2025年1月30日

1426. 東急電鉄 つきみ野変電所 田園都市線

 つきみ野変電所


受電:TEPCO 林間変電所 66kV 2回線受電 ループ受電
き電:シリコン整流器3,000kW D種 12パルス整流器 前は4,500kWが置かれていた

東急電鉄でのき電設備の実験的利用の際の変電所 過去に多くの実験が行われた。田園都市線末端の変電所



つきみ野変電所 Tき電


シリコン整流器2台 大きさからみて3,000kW




植栽と壁に囲まれていて中が見えない
上から見るとコンテナ様のものが置かれている

これは


リチウムイオン電池の蓄電設備が置かれている



蓄電池盤7,6と書かれているものが合計4台置かれている。
 1台のコンテナに7個のリチウムイオン電池が設備され、それぞれ単独で運転 並列接続されているのか

東急電鉄の設備計画では市が尾変電所にバッテリーシステムを2025年度に導入予定
以下引用
 大規模災害時のBCP強化、鉄道電力の効率的な活用、電力系統安定化への寄与を目的に、2025年度に田園都市線に電力を供給する市が尾変電所に大規模蓄電システム(出力:2.1MW、容量:10MWh、以下「本システム」)を関東大手民鉄で初めて設置します。 
引用終わり



この資料の蓄電地:GSユアサ製 つきみ野変電所に置かれているものと横面が同じである。

つきみ野変電所で導入準備の予備試験を実施しているのか?直接1500V昇圧?
このGSユアサ製のリチウムイオン電池 
多摩モノレールの日野変電所に75kWh 回生電力吸収、202kWh非常走行
東上線 上福岡き電区分所に104kWh 回生電力吸収
と小型ものが導入されている。

置かれているものはDC/DCコンバーターで1500Vに昇圧して直接き電線につなげるもの

308. 東武鉄道 上福岡き電区分所(直流) 東洋電機製造が制御部を作成
置かれているものはDC/DCコンバーターで1500Vに昇圧して直接き電線につなげるもの

 つきみ野変電所の構内を見ても66kV降圧1200Vの整流用変圧器と66kV降圧6.6kVの配変しか見当たらない。 回生電力を吸収するためには1500VDCを蓄電池に充放電する装置が必要とされるが、このつきみ野変電所に置かれたGSユアサ製リチウムイオン電池はどんな運用がなされているのだろうか?


Tき電 左中央林間方は500㎟1本と325㎟のCVケーブル1本で送電
右 長津田方面は325㎟CVケーブル4本で送電

長津田では500㎟のケーブル4本で送電していたがどこかで変更されたようだ。

別角度 き電線が下に引き下ろされている


線路脇に区分断路器盤があるのでそれに引き込まれているのだろう




トンネル部は架線がシンプルカテナリー電車線から地上用複合電車線に変更






シンプルカテナリー電車線から
吊架線st135㎟、補助吊架線Cu200㎟、トロリ線の複合電車線へ



き電線は片方の架線柱からケーブルかされてトンネル内に軽量ダクトで引き込み


き電線はケーブル化され下り線側トンネル内に軽量ダクトで引き込み


トンネル内最終起点箇所は不明
上下一括き電なので上下渡り線のセクションインシュレーターが無い
末端部 上下線のタイボンドは無い

つきみ野変電所で行われたき電実験の数々
1.世界初、DC1500Vき電線に直結する鉄道システム用地上蓄電設備の実証試験に成功
2011年 ニッケル水素電池 架線直結1500V対応 チョッパなし

