2023年9月28日

1324. 函館市 北海道新幹線フル規格乗り入れ報告を思考実験で き電側から検討

 新幹線「函館駅乗り入れ」フル規格が有力か 東京から「3両編成」で直通? 示された案とは 乗り物ニュースから部分引用

以下引用

調査業務を委託されたコンサル会社の千代田コンサルタントは、市に提出した企画提案で「新函館北斗~函館間には、新幹線の断面に障害となるトンネルが存在しないため、乗り入れ車両はミニ新幹線車両ではなく、通常のフル規格新幹線車両の導入可能性が高い」と指摘しています。

引用終わり

このコンサルが示した乗り入れ分岐線の図

以下引用

引用終わり

 この図 配線略図ネットの画像を引用して改変していようだがが引用のキャプションが無い。但し函館市に提出されたコンサル報告書にはあるかもしれないが…

新幹線部分 出典「配線略図.net」アドレス「https://www.haisenryakuzu.net/」

在来線部分 出典 新函館北斗駅 出典「配線略図.net」アドレス「https://www.haisenryakuzu.net/」

両方を重ね合わせてExcelで加工すると以下の図が出来上がる



新幹線の保守線路からの渡り線は以下の部分に作られるのが容易であることが判る
右下の変電所は函館総合車両所変電所

以下Google Mapより同区間
 


 閑話休題

 さて現在北海道に乗り入れいる新幹線はE5系・H5系(複電圧仕様ではない)である。架線電圧は25,000V固定、在来線.・ミニ新幹線で使用されている20,000Vに対応していない。

 ミニ新幹線であるE3,E6,E8は複電圧仕様の25,000V及び20,000V対応であるがコンサルの提案ではフル規格の新幹線である。つまり25,000V化が必要となる。

 また新たに北海道新幹線に採用予定の新幹線E956形電車は25,000V対応なので函館乗り入れの為には三条区間の架線電圧を25,000Vに昇圧する必要がある。

 現在の新函館北斗ー函館間、函館-道南いさりび鉄道木古内き電区分間は五稜郭変電所から き電を受けており20,000Vである。

 また新幹線の函館総合車両所は、独立した電源である総合車両所変電所からき電を受けており25,000Vである。この変電所は函館総合車両センター用の専用電源なので流用はできない

 在来線には、海峡線を行き来するEH800形電気機関車に引かれた貨物列車が五稜郭機関区で牽引機がDF200形ディーゼル機関車に交換され道内を走行している。EH800形は20,000,25,000V対応の複電圧電気機関車なので在来線部分が25,000Vに昇圧しても問題ない。

 在来線には新函館北斗-函館間を運航する電車形の函館ライナー(733形)があるがこれは20,000V対応車両であるので在来線25,000V昇圧に対応できない。

結論(五稜郭変電所を生かす・2013年完成 原価償却未了)順不同 

1.新幹線函館延長工事開始時、新函館北斗ー函館間をDCに全交換,五稜郭機関区周辺だけ20,000V架線を維持その後25,000V化、その他新幹線乗り入れ箇所は25,000V仕様にする。函館駅構内は新幹線乗り入れ部分だけ25,000V化して、その他の架線は撤去。函館乗り入れは新幹線及びDC(四季島もDC運用する)だけにする。

2.五稜郭機関区内でDL、DC及びELが利用する線路は狭軌のまま。

3.いさりび鉄道と函館本線間にあるデッドセクションで20,000Vー25,000Vの異電圧通過を行う

3.三条軌道化に伴い上部架線(新幹線用)、ATき電線の絶縁等級を1段上げて25,000V対応にする。碍子1個追加もしくはポリマ碍子に交換

4.在来線 新函館北斗駅の電化終端にあるATを撤去、新幹線分岐部渡り線から新函館北斗駅間を非電化対応

5.函館駅にある20,000V対応のAT(単巻き変圧器)を25,000V仕様に交換

6.函館ー五稜郭間にあるエア―セクション部(3ケ所)のエアージョイント化 負荷断路器を撤去、函館運転所内の20,000V施設を廃止(全電車をDC化するため)簡略化する

1179. 東北・北海道巡検15 JR北海道 函館本線 五稜郭駅ー函館駅間のき電系統設備 き電区分ポスト

7.工事中EH800運用のため、五稜郭変電所の不等辺スコット結線変圧器は常時運用し出力44,000V(ATき電のため・対地22,000V)対応のままで、いさりび鉄道側デッドセクション木古内き電区分所方及び五稜郭機関区周辺の20,000Vを確保。(スコット結線変圧器は二次側は単一出力できない・2系統 平衡出力のため)もしくは木古内き電区分所の降圧変圧器を利用して五稜郭直近のデッドセクションまで20,000V融通(吉岡変電所25,000Vの降圧延長き電)。五稜郭機関区周辺の20,000Vは五稜郭変電所の不等辺スコット結線変圧器を利用。工事後25,000V昇圧

