2018年11月26日

845. 立山黒部アルペンルート 送電線経路についての一考察(全面誤記訂正)

         立山黒部アルペンルート 送電線経路についての一考察

過去に立山黒部アルペンルートの変電・き電について2回ほど記事にした。
 
 
  
 今般 新しく情報を仕入れて、さらなる考察の強化を図ることにした。
以下は、中部電力の系統空容量マッピングにある「送電線、変電所の運用容量など」の引用データである。
154kV以下系統の運用容量等(長野県)[PDF:1,058KB] pdf注意
のデータを示す。

中電資料から引用
このデータの大町付近のデータを抜き出す

中電資料から引用 拡大

 変電所番号5142の北大町変電所と扇沢付近に 凡例から察すると変電所もしくは開閉所があることになる。送電線末端に開閉所があることは、ままないので扇沢に変電所があることになる。
さらに扇沢の先には、他社の変電所もしくは開閉所があることが判る。

扇沢を上空からグーグルマップで俯瞰した画像を示す。
どうやらこの中心の建屋が怪しい

拡大してみると扇沢変電塔の文字(potaro67 さんからの投稿画像)

さらに扇沢出合で地中ケーブル化された送電線がこの建屋に引き込まれさらに駅舎に向かうようである 。ターミナルに向かって人孔がある。

長方形の白い標識のようなものが変電塔に引き込まれ又出ていく
これは以下の高圧送電ケーブル埋設標にようだ。

扇沢出合にあるケーブルヘッドからの地中送電線 埋設標


ここで中部電力の送配電線について調査

配電線路設備形成指針より
以下抜粋
20kV級配電線路設備とは
22、33kVの配電線路設備の総称をいう。

送変電設備整備計画指針より
配電部門が掌握する22,33kV設備は除く

中部電力の二次変電所の定義
二次電圧が22kV以上44kV以下の変電所を言う
77kVからの降圧は 77/44kV、77/33kV、77/22kVの3種22kV、33kVは多数の運用があるが44kVは、西山貫線(静岡)のみである。

変電塔の脇にある管轄表には発変電課長の名前が見える
ということは、この施設は送変電設備管轄の配電線を除く22or33kVの施設と言うことになる。

1-1 154kV以下系統送電線及び変電所番号図(北部方面)
によると長野県北部は、154kV、77kV、33kV送電線があるが北大町変電所が繋がる送電線は送電線番号5146北城大町線、5148北大町分岐線、5156北松本大町線の77kV 2回線のみ。

 また変電所番号5142北大町変電所は公称77kV/6.6kVの配電用変電所の役割を持つ。
つまり北大町変電所から出ている扇沢までの送電線については22及び33kVの表示が無い施設特有の送電線であると言う事である。

運用容量図の留意事項として
社会的に影響を与えることが懸念される重要施設への供給系統に関する情報や、電力供給契約が特定できるような第三者情報などについては公開しておりませんとあるが、扇沢に向かう送電線は、公開されている。

扇沢に送られている送電線については、過去の経緯から当初から22kVであった。

 北大町変電所の扇沢方の送電線の送出は、3台の変圧器が繋がる変則的な構造である。
碍子の襞の数が微妙に違う
単相変圧器3台を接続し6.6kVから22kVに昇圧 黒部アルペンルートの送電施設は、さらにフェンスで区切られている

変圧器の平行運転と台数制御について  社団法人日本電気技術者協会 リンク
 

 当初は77kV降圧6.6㎸の配電用変電所であったため6.6㎸昇圧(単相変圧器3台での運転)22kVでの送出で行っている。
 扇沢に中部電力の変電塔が設けられたのは、扇沢周辺の施設が増えたためとトロリーバス用の変電所が6.6㎸受電であったため22㎸降圧6.6㎸の変電塔を設けている。

