2014年12月1日

228. JR東日本 王子交流変電所(直流併設)

王子交流変電所

アプローチ:京浜東北線王子駅 容易                                     
受電:蕨上野線66kV地中3回線(そのうち1回線はT分岐で赤羽変電所経由)
池袋変電所、日暮里変電所、田端開閉所、赤羽配電所に22kV送電                              
給電:東北・高崎線、田端操車場、京浜東北線 ケーブルラック方式で東北線分岐部まで敷設
沿革
1978年交流変電所開設 1997年 66kV降圧22kV 主変圧器5万kVA LTC付き×2台に交換
22kVはC-GIS設備で屋外にある。
蕨・王子線は、1,2号のOFAケーブルと3号のCV-Tケーブルで接続されている。この3号のCV-Tケーブルで多数の絶縁破壊事故が発生しており、原因究明をしたところ電食防止のため、CV-Tケーブルは変電所端でのみ接地しており、その関係でCV-Tケーブルの線間静電容量で遮蔽層に高電圧が発生(約400V)していることが判明。その高電圧でシースの絶縁破壊を起こすことが判明され、相間ボンドを行なうことにより3相の静電容量が打ち消しあい発生する電圧を低下させることができた。ちなにみOFAケーブルは、外装が金属管なので問題がなかった。


道路にあるケーブル埋設標

22kVケーブル 敷設トラフ

王子池袋線22kV 1回線

王子日暮里線22kV



22kV C-GIS設備

22kV C-GIS設備

22kV C-GIS設備

22kV C-GIS設備 奥に送電用変圧器66kV降圧22kV用放熱器

C-GISから出てくる22kV 王子連絡線1,2号 整流用変圧器用

蕨から来る66kVケーブル敷設ダクト
上野方面 途中王子交流変電所T分岐



左 変電所建屋内の整流用変圧器

上野方面 66kV OFケーブル 途中王子交流変電所T分岐 尾久駅上野寄り

OFケーブル用油槽 蕨・上野線1,2号用
東北・高崎線上下 客14~11と尾久車両センター用庫21

貨物上下14~12と庫21

京浜東北線上下




ケーブルラックで配線

奥にケーブルラックで き電線が敷設されている。


左より
白 京浜東北 南北行 帰線 青 京浜東北 北行、南行 赤羽方 北行、南行 日暮里方
緑 東北貨物下 オレンジ山手貨物上下 緑 東北貨物上

美しい き電線の敷設状態

左より
青 京浜東北 上下 赤羽・日暮里方 白 京浜東北 帰線

左より緑 東北貨物上下 オレンジ 山手貨物下上 
白 田端操構内線新幹線側常磐貨物線方面 貨物63L回線



紫 東北 田端運転所 白東北 客田端(構内) 尾久方面

常磐貨物線で行く鉄道博物館 臨時列車 車内から俯瞰

常磐貨物線で行く鉄道博物館 臨時列車 車内から俯瞰

常磐貨物線 貨63L 王子電源き電線

常磐貨物線 貨63L 王子電源き電線 拡大


インピーダンスボンド 中性点に接続される帰線

き電線の電柱に付いている き電保護パック

き電保護パック
高抵抗地絡問題の解消の為 開発された装置                                
故障点の抵抗が0.5Ω程度の場合 き電線や電車線が構造物に接触した場合故障が検知できないで、大電流が流れ続け信号・通信ケーブル等の焼損が発生する。                    
これを検出し保護するために開発された装置。                                
き電電圧が1500Vと低く高抵抗のコンクリート柱などは地絡した場合、故障電流が小さい、その一方電気車負荷電流は2~4kAと大きく、運行密度が高い変電所の回線電流は数kA以上になる。 原理としては、高抵抗地絡故障による構造物の電位上昇により放電ギャップを作動させて故障電流を速やかにレール帰路に移行させて変電所の保護回路を作動させることによる。

参考文献(順不同)

王子交流変電所 単結図
藤森英雄:東北新幹線上野・大宮間電気設備概要(上野ターミナル電源設備)
電気鉄道;1985,Vol.39,No.3,pp.17-19

由井清ら:放電ギャップを応用した高抵抗地絡保護装置の開発実用化
鉄道と電気技術;1889,Vol.43,No.8,pp.2-7

このときは、まだ原因が解明されていない。
大豆生田 博文:蕨・王子間CVケーブルの絶縁破壊について
電気鉄道;1987,Vol.41,No.2,pp.22-25

相間ボンドが有効との考察
塩田 弘:蕨~王子3号線絶縁破壊事故の考察
鉄道と電気技術;1994,Vol.5,No.4,pp.38-40

227. JR東日本 上野交流変電所と上野直流変電所とその周辺

上野交流変電所と上野直流変電所


上野交流変電所の隣に上野直流変電所があるが、直流変電所は、グーグルマップで表示名が出ない。

上野交流変電所と上野直流変電所 屋上に変圧器の放熱用のクーリングタワーが乗っているほうが交流変電所。上野交流変電所とは連絡送電線(22kV)で繋がる。  
                 

ねこ 入れるな 新鶴見交流変電所事故のトラウマ

上野直流変電所
上野直流変電所 変成設備配置図 文献より引用
高調波抑制でSR1,SR2は6パルスの等価12パルス構成、SR3は並列12パルス構成、
2001年時点 現在の構成は変化しているものと思われる。
各シリコン整流器は6,000kWを3台

左から 緑地平下り日暮里方  白 常磐上り日暮里方 白 常磐下り 日暮里方
オレンジ白文字 高架 上り 日暮里方  オレンジ白文字 高架 下り 日暮里方
オレンジ黒文字 上野東京 下 神田方  オレンジ黒文字 上野東京 上 神田方

