奥羽本線 新庄~院内駅間 復旧状況と運転の見通しについて 2024年10月18日発表
以下一部引用
運転再開時には、サステナブルで災害を受けてもより早期復旧が可能となる鉄道として、
電気式気動車(GV-E400 系)を導入し、電車線(架線)設備を順次取り外します。
引用終わり
JR東日本では新庄駅ー院内駅間 非電化化を進める模様(JR東日本は、大曲とは言ってない)
院内には、在来線初の275kV受電のATき電変電所があるので、この変電所を操作すれば院内駅-新庄駅間は非電化化できる。院内変電所の特殊性は以下を参照
912. 東北巡検その七 JR東日本 院内変電所(ATき電)
AT電化としては王道な電化方法
田沢湖変電所から大曲き電区分所まで距離26.2㎞ 変電所-き電区分所間距離が短い。ふつうは50㎞が王道。大曲ー横手間18㎞、大曲ー院内間52㎞
電車線最低電圧 |
1. 面倒 費用発生 田沢湖変電所からのき電 院内変電所廃止
田沢湖変電所からの
き電で大曲ー院内間を賄う 問題点 院内駅末端まで架線電圧16,000Vを保てるか 電車本数が少なければ賄えると思うが先に示した電圧降下問題が発生
ただし秋田変電所が落ちた場合は院内までき電できない。秋田方優先となる。この理由は以下の記事を参照
奥の手として(費用発生)
奥羽本線内で設備としてはあるが使われていないACVRを備えた き電区分所のACVRを横手あたりに持ってくる。候補としては以下のACVR
1173. 東北・北海道巡検9 JR東日本 奥羽本線のAVCR(架線電圧補償装置)北常盤き電区分所(奥羽本線 Complete)
2. 容易 費用発生がない 院内変電所は生かしたまま、片座き電を行う
よく考えてみれば院内変電所は現に片座運転中である!!
運行状況
奥羽本線は、7月25日の大雨の影響で、新庄~院内駅間の上下線で当面の間、運転を見合わせます。代行輸送を行っています。院内~秋田駅間で折返し運転を行います。
(距離的に秋田変電所もしくは田沢湖変電所からの延長き電はできない)
変電所では方面別き電を行なっているので各方面の利用電力が均等に使われなくてはならない。本来片座き電はこれができない。
三相交流電源側の電流はできる限り平衡させることが望ましく、交流式電気鉄道では電気設備技術基準第55条及び同基準解釈第260条に基づき、連続2時間の平均負荷で三相交流電圧不平衡率
が3%以下にするよう規定されている。
これを特認で認めさせる。
幸い院内変電所は275kVの大短絡容量を持つ基幹送電線からの受電であるので上位系に及ぼす影響は少ないと考える。但し無負荷の方座運転がき電用変圧器でできるかが問題
基幹送電線 275KV_東北_秋田幹線_0117 設備容量:1320Mw 運用容量882Mw
忘れてはならないこと信号用電力(高配用電力)は必要なので東北電力から受電する必要がある。これは普通の配電線6.6kVで十分である。
電圧不平衡率が3%以上となったと思われるき電区間
在来線
磐越西線の喜多方ー会津若松電化の終わりの時期は喜多方方と福島方では電車本数から考えて断然福島方が多い これを会津若松変電所で賄っていた。方面別き電としては不平衡率
が3%以上になっていたはず。
新幹線 北陸新幹線
新赤沼き電区分所ー新長野変電所間約6㎞ 基幹送電線から受電
新高田き電区分所(60/50Hz)境界ー新上越変電所間約2㎞ 基幹送電線から受電
この間隔では き電用変圧器の不平衡率が3%以上になっていると思う。
しかし、通常に運転している。
ATき電の王道では変電所間の半分の位置にき電区分所を設ける。
参考
基幹送電線
新長野変電所受電 275kV_中部_東信新北信線 設備容量:4726MW 運用容量値:3220MW
新上越変電所受電 154KV_東北_西上越線_0709 設備容量:418MW 運用容量値:279MW最上位に水力発電所を持つ。
新赤沼き電区分所が水害でスルー化された際の突合せは、新長野変電所である。つまり新長野変電所の片座がき電されていない。
院内変電所は、秋田新幹線、在来線の大曲以北、及び盛岡方のバックアップにはならない。受電が275kVであって超高電圧であるが変圧器容量は、単線運転の新庄ー大曲間を運行する電車にき電するだけで延長き電は考えられて設計されていない。
私見
奥羽本線 新庄~院内駅間としないでズバリ新庄ー大曲の非電化化がサステナブルだと思う。
参考資料
石原達也;交流電化と電源不平衡問題:電気鉄道,Vol.10,No.9,pp9-13,1956