峰⇔室堂間のトロリーバスは、まだ今年の11月の運行終了まで運行されている。その後 電気バス用の充電設備の設置が始まる。構成は、既に実績のがあり部品の共通化ができる関西電力と同じになるであろう(未確認)。

立山トンネルにおける無軌条電車(トロリーバス)事業廃止の届出 及び電気バスへの変更計画について 立山黒部貫光発表資料 2023年12月発表 

令和6年(2025年)12月廃止 令和7年(2026年)4月から電気バスへ変更予定

「立山トンネルトロリーバス」メモリアルバックヤードツアー 1回から3回まで申込終了

10月14日の最終回は、応募の詳細はあらためてご案内いたします。とのこと


電気バス(関西電力株式会社運行・直営となった)

1331.  関西電力 関電トンネル運行 電気バス詳細(過去記事+追加情報)

891. 立山黒部アルペンルートの電気設備 電気バス 関電トンネル導入(全面誤記訂正) 

それ以前のトロリーバスについての記事

44.  立山黒部アルペンルート大町⇔室堂間の送電系統(全面誤記訂正) 2014年記事

785. アルペンルート 温故知新 2018年記事

845. 立山黒部アルペンルート 送電線経路についての一考察(全面誤記訂正)2018年記事

 立山黒部貫光では、日本で最後のトロリーバスを運行していることになるため特別企画で 「架線好きのあなたへ」の題で紹介Webを立ち上げている。

架線鉄と読み間違えていたのは内緒

特設ページURL


展示品 トロリー線は、フロッグと呼ばれる架線交差部の部分の前後の部分を切り出し
 駅部ではこの形式のトロリー線(剛体架線)は使っておらずT字アルミの下にトロリー線が付加された剛体架線を使用している


 展示品 コレクターとカーボンスライダー


展示品 トロリーブレーカーはセクションインシュレーターが正式名称

フロッグと呼ばれる極性転換架線交差部の部品 正しくは30°分岐器がフロッグと呼ばれる
中心の金属部分はスプリングポイントのように可動するようだ。進行方向性があり可動する部分が各々違う
トロリー分岐器がフロッグとよばれている。(ポール電車用トロリー分岐器(フロッグ)の改造;九州炭鉱技術連盟会誌18(10)(204))から
クロッシングには可動部は無い。

以上が立山黒部貫光の展示内容。以下からは取材・調査内容

展示品のトロリー線部分 上部管部とトロリー線間の隙間が広い 車中から撮影
極性転換部(奥)に進行中

 フロッグ部 極性反転部 右上に展示品のトロリーブレイカー(セクションインシュレーター)が見える。駅部からのトロリ-線が左上から合流する。中央上のトロリー線が駅部に向かう。極性反転部


拡大
赤丸 セクションインシュレーター(トロリーブレイカー)デッドセクションのようなもの
緑丸 クロッシング(交差金具・両端にセクションインシュレーター)
青丸 30°分岐 (フロッグ・Frog)
雷殿変電所からの±300Vのき電線は極性転換部を越えた先の剛体架線に繋がっている

 電車線分岐箇所詳細 セクションインシュレーターが展示品のトロリーブレイカーに該当。展示品のクロッシング(交差金物)交差金具の直線部にはセクションインシュレーターが固定されている。このセクションインシュレーターは展示されてない。30°分岐(フロッグ)この図の反転されたものが上記画像となる。

 上記 画像は 室堂駅の架線交差部の部分(極性転換部) 


 室堂駅 現状の駅部の剛体架線はT字アルミにトロリ-線がついているので、展示品のトロリー線とは違う(±300Vの加圧 トロリ-線間電圧600V) トロリーバスのコレクターがトロリー線と接合
駅部の剛体架線部(展示品のトロリー線とは違う)
急カーブで極性反転部に向かう

 
トロリーバス主回路 トロリーポール集電器(コレクター)が±300Vのトロリー線から集電


 さて2025年4月からの運行時点から電気バス導入となる。立山トンネルのトロリーバス導入時は8台のトロリーバスが各4台づつ運行していた。多客時は臨時便の発車もされていた。
 
 関電の電気バスは15台の導入だが何台電気バスが導入されるのだろう。関電の電気バスは定時発車で今まで臨時便の発車はなかった。
 立山トンネルの形状からすると充電ステイション(コンタクトドーム)が設置する場所すなわち電気バスが直線で止まれる場所が少ない。関電の充電ステイション(コンタクトドーム)は、駅部以外の場所にも設置されていた。

