2019年10月13日

922. 北越急行 北越北線(ほくほく線) 松代変電所(直流)

松代変電所(直流)
#ナイトタートル、#直流変電所、#66kV、#送電ケーブル、#鍋立山トンネル、#
インピーダンスボンド、#松代変電所

最近は、交流変電所ばかりだったので、ナイトタートルで話題の北越急行系の変電所をUp
情報プールから書き起こした。

北陸新幹線 長野車両センター付近が水没して、出庫不能状況、基地変電所水没、新赤沼き電区分所も水没だが、変電所、き電区分所はスルー化すれば復旧可能。長期にわたる不通は考えられない。ほくほく線は、変電所数減を行っているが、超快速の増発ができる可能性がある。
 

アプローチ:まつだい駅 容易 六日町起点29,560m
東北電力 松代線分岐 北急松代西線 東北電力 大島線分岐 北急松代東線 66kV 2回線 架空送電線 
変成設備 整流用変圧器2270kVA×2、シリコン整流器3000kW×2、
高配設備あり 66kV降圧6.6kV(D-Tr)×1 1000kVA

当初は154kV 2回線受電の変電所であった。 (東北電力 頚城線154kVからの分岐)
北越北線は、計画当時 高規格160km/h運行を目指すため近傍に東北電力66kV送電線が通っていない変電所については、154kV受電(松代・大島SS)を計画していた。

 しかしこれは、北陸新幹線開通後には、過大な投資(特急はくたか運行終了)となるため東北電力側と交渉し東北電力 虫川変電所⇔松代変電所間に新たに、東北電力負担で66kV1回線の架空送電線を引き、そこから分岐することで過大な投資を避けた経緯がある。

 JR東日本 在来線の直流き電変電所で154kVから直接直流を変成している変電所は見当たらない。同一の施設内で66kVに降圧してからの変成設備をもつ変電所は、武蔵境交流変電所、新宿変電所、岡部交流変電所、矢板変電所がある。これら変電所は、交流変電所の役目を持つので、単独での154kV受電の直流変電所はJR東日本には存在しない。

 過去には、羽越本線の平林変電所が154kV受電で一端44kV降圧し同一の敷地内の変成設備で直流き電を行っていたが、設備変更で66kV受電になっている。(過去 平林変電所は、154kVを降圧してき電補助線で44kVを村上整流ポストへ給電していた特殊な変電所であった)
私鉄では、北総鉄道北総線の矢切,紙敷,鎌ケ谷変電所が154kV受電である。私鉄では豪勢な受電である。

設計時の変電所間隔 SP=き電区分所、SS=変電所 数字はm
六日町SP-3,870-六日町SS-8,410-津池SS-5,920-十日町SS-11,360-松代SS-9,140-大島SS-8,980-浦川原SS-9,260-大潟SS-1,740-犀潟SP
概ね8~10㎞の間隔であった。首都圏周辺の直流変電所と同じ間隔


北越急行 北越北線 断面
現時点の変電所間隔 SP=き電区分所、SS=変電所 数字はm
六日町SP-3,870-六日町SS-14,330-十日町SS-11,360-松代SS-18,120-浦川原SS-11,000-犀潟SP
松代SS-浦川原SS間が18㎞ほどになり長くなる。設計時 浦川原SSは、電圧を高めるき電電圧補償装置(DCVR)を設けていが、設備簡素化のため運用停止されている。18㎞は長い。首都圏では、八高線 高麗川変電所⇔拝島変電所間に相当する。



松代変電所 全景

2回線受電 最終鉄塔 分岐鉄塔を兼ねる
 

奥 東北電力 松代変電所側
左 北急松代西線 右 北急松代東線 分岐する松代線


冠雪防止碍子装置がついた長幹碍子

別角度
 

き電線引き出し各3条 13H 大島変電所改め大島き電区分所片 11H 十日町変電所片 帰線 それぞれ3条
接合部には感熱シールを貼付(白)


一番 右 帰線は、引き止められインピーダンスボンドへ

別角度

エアーセクション部 右架線柱 帰線引き下し
トンネル まばたき区間なのでツインシンプルカテナリ

インピーダンスボンド中性点に帰線がつながる

エアーセクション 電車線区分標

エアーセクション 電車線区分標

まつだい駅 待避線はノーズ可動分岐

ノーズ可動式分岐器 待避線側切替(反位)

ノーズ可動式分岐器 直通側切替(1線スルー・定位)