列車運行電力デマンド制御の検証走行試験

 鉄道総研 pdfがダウンロードされる


3.日立 鉄道車両に有効な回生電力吸収装置 日立論評2000年4月号 回生電力吸収
IGBT素子で抵抗に食わせる電流を制御

文献から引用
鉄道車両に有効な回生電力吸収装置 NDLライブラリ






















参考資料(順不同)
松原優平;鉄道事業者の変電設備(17):鉄道と電気技術Vol.35,No.2,pp.82-85,2024

東急100年史(WEB版)および関連社史・事業史

石井明夫ら;東急特集 電気設備の概要:鉄道ピクトリアル:Vol.35,No.442,pp38-43,1985

望月勇一郎ら;東急特集 電気設備の概要:鉄道ピクトリアル:Vol.44,No.600,pp55-57,1994

金澤克美;特集:東京急行電鉄 電気設備の概要:鉄道ピクトリアル:Vol.57,No.749,pp63-65,2004

伊東博之;特集:東京急行電鉄 電気設備の概要:鉄道ピクトリアル:Vol.65,No.912,pp76-80,2015 変電所・開閉所の数のみ記載

木暮隆雄;直流き電回路の現状と今後の課題(19)直流き電回路の電圧降下対策と省エネ:鉄道と電気技術Vol.22,No.3,pp.51-61,2011





























2025年1月29日

1425. TEPCO停電 レイクタウン停電 TEPCO吉川線が事故かTEPCO西越谷変電所部分、TEPCO東越谷変電所、TEPCO吉川変電所が落ちたため

急にJR東日本吉川変電所のWebにアクセスが増えたので原因を調査

 レイクタウン停電

レイクタウンくらいの大きなショッピングモールは66kV受電が普通 イオンモールも同等

レイクタウン 特高変電所 66kV2回線受電 常用、予備
Google Street Viewから

レイクタウン 特高変電所 66kV2回線受電 GIS設備で受電
66kV降圧6.6kV 
Google Street Viewから
 
 停電範囲は、最大時で越谷市で約18540軒、松伏町で約1410軒、三郷市で約690軒、吉川市で約29280軒なのでこの周辺を通過しているTEPCO吉川線、TEPCO吉川変電所、TEPCO東越谷変電所、大元の西越谷変電所の吉川線部分の不具合

ざっくりな停電範囲
 西越谷変電所は基幹変電所(275kV降圧66kV)ここから吉川線が送出 東越谷変電所経由吉川変電所まで架空送電線で66kV送電

 TEPCO吉川変電所が落ちるとここから受電しているJR東日本吉川変電所も落ちるはずだが
武蔵野線は遅延なく動いている。
 隣接するJR東日本東川口変電所(受電:東電岩槻変電所・東電西越谷変電所間からの東電萩島線66kV架空2回線分岐JR東川口線)とJR東日本新松戸変電所(受電:東電東葛高柳線 大谷口変電所よりダイエー(現イオンフードスタイル新松戸店)新松戸線経由地中66kV2回線)間の延長き電で対応 時間帯もラッシュ時出なかったので供給される電力は運行に支障なかった模様。

 JRの更新作業中の事故で波及したようだ。まさかJR東日本の吉川変電所が原因だったとは
以下部分引用
JR東日本大宮支社によると、事故は、JR吉川変電所で、配電用変圧器用遮断器の新設作業に伴う機能確認試験を実施中、高圧ケーブルがショートして起きた。事故による負傷者は出てないという。
引用終わり


この配電盤内に収容されている遮断器VCBの操作中の事故

 JR東日本 吉川変電所のC-GIS盤の66kVBusがJR東日本の受電盤1,2号を通じてTEPCO吉川変電所に繋がる。この盤内の波及事故でTEPCO吉川線66kV全体が停電(TEPCO東越谷、吉川変電所)おおもとのTEPCO西越谷変電所(275kV降圧66kV基幹変電所)はTEPCO吉川線を遮断。波及事故は上流に及ばなかった。



2025年1月28日

1424. 東急電鉄 南町田グランベリーパーク駅駅舎電源補助装置 田園都市線

 南町田グランベリーパーク駅駅舎電源補助装置 

田園都市線南町田グランベリーパーク駅において駅舎補助電源装置の供用を開始します

2025年1月27日から運用 発表は1月24日

以下引用

当社では、従来から全車両に電力回生ブレーキを採用し、あわせて全線(一部区間を除く)で上下線一括き電方式を導入しています。そのため走行中の電車がブレーキをかけた際に生じた電力(回生電力)を、上下線問わず最も近い位置を走行する他の車両に供給することで省エネルギー化を図ってきましたが、さらなる回生電力の有効活用の検討を重ねてきました。