 中部電力の送電線及び配電線の運用規程には、配電塔の記載があるが変電塔の記載は無い。中部電力管内では2017年のデータだが10箇所の配電塔があることになっている。

中部電力における配電塔の設備は
20kV級配電線路設備のうち20kV級/6.6kV主変圧器、一次遮断器、二次遮断器、各種保護装置の総称と定義されている。配電塔の変圧器容量および台数は、容量 6,000kVA、台数1が標準的な構成である。
 
 中部電力の系統図には、扇沢に変電所・開閉所があるような書き方である。残念ながら扇沢の変電塔には、変電所番号が記載されていない。

以上が考察のすべてである。

 おりしも黒部上部軌道が2024年ごろ観光資源として開放される予定である。
この観光資源化には、電力も重要な役割を持つので、上部軌道開放の際は、関電の黒四電源が引き込まれる可能性が高い

黒部ルート見学会の一般開放・旅行商品化プロジェクトについて  富山県 pdf注意

富山県と関電、黒部ダムと黒部峡谷を結ぶ「黒部ルート」の一般開放に合意。旅行商品化に向け協定締結 記事リンク

さて来年4月まで扇沢は閉ざされる。なぞの解明は、来年までお預け



2018年11月7日

844. JR東日本 架空送電線 経路 一覧

JR東日本 架空送電線 経路 一覧(関東地方以北)

JR架空送電線網 275㎸,154kV,66kV,33kV,77kV(JR東海)

    国鉄時代から自営架空送電線網を持っていた。現存しているJR東日本の架空送電線網の鉄塔位置を地図上にUpした。JR東日本 新小千谷変電所からTEPCO 中東京幹線(山線)への出迎え送電線をプロットした。随時修正中(TEPCO電源化されている路線)

    具体的には、電鉄系 発電所・変電所・き電区分所・補助き電区分所・変圧ポスト・防災トンネル断路器(TDS)のグーグルマイマップにプロットを行った。約3,000Pointを記入したので、手が腱鞘炎になった。

電鉄系変電所・発電所と東電 電鉄接続変電所 ブログリンク

新小千谷発電所→TEPCO中東京幹線(山線) 
田子倉発電所→信濃川発電所間 接続点
275kV 2回線


 
 岡部交流変電所→武蔵境交流変電所間  
TEPCO中東京変電所 接続点 154kV 中東京変電所で275kV降圧154kVされて接続



小千谷発電所→千手発電所 連絡送電線 154kV 2回線
千手発電所→武蔵境交流変電所 154kV 2回線
途中 上長崎、時沢、上久保の開閉所跡を経由 
また六日町交流変電所、桃野開閉所、岡部交流変電所経由

 谷川岳の山越えの部分(清水峠)は、送電鉄塔が回線別にA,B線の呼び名で変化している。
これは豪雪地帯のため事故時の対応として回線を分割して敷設することで自由度を上げている。

 A線、B線の呼称は、この清水峠部分が有名であるが、実は今回調査したら、六日町の山越え部分(八箇峠)もA,B線に分割されていることが判明した。

小千谷発電所→宮内変電所 66kV  2回線 途中小千谷変電所1回線分岐

小千谷発電所→六日町交流変電所 66kV 1回線 途中 越後川口、浦佐変電所経由
コンクリート柱での敷設なので、非常に柱の位置特定が難しい、それも1回線
途中小出変電所への分岐もあったが小出変電所はき電区分所化された。

六日町交流変電所→湯沢変電所 66kV 1回線 途中 塩沢変電所経由
コンクリート柱での敷設なので、非常に柱の位置特定が難しい、それも1回線

湯沢変電所→土樽変電所 66kV 2回線

武蔵境交流変電所⇔新鶴見交流変電所 154kV 2回線

武蔵境交流変電所⇔蕨交流変電所 66kV 2回線 途中戸田開閉所経由

武蔵境交流変電所→酒折変電所 66kV 2回線 
   途中八王子、高尾、上野原、梁川、大月、笹子、勝沼、山梨市変電所経由
   この送電線は、JR分割前は、市川大門変電所まで伸びていたがJR分割後1999年にJR東海側が撤去された。