鍋立山トンネル
着工から完成まで22年近くを要した屈指の難工事のトンネル
詳細は、他者に譲る ほくほく線トンネル 唯一の斜坑と排気ダクト2本が設備されている
排気ダクトはトンネル内メタンガス濃度低下が目的である

道の駅にあった説明写真の展示

粘土状の土で機械ごと押し出されている



100mにわたってトンネルボーリングマシン(TBM)で掘り進んだが膨圧によりマシンごと100m以上押し出されてしまう

 おまけ
「特急はくたか記念碑」の脇碑・御影石製 特急「はくたか」メモリアルと在来線(狭軌)最高速度である160㎞/hで走行した記録を保存するために設置

「特急はくたか記念碑」
 「特急はくたか」記念碑の除幕式について 北越急行 pdf注意




道の駅にある ほくほく線発祥の地の碑




草間彌生「花咲ける妻有」

保線車両 MR600形 パンタは、凍結防止・霜取り用 除雪アタッチメントを付けられる



参考文献
内田滋:北越北線(六日町・犀潟)160㎞/h化計画:鉄道と電気技術,Vol.1,No.6,pp24-28,1990

工藤智明;在来線(単線)で160km/h運転の認可を得たほくほく線:JREA,Vol.40,No.4,pp.51-55,1997

921. JR東日本等 鉄道 台風19号被害 変電設備 号外

台風19号被害 変電設備 号外
#台風、#変電所、#き電区分所、#水没

1.両毛線 栃木変電所 水没 3回目 
 但し過去の教訓で嵩上げ工事を行ったので設備機器は、助かっている模様。但し道床が流された部分があるので復旧は時間が掛かる。
345. JR東日本 栃木変電所(直流)ブログリンク

https://twitter.com/JRE_F_Toho_Taka/status/1183156670572064768

2.北陸新幹線 長野基地変電所
 基地変電のための変電所なので、本線切り離しで対応可能(手動)無くとも本線は動く
その後現場調査以下参照


3.北陸新幹線 新赤沼き電区分所 長野基地変電所の直ぐそばなので、水没 状況は同じ
 通常は、両端の変電所のき電区分。また設備機器は、水密構造であるので大丈夫だが制御盤が水没しているので交換が必要。AT切り離し(手動)とスルー化(手動で延長き電に切り替える)で対応 そんなに時間はかからない 本線の水が引き、職員が辿り着けば対応でき
る。しかしそんな簡単ではなかった。 その後現場調査以下参照


    マーク位置 長野基地変電所 右 新赤沼き電区分所(AT4台、切替開閉器2組×2)

4.東北本線 本宮き電区分所 水没
阿武隈川決壊による
612. JR東日本 本宮き電区分所 東北本線 (BTき電・交流) ブログリンク


5.阿武隈急行 丸森き電区分 
阿武隈川決壊
き電区分なので設備は問題ないが駅舎周辺水没している可能性あり
役場標高19.5m 丸森駅22.7m
678. 阿武隈急行 丸森DS ATき電  ブログリンク

追記
 保原変電所からの電車線が使用不能で丸森以北が運転できない理由は、電車線と平行に張ってあるATき電線も分断を受けていることにより、ATき電ができないことによる。
 ここはひとつ奥の手を使いBTき電とATき電の境 槻木き電区分所のBT延長き電を考えては、どうだろう。丸森は、槻木き電区分所から見て末端にあたるので、電圧降下が問題となる場合は、丸森にATを移設させて、末端ATを仮設し、延長き電(BT→AT)を行えば、なんとかなる。この場合丸森の仮設ATの温度管理とノッチ制限が必要となる。

11/23追記
 保原変電所から架線、電柱などを復旧するそうだ。ATき電は、トロリ線、レールまたは保護線(PW)、ATき電線が揃わないとき電できないとおもうが、どう行うか興味が尽きない。
 河北新報より
阿武急 丸森-槻木間、12月中旬再開 車両3編成で運行、ダイヤ被災前より大幅減 Webリンク

阿武隈急行のWebページには、復旧のことはかかれているが、保原変電所からの送電とは記載されていない
丸森駅~槻木駅間の運行再開について Webリンク


615. 阿武隈急行 保原変電所 (ATき電・交流)ブログリンク

680. 阿武隈急行 槻木き電区分所 AT-BTデッドセクション ブログリンク

まとめ記事作成
939. 阿武隈急行 復旧(丸森-槻木間)の方策  ブログリンク


6.東北本線 二本松変電所 
阿武隈川近傍
標高が高いので難を免れた様子
変電所199.5m 阿武隈川186.8m
613. JR東日本 二本松変電所 東北本線 (BTき電・交流) ブログリンク

