2023年11月22日

1334. JR東日本 盛岡変電所備移転更新 複電圧スコット結線変圧器と変電所移設先の変圧器と単結線図(ハズレ予想)

 盛岡変電所は盛岡駅南側に現在移転工事中である。

新しい情報が入ったので秋田新幹線 き電設備が設けられているようだ。

Xに投稿された新盛岡変電所の画像 akabako @akabako131投稿引用を元に一部修正


1313. JR東日本 盛岡変電所移転 新設工事の背景

1332. JR東日本 盛岡変電所移転更新状況(受電、変圧器一次側まで)

 盛岡変電所(現)のスコット結線変圧器は154㎸受電降圧複電圧44/22kVの複電圧スコット結線変圧器となっている。複電圧スコット結線変圧器の仕様銘板を見てなかったのでUpしたい。

946. JR東日本 盛岡変電所(ATき電、BTき電20kV・同軸き電25kV) 東北本線 秋田新幹線(田沢湖線) complete

 複電圧スコット結線変圧器(き電用トランス)なんと三次巻き線付きであった。一次、2次はスコット結線変圧器、一次、三次は三相結線変圧器の2つの変圧器が1台にまとまっている。
 田沢湖線電化完成が1982年で複電圧スコット結線変圧器の製造年が1980年。45MVA(30MVAスコット結線+15MVA三相変圧器)の変圧器が設置とあるので41年間更新無し。更新時期に来ていたことは確実である。

筆記体V,U,Ov,Ouがスコット結線変圧器、二次側
a,b,cが三相変圧器 Y-Δ結線変圧器、

一次側 U,V,Wが154 
30MVA スコット結線二次側 U、Ouが44㎸ M座 341A  V、Ovが22㎸ T座 682A
15MVA 三次側 a,b,cが三相6.9 1,260A
   スコット結線変圧器と三相変圧器が一次側共通で1台の変圧器となっていた。

盛岡変電所 き電系統 したがって40㎸がM座 20㎸がT座(沼宮内方)となる
40㎸は単相変圧器で20㎸に降圧されてM座(二枚橋方)となる。


 沼宮内変電所から渋民き電区分所までT座き電。渋民は現在延長き電を行っているので盛岡変電所 沼宮内方T座で並列き電成立(同座)

 二枚橋変電所から日詰き電区分所までM座き電。 日詰は延長き電を行っているので盛岡変電所 二枚橋M座で並列き電成立(同座)

 盛岡変電所の複電圧スコット結線変圧器のM座、T座の方面別き電が銘板の読み込みで確定したので確実に並列き電を行っている。 盛岡変電所直下のデッドセクションでT座/M座突合せ
鹿児島本線 八代変電所 例示 複電圧スコット結線変圧器
主座(UとW)の中間点にVが繋がる部分と対をなす方の二次側が主座となる







複電圧スコット結線変圧器二次側ブッシング 
左 U、Ouが44㎸ M座。 右 Ov、Vが22㎸ T座となる
V及びUが直列コンデンサ側となっている。UがTF、OuがAF、VがNF、 OvがPFとなる

端子位置 左 U、Ouが44㎸ M座 右  V、Ovが22KV T座となる

 2台あるスコット結線変圧器は三次側の出方が左と右に変化しているが、スコット結線側は同じ配列となっている。

端子位置 右 U、Ouが44㎸ M座 左 V、Ovが22KV T座となる

三次側 a,b,c 高配3回線が引き出されたバスバーに繋がっている

 通常154㎸受電の変圧器は一次側は中性点接地することに成っているが、スコット結線変圧器の中性点は引き出される点が加圧されている。そのため中性点接地は行われていない。
 一次側から変圧器に入るサージ電圧(雷等)で巻き線破壊などが発生する恐れがある。そのための措置として以下の措置がスコット結線変圧器に行われている。

UとWの主座の一次巻き線の中点すなわちM点となる
1.M点の絶縁距離を大きくとる
2.絶縁被覆を厚くする
3.M点にアレスタ(避雷器・LAr)を付ける。
1及び2は66㎸ もしくは77㎸受電の変電所。3は154㎸受電の変電所の対応となる。