 そこで今般、南町田グランベリーパーク駅周辺の区間において本装置を導入し、回生電力を同駅の照明等の駅設備を稼働するための電力に変換して使用することで、エネルギーの最大限の有効活用を図ります。これにより、年間約245MWhの省エネ効果を見込んでいます。

引用終わり

この駅舎電源補助装置 結構導入されている。

545. 東京地下鉄 妙典駅 き電室・駅補助電源装置 東西線 2017年記事

639. JR東日本 新津変電所 信越本線・羽越本線 直流と総合車両製作所 新津事業所2017年記事 新津駅 「駅舎補助電源装置(S-EIV)蓄電タイプ」を導入

541. 東京地下鉄 東陽町変電所 駅補助電源装置 東西線 2017年記事

駅舎補助電源装置 S−EIV 三菱電機サイト 2016年

現在高性能型の400Vタイプもあるが南町田グランベリーパーク駅に導入されたのは210V型

資料より引用

 2014年6月の東京地下鉄㈱東西線妙典駅に始まり,2020 年 3 月までに43台導入されている。都市部地下鉄区間と都市部近郊区間の路線に適用され,鉄道事業者は民営鉄道4社,公営鉄道1社,JR2社である。

引用終わり


右下のキャプションは2025年だが現在更地にはマンションがあり入居している

受電:上下一括き電1,500V
給電:6.6kV 駅舎

上下のトロリ線から受電

一端き電分岐箱に入って1本に纏まるようだ
1本に纏まったき電線はこの駅舎補助装置用断路器に入り駅舎電源補助装置へ繋がる +極側


変換装置は実績のある三菱のS-EIVを使用


三菱のS-EIVの裏側


S-EIVのー極側は駅舎補助装置用断路器に入りインピーダンスボンドの中性点に繋がる


インピーダンスボンドの中性点に駅舎補助装置用断路器のー極側が繋がる
レール側の2本はダクトに入る


このインピーダンスボンドはS-EIVのー極側だけを流す役割なので信号線側はfree


軽量プラスチックトラフに収容された帰線側(ー極側)はレール方向に下る

S-EIVのー極側がレールにボンド


 各駅の配電所には異なる変電所からの2回線(常用と予備)つまり4回線引き込んである千鳥送電方式を取り変電所が落ちても常に1回線確保で常用と予備に瞬時停電は発生するが停電継続はしない。 S-EIVの6.6kV 側は駅舎の6.6kVBusに繋げてあると思う。


東急電鉄では高配はA,B2回線使用 常用と予備の自動切換え
TEPCOの6.6kV需要家用の配電箱を使用
 

参考資料(順不同)

松原優平;鉄道事業者の変電設備(17):鉄道と電気技術Vol.35,No.2,pp.82-85,2024

J-STAGEトップ/電気設備学会誌/41 巻 (2021) 2 号/






2025年1月27日

1423. 東急電鉄 長津田検車区(長津田車庫開閉所)、横浜高速鉄道長津田開閉所、長津田車両工場き電室 田園都市線・こどもの国線

 長津田検車区(長津田車庫開閉所)


長津田車庫全体のき電を担当する直流高速度遮断器が設備されている建屋

上下方面別き電の時の長津田車庫のき電切替の状態
新玉川線建設誌の車庫編から引用

 長津田車庫全体をき電する長津田車庫き電所があり、田奈変電所方の下り2回線、上り1回線赤丸の断路器で切替使用していた。定位は下り方き電線2回線からき電分離 このころは本線は硬アルミ撚り線510㎟を使用、現在はCVケーブル500㎟を使用。き電所に分離するケーブルはCVケーブル325㎟2本一組を使用して引き込んでいた。
引込部分が長津田20号の架線柱。
下り方2回線が1回線に纏まるのが長津田12号の架線柱。
こどもの国線用き電線が架線柱用賀7号で分岐して断路器を経てこどもの国線へ
緑四角で囲んだ部分がこどもの国線(横浜高速鉄道)へのき電用断路器となる。