7.東武東上線 高坂変電所 火災との情報
標高が高いので水没ではないかも? 
変電所31.5m ピオニウォークが水没21.6m 都幾川18m
高坂駅の都幾川付近が水没



8.東北本線 須賀川補助き電区分所
補助き電区分所243.1m 中宿237.5mが30㎝位冠水してるが設備は、免れている様子。
534. JR東日本 須賀川補助き電区分所(交流) 東北本線 ブログリンク

9.しなの鉄道 北しなの線 豊野変電所 水没
千曲川からみ




10.東武鉄道 日光線変電所浸水 
永野川の氾濫



北陸新幹線の対応
その後現場調査したので、冒頭の記事のリンク参照

長野車両基地水没(長野基地変電所水没)、新赤沼き電区分所水没は
1.長野車両基地水没(長野基地変電所水没) 本線に関係ないので本線の運行は可能
但し 車両の遣り繰りが問題となり、間引き運転必須 

2.新赤沼き電区分所水没は、スルー化で対応 近傍に新長野変電所(トンネル上)があるのでき電系統は問題ない。機器は水密構造なので制御基板の交換で対応。それまではATを使用せづ切り離し運用で切り抜ける。セクション用の切替開閉器があるが延長き電に手動で切り替え、新長野変電所まで延長するか、逆に新坂城変電所までの延長で対応 本線の水没が引けば運行可能。実際はエア―セクションのエアージョイント化で対応

この説明図のSPが使用できない場合に相当する
新幹線は、変電所間の異相区間を、中間セクションを切り替えながら運行している
そのため、き電区分所が使用不能の場合 どちらか一方の変電所から延長を行い
き電区分所をスルー化する。
この図の一番下の運用
この図は、まだAT切り離し断路器が設備されていない場合の例
JR東日本は、AT故障の場合迅速に切り離しができるよう動力式断路器をATに付けている。
新赤沼き電区分所には、切替開閉器 が2組(予備2台) 4台あるが水没しているので基板交換が必要。そのため、切り離し(89Sを開路)、延長き電用断路器(89FCL)と中間セクション加圧用断路器(89SN)を閉路して変電所 延長き電へ切替する。タイき電用89FTの処置は不明

追記
AT切り離し運用の際、レール電位が上昇する可能性があるのでタイき電用89FTは投入する必要がある。延長き電先の末端ATは、過負荷が掛かるので温度上昇に注意が必要
AT故障時の系統運用マニュアルより
今回上下線SPのAT切り離しを行う



 床置きは、切替開閉器52Sだけなので、残りは水没していない。但し制御盤水没。切替開閉器は、高頻度開閉を行うので故障時のため2組あるが、今回は予備系も同時に水没している。交換は、他のところからもって来なければならないが、まだ水が引いていないので対応は無理。ATは、故障電流を測定するロケーターがあるで一端は切り離しで、制御系から外す。手動で89SN、89FCLを投入できるかが、早期復旧の鍵


 北陸新幹線 間引き運転への対応
ほくほく線は、特急「はくたか」の運行終了により、設備のスリム化を実施。7変電所を
六日町変電所
918. 北越急行 北越北線(ほくほく線) 六日町変電所(直流)とJR東日本 四十日横坑、寺尾横坑 ブログリンク
十日町変電所
920. 北越急行 北越北線(ほくほく線) 十日町変電所(直流) ブログリンク
松代変電所
922. 北越急行 北越北線(ほくほく線) 松代変電所(直流) ブログリンク
浦川原変電所
924. 北越急行 北越北線(ほくほく線) 浦川原変電所(直流) ブログリンク
4変電所に減らし、また160km/h運行の信号設備も廃止されたので、超快速110Km/hの運行ならできる。越後湯沢駅 - 直江津駅間84.2 kmを1時間を切る速度で運行

参考文献
日本鉄道電気技術協会編;変電所一般 き電変電シリーズ
新幹線におけるAT故障時の系統マニュアル;鎌原今朝雄ら:電気鉄道,Vol.33,No.11,pp7-10,1979
渡辺寛ら;AT-BT相互延長き電について:電気鉄道,Vol.28,No.10,pp.7-12,1974

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