金町変電所→小岩変電所 66kV 2回線

新鶴見交流変電所→大船変電所 66kV 2回線 途中小机分岐

大船変電所→田浦変電所 66kV 2回線 途中逗子分岐

新松戸変電所→北小金変電所 66kV 2回線

二宮変電所→来宮変電所 66kV 2回線 途中小田原、根府川、湯河原経由
 この送電線はJR分割前、三島以南(原まで)に伸びていたがJR分割後 JR東海側が撤去された。そのため送電線が直角に分断されている。また大船・二宮間もJR送電線でつながっていたが、この間はTPCOの送電線となった。
酒匂川を越える部分でJR東海の77kV60Hz 送電線と共架

小山変電所→黒磯変電所 66kV 2回線 
途中小金井、雀宮、宇都宮、宝積寺、浦須坂、矢板、西那須野経由
途中の矢板変電所でTEPCO154kV降圧66kVが繋がる
雀宮、小金井、宇都宮変電所は、TEPCO電源に切替になっている。

宝積寺変電所⇔黒磯変変電所
宝積寺、浦須坂、矢板変電所(TEPCO154kV受電)、西那須野、黒磯
宝積寺←矢板変電所 66kV 1回線 矢板変電所→黒磯変電所 66kV 2回線(但し西那須野は1回線T分岐)
西那須野変電所は、TEPCO電源切替になった。

籠原変電所→吹上変電所 66kV 1回線途中地中ケーブル化

鉄道情報システム株式会社変電所→鉄道総合技術研究所変電所 66kV  1回線
(これとは別に、地中送電線が架空送電線の下に埋設されている)

特殊例 内房線

佐貫町変電所→大貫変電所 33kV 1回線 昔の整流ポストへの送電

佐貫町変電所→竹岡変電所 33kV 1回線 昔の整流ポストへの送電

羽越本線 勝木駅⇒府屋駅間 八幡山トンネル AFき電線20kV1回線山越え(トンネル内ケーブル化工事中)

おまけ 77kV 60Hz送電 東海道新幹線

相模周波数変換変電所→平塚変電所 
相模周波数変換変電所→鴨宮変電所
相模周波数変換変電所→沼津変電所(周波数変換変電所)途中分岐 熱海変電所
岩淵変電所→沼津変電所(周波数変換変電所)




自営電力供給範囲
東京電気システム開発工事事務所 ホームページより引用
主要プロジェクト ― エネルギー ―
エネルギーネットワーク機器更新・強化の部分
JR東日本 自営電力範囲(架空と地中送電線が混じっている)
 

 上図の大宮以北高崎を経て長岡まで自営電力とあるのは、間違い
北は北藤岡変電所が最北(高崎変電所は、TEPCO受電) それ以降の上越線は水上変電所までTEPCO受電

 土樽変電所以北長岡の手前 宮内変電所までは、JR信濃川発電所(2箇所)の守備範囲

 常磐線 藤代変電所が自営となっているがこれも間違い。過去自営だったがTEPCOに切替
常磐線は、取手変電所までが自営電源。

川越線は、日進変電所まで自営。(宮原開閉所からTEPCO電源導入)
東北本線は、東大宮まで自営(末端)
中央本線(東線)は酒折変電所(末端)まで自営
横須賀線は、田浦変電所まで自営
横浜線は、全線 現在自営化終了
南武線は、川崎変電所のみ自営
JR東日本 新幹線は、すべてTEPCO電源
武蔵野線は、西国分寺変電所、西浦和変電所がJR東日本電源だが、残り全部は、TEPCO電源

 ただし、JR川崎発電所からTEPCO稲荷変電所まで電力振替を実施しているので、その分と
相殺されて自営と言っている可能性はある。またJR東日本 新小千谷発電所は途中TEPCO送電線でTEPCO中東京変電所まで託送されているので、その分を振替している可能性もある。(新幹線を含む)