1177. 東北・北海道巡検13 JR北海道 函館本線・道南いさりび鉄道 五稜郭変電所

8.五稜郭変電所のスコット結線変圧器はそのまま利用。44,000V(対地22,000V)昇圧60,000(対地30,000)Vの昇圧変圧器を新たに導入。60,000V側を在来線昇圧に使用する。中小国、木古内き電区分所にある降圧変圧器の逆を行う。函館方25,000Vの単巻き変圧器(AT用)に交換(函館A,B地区、EL)木古内方は昇圧しない。最終的に不等辺スコット結線変圧器は、予備機として運用するので、昇圧変圧器の44,000V側との結線も行う。

950.  JR北海道 中小国き電区分所(ATき電25kV・20kV)異電圧き電区分所

1175. 東北・北海道巡検11 JR北海道 海峡線・道南いさりび鉄道 木古内き電区分所(異電圧デッドセクション)

9.保守基地線から新幹線本線へ上がる部分の25,000V電化及びデッドセクションを設ける。在来線電化末端にAT(単巻き変圧器25,000V仕様)を設置

10.保守線から在来線部分への渡り線を25,000V仕様にする

11.保守線から在来線への乗り入れ部に待避線と安全側線を設ける

12.五稜郭機関区内にある20,000V昇圧25,000V設備を撤去

1178. 東北・北海道巡検14 JR貨物 五稜郭EL機関区 20kV→25kV昇圧設備

13.新幹線函館総合車両所変電所の電源は独立電源なので使わない

1216. 東北・北海道巡検37 JR北海道 北海道新幹線 函館総合車両所変電所

14.五稜郭変電所が脱落した場合(新幹線乗り入れ部分) 函館行き新幹線は函館北斗駅止まり、函館北斗駅から在来線(狭軌)乗換DCで函館ー函館北斗間を運転で対応

15.五稜郭変電所が脱落した場合 在来線 EH800及び、四季島E001は、木古内き電区分所の延長き電(降圧変圧器の利用・20,000V)で五稜郭まで運行することになるため五稜郭変電所スルー化、但し 五稜郭変電所のATは、末端ATとして利用(現在の盛岡変電所 田沢湖線の末端ATと同じ運用)。函館の末端ATは必要になるかどうか不明だが25,000、20,000V複電圧対応?。

 つまり木古内き電区分所ー五稜郭機関区直近のデッドセクションをスルー化、五稜郭機関区EH800運用区間又は函館(EH800は函館まで乗り入れない)までは20,000Vで運用、四季島はDC運転なので問題ない

 五稜郭機関区以北はエア―セクションで限定区分(セクション間開放。現在運用中のエア―セクションを25,000V化して利用)EH800及び四季島(E001)は複電圧対応であるが、道南いさりび鉄道の20,000V区間を25,000V対応とするには無駄(道南いさりび鉄道は全てDC)が発生する。

16.函館駅は在来線各駅停車は、すべてDC化、四季島線別ホーム、新幹線乗り入れ(25,000V)対応架線別ホームに配線変更

17.四季島は、木古内駅からDC運転すると五稜郭ー函館間の狭軌・広軌に合わせた架線位置変更が広軌だけになる。

 

函館北斗駅と新幹線乗り入れ線部分のき電 配線図については専門外

中間地点 四季島は函館以北の運転はDC運転対応
架線の位置合わせは広軌のまま対応できる
配線図については専門外


函館及び五稜郭周辺 配線図については専門外



 き電系から見た場合、三条化工事は き電電圧に関係なく必要となるので五稜郭変電所の改修工事(昇圧変圧器導入・25,000,20,000V系統分離)、函館、函館北斗両末端のAT交換、碍子絶縁級数の変更がない、複電圧対応のミニ新幹線E3,E6,E8系で直通・分割併合をやった方が金額的には安くなると思う。JR東日本 東北新幹線で現にE5系+E3系の編成で試運転を行っているのでやはり架線電圧を替えないミニ新幹線が有望だと思う(個人の見解です)。北海道新幹線フル規格乗り入れは、き電系からみたら無謀である。
 


参考資料 お世話になりました。
出典 配線略図.net・https://www.haisenryakuzu.net/ 函館本線・北海道新幹線部分

2023年9月21日

1323. 中部電力 北大町変電所再訪(詳細調査)アルペンルートへの送電(最終稿)