 1968年長津田 - つくし野間開業 こどもの国線は1967年開業。この時点まだ長津田車両工場は建設されてない。そのため断路器での供給で問題なかった。そして新玉川線建設誌にも長津田開閉所は書かれていない。
 1970年長津田工場操業を目指していた。しかし東急の検査入出場車両が走ることが1972年まで許認可が下りなかった。工場が操業数すると電力量も多く使用することと工場内事故で地絡が発生すると本線まで波及停電を起こすことから長津田開閉所を設けて直流高速度遮断器を設備して対応したと推測する。

 現在は上下一括き電き電なのでこの図の本線渡り線のセクションインシュレーターは無い。ただこどもの国線と車庫線の部分は本線と区分のためセクションインシュレーターがある。  
出典(「配線略図.net」・アドレス「https://www.haisenryakuzu.net/」)

長津田駅の授受線については過去に記事にしている。
661. JR東日本・東急電鉄 長津田駅 授受線 セクション 2017年の記事



2024年時点 長津田車庫開閉所と思われる建屋 表示がない
左にハンドホールとき電分離用断路器盤がある

2024年時点 ダクトで引き入れられている。


 2024年時点 き電分離用断路器盤


2017年時点では柵が高くなかった
右建屋のハンドホール構築物がない。右建屋下に引込用の開口部2ヶ所がある

なぜここが開閉所かと判断した理由。
ちょうど奥の架線柱が長津田20号でき電線が引き下ろされている


2017時点 田園都市線 長津田20号架線柱からき電線の引込がある
き電線は硬アルミ撚り線510㎟ この時はもう上下一括き電が行われていた

2017年時点 高架から降りるき電線ケーブル 500㎟×8本

2017年時点 トラフから開閉所に向けてケーブル立ち上がり

2017年時点 トラス部を渡り開閉所に引き込まれる

このころは硬アルミ撚り線510㎟が使われていた。タイボンドはOC400㎟のケーブル


2012年時点 開閉所は右の建屋だった。
高架から引き下ろされるケーブルがトラスを渡って引き込まれている
Google Street Viewから

2016年4月 まだ新しい開閉所は無い
Google Street Viewから

2017年6月 新開閉所が建設完了 ケーブル引き込みは未了
この時点の開閉所を2017年11月に取材していた
Google Street Viewから

2018年1月 ケーブル引き込み作業開始 コルゲート管が右建屋に引き込まれいる
ケーブルドラムが左にある
Google Street Viewから

2019年8月 ケーブル引き込み箇所のハンドホールができている
Google Street Viewから

さてこの引き込まれているケーブルはどこからきているか

つきみ野方の上下タイき電の元上り線側から2本一組
2024年時点き電線は硬アルミ撚り線510㎟からCV500㎟のケーブルに交換されている


つきみ野方の上下タイき電の元下り線側から2本一組
2024年時点き電線は硬アルミ撚り線510㎟からCV500㎟のケーブルに交換されている



架線柱下の開口部から4本

ラベルが貼付されている
左 き電ケーブル 長津田12号 右 き電ケーブル長津田20号と記載
左は この架線柱20号の手前側12号からの引込
右は この架線柱20号直上からの引込

開閉所には、つきみ野方のき電線と架線柱12号からのき電線が引き込まれている。

それでは架線柱12号を調べてみよう

2017年時点では、ここはまだ硬アルミ撚り線510㎟が使用されている
左電柱上部に細い硬アルミ撚り線が上部に1本引き止められている。どこにも繋がって無い
 電車線区分標があることから本線は、この部分で田奈方とつきみ野方でエアーセクションでき電区分されている。

一括き電のき電線に碍子が割り入れられていて左右のき電線が区分されている。
田奈方のき電線から500㎟のケーブル4本が引き下ろされている。また細いケーブル2本も同じ田奈方き電線から引き下ろされている。
つきみ野方き電線からケーブル2本が引き下ろされている。
つきみ野方、田奈方との直近でタイボンドされている。

硬アルミ撚り線510㎟をOCケーブル400㎟でタイボンド
2017年時点

先ほどの長津田車庫開閉所に引き入れられている左線路脇の架線柱12号からのケーブルは田奈方と考えてよろしかと思う。
 
 開閉所で上下一括き電の田奈方とつきみ野方のき電区分が直流高速度遮断器で行われていると推測する。
 ではつきみ野方の2本引き下ろされているき電線はどこにつながっているのだろうか、また田奈方の細いき電線2本はどこに繋がっているのだろうか?この4本は同じダクトに収容されている。つきみ野方は先の架線柱20号で既に引き下ろされているので再度引き下ろすことはない。別の場所に引き込まれていると推定する。

架線柱11~12号 田園都市線下り方に電車線区分標があるのでエアーセクションが有る
2017年時点

 架線柱11号にダクトがありき電線2本がトラスを渡り上り側に移動している。これが架線柱12号でつきみ野方から分岐した2本と推測できる。ではこの2本のき電ケーブルはどこへ?