暇を見て各ポイントに線名を記入し終わった。

 架空送電線の経路一覧は地図上に落とした。しかし地中送電線は、地図がぐちゃぐちゃになるので躊躇している。


東京電力パワーグリッド 送電系統図 松尾 豪氏作成の東京電力パワーグリッド 送電系統図
にある、JR系 一部送電線経路 当方のMyMapを参照して書かれている部分があるが、不自然に地中送電線経路と架空送電線経路が混じっているので注意が必要。
但し書きには「地中線の位置は不正確です」とある

例 武蔵境-日野線は地中送電線、武蔵子-上野原線(八王子-八王子みなみ野間は地中送電線)

TEPCO変電所からの引き込み
例 TEPCO上尾変電所-JR新大宮変電所間は地中送電線


2018年11月4日

843. つくばEX 守谷基地公開 ”つくばエクスプレスまつり 2018” 変電・き電に特化  交流加圧施設詳細

 つくばエクスプレスまつり 2018
守谷基地開放 11/3
 
目的は、変電・き電の視点で観察すること、守谷基地の入出庫線が複線化の確認
肝は、交流加圧設備と帰線自動開閉装置の見学

つくばエクスプレスの建設工事史を読むと守谷基地には、2箇所の交流加圧施設がある。1箇所目は、すでに以下の記事で説明した。しかし外部からの遠望のため詳細は判らない。もう一箇所は、基地内に入らないと判らない。

359. 首都圏新都市鉄道 TX 守谷変電所(直流)とその周辺(守谷車両基地) ブログリンク


同様な交流加圧ができるJR東日本の施設は3箇所 3設備が調査の結果判明している。

1. 大宮総合車両センター 
1箇所 デッドセクションを備えた交流加圧設備
かつては、交流加圧の試験線が鉄博のところまで伸びていた。碍子の形状で判る。

80. JR東日本 大宮総合車両センター変電所(交流・直接き電) ブログリンク

450. JR東日本 大宮総合車両センター 交直デッドセクション 詳細  ブログリンク

2. 尾久車両センター   
1箇所 単なる車庫内の交流加圧設備
3. 田端運転所      
1箇所 北方の検修庫の両端にデッドセクションを設けた交流加圧設備

68. JR東日本 尾久車両センター・田端運転所(交流・直接き電)  ブログリンク

  今般 基地開放があるので、万感を排して見学に臨んだ。交流加圧施設に交直のデッドセクションはあるのか?車庫内の交流20kV加圧設備は、どのようなものがあるのか興味は尽きない

まずは、直流き電から

つくばEX 建設工事誌から引用
まだ、入出線は単線。しかし当初は複線で計画されていた。
断路器が設置されている2か所は、調査の結果 変わらず

当初の計画 守谷駅から複線で入出庫
追い越しも可能な線形であった。

つくばEX 建設工事誌から引用し、つくばEXの報道発表をもとに改変
入出庫線が複線化(上下一括き電)

守谷駅 改良された入替線 奥左に追越線分岐

改良された守谷駅 



守谷変電所 き電線引き出し


左より 柏方下り線F1、柏方上り線F2、小貝川下り線F3、小貝川上り線F4、基地方 基地線F5
この画像では、柏方1回線が写っていない
Fはフィーダー線のF


回送線と基地入出庫線の区分 この部分でエアーセクションを形成


回送線は、F5の基地線が基地内で分岐され折り返し 駅側に延びる 回送線のき電線のき電吊架線へのき電
車両基地に行く 基地線 F5は通過
守谷駅方 新設ルートは、駅への経路として上り勾配のため2条のき電線で繋がる
 
左側のき電線は、 回送線用 2条で分岐(F5が基地内で分岐する)
隣は、守屋変電所からのF5基地き電線
基地⇔駅間の回送線のき電線は、次の架線柱に引き止められる。
この部分から駅へは、き電吊架線でき電