  扇沢下の架空送電線が地下化する場所を再確認した際の情報を基に再調査。過去記事の誤記を修正。 誤記した部分は33㎸送電に関しての部分

 判明のきっかけは以下の表示 2023年7月撮影

2022年4月1日 架空部分が13.4㎡広くなっている

22kV CVT 60㎟ 最大許容電流 240A 1996年施工
前は標識は無かった。

以前は以下の表示だった。2014年撮影

2013年4月1日 電圧表示はない


中電資料から引用 拡大

 変電所番号5142の北大町変電所と扇沢付近に 凡例から察すると変電所もしくは開閉所があることになる。送電線末端に開閉所があることは、ままないので扇沢に変電所があることになる。(中電では、平地区と言われている、6/28の停電事故は北大町変電所から扇沢間での鳥による短絡事故であった) さらに扇沢の先には、他社の変電所もしくは開閉所があることが判る。

完成した 扇沢変電所 国立公園内景観対応 中電の系統図に記載されている
2019年4月1日から運用開始
22㎸降圧6.6㎸配電及び22㎸開閉所兼用 6.6㎸は扇沢周辺の配電用と電気バス変電所用

それでは、北大町変電所の送電側の再度確認結果と誤認した原因について述べる

中部電力 北大町変電所

北大町扇沢線は、別のフェンスで囲まれており管理されている。
 
22㎸送出部分 北大町扇沢線 変化無し

VTの銘板は判読不能

現在稼働中の中央断路器と右 油入り遮断器

22㎸ 所内母線とEVT

EVT(接地形計測用変圧器)の銘板は判読不能

所内22㎸母線と昇圧変圧器間の断路器は開放

昇圧変圧器6.6㎸昇圧22㎸ 単相変圧器3台で校正 二次側(22㎸)

単相変圧器は3バンクで構成 一次側

単相変圧器は3バンクで構成 一次側

単相変圧器一次側に繋がるケーブル 表示がある

表示拡大一次側 6.6㎸ CVT 250㎣ (約直径18㎜)2013年施工
最大許容電流560A

 多分この手前の配変が77㎸降圧6.6㎸の元扇沢へ供給していた変圧器(地域配変と兼用)
理由としては、他の2台はVCBが遮断器だがこの配変はOCB(油入り)遮断器で古いため


北大町変電所内の配電用降圧変圧器群 グーグルマップより
一番下が77㎸/6.6㎸ 負荷時タップ切替変圧器


一番下の変圧器の銘板 損失無しで計算
10,000kVA=77㎸×√3×約74A 一次側
10,000kVA=6600V×√3×約875A 二次側

消去法で考えると真ん中の配変が77㎸降圧22㎸変圧器 22KV 最大240A供給と推定


1977年当時の北大町変電所 一般需要家への配変は見られない
 多分アルペンルート専用の変電所だったと思う。鉄構の位置から察すると一番下の長方形部分にアルペンルート用の送電設備があったと推測する。
国土地理院 空中写真 整理番号CCB733、コース番号C10A、写真番号25から引用

現在の北大町変電所
周辺に住宅街が広がり大町市自体も大きくなったので一般需要家への配電も行っている
昔は、大町変電所だけで供給できていた。
重ね合わせるとこうなる

決定的違いの部分

22㎸所内母線に繋がる22㎸ケーブルヘッド

文字がつぶれて見えないが22㎸と表示

決定的違いは単相変圧器一次側に繋がるケーブルヘッド
一般的な6.6kVケーブルヘッドで処理されている

 まさか6.6㎸を昇圧して22㎸にしているとは考えも見てなかった。上部の碍子も、とても6.6㎸対応のものとは考えられず22kV対応碍子だった。














2023年9月16日

1322. JR東日本 青梅線短絡線 架線切断場所推定(一部修正・エア―セクション部画像追加)

 JR東日本の発表以下引用

中央線快速電車は、青梅線内での架線断線の影響で、国分寺~高尾駅間の上下線で運転を見合わせています。運転再開見込は立っていません。

引用終わり

現在の事故前 立川駅構内のき電系統は以下通り
青梅線 下り線のTC型エア―セクションが普通のエア―セクションになっている。
中神タイポストで上下き電線が繋がれている。

1318. JR東日本 青梅線 TC型エア―セクション撤去(下り線)

 今回の青梅線 短絡線の架線切断事故は、事故発生後 青梅線だけが運行再開しているので立川変電所ー拝島変電所間の送電で青梅線が動いている。

 短絡線には、エア―セクションが1カ所あり立川駅構内の日野方にある選択断路器で短絡線の中央線接続側のき電を立川変電所ー拝島変電所(青梅線専用下り線き電)もしくは立川変電所ー日野変電所間(中央線下りき電)に切り替えられることができ、定位は中央線下り線き電となっている。