 現盛岡変電所の複電圧スコット結線変圧器は、M点にアレスタは付いておらず、「M点の絶縁距離を大きくとる。絶縁被覆を厚くする」で対応したもとの思われる。
 明電舎はM点アレスタを省略したスコット結線変圧器を作製できる唯一の会社である。

 JR東日本管内 BT-ATき電で154㎸受電の複電圧スコット結線変圧器は盛岡変電所のみである。
 そのほか、BT-ATき電で複電圧スコット結線変圧器を持つ66㎸受電変電所は羽前千歳変電所が上がられる。青森変電所も以前はBT-ATき電で66㎸受電複電圧スコット結線変圧器であったがATき電が青森西変電所に切り替わったので現盛岡変電所と同じように44㎸から降圧変圧器で22kVでBTき電を行っている。(JR東日本以外ではJR九州の八代変電所が複電圧スコット結線変圧器となっている)

以下参考
 M点アレスタが付いた在来線154㎸受電スコット結線変圧器は、大館、秋田、酒田、田沢湖変電所に設備されている。但し いずれもATき電である。
例 大館変電所 M点アレスタ付きスコット結線変圧器 154㎸受電 32MVA
   一次140㎸ 二次 44㎸で30MVA 三次 6.9㎸で2MVA
O,M側にアレスタが設備されている。

三次巻き線付き154kV降圧40kVスコット結線変圧器
右側が154㎸ M点アレスタ スコット側 左側がO点アレスタ 三相側

三次巻き線付き154kV降圧40kVスコット結線変圧器 銘板 日立製
スコット結線変圧器 三相二相変圧器 中性点あり 30MA 44㎸ 341A
所内変圧器 三相変圧器 中性点あり 2MA

3次巻き線スコット結線変圧器 配線図 1次側にアレスタ(Ar)直結 154kV降圧40kV、154kV降圧6.6kV各1基 6.6kV降圧は、単なる三相変圧器 同一タンク内 
これは秋田変電所例 大館変電所も同じ構成

 さて新設される盛岡変電所のスコット結線変圧器は、複電圧スコット結線変圧器であるか?
   答えは「否」である。

 現盛岡変電所は、田沢湖線電化(ATき電)の際に45MVA(30MVA+15MVA)の複電圧スコット結線変圧器×2を設けAT-BTき電対応になった。き電区間は、盛岡変電所ー大曲き電区分所間であった。
田沢湖線電化当時の変電設備配置


 その後、秋田新幹線が建設されることになり、盛岡-大曲間のき電容量が不足するため田沢湖変電所が設けられ154㎸受電のスコット結線変圧器が設置されて大曲ー盛岡間のき電を担当するようになった。
 現盛岡変電所からのき電は停止、田沢湖線電化で使われたATき電設備は撤去されず、末端AT(ATP)として機能している。

 田沢湖線電化の際は、小岩井、大地沢、田沢湖、角館、羽後長野のATPは、無かった。
また、田沢湖変電所も無かった。田沢湖ATPは、田沢湖SSPであった。盛岡変電所のき電用複電圧スコット結線変圧器の容量は30MVA(スコット部だけ)であった。



 つまり、秋田新幹線(田沢湖線)には盛岡変電所からの ATき電は必要なくなったのである。但し末端AT(ATP)として機能している。

 現盛岡変電所のATき電設備の断路器、遮断器は切られたままでATだけが唸りを挙げている。そのような状況なので盛岡変電所(新)はATき電を行わないと判断する。但し田沢湖変電所の末端ATポストとしての役割は残す。
 ゆえに構造が複雑な複電圧スコット結線変圧器は設置されない。また3次巻き線を設けて6.6㎸降圧もしない。
 
 仙台基地変電所(新幹線)は154㎸受電で3次巻き線で6.6㎸を引き出していたが主変点検の際に高配変圧器も停止しなければ成らず、また事故時き電系と高配系が両方停止するので更新の際に主変とは別に高配変圧器を別に設けている。