基地入口のエアーセクション 奥は基地側き電
手前は回送線側き電

基地からの回送線き電線が入出庫線1,2番線(入1~2)に繋がる
基地線き電線F5および回送線き電線は通過
基地入口の断路器
工事誌の図を改変 基地入口の断路器構成
守谷変電所から送出された基地き電線F5は、この断路器群で2分割
回送線として守谷駅方をき電=回送
入替線 入出庫線1~3をき電
基地線として基地内をき電→次の断路器群へ

 
基地入口の最初の断路器群
左からき電線 基地線F5 2条と回送線が送られる
その下 は入替線入1~3

断路器部分を拡大 
左から回送線用
真ん中 基地用 次断路器群に繋がる
右 入替線1~3用 左右に分離

回送線用 基地入口のエアーセクションから駅まで
基地内留置線等 繋がる電車数が多いため2条

入替線用
基地入口のエアーセクションから基地内部の入替線まで入1~3
 基地内部の断路器
左より2条のき電線で断路器群にき電

 


工場と車庫をき電する断路器 

左側からのき電線が 留置線用は後ろを通過
車庫用、工場用に分岐

留置線用断路器

留置線1~3断路器





帰線自動開閉装置

帰線自動開閉装置は、以下の記事で既に述べた。

222. JR東日本 大井町交流変電所(直流併用)とその周辺  ブログリンク

68. JR東日本 尾久車両センター・田端運転所(交流・直接き電) ブログリンク


一部記事抜粋
帰線自動開閉装置
レール(帰線)から修繕庫・交検庫等に電流が流れないようにし、かつ庫内の電流を
レールに逃す装置であり、レール絶縁部を介して
シリコン整流器とサージ吸収素子、電圧、電流計、短絡バーから構成される。
庫内の方が接地抵抗が低くなる場合 庫内からの漏れ電流を少なくする。
 
帰線自動開閉装置 文献より引用
電車車庫付近では比較的大きな漏れ電流により埋設管の急激な電食や火花が発生することがある。この防止対策としては帰線自動開閉装置の適用が効果的で当所では、転削庫においては推定年間320kgの電食をほとんど解消し、また修繕庫ではクレーン使用時約250Aと推定された火花電流が16Aと大幅に減少した。
このような、大きな漏れ電流による異常電食や火花の防止対策として原則的にはレールと建屋その他との接触を切り離せばよい。電気設備の技術基準でも第269条でレールと建屋配管類の電気的接触を禁止している。しかし、実際には分離困難な場合があり、このため「但し車庫その他において金属製地中管路の電食防止のため帰線を開閉する装置を施す場合はこの限りでないとされている

レールが 工場群の設備に入る部分に設備 赤丸
 
簡単に説明すると、車庫内の構造体とレール間で、帰線電流の迷走により火花が発生したり、感電事故・電食が発生したりするのを防止する装置。

 構造体とレールが繋がると接地抵抗が低い方へ、帰線電流が流れる。構造体は、土台等鉄筋コンクリートが使用されており、地中梁もあることから接地抵抗が低い場合が多い。

 シリコン整流器がレール絶縁箇所を挟んで並列に挿入されている。車庫内からの電流は、通過できるが、車庫内への電流を防ぐ装置。
 またこの帰線自動開閉装置を使わない方策として、トロリ線にセクションを設け、またレールに絶縁箇所を設け、この両方を断路器で開閉することで、帰線電流の迷走を防ぐ装置も以前外部から見学したときに見つけている。



それでは、見て行こう

まずは、気吹き線(気-1) 自動ではない
気-1の帰線開閉装置(自動ではない)