それでは2024年時点の架線柱12号での分岐がどうなっているかを見てみよう
2017年との相違は架線柱上部に引き止められていたき電線が田奈方に繋がっていることだけ
田奈方からの3本のき電線がここで引止められている。それぞれタイボンドここが田奈方末端
き電線がCV500㎟のケーブルに交換、接続部に保護カバーが付いている。

反対側から見た架線柱12号 2017年と変化はない

細いダクトが右側に伸びている(つきみ野方の2本と田奈方の細いケーブル2本)
大きいダクトには田奈方の4本が線路沿いのトラフに収容されている。このトラフを追うと架線柱20号の部分行きつく

太いダクトの表示は高圧注意

ダクトとトラフ接続部はRがある方が架線柱20号なので架線柱20号に伸びているのは確実

長津田車庫開閉所の予想単結線図

想定図 付帯する断路器は省いた
想定の根拠
新玉川線建設誌でも長津田車庫は定位が田奈変電所き電で3本(実際は500㎟ケーブル6本)で12号架線柱まで引かれていた。
新玉川線建設誌でも長津田車庫開閉所(き電所)は直流高速度遮断器が設備されていた
新玉川線建設誌では長津田12号架線柱に開閉器(断路器)があることが示されていたが装柱が断路器を置ける構造なので上下方面別き電のき電区分を行なう想定がされていた。そのため長津田車庫開閉所内に無停電で区分できるよう上下一括き電用の直流高速度遮断器を置いた。
長津田車庫開閉所には、無停電で田奈方、つきみ野方受電を行なえるように田奈方、つきみ野方に直流高速度遮断器を置いた。
長津田車庫開閉所の工場側のき電線は車庫内の接地回路付き断路器群につながっている

12号架線柱でつきみ野方、7号架線柱で田奈方から分かれたき電線の行く先は次に述べる。


横浜高速鉄道長津田開閉所


おさらい
 1968年長津田 - つくし野間開業 こどもの国線は1967年この時点でまだ長津田車両工場は建設されてない。そのため断路器での供給で問題なかった。そして新玉川線建設誌にも長津田開閉所は書かれていない。長津田7号架線柱に断路器がある。
 1970年長津田工場操業を目指していたが東急の検査入出場車両が走ることが1972年まで許認可が下りなかった。
 横浜高速鉄道が認可を受けた路線なので会社間を分けるためもある。工場が操業すると電力量も多く使用することと工場内事故で地絡が発生すると本線まで波及停電を起こすことから長津田開閉所を設けて直流高速度遮断器を設備して対応したと推測する。

横浜高速鉄道が最初の路線開設者のため 表示が横浜高速鉄道となっている

全体としては大きい 高配の開閉所も兼ねている

2本のき電線が長津田工場方に伸びている
そこから1本分岐して長津田駅方に伸びている



2本(実際は510㎟2本)ともう1本(510㎟)が合わさって工場方面に伸びている
硬アルミ撚り線510㎟ 1本で約930A 3本で約2,800A 工場でそんな電流必要か?
き電線を追うと2本になっていた。



長津田開閉所から工場方に出ているき電線は2本
入ってくるき電線が無い
長津田駅方に1本のき電線硬アルミ撚り線510㎟が伸びている

駅方に伸びる1本のき電線硬アルミ撚り線510㎟



拡大して追うと引止められてケーブル化され引き下ろされている

さて架線柱11号で上り方に移動したつきみ野方500㎟のケーブル2本の行方は如何に?