ATき電設備 44㎸(極間電圧)断路器 開路 現盛岡変電所 設備はある。


44㎸(極間電圧)遮断器 多分開路 現盛岡変電所


44㎸(極間電圧)断路器 閉路 左のVTで末端電圧モニター 現盛岡変電所


単巻変圧器(AT)AF,TF 22㎸へ 現盛岡変電所 左の装置は地絡保護用放電装置(GP)
単巻変圧器は、必ず避雷器が直付けである。

単巻き変圧器(AT)線間容量4,000kVA 1981年製 田沢湖線電化時点から更新無し

以下からの記事は個人の私見で妄想です。一部修正
結論
 よって移転先の盛岡変電所に設置されるスコット結線変圧器は複電圧ではなく154㎸降圧22㎸の単純なスコット結線変圧器となる。明電舎製なのでM点アレスタは設備されない。

154㎸降圧22㎸ スコット結線変圧器 30MVA 22㎸碍管が4個見える(左の隅)
本設電-31101-1A 一次側3相一括GIS母線対応 重量74.8t
 手前の放熱器は高配用変圧器のもの 高配変圧器の奥にスコット結線変圧器が置かれている。
 図面では一次側154㎸×112A×√3=30MVA 二次側 22㎸×√3×682A=25MVAとなっており差分がでている。一次側がY結線のように見える。二次側のU、OUが巻き線1本の並列接続のM座。 V、OVが巻き線1本だけのT座となっていた。
 U、OU、V、OVの表示があるのでスコット結線変圧器(相数3/2の相変換変圧器)は確実だがM座、T座の表示が無い。かろうじてインピーダンス表示の部分にM座、T座の表示がある。誘導電圧ベクトル図はスコット結線変圧器そのもの 以下表示内容抜粋


盛岡変電所(新)き電用トランス 表示

 別文献のスコット結線変圧器 この書き方で一次側がY結線に見える。二次側が巻き線2本並列と巻き線1本。M点の絶縁距離を大きくとる。絶縁被覆を厚くすると、まあこの書き方になるのか?


 東北電力との現受電契約が現盛岡変電所は高配変圧器(15MA)と合わせて45MA×2なので盛岡変電所(新)も同じと考えと30MVAスコット結線変圧器154㎸降圧22㎸が2台 15MVA三相変圧器(高配)154㎸降圧6.9㎸が2台設置される。

 JR東日本のBTき電区間でのスコット結線変圧器で154㎸ 受電は、この盛岡変電所(新)が初めてとなる。

 現盛岡変電所は、ATき電対応及び新幹線基地き電(単相)も担当しているのでこれに対しては以下の対応をとるものと推定する。

ATき電対応
 現盛岡変電所に設置されている単巻変圧器は新品交換して盛岡変電所(新)から外し盛岡駅構内に末端ATPとして設備。AT電化区間の秋田新幹線デッドセクション(AT-BT)からのAF,TFき電線が繋がる。AF,TFき電線は、相間電圧50㎸、対地電圧25㎸なので構内を引廻さない(跨線橋部分のケーブル通過は止める)できだけ短く配線する。
横線部分ハズレ
 新変電所までAT,TFき電線が引き込まれている。20㎸用遮断器、断路器、新単巻変圧器(AT)が変電所内に置かれている模様また新盛岡変電所からのき電も行えるように設備されている。

新幹線基地用25㎸単相電源
 20㎸昇圧25㎸の単相2線式変圧器を設置して対応
   20㎸昇圧25㎸の例は、五稜郭機関区(JR貨物所有の設備で例がある。但しATき電)


現在の盛岡変電所のき電線引き回し状況

現盛岡変電所からのき電線引き出し
上部3本は秋田新幹線(田沢湖)線用AF,TF,PW(NW)盛岡変電所(新)ではAT設備は撤去
下部 5本 東北本線上下 IGR線上下とNFは共通 多分盛岡変電所(新)ではNFは分離


 盛岡変電所から駅構内へき電線が引き出される 奥に盛岡変電所(新)が構築されている。
213,214き電線がT分岐して盛岡駅北方に伸びている。
奥 仙北町方 手前 盛岡駅