立川駅構内 青梅短絡線 中央線側 き電選択断路器 定位 中央線下りき電

 青梅線が動いていて中央線が止まっているのは、短絡線の中央線側の架線が切れていることが推測できる。ただし 立川駅構内にある選択き電断路器を両方開路(切る)すれば中央線の運行はできるはずであるが止まっているのは、中央線下り線から分岐して短絡線に入るときに通過するセクションインシュレーターで短絡線がき電分離されているため、安全を見込んで中央線下りき電停止にしたと推測できる。短絡線の青梅線側はエア―セクションなので、隣接中央線側との間でトロリ線の間隔が広くなっており、絶縁が担保されている。

青梅短絡線のエーアセクション部 立川駅方から西立川駅方面へ




エア―セクション 始まり ここまで立川駅構内からき電 中央線下りき電線よりき電


エア―セクション 終わり 青梅線下り線よりき電

 中神タイポストの設置で青梅線下り線のTC型エア―セクションは廃止になったが、今度は中央線下り線と青梅線下り線の電位差が大きくなったのか? エア―セクション部はカーブなのでTC型エア―セクションは設置できない。

国分寺には折り返し用の設備があり、また国分寺以北のき電停止に対応できる設備があるため「国分寺~高尾駅間の上下線で運転を見合わせ」となっているのだろう。

 紫色で囲んだ範囲での架線切断と思われるが、構内選択断路器を両方開路すれば中央線は、運行できるはずである。できないのは安全を見越しているためであろう。

841. JR東日本 国分寺変電所 再訪 き電の工夫とOFAケーブル交換作業(国分寺駅周辺)

首都圏の各線区は事故時き電範囲を限定的にできる区分断路器が設備されている。



参考資料
立川駅配線図部分 出典(「配線略図.net」「https://www.haisenryakuzu.net/」)
配線図net 青梅線部分

2023年9月11日

1321. ほくほく線 大島き電区分所 存在確認

 ナイトタートルの以前(2019年)の変電所見学は、き電区分所として運用している大島変電所改め大島き電区分所だった。そのため受電設備と変成設備しか見学できず、直流高速度遮断器が収容されている部屋は内部を見ることができなかった。

923. 北越急行 北越北線(ほくほく線) 大島変電所(改め大島き電区分所)(直流)

 今回は、停止状態の津池変電所跡を見学後、大島き電区分所がある ほくほく大島駅で下車、鍋立山トンネルの入口付近を見学、可動ノーズクロッシングの保管品の説明等を受けた。ほくほく線は、設備簡略化を進めており、ひょっとして大島き電区分所も廃止?かと思ったが杞憂であった。

 前回は、高感度カメラを持ち込んでなかったのであまり良い画像の取得はできなかったが今回ISO感度25,600まで上げられるカメラを持ち込んだ。

エア―セクション部とき電線の張り込みを主に撮影

き電線(ケーブル化)についての説明書き

インピーダンスボンド中性点に64Pの接地線が繋がる
これで大島き電区分所は、まだ運用中であることが判明

き電区分所内には、き電線を区分する直流高速度遮断器が収容されているので、き電区分所内での地絡発生時の連携遮断装置運用のため64Pが生かされている

 手前 天井部のき電線途中ケーブル化は十日町変電所方、奥全体がケーブル化されているき電線は、浦川原変電所方 両ケーブルは、大島き電区分所に引き込まれている



左方 十日町変電所方 右方に伸びているのはエア―セクション部がトンネル内部にあるため

この奥にエア―セクション部がある

左 碍子で十日町変電所方と浦川原変電所方のき電線を分離
天井部の大島き電区分所からの浦川原変電所方き電線が繋がる



分岐部拡大


 左奥 十日町変電所方 最終き電線分岐装置
この手前側からエア―セクション部が始まる


エア―セクション開始 トロリー線を引っ張るばね式テンションバランサー


ツインシンプルカテナリー架線をテンションバランサーで牽引
電車線区分標 エア―セクション開始 十日町側


ツインシンプルカテナリーのトロリ線と吊架線を牽引

裏側 奥十日町変電所方

エア―セクション部 奥 浦川原変電所方


エア―セクション部と浦川原変電所方の電車線区分標 奥 ほくほく大島駅方


拡大



























が、iPhone 14Proで十分だった。



1360. 東京地下鉄 銀座線 浅草変電所(仮称)と花川戸機器棟(仮称)運用まじか

1360. 東京地下鉄 銀座線 浅草変電所(仮称)と花川戸機器棟(仮称)運用まじか

 過去に記事にした東京地下鉄 銀座線 浅草変電所(仮称)と花川戸機器棟完工まじかとの情報を得たので見学 1122. 東京地下鉄 銀座線 浅草変電所(仮称)と花川戸機器棟(仮称)  着工 2019/06/19 完成 2022/09/30の予定であった...

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