 関電トンネル(約6㎞) 電気バスの充電ステイション(コンタクトドーム)8台(6台が駅部にある)で15台の電気バス対応している。6台で運行して中間部で行き違いしている。
30分間隔 運行時間16分 急速充電時間12分 充電は扇沢のコンタクトドームのみ 1回の充電で約30㎞走行

 現状の立山トンネル トロリーバスは30分間隔 多客時15分間隔 運行時間10分で4台で運行して中間部で行き違いしている。

 立山トンネルの電気バスがトロリーバスと同じ8台導入と仮定する。電気バスの充電ステイション(コンタクトドーム)4台で対応 但し運行時間が立山トンネル10分(約3.7㎞) 運転間隔30分、多客時15分間隔の対応が必要 急速充電時間12分とするとギリセーフの運行形態となると思う。

 変電所の位置は、雷殿変電所がトロリーバスの変電所であったが、急速充電を行うためには電気バスの充電ステイション(コンタクトドーム)と急速充電装置間のケーブル長が短く大電流が流せる構成が必要となるので、急速充電装置の設置場所は大観峰しかない。室堂に設置するのは置く場所が無い。
 以前は大観峰に食堂や大規模な売店があったが、その場所を潰して急速充電装置を置くのだろう。大観峰の屋上テラスのみの階段だけを残しほとんど乗換専用駅としての機能だけを残して滞留する乗客を捌く施設となると思う。

其の他

黒部平からの6.6㎸送電線 引込部 構成は変化してない
碍子の対応は22㎸仕様

大観峰の直近の送電鉄塔 右から黒部平からの送電線 2019年に交換されている
左が受電鉄塔までの送電線 送電線の口径が違う

拡大 明らかに黒部平からの送電線の口径が違う
ここまで送電線の大容量化が進んでいる。

以下私見
 黒部平ー大観峰まで22㎸化。上記鉄塔から受電鉄塔まで太線化。大観峰の観光施設(売店等)を潰して22㎸降圧6.6㎸の変電所設備(C-GIS化)立山トンネル内の電気バス急速充電設備対応。
 同時に大観峰―室堂間の6.6㎸CVケーブルをCVTケーブルに変更太線化 室堂地区の電力不足対応(現状天狗山荘まで地下ケーブルで6.6㎸供給を弥陀ヶ原まで6.6㎸を地下ケーブルで供給)

 毎年4月と8月にこのルートは通過しているので、来年の4月にどのように変化しているか楽しみである。



参考文献
                     
高井均:いろいろな電気鉄道 立山直下のトロリーバス 
鉄道と電気技術;2000,Vol.11,No.2,pp.45-48           

駒沢博郎ら:トロリーバス用インバータードライブシステムの開発 
平成6年電気学会全国大会講演論文集;1994,8-161

吉原 真一郎;黒部に新設された無軌条電車(トロリーバス)について:
電気鉄道,Vol.19,No.9,1964,pp.24-26
















2024年8月8日

1383. 伊豆箱根鉄道 超電導き電ケーブルと大仁変電所再訪・その他

 超電導き電システムによる世界初の営業線運用検証を始めます 鉄道総合技術研究所

伊豆箱根鉄道の営業列車で“世界初”の超電導送電、人手不足対策にもなる理由日経クロステック

以下日経クロステック記事一部引用

 富田氏は説明会で、駿豆線に3カ所ある変電所(三島、原木、大仁)のうち「例えばの話だが、中間にある原木変電所の削減が考えられる」と解説した(図2)。単純に原木変電所を削減するだけでは、その付近は他の変電所から遠いため、電車に十分な電圧で電力を供給できない。しかし三島または大仁変電所から原木変電所の場所まで超電導ケーブルを敷設し、その末端を架線に接続すれば、原木変電所が存在するのと同じ電圧を保てる。変電所の容量の調整は必要になるが、変電所の数が減ればメンテナンスの手間を削減でき、要員不足への対策になる。(鉄道総研浮上式鉄道技術研究部長兼超電導・低温研究室長の富田 優氏)