架線上部にセクション

セクション直下にレール絶縁箇所

左 断路器は帰線用断路器 右はトロリ線用断路器(接地回路付き) 個別断路器

帰線用断路器 ディスコン棒(断路器手動開放用)
この気-1は、帰線自動開閉装置が設備されていないので用手法で帰線側を切る

インピーダンスボンドに繋がる帰線
 

インピーダンスボンド 中性点から帰線が頭上断路器(左側)に繋がる
頭上断路器からの帰線が、直接レールに繋がる

臨修線25番線用 双頭断路器
帰線、トロリ線 一括処理

転削台用 帰線自動開閉装置 双頭 29番線



変わった使い方 帰線自動開閉装置
授受線30番線に設けられた帰線専用自動開閉装置
左上の帰線自動開閉装置とインピーダンスボンドが組み

インピーダンスボンド 中性点の帰線が帰線自動開閉装置に繋がる

帰線自動開閉装置


左上が気-1の帰線開閉装置
右 工場に入出庫する際に、気吹線の一部を重複して使用するため設備されている
 
いよいよ交直加圧設備
交流加圧設備 2箇所
 

交流加圧設備の正式名称

整備線51番線が交流き電設備 左側

単相変圧器1,000kVAなので20,000V50Aの仕様 VCB(真空遮断器) 2P

月検線が電車線交直試験装置 右側
 
こちらは、わざわざ交直の文言 なにか違いがあるのか?

単相変圧器1,000kVAなので20,000V50Aの仕様 VCB(真空遮断器) 3P 

TX-2000系 1編成3,040kW152A/20,000V AC2,027A/1,500V DCとなるので電車は
補助動力装置くらいしか動かせない。あくまで点検用の交流加圧

交流加圧設備のVCB 6.6KV側 真空遮断器の極数が違う

交流き電設備は、単なる交直切替でトロリ線加圧

電車線交直試験設備は、交直、直交を動的に切替トロリ線加圧か?

 

 


電車線交直試験装置 26番線 月検線に設備

交直き電設備

月検線 T トロリ線20kV N 中性線 AC 単相変圧器出力

N側は、多分形状から推測するとGP装置が繋がる
地絡が発生した場合 N極側の電位が急激に上昇してしまうのを阻止する。
 この場合の運用は、地絡事故が発生した場合に地絡電流をレールに流入させるための地絡保護用放電装置    


 交流き電設備は、一般に接地マットが設置され、き電設備は、アース線が接地マットに接続されて接地されている。交流き電設備で、トロリー線やき電線等に地絡事故が発生すると、接地抵抗により接地マットの電位が上がり、接地マットに接続された制御回路や通信回路等の弱電回路が絶縁破壊される可能性がある。このような絶縁破壊事故を防止するため、、地絡保護用放電装置が設けられている。
 
月検庫であるので、検査時にいろいろな電子機器を使用する。そのため地絡事故が発生した場合
ダメージが非常に大きくなるので設備されている。また隣接する列検1,2も同一の建屋なので防護する必要がある。




26番線 月検庫 隣 列検1 27番線
月検庫は、AC,DC表示と電源の入り切り表示
 

月検庫に20㎸ AC加圧貫通ブッシング

拡大

別角度

26番線 月検庫内部 架線は20㎸仕様 碍子3個
シャッター部で分離(この構成は、交流き電設備で解説)


いよいよ近くまで寄れた交流き電設備 整備線51番線


電源種別 入り切り表示

交直加圧用き電線 DC1500V、AC20㎸

貫通ブッシング

シャッター部の剛体架線部とセクション表示


下から見上げた状態 シャッターセクション
中心部に銅導体

シャッター内側 左側 シッター部 セクション表示 

同様な受けがあり、FRP製セクションインシュレーター2本でデッドセクションを形成
DC1500VとAC20kVの区分を担当
実際は、AC加圧時は、シャッターは締まり剛体架線部は途絶した状態に置かれる。
入出庫の際はDC1500Vで運用
シャッターセクションはDC専用 