        2019年当時の BT側のき電線が振り分けられる電化柱
奥 212,211が東北本線 上下 20㎸BTき電 仙北町駅方のデッドセクションへ。現在は新しい盛岡変電所(新)のき電線引出電化柱から北仙駅方へ伸びている。
 手前側 214,213がIGR沼宮内方(盛岡駅構内)上下 20㎸BTき電。ここで214,213き電線は架線に繋がる。前方の陸橋の下に東北本線上下のエアーセクションがあり断路器で駅構内を区分している。このき電引出電柱の下2線路と直ぐ左の線路は下り213き電。

盛岡駅構内の現在のき電系統(盛岡駅構内は沼宮内方き電213,214)

 出典(「配線略図.net・https.www.haisenryakuzu.net/」から引用改変 東北本線部分
 盛岡駅構内の仙北町駅方と青山駅方にエア―セクションがあり、き電区分が行える形になっている。エア―セクション間は、仙北町方は断路器があり、エア―セクションの仙北町方の架線電圧を測るVTが4台(上下線)付いている。
 また青山駅方にも同様にエア―セクションがあり断路器で区分ができるようになっているが、断路器の片方が盛岡変電所の214,213き電線に繋がっている。ここも架線電圧を測るVTが4台(上下線)付いている。
 盛岡変電所からの沼宮内方き電線214,213は途中でT分岐して青山駅方の断路器と駅構内のトロリ線に繋がっている。
通常は、南北の断路器は閉路されている。


南北断路器のパターン
1.北側の断路器を開路。南側の断路器を閉路。盛岡駅構内以北が渋民き電区分所まで停電する。但し盛岡車両センターは生きる

2.北側の断路器を開路、南側の断路器を開路。南側エア―セクション以南からデッドセクションまで停電(北仙町駅停電)。盛岡駅構内以北が渋民き電区分所まで停電する。但し盛岡車両センターは生きる

3.両端の断路器を開路。盛岡駅構内と盛岡車両センターだけ き電(盛岡変電所から)

4.北側の断路器を閉路。南側の断路器を開路。仙北町側のエア―セクション以南からがデッドセクションまで停電

5.北側の断路器を閉路。南側の断路器を閉路←通常状態

6.北側の断路器を開路。南側の断路器を閉路かつ盛岡変電所停電の場合。日詰、渋民延長き電状態 デッドセクション以北と盛岡駅構内が停電する。盛岡車両センターは断路器閉路(緑色)でき電

7.北側の断路器を開路、南側の断路器を開路かつ盛岡変電所停電の場合。日詰、渋民延長き電状態 デッドセクション以北と盛岡駅構内が停電する。盛岡車両センターは断路器閉路(緑色)でき電。岩手盛岡駅、盛岡貨物ターミナル駅までき電

8.北側の断路器を閉路。南側の断路器を開路かつ盛岡変電所停電の場合。日詰、渋民延長き電 南側 岩手盛岡駅、盛岡貨物ターミナル駅、盛岡駅構内と盛岡車両センター、盛岡駅以北だけ き電、仙北町方のエア―セクションからデッドセクションまで停電(仙北町駅停電)

9.北側の断路器を閉路。南側の断路器を閉路かつ盛岡変電所停電の場合。日詰、渋民延長き電 南側岩手盛岡駅、盛岡貨物ターミナル駅までき電。仙北町駅、盛岡駅構内と盛岡車両センター、盛岡駅以北だけ き電(沼宮内変電所から)
と色々なパターンが組める。補助き電区分所のような機能を持つ

214 仙台駅構内北側のエア―セクションの沼宮内方に繋がる214き電線
VTが2台 断路器両端の電圧を測定(片方は214き電線、もう片方は沼宮内方)

別角度 エア―セクションの電車線区分標が見える
VTが2台 断路器両端の電圧を測定(片方は214き電線、もう片方は沼宮内方)

213 仙台駅構内北側のエア―セクションの沼宮内方に繋がる213き電線
右にVTが2台 断路器両端の電圧を測定(片方は213き電線、もう片方は沼宮内方)



別角度 213 仙台駅構内北側のエア―セクションの沼宮内方に繋がる213き電線
右にVTが2台 断路器両端の電圧を測定(片方は213き電線、もう片方は沼宮内方)
 