架線柱11号でダクトから引き出されトラス上を上り線側に移動

反対側からみた架線柱11号ダクトから引き出されて上り方に移動


上り線側架線柱11号で架空ケーブル配線となる
黄色のラベルが見える


長津田架線柱12号のCV500㎟のケーブルがきている
つきみ野方の上下一括き電線から分岐したもの

もう1本も同じ
書いてある内容は長津田12~長津田開閉所89‐1
89は断路器なので長津田開閉所内の断路器に繋がっていることで確定


架空ケーブル化されたまま(一番下の平行2回線のケーブル)駅方へ

長津田架線柱8号で引止められてダクトへ収容


ダクトからトラフへ収容 手前方にある長津田開閉所側に向かう

ダクトを追うとトラフになり長津田開閉所にトラフが収容されていた
架線柱12号のつきみ野方き電線は長津田開閉所に繋がっていた


田奈変電所からの3回線き電線はケーブル化されて跨線橋を潜る
500㎟のケーブルは5本
こ線橋を潜った先駅側 架線柱8号 田奈方き電線


次の架線柱7号でT分岐され2回線が上り方に移動
新玉川線建設誌では、この7号柱は こどもの国線へのき電線と断路器があった場所

ホームから別角度で見る 架線柱7号から右方に引き出されている

架線柱7号で引き下ろされてダクトに収容

表示 長津田架線柱7号~長津田開閉所

 予測は、当たり田奈方 架線柱7号、つきみ野方 架線柱12号から2つの方面別き電線は横浜高速鉄道の長津田開閉所に引き込まれていた。 長津田車庫開閉所と同じように田奈方、つきみ野方両方のき電線を引き込んでいる。定位は田奈方き電

余談 こどもの国線の留置線のき電区分

左奥の架線柱 長津田特7号で長津田開閉所から延長してきたき電線が引止められている
先ほどの長津田7号は手前の架線柱となる

拡大 留置線にセクションインシュレーターがあり き電区分している。


別角度から見る


左 架線柱7号特からき電線が2本引き下ろされてダクトに収容される
ダクトは右 キュービクル

長津田特7号架線柱から引き下ろされているき電線は断路器盤に収容されている


き電区分断路器盤と書いてあるので留置線のトロリ線のき電区分を行なっている。
接地回路付き断路器が収容されている

2017年 以前は接地極付き断路器だった 赤丸内
その右 架線柱7号から田奈方き電線が引き下ろされている


こどもの国線 ホーム終点寄りにあるセクションインシュレーター
左上 本線上り線とのき電区分

セクションインシュレーター部拡大
JRなどは上部碍子は2つ割り入れられているがここでは一つ


上下方面別き電の時の長津田車庫のき電切替の状態

 以前は架線柱7号から引き下ろされていたが、この結線だと田奈変電所方からのき電しかこどもの国線にはできないことになる。1972年 長津田工場稼働時 田奈方、つきみ野方両方からき電できるようになったと推測する。(長津田車庫開閉所と同じき電構成)そのため架線柱7号からのき電線を横浜高速鉄道長津田開閉所に引き入れてあるのが妥当設計。

長津田車庫内のき電線 外部から伺えるのは最小限
新玉川線 車庫編では2本のき電線で全体をき電している

最終の接地回路付き断路器群
12台の断路器群9台が接地極付き断路器 上部電源側がカスケード接続 
引止められた2本のき電線からの供給
もう1本のき電線は一番左の断路器に繋がっている










この引止められた2本のき電線の出処は
長津田車庫開閉所なのだが、この場所は車庫の奥にあたる


先のき電線2回路分(2本一組と1本)はこの車庫入口の架線柱で引止め


奥側は留置線の1に繋がるようだ

長津田検車区(長津田車庫開閉所)、横浜高速鉄道長津田開閉所のまとめ前段階

想定図
こどもの国線及び長津田工場き電は電源容量の大きい田奈変電所方を定位とした
付帯する断路器は省いた

???が付いている細いき電線2本の行く先が判らない。撮りためた各方面の架線柱を虱潰しに精査。

追っているのは架線柱12号のこの細いケーブルの先


架線柱11号に向かうつきみ野方500㎟のケーブルより細い 325㎟が妥当か
主き電線より分岐するき電分岐装置用だろう


長津田駅構内 中心2本が車庫への入出庫線 田奈方き電
上下一括き電なのでセクションインシュレーターが無い
車庫線との区分があるのでどこかにセクションインシュレーターがあるはず
本線は 左奥の電車線区分標が見える架線柱11号からエアーセクションとなる
車庫方面を拡大して精査
緑丸 下り方 本線のエアーセクション部 添線で強化されている
その左側にダクトから立ち上がる細いき電線2本がある。上部をクリートで固定され左へ
この部分は架線柱15号