架線セクション部は、3連碍子 2組で分離
その下に、FRP製セクションインシュレーターでデッドセクションを形成

セクション部の繋ぎ目 
FRP製の絶縁体には、斜めの線を入れカーボンすり板を設けカーボン付着防止策を採る

交流き電設備
AC 6.6㎸昇圧20㎸ 単相

整備線 T トロリ線き電 N 中性線(帰線部と繋がる)

手前 交流6.6㎸ VCBが収まったキュービクル
その後 6.6㎸ 昇圧20kV 単相変圧器

交直断路器 3頭、および双頭の交流断路器で構成


交直断路器 左から工場き電線DC1500VORAC20000Vが交流断路器を経て右側断路器へ

直流導入 断路器


断路器 整-1
一番左 接地断路器
中間 帰線対応 断路器 レールの帰線をつなぎかえる
右 AC対DC断路器 AC20000VとDC1500Vの繋ぎ替え
3回路一括投入


断路器 整ー2
双頭断路器 一括投入
左 接地断路器
右 整備線断路器(車庫ブッシングに繋がる)


左3開路、右2回路で整備線へDC、AC加圧を操作する。
この状態が整備線DC「切」の状態、帰線も切りの状態 車庫のき電線は、無接続
このほかにDC「入」とAC「入」の4態の形態を取る

一番右 整備線車庫への加圧断路器(AC,DC)最終断路器
その隣 帰線側断路器 投入すると レール絶縁部を迂回して帰線電流が流れる
その隣 AC、もしくはDC選択断路器 上側 昇圧変圧器20kVACが繋がる
下側 DC 1500Vが繋がる。 
その隣 AC側に投入すると昇圧変圧器のN側が整備線車庫の帰線に繋がる。
一番左 3回路ともアース線が繋がるので、DC,AC接続時のアース線が、
車庫側レール、接地、基地側レールに区別して繋がる

ランドを目視で追ったので帰線、接地線の入りくりは、推定
整備線 断路器をパターンで入切を示す


左 AC6.6㎸ キュービクル 右 AC 6.6㎸昇圧20㎸ 単相変圧器

キュービクルの名称

昇圧変圧器 T側に避雷器(LA)がつながる
N側には、交直試験設備にあるようなGP装置は、付加されていない。
単なる整備運用のため

交流き電設備 全景
左側 昇圧変圧器 右下 帰線自動開閉装置

線路上のデッドセクション

絶縁された線路を挟んでデッドセクションを形成
中心部分は、無接続
そのほかのおまけ
25番線 臨修線の車庫 両端にシャッターセクション
き電線でジャンパ

25番線 臨修庫 守谷駅方 

シャッターセクション DCき電線でジャンパ

裏側 25番線 臨修線

シャッターセクション き電線でジャンパ
更新工場 2F部
屋上機器類の点検
屋上機器類

パンタとパンタをつなぐジャンパ線
AC20kV 耐圧 DC1500V大電流対応のため2条のケーブル

奥 交流避雷器 交流主可溶器(交流高圧ヒューズ)
交直切替断路器、VCB(真空遮断器)、直流可溶器(直流ヒューズ)のセット



空っぽの屋上装置

VCB(真空遮断器)と交直断路器 左下 直流可溶器(ヒューズ)

ケースを外された電圧検知器(交直両用)

パンタグラフ

DCき電線 車積載用


直流き電線 

総合指令所
この建物の3Fにある。





技術展示

変電所の仕事 力行 回生の仕組み
PWN変換装置で回生電力をTEPCOに戻す
電力計も2種 消費と回生分



変電所の仕事


デッドセクションの解説
その前にFRPセクションが展示

鉄道用架線(電車線) : セクションインシュレータ 三和テッキ Web 引用



セクションの見本で置いてあったのは、単なるセクションインシュレーター

改良型(トロリ線を楔で固定する) 改良型でないものは、右に出ているボルト2か所で留める
なんとアークホーンが逆取り付け





電車線設備
この部分にFRPのセクションがあれば納得するが
デッドセクションのところでは、間違い
特に つくばEXは高速対応型のデッドセクションを新たに開発したのだから説明すべき装置
 