 盛岡駅南側のエア―セクション部は駅構内にあり接近不可能なため、東北本線前面展望でエア―セクションと断路器、VT確認


盛岡車両センター行き専用線と盛岡駅構内を区分する同相交流セクションインシュレーター
左 断路器 開路で盛岡車両センター停電


別角度 
盛岡車両センター行き専用線と盛岡駅構内を区分する同相交流セクションインシュレーター
左 断路器 開路で盛岡車両センター停電

213き電のトロリ線から盛岡車両センター行き専用線へき電する断路器 定位開路
上の模式図で緑の断路器


盛岡変電所(新)のき電線引出電化柱

 盛岡変電所(新)からのき電線引出電化柱 212,211き電線が現盛岡変電所から引き込まれている。車中から撮影 避雷器2台と直列コンデンサが見える。キ本11、12電化柱建植
変電所2次側の機器類が装着される架台が見える。

 盛南大橋からの遠望 盛岡変電所(新)からのき電線引出電化柱 212,211き電線が現盛岡変電所から引き込まれている。

盛岡変電所(新)二次側機器配置推定
この架台から2次側機器類の配置を推定してみる。

JR東日本 電気SIO広報(公式)から引用(X)旧
Twitter

機器の架台が配置されており、左に き電線引出の電化柱ができている

き電側の配線と機器配置推定するための情報源
 盛岡変電所(新)のき電側はまだ、設備が置かれていないので、BTき電でスコット結線変圧器2台で並列設置されている変電所を調べたところ以下の結果となった。

東北本線
郡山,福島,北白川,東仙台,盛岡  盛岡は複電圧なので直列コンデンサが20㎸、40㎸別々に置かれていたが郡山、福島、北白川、東仙台は共通で各M座、T座 1台ずつ

奥羽本線(山形線・山形新幹線)
峠、米沢 共通で各M座、T座 1台ずつ

常磐線
土浦,友部,東海,泉 土浦以外は変圧器別で直列コンデンサ M座2台,T座2台となっている。

 この中で比較的設備が新しいのが東仙台、土浦となる。この き電配線内容を参考にして盛岡変電所(新)のき電側の配線と機器配置を推定してみた。但し土浦は牛久RPCで藤代と電力融通を行っているので若干違うようなので、郡山、福島も参考にした。


まずはGIS部の単結線図
変圧器まで全て明電舎製
接地開閉器ES(89BE)GLT-14032B
ガス絶縁開閉装置は以下の機構がまとまっている
断路器DS(89TP)GDT-140532M
接地開閉器ES(89TE1)GEF-14032M
真空遮断器VCB(52TP)VBU-170532B
接地開閉器ES(89TE2)GEF-14032M
ここまで一体型
ガス絶縁タンク形避雷器LA ZF-D2FT

き電用トランス(スコット結線変圧器)154㎸降圧22㎸ 相数3/2 本設電-32101-1A NORSD-G
高配用トランス 154㎸降圧6.9㎸ 三相 NORSD-GA

き電用トランス(スコット結線変圧器)22㎸二次側の単結線図(予想)

 スコット結線変圧器からのM及びT座には、断路器(89TS)が各変圧器につき4台置かれる。引き出されたM及びT座き電線は、き電母線で並列に接続される。NF側は絶縁等級6号なので断路器部にケーブルヘッドを設け6㎸ケーブルで各直列コンデンサと保護回路に繋がる可能性がある。 M及びT座のPF側とNF側には変流器(CT)が設置される。
 
 き電側のパターンは、M及びT座母線から各方面別き電線が引き出されるので、線路と並行に置かれている4つのコンクリ台座には、横形単極VCB(52F)が置かれる。
 VCBの前後には、断路器(89FB)と断路器(89FL)が置かれる。方面別き電の上下線間にはタイ断路器(89T)が置かれる。各方面別き電線には電圧測定VT及び避雷器(LA)が断路器で繋がる。
 
 通常 直列コンデンサは、スコット結線変圧器近傍にT及びM座用が置かれるのだが、この盛岡変電所(新)はき電用電化柱の両端に置かれているのでスコット結線変圧器からの引き回しがある。
 