左から オレンジ白文字 高架 上り 日暮里方  オレンジ白文字 高架 下り 日暮里方
オレンジ黒文字 上野東京 下 神田方  オレンジ黒文字 上野東京 上 神田方

左から オレンジ白文字 高架 上り 日暮里方  オレンジ白文字 高架 下り 日暮里方
オレンジ黒文字 上野東京 下 神田方  オレンジ黒文字 上野東京 上 神田方

左から 赤 南行外側 日暮里方 群青 北行外側 日暮里方
赤 南行内側 日暮里方 群青 北行内側 日暮里方
群青 北行内側 神田方 群青 北行内側 神田方
 赤 南行内側 神田方 群青 北行内側 神田方



群青 北行内側 神田方 赤 南行内側 神田方 群青 北行外側 神田方  赤 南行外側 神田方

左から緑地平上り日暮里方 緑地平下り日暮里方  
オレンジ白文字 高架 上り 日暮里方  オレンジ白文字 高架 下り 日暮里方



左から 群青 北行外側 日暮里方 赤 南行内側 日暮里方
群青 北行内側 日暮里方 群青 北行内側 神田方
赤 南行内側 神田方 群青 北行内側 神田方

き電線引き出し鉄構に設備されているき電保護パック

き電線引き出し鉄構に設備されているき電保護パック

き電保護パック 王子交流変電所 ブログ リンク

き電保護パック 籠原駅 地絡事故 ブログ リンク



き電線接続

常磐線 き電線接続部

常磐 高崎線 渡り線部のインシュレーター

改良型インシュレータ 東京駅東海道線でセクションインシュレータから架線が抜けが発生
クサビを押しネジで押してトロリ線を引留める。
クサビが押しネジ内に組み込まれていることができる構造。
旧インシュレータは、押しネジが2本でトロリ線にクサビが無い
 
右 上野直流変電所右
上野交流変電所
主変圧器冷却用チラー配管
新幹線上野駅 換気口
アプローチ:上野駅 容易
交流変電所                                                     
受電:神田交流変電所66kV 2回線と蕨交流変電所66kV 2回線途中王子交流変電所T分岐、田端開閉所と日暮里変電所に22kV地中各1回線、上野直流変電所に連絡送電線で繋がる。

 上野交流変電所は、1984年新幹線開業時に設置。新幹線として初めての深層地下駅であり安定な電源の確保が必要となったため。 東電鳩ヶ谷系(蕨)と川崎火力(神田・大井町)の2系統導入による電源強化。東京・上野間の二重化が完了 新幹線用の変電所ではありません。

上野直流変電所
変成設備6,000kW×3 シリコン整流器1号、2号は、6パルスの等価12パルス構成、3号は、並列12パルス構成                     
変圧器1次側はスリップオン、2次側バスダクト 負極母線断路器は、キュービクル形
き電:京浜東北線、山手線、東北、高崎、東北縦貫線、常磐線、秋葉原電留線

ケーブルトラフ 上野日暮里線1号
ケーブル埋設標
神田上野線 66kV敷設トラフ
 
蕨 上野線66kV OFケーブル
現在はCVTケーブルに交換済


 
 
上野中央配電所(第一配電所)
 
第二配電所 換気口
上野 第二配電所用変圧器 放熱チラー

旧 上野直変電所 門型鉄構部 アメ横
戦前の上野変電所の位置がアメ横なのは、き電距離の関係でこの位置になったそうだ。

 
66kV 神田上野線 山手線側から東北縦貫側に移動点
秋葉原駅 電留線(運用は、上野駅構内線路改良線として運用)

神田交直変電所からの電留線用き電線


上野直流変電所からの電留線用き電線

御徒町駅を通過する電留線用き電線

奥には新設された電留4線路

電留線側 防音側壁には、新しく付け付け替えられた66kVケーブルのトラフ
スペースがないので上部が歩けるように特認で作製

電留線区分断路器 ここで神田と上野の各変電所からの電留線用き電線が出合う。
一番右 上野からのき電線

電留線には、神田からのき電線が接続 上野方は「開」の状態。

 
上野からの66kVケーブルが京浜東北線側に移動する。
 
この部分には、新幹線の立坑が存在している。
道路には過去に使われたOFケーブル用の人孔が残されている。

試運転前の状況 6番線 運用開始 インテクレート架線部への給電
電留線通線停電用 上野折り返し 断路器 現在撤去

左奥 インテグレート架線 電留線側線停電用 上野折り返し 断路器 現在撤去

試運転前の状況 6番線 架線も普通のシンプルカテナリー
左奥 インテグレート架線 電留線側線停電用 上野折り返し 断路器 現在撤去
 
偶然出遭った レール締結式用 モーターカー 秋葉原駅
試運転中の東北縦貫上り線
 
秋葉原駅付近の電留線行きの側線
試運転中の東北縦貫上り線
 


参考文献(順不同)

上野交流変電所 単結図
藤森英雄:東北新幹線上野・大宮間電気設備概要(上野ターミナル電源設備)
電気鉄道;1985,Vol.39,No.3,pp.17-19

上田啓二ら:純水沸騰自然冷却式シリコン整流器の導入                             
鉄道と電気技術;2001,Vol.12,No.11,pp.28-32

塚原元義ら:直流電車線用セクションインシュレーターの改良
鉄道と電気技術;2001,Vol.12,No.9,pp.53-55

網谷岳夫ら:東北縦貫整備-上野構内線改良ー
東工技;2013,Vol.26,No.9,pp.224-239

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