引用終わり

 富田氏の話では例として挙げた原木変電所だが、設備更新したばかりなので伊豆箱根鉄道が削減することは考えられない。

902. 伊豆箱根鉄道 原木変電所新設 異聞

994. 伊豆箱根鉄道 原木変電所(直流) 駿豆線

原木変電所の絶妙な位置

大仁変電所⇔旧横山変電所⇔三島変電所間の旧横山変電所位置は供給範囲が歪(大仁変電所寄り)だった。理由は66㎸送電線が線路を横切っていたため適地であった。
 三島⇔大仁変電所間の大体の中間地点が原木駅に該当。また丁度、この部分にTEPCO韮山変電所(配電用)がある。韮山、伊豆長岡駅には、空地(市街地該当)がないが、原木駅構内に空地(側線撤去跡)があるので選択された模様。

 変電所新設の場合 電磁波公害、騒音等で中々場所の選択と住人説明が大変であるが原木変電所付近に人家はない。

 伊豆箱根鉄道は令和3年(2021年)の鉄道統計で5カ所の変電所を持っている。大雄山線で2ケ所、駿豆線で3ケ所 ところが有価証券報告書の2020~2023度版では大雄山線で3ケ所、駿豆線で3ケ所となっている。昔 大雄山線の相模沼田駅に600V時代に変電所があったが有価証券報告書からまだ消されていないようだ。 

駿豆線の変電所容量(再度確認した)
すべてS定格 連続負荷100% 2時間負荷150% 1分負荷400%(変圧器・整流器共)
大仁変電所 1,500kW 1,000A
原木変電所 2,000kW 1,333A
三島変電所 2,000kW 1,333A
となる。

三島駅からの連絡線 現状 
 踊り子号修善寺行きは三島駅1番線(JR東海)から発車、途中2つのセクションインシュレーターを通過するが2つ目のセクションインシュレーターがき電区分となっている。    三島駅構内1番線 1,700V 側線 1,700V 駿豆線内 1,500Vと電圧が変化している。
JR東海 三島駅1番線停車中 E257系 パンタ点電圧1,700V

駿豆線内 三島田町駅停車中 E257パンタ点電圧1,500V

駿豆線内 三島田町駅出発時 E257パンタ点電圧1,400V


駿豆線連絡線への1番目セクション パンタ摺板接触タイプ

駿豆線入口 2番目セクション パンタ摺板完全区分型

側線(電留線)が一部線路の撤去が進んでいる
 2つのセクション間は下記に述べる断路器47で加圧されているので断路器「開」にすると無加圧となる

過去は側線(電留線)には線路があった

右 2本が下り本線から分岐した側線(電留線)下り本線とは個別き電
以下に記載している47 断路器で加圧

三島駅 東京方にある断路器設備
左より52 上り方き電線断路器「閉路」、42 上り方構内線断路器「閉路」 
45 上下構内線用ジャンバ断路器「開路」
43 下り方構内線断路器「閉路」 51下り方き電線断路器「閉路」 
47 駿豆線・電留専用断路器(下り方き電線から分岐加圧)「閉路」

 三島駅1番線(JR東海)から発車、途中2つのセクションを通過するが2つ目のセクションが駿豆線とのき電区分となっている。三島駅構内1番線 1,650V 側線 1,700V 駿豆線 1,500Vと電圧が変化している。


 三島駅からE257系 修善寺駅行きに乗車して回生ブレーキの状況を確認したが電圧は回生失効手前のパンタ点電圧1800Vまで上昇しているので、回生電力吸収は確実に行われていない。

回生ブレーキ使用中 パンタ点電圧は1,800Vまで上昇
 
 
修善寺駅 1日乗車券購入しているので反対側の1300系に乗車 大仁駅下車


修善寺駅から1300系 三島駅行きに乗車 パンタ点電圧は停車時1,550V 力行時1300V

修善寺駅停車時 パンタ点電圧1,550V


修善寺駅出発 力行400A


パンタ点電圧1,300Vまで低下


大仁駅から多分3000系に乗車
大仁駅停車時 パンタ点電圧1,500V

大仁駅発車時 力行400A

大仁駅発車時 パンタ点電圧1,400V

気が付いたこと
 修善寺駅⇔三島駅を往復して確認したが変電所直下のエア―セクションが無い。すべてTき電状態。区分標識が無い

 かつて横山変電所が存在していた際には横山変電所直下に駿豆線唯一のエア―セクションがあったがエアージョイント化されている。


  回生電力はき電線、トロリ線を通じて遠方の変電所・力行中の電車まで送られる状況にある。エア―セクションがエアージョイント化された理由はE257系対応のためかもしれない。(回生電力の遠方分散効率を高める)エア―セクションがあると一旦変電所内の母線経由となり、その分抵抗値が増す。エアージョイントならトロリ線、変電所内母線と2つの径路で電流が流れる。