 線路と並行に2個の鉄構が置かれているが、これは断路器(89PC)が置かれる。また2個の台座があるが、小さい方は真空遮断器VCB横形双極(82PC)が置かれる。
 
 大きい台座には力率改善用のリアクトル、コンデンサ、放電コイルが置かれる。コンデンサ、放電コイルは一体型の省スペースが置かれる可能性が大きい。これは負荷力率改善による電気料金低減と電圧降下対策、列車側からの第三次高調波のフィルターの為に設備されるが最近の車両は負荷力率が1に近い、第三次高調波が少なくなっているので、設備が省かれる場合(土浦変電所)がある。盛岡変電所(新)は新設移転なので設備合理化のため省かれると思っていたが台座が2組(M及びT座母線用)あるので付け加えてみた。

 一番悩んだのが新幹線基地への25㎸き電設備の設置場所である。現盛岡変電所はT座から引き出されているので同様にT座に置いてみた。
 現盛岡変電所のき電設備は以下の構成である。
AF,TFき電母線から引き出され
断路器ー遮断器—降圧変圧器ー電圧測定VTー断路器からNW側は地絡保護用放電装置(GP)をT分岐してCTを経て同軸き電ケーブル外被に繋がる。もう片方のTF側は同軸き電ケーブルブッシングに繋がる。
真ん中がGP装置 緑がCT変流器

変流器(盛岡変電所と同じ物)

 
変流器銘板

 現盛岡変電所だと断路器用架台、VCB用台座、降圧変圧器用の台座が必要になるが、盛岡変電所(新)には残り2つの台座しかない。その内1つは小さい。大きいのが変圧器用とするとVCB用が無い。思いついたのが負荷断路器である。これなら架台上におけるし、断路器とVCBを兼ねている。
 現盛岡変電所は極間電圧44㎸なので耐圧があるVCBが必要だったが、今回の盛岡変電所(新)では22㎸である。また流れる電流は現盛岡変電所の降圧変圧器を参考にすると

変圧器銘板 最高電圧で表示
一次側44kV(標準電圧40kV) 二次側30kV(標準電圧25kV)
10,000kVA=44㎸×227A=30㎸×333A 単相なので√3は入らない

 二次側同電流を確保するとすると 22㎸から昇圧して30㎸として10,000kVAとして
30㎸ ×333A=22㎸×455Aで 負荷断路器の定格電流600Aなので用途としては十分使えるので負荷断路器を2台VCBの代わりに置いた。スコット結線変圧器からの二次側の電流はM座、T座合計で682Aなので片座で341A。基地の夜間補機運転用なので電流値としては小さい物となる。
 
 台座後ろの小さい台座はVTを置くことにした。同軸き電ケーブルブッシングを置く架台は左右非対称の金属枠で中央に穴が開いているので昇圧変圧器の横の架台に確定。非対称部分にはCT(緑色・変流器)を置く。非対称金属枠の右の台座には地絡保護用放電装置(GP)を設置。昇圧変圧器後の断路器2台は、非対称金属枠台座の前に架台があるのでそこに設置。

 昇圧変圧器二次側からのAF及びNWは、架空配線か、もしくはNW側を6.6㎸ケーブル引き回しで断路器につなげることで径路を確保することで完成。

 さて今度盛岡行きは、いつになるか不明だが盛岡変電所(新)が稼働した後の二次側配線が予測した配線とどのように異なっていたか見るのが楽しみである。
 

参考文献(順不同)
戸石泰司;奥羽本線(秋田・青森間)電気運転設備の概要〔Ⅰ〕電気設備について:電気鉄道,Vol.25,No.10,pp10-20,1971

「配線略図.net・https://www.haisenryakuzu.net/」から引用改変 東北本線部分

小山 義夫;「しゅう電」段絶縁されたスコット結線変圧器の耐圧試験方法:電気鉄道 ,Vol. 28,No.12,pp./35~36,1974

岩下二男;「しゆう電」スコット結線変圧器のインピーダンスについて教えて下さい :電気鉄道 Vol. 28,No.12,pp.26-28,1974















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