高速対応交直デッドセクション
高速対応型デッドセクション接続部
高速対応型デッドセクション
トロリ線のまき癖を整直器で修正 コーンチャックにトロリ線を真っ直ぐ入れる
ダンパ付き調節ハンガを使用し電車線の高さ調整
カーボンすり板使用によるカーボン付着をFRPに斜め線、接続部にテフロンプレートでカーボン付着防止
支持点径間長を20mとして各支持点でFRPを振り止め装置で固定
デッドセクション入り口のトロリ線の勾配をmm単位で調節ハンガで調整
吊架線の絶縁部にポリマ碍子で全体の重さを抑える
以上の対策で高速通過可能となる

 
360. 首都圏新都市鉄道 TX 小貝川ATポスト(ATP)with 直流遊流阻止(交流・ATき電)デッドセクション  ブログリンク

高速対応型 交交セクション

交交セクション入口 赤のライン



高速対応セクション 交交セクション

361. 首都圏新都市鉄道 TX みどりの変電所(交流・ATき電) ブログリンク 高速対応交交セクション

つくばEXトリビア

ここまで記事を読んで頂いた方は、気づかれたであろうか?賢明な読者の方なら気づくであろう
それは、電車線区分標の違いである



基地入り口のエアーセクション 赤 一本線

エアーセクション終了の青 一本線

本線上 下り 小貝川方 エアーセクション終了標識 青一本線


本線上 下り 小貝川方 エアーセクション開始標識 赤一本線
上部を通過すのは小貝川方F3下りき電線
 そして最後
守谷駅 基地方のセクション標識 赤二本線
気づかれましたか?

JR等は、電車線区分標は、赤一本線でセクションもエアーセクションも同じであるが、つくばEXは、エアーセクションは、赤一本(青一本)、FRPセクションは、赤二本で表している。

また、直流変電所の整流器は、定電圧出力のPWN変換装置を用いているため、変電所間の横流が少なくなり、JRで用いているエアーセクションのセクションゾーン表示は、無い。


株式会社保安サプライ 鉄道標識からの部分引用





参考データ
つくばEX 変電所一覧 首都圏で見られる在来線のATき電線


362. 首都圏新都市鉄道 TX つくばATポスト(交流・ATき電) ブログリンク

361. 首都圏新都市鉄道 TX みどりの変電所(交流・ATき電) ブログリンク

360. 首都圏新都市鉄道 TX 小貝川ATポスト(ATP)with 直流遊流阻止(交流・ATき電)デッドセクション ブログリンク

359. 首都圏新都市鉄道 TX 守谷変電所(直流)とその周辺(守谷車両基地) ブログリンク

358. 首都圏新都市鉄道 TX 柏変電所(直流)ブログリンク

357. 首都圏新都市鉄道 TX おおたかの森変電所(直流) ブログリンク

356. 首都圏新都市鉄道 TX 南流山変電所(直流) ブログリンク

355. 首都圏新都市鉄道 TX 八潮変電所(直流)ブログリンク

354. 首都圏新都市鉄道 TX 六町変電所(直流) ブログリンク

133. 首都圏新都市鉄道 つくばエクスプレス 北千住変電所(直流)

353. 首都圏新都市鉄道 TX 浅草変電所(直流)ブログリンク

352. 首都圏新都市鉄道 TX 秋葉原変電所(直流) ブログリンク




参考文献
つくばエクスプレス(常磐新線)工事誌
鉄道建設・運輸施設整備支援機構鉄道建設本部東京支社/監修

大境 彰:電食防止用帰線自動開閉装置
防錆管理;1986,Vol.30,No.4,pp.109-114

横田倫一ら;つくばエクスプレスにおける高速用交直デッドセクション:鉄道電気テクニカルフォーラム論文集,18th,2005,pp.1-4

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