超電導き電システムの実際

 では実際の超電導き電システムなるものがどのようなものか調査してきたので記す。今回の超電導き電ケーブルの冷却は循環冷却によるもので直接冷却方式をとっている。

 伊豆箱根鉄道は過去に大仁変電所で鉄道総合技術研究所と共同で実際に超電導き電ケーブルでの実車走行試験を行っている。この時の超電導き電ケーブル長は6mで浸漬冷却方式でポンプでの送液を使わず液体窒素を超電導き電ケーブルに充填して行っている。

608. 伊豆箱根鉄道 大仁変電所 駿豆線と超電導き電線試験設備跡 2015年実施

鉄道総合技術研究所では、日野実験場で400mの超電導き電ケーブルを敷設して実験を行ったが、この時は循環冷却によるもので間接冷却方式をとっている。そのため補助冷却用の槽があるため設備が大きい。




窒素の状態図
 沸点はSTPで77.3K(-195.8℃)圧力を高めていくと77.3K以上でも液体のままである
つまり約-196℃では沸騰状態となっているので若干の圧力を加えて液体状態を保たなければならない。また過冷却状態にすると圧力を加えなくても液体のままである。

 超電導き電ケーブルは少なくとも-195.8℃以下の温度に冷却しなければならない。温度が上昇して気泡が発生すると絶縁破壊を起こす可能性がある。

試験設備


鉄道総研の今回のシステム 資料から引用
✖が付いているスイッチが直流高速度遮断器

温度から察するとB側が送電端 A側が受電端となっている
B端 76K=-197.15℃ A端 77K=-196.15℃
沸点が77.3K=-195.8℃なので過冷却液体窒素が流れている 資料から引用


送電端 ケーブルヘッドが2個付けられるようになっている 改良型ケーブルヘッド
現在は1個 ケーブル1本で500A許容 2本なので1,000Aは流せる
 左奥にスターリング式冷凍機2台直列、冷凍機からの真空二重配管が正面奥のリザーバーポンプユニットに繋がる。リザーバーポンプユニットからの配管が右の流量計に繋がり超電導き電ケーブルの送電端に真空二重配管(トラテープが巻いてある)で送液と回収を行っている(吸込・吐出) 使われている超電導き電線は日野実験場で使われているものと同じタイプだと思う。ブルーシートで包まれた部分は制御盤、その横には、液体窒素を気体化させる小型加圧蒸発器が見える。この加圧蒸発器でリザーバーポンプユニット内を若干の加圧状態にしてる可能性がある。

大仁変電所の出力端が繋がる直流高速度遮断器収容キュービクル
動力式断路器、直流高速度遮断器が収容


流量計部 超電導き電ケーブル内筒と外筒間に過冷却液体窒素を流す

電源端子部 外気温33度前後と過冷却液体窒素温度沸点-197℃ 温度差約230℃
超電導き電線と銅ケーブルの接続点
銅ケーブルが接続される銅ブスバーは循環液体窒素で予備冷却されていることだろう
この電源端子の裏に過冷却液体窒素のリザーバーポンプユニットがある。
この部分の設計が難しい


送電点から引き出される超電導き電ケーブル

奥の受電点までの超電導き電ケーブルの長さが102m

長さ102mの超電導き電ケーブル 熱収縮でケーブルが動くため固定は緩い


超電導き電線 受電端


超電導き電線 受電端 ここからき電線が引き出される。


受電点 構造的には送電点と同じだが循環過冷却液体窒素の引出と引入れが無い
大気放出の際のサイレンサーがついている
左のブルーシートの中は真空ポンプが入っていると予想している

温度計、放出弁、安全弁 真空引きの配管が見える
改良型ケーブルヘッドが見える

動力式断路器盤に受電端からのケーブルが引き込まれる
動力式断路器を経てケーブルが引き出される


断路器盤から引き出されたき電線は左 断路器を経由 き電線に繋がる


既存き電線に添線を這わせた状態でクランプで固定 Tき電状態
1,000Aは流せる


既存き電線にTき電状態


LGC(Liquid Gas Container、ELF(エルフ)とも呼ばれる)が繋がれるフレキ管
外部からの液体窒素受け入れ口

液体窒素運搬用ボンベ 通称エルフと運搬用台車 
これでリザーバータンクに液体窒素(我々は「液チ」と読んでいる)を分注する
左にあるのは蒸発器(送受電端に合った物)