この架線柱15号の左にある入出庫線をよく見ると
赤丸の架線分岐装置が2個と奥に緑丸のセクションインシュレーターが見える


架線柱15号のダクトから立ち上がる架線柱12号の細い田奈方き電線2本
下り線上部をクリートで固定され入出庫線の地上部へ

入出庫線に繋がっていた。ここまでは田奈方き電

入出庫線下り方にき電分岐装置で架線柱12号からの細いき電線が繋がる


入出庫線上り方にき電分岐装置で架線柱12号からの細いき電線が繋がる
奥の高架上の架線柱は架線柱15号

これで12号架線柱から分岐するき電線の接続先全てにけりが付いた。

長津田検車区(長津田車庫開閉所)、横浜高速鉄道長津田開閉所のまとめ 最終版



長津田車両工場き電室
 工場内での事故時こどもの国線に波及しないよう設けられている。


画像中央の小さい白い建物が長津田工場き電室(ドアに書いてある)

Google Earthから 矢印の先の小部屋がき電室
ドアにき電室と書かているのだがカメラで撮影できなかった


き電室

別角度 こどもの国き電線からT分岐

T分岐されたき電線はき電室に入り直流高速度遮断器とつながり
また引き出されて断路器の電源側とつながる

断路器部拡大 
断路器上部端子電源側にき電室から直流高速度遮断器を経由したき電線が繋がる
負荷側はき電線が2本に分岐して上に引き上げられる
工場内へ2本のき電線が伸びる
 
 黄色の保護カバーが付いているのがこどもの国き電線硬アルミ撚り線510㎟×2からT分岐したき電線
2本の工場内き電線はここで1本がT分岐して主トロリ線に繋がる


工場内き電線2本は奥の接地回路付き断路器に繋がりトロリ線に繋がる



 主トロリ線から分岐して各接地回路付き断路器に繋がる

主トロリ線から分岐して各接地回路付き断路器に繋がる


こどもの国き電線から行き違いトロリ線にき電

奥の断路シャッター付き車庫へのき電は車庫に右の接地回路付き断路器からき電
電源側を追うと工場内主トロリ線から受電されている。

断路シャッター

一番右 主トロリ線から受電して左接地回路付き断路器の電源側に繋がり負荷側(接地側)が2本に分岐してシャッター付き車庫とその隣のトロリ線に繋がる


工場内には8500型のカットモデルが置いてある
休憩所?
余談

 長津田車庫線と本線は、電車の運行本数の出庫後は大きく違う。車庫線と下り本線間での線条の電位差が発生する恐れもあるのでインピーダンスボンドがクロスボンドされている箇所がある。


奥の入庫線と下り線のインピーダンスボンドの中性点がクロスボンド

手前下り線方 インピーダンスボンドの中性点のクロスボンド接続点



奥 入庫線方 インピーダンスボンドの中性点のクロスボンド接続点


奥の入庫線絶縁繋目の絶縁板の状態

手前下り線側の絶縁繋目の絶縁板の状態
手前と奥にアーク痕があるようだ


1308.  東急電鉄 日吉駅構内 発煙事故 考察 帰線電流(電位)差 記事修正(元住吉駅目黒線帰線部修正)








参考資料(順不同)

配線略図については以下の資料を引用
出典(「配線略図.net」・アドレス「https://www.haisenryakuzu.net/」)

東急電鉄新玉川線建設誌 東急電鉄リンク  車庫の部分を参照している

松原優平;鉄道事業者の変電設備(17):鉄道と電気技術Vol.35,No.2,pp.82-85,2024








































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1431. 中国電力ネットワーク 富吉変電所 爆発炎上 番外速報 随時追加

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