スターリング冷凍機の冷却に使うチラー


株式会社アイシンのスターリング式冷凍機と熱交換機
これが2台直列に繋がっている


過冷却液体窒素リザーバーポンプユニット



左が多分真空ポンプ 右が制御盤

超電導設備監視盤の表示灯が点灯してない。表示内容は直流高速度遮断器盤の内容と同じ


左奥 流量計からの真空二重配管が右2台のスターリング式冷凍機に直列に繋がり、さらに
リザーバーポンプユニットに入る。リザーバーポンプユニットからの真空二重配管が流量計に繋がる。流量計からは送出しと受入れの真空二重配管が送電端のタンクに繋がる

別角度 

別角度 この部分の最小化1.8㎡が今回の実験の肝

 冷却装置自体は運転をしていて超電導き電ケーブルを冷却している状態。過冷却液体窒素が系を循環している。

 直流高速度遮断器盤には電圧は印下されているが遮断器は「開路」状態 つまり超電導き電ケーブルには通電していない。

直流高速度遮断器盤の断路器54FXと遮断器89FXの表示灯が点灯していない
目盛り範囲が±500Aでの指示範囲


通電していれば500A程度の電流が流れるはず 資料より引用
―側に振れているのは、たぶんE257系の回生電力が変電所側に戻っているため
大仁11:03⇒修善寺11:08
大仁14:02⇒修善寺14:06
修善寺14:18⇒大仁14:22
修善寺15:39⇒大仁15:43
E257系修善寺号運行時間帯に-に振れている


 変電所からのき電線にクランプメーター 右 断路器「閉極」で直接Tき電状態。
左 断路器は超電導き電ケーブル 直流高速度遮断器盤に繋がるが「閉極」状態
 超電導き電ケーブルに通電するためには右 断路器を「開極」にして直流高速度遮断器盤の断路器、遮断器を「閉極」にしなければならない。 ケーブル2条なので1,000Aは流せる

別角度

手前 断路器が「閉極」で変電所からのき電電流は最短路で既存き電線にTき電されている

 この左 断路器からのケーブルが直流高速度遮断器盤を経て超電導き電ケーブルの送電端に繋がているので、その分のき電線の抵抗値と受電端からの断路器盤からき電線に繋がるケーブルの抵抗値が加算されるのでせっかく超電導き電ケーブル(抵抗値0Ω)を通しても送電ロスの削減にはつながらない。直で繋げたケーブルのほうが短いので抵抗値が低い状況。

 今回の検証は、冷凍機の小型化(約1.8m2のスペース)に設置できる小型化と循環式の過冷却液体窒素による超電導き電ケーブルの営業線での実地試験が目的なので日経クロステックの記事内容は誇大表示だと思う。実際に訪問した際は、冷却装置は運転していたが常時 超電導き電ケーブルには通電していない。

日経新聞記事2024年3月31日14時01分記事にある以下引用
【営業線運用検証の概要】
・期間 : 2024年3月13日から2024年度中を予定しています。
・箇所 : 伊豆箱根鉄道株式会社・駿豆線 大仁駅構内
・概要 : 超電導ケーブル(長さ102m)と冷凍機や冷媒を循環するポンプによる冷却システムを設置し、液体窒素(-196℃以下)を冷媒として超電導状態を維持し、本線で要求される3,000A以上の電流を電気抵抗ゼロで損失なく送電します。
 一日あたり上り方面67本、下り方面68本、合計135本の営業列車に電力を供給します。
引用終わり

 大仁変電所のシリコン整流器は1,500kW き電電圧1,500Vで1,000Aが定常負荷 S定格なので2時間負荷150%で1,500Aは流せるが常時3,000Aは流せない。多分 超電導き電ケーブルが日野実験場で使われたものと同じなので超電導き電ケーブルの許容量を指しているものと思われる。

其の他

 超電導き電ケーブルと並行に1本の大容量ケーブルが引かれていたこと
このケーブル 受電端から送電端まで伸びる

先端には網線と端子 1本で1,000Aは流せる

超電導き電ケーブルと並行の敷設

接続点は端子をボルト止め  絶縁が弱いので1,500V用ではないと思う

接続点は端子をボルト止め

送電端を迂回


送電端で終了

チラー、スターリング式冷凍機等 用三相200V受電

制御機器、測定器、監視カメラ用 単相3線100V受電

ケーブルヘッドの構造が同軸き電ケーブルの接続点のような2段絶縁方式

この2段重ねの部分が気になる

下段の部分
導体部PとシールドNがあるので同軸構造で き電電流と帰線電流を同時に流せる構造
EMC対策としては最適な構造 資料より引用
これを同軸き電ケーブルヘッドで引き出しているのではないかと思う
上段が1,500V用 下段のフランジが帰線用 

 先に述べた平行に敷設されているケーブルが下段フランジに繋がって帰線用も同時に流せる試験を行うのではないかと想像している。またはシールド層に漏れ出る電流を測定するのか?? 想像はつかない

同軸き電ケーブルの末端構造 これは新幹線25㎸用

電気区大仁詰所と読める


看板が読めるように塗り直されている
大仁変電所
 帰線の出所が判らなかったので調査

修善寺方にインピーダンスボンドと帰線

中性点に帰線が繋がる

変電所建屋から引き出される帰線 
三島に向かって右側のレールに直接ボンド


レール間をクロスボンド 三島に向かって右側

レール間をクロスボンド 三島に向かって左側

其の他
でも述べたが、現在き電線からのき電分岐装置が250m置きに設置されている。また帰線はレールを経由して変電所に戻るためレールの抵抗値も馬鹿にならない。

 超電導き電線を変電所引出口だけに敷設する今回の実証実験は、営業線のき電線を直接置き換えたわけでは無い。

鉄道総研の電力技術研究部(き電)の報告では以下引用
現行の超電導き電ケーブルの試験は、き電線のみに対応しているので(c)に該当
短絡時に電車電位1,500Vまでレール電位を上がてしまう



この図3が一番 超電導き電ケーブルの運用に適している

 電気車電流はき電分岐(き電、帰線)間ではトロリ線、レールを流れるがそれ以外の部分では超電導き電ケーブル(同軸型・き電・帰線)に流れる。そのため電気車が存在する部分だけが電圧降下、レール電位の影響を受ける。上記の例はき電距離5㎞ き電分岐間隔250m電気車電流4,000Aで設定した。その数値計算(シミュレーション)を以下に示す。

き電損失の減少が計算上行えている。

以上引用終わり

 結論として超電導き電ケーブルの実際の運用にはまだ時間が掛かる。日経クロステックの記事のよう内容は、現状ではまだほど遠い。ケーブルヘッドの熱対策、き電分岐装置の設置間隔、冷凍機の台数、超電導き電ケーブルが高価、保護技術が未解決等々 先は長い。
 それなら上下一括き電方式を採れば喫緊のエネルギーコスト削減は容易と考える。超電導き電ケーブルそもそもエントロピーが増大する方式なので窒素の液化・運搬もコストを考えたら長尺の超電導き電ケーブルはエネルギーロスは大きい。 
 超電導磁石の冷却が一番高温超電導体の利用に適していると思う。ドライアイスレベルでの高温超電導体が開発されれば再考の余地はある。


参考資料(順不同)
富田優;超電導ケーブル向け液体窒素循環冷却‐鉄道き電による実証まで-:低温工学,Vol.57,No.4,pp.236-240,2022

富田優;鉄道用超伝導ケーブルシステムの開発:低温工学,Vol.48,No.11,pp.562-568,2013

林屋 均ら;鉄道電力システムからの超電導技術への応用:第4回超電導応用研究会シンポジウム予稿:2013,JR東日本

上条 弘貴ら;超電導ケーブルのき電線への適応可能性に関する調査・検討:鉄道総研報告 Vol.24,No.1,pp.49-52,2010

国土交通省 エコレールラインプロジェクト推進会議2012/7/30 
鉄道用超電導ケーブルの開発 鉄道総合技術研究所 富田 優発表

鉄道総合技術研究所 主要な研究開発成果(2023年度)

鉄道総合技術研究所 プレスレリース

日本経済新聞 2024年3月31日11時21分記事

日本経済新聞 2024年3月31日14時01分記事
                           
日経クロステック 2024年6月24日






































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