2020年1月2日

955. 青い森鉄道 青森変電所(BTき電20kV) 

青森変電所



受電:東北電力 66kV1回線受電 受電変更が行われており、過去66kV 2回線であった時期があるので、最終送電線の鉄塔が2回線送電となっている。
東北電力 泉野変電所⇔青森変電所間113B 泉野支線分岐第一浪打支線113F分岐113E線
アプローチ:東青森駅 容易

 今は、青い森鉄道に管轄が移転している。青森西変電所がJR東日本によって設備される前は、奥羽本線ATき電、津軽線(海峡線)ATき電、東北本線BTき電の境界の重要な変電所であった。
現在の青森地区のき電系統 位置関係



奥羽本線電化時の第一AT(単巻き変圧器・変電所直下)が現在の奥羽本線デッドセクション付近にあり、青森変電所から約7㎞離れて き電(AF,TF 211)されていた。現在この第一ATは、青森西変電所が奥羽本線き電のために利用している。

奥羽本線電化時のき電系統 
残念ながら変電所の単結線図は無い
青森変電所の66kV 1回線増設(都合2回線)
奥羽本線側のデッドセクション位置が、青森変電所から離れた位置にあることが判る

過去 JR東日本が管轄していた時代のき電系統
青森変電所からATき電(AF,TF)を約7㎞引っ張ってき電していた 白色ライン
  津軽線(海峡線)電化時は、津軽線の第一AT(変電所直下のAT)が今の青森西変電所方にあったので、AFき電線(213) TFき電線(213)のケーブルヘッドが跨線橋下(青森駅方国道7号線)に残っている。青森変電所(東青森駅)からき電線が津軽線方面に延びていた証・現在は青森西変電所がき電している。


青い森鉄道の資料によると、青森変電所の青森駅方にはもう一か所 浦町変電所があったが、青森西変電所ができて、並行在来線分離が行われた際に廃止されている。この浦町変電所は、配電用変電所で青森駅、青森車両センタ、青森信号所、青い森鉄道車両基地に配電していた。地名上では青森市浦町があり東北電力の浦町変電所があるので、この変電所から受電していたものと思われる。
浦町変電所が存在している

浦町変電所は、廃止された(配電用変電所)
青森変電所沿革(推定を含む)
1968年 東北本線電化のためBTき電変電所として設備 
デッドセクションは、野辺地方に一箇所 

1971年 奥羽本線電化のためBT-ATき電の変電所として設備替え 
奥羽本線ATき電用の第一AT(変電所直下)が既存青森変電所から7km離れた地点に設けられる。AT-BTのデッドセクションが奥羽本線の第一AT付近に設けられる。
66kV 1回線増設 スコット結線変圧器をATき電を行うため複電圧スコット結線変圧器に交換 66kV 2回線受電 但しき電用変圧器は1台

1988年 青函トンネル開通により津軽線(海峡線)運行 奥羽本線と同様第一ATが既存青森変電所から離れた地点に設けられる。AT-BTのデッドセクションが第一AT付近に設けられる。(奥羽本線のATとは別構成)
海峡線は、本州・北海道間の重要な幹線となるので変電所強化を行った。

2010年 並行在来線分離のため青森変電所は青い森鉄道管轄、JR東日本は新しく青森西変電所を設備した。青森変電所と青森西変電所のき電区分にデッドセクション構築2カ所(デッドセクションとしては3カ所 力行可能なデッドセクションを設備し切替を手早く実施)青森駅から西は、JR東日本 青森西変電所が担当となる。

201?年 青森変電所設備縮小 2回線受電から1回線受電 ATき電系の廃止BTへ設備替え、それと同時に青森駅方き電系統見直し、青い森鉄道運輸区専用線とJR貨物部分のき電系統を分離。

 青森西変電所が設備された後、ATき電設備は、BTき電用設備に変更され現在に至っている。そのため複電圧スコット結線変圧器が残っている。AT用に降圧された40kV(線間電圧)を、さらに降圧変圧器で20kVBT用に降圧している。同様な例は、羽前千歳変電所、盛岡変電所、青森西変電所で見ることができる。

現在のき電系統(表示そのままで記載)注記は当Webが記載  青森駅方面は、変電所からのき電線がそのまま伸びているので 便宜的にBT(吸い上げ変圧器か無い)とした。
①野辺地変電所方 上下 注:BTき電
②青森方 上下 注:BTき電、AT用40kV(線間電圧)より降圧したBT20kVき電
③青森運輸管理所構内(242) 注:青い森鉄道運輸区専用線、AT用40kV(線間電圧)より降圧したBT20kVき電
④青森信号場構内(241) 注:JR貨物 AT用40kV(線間電圧)より降圧したBT20kVき電

ATき電の片鱗は、き電線引出部には見当たらない。

 青い森鉄道 青森変電所
後に66kV2回線受電だったころの最終鉄塔が見える
現在は1回線受電


66kV 2回線受電時代の名残
引き下げ鉄構部分

66kV受電設備 右から断路器、遮断器、MOF、避雷器を経て断路器
建屋は複電圧スコット結線変圧器 66kV受電 44kV(線間電)22kV降圧変圧器

66kV降圧6.6kV高配変圧器
右 66kV母線から分岐 断路器、遮断器、降圧変圧器

変電所 引き出し き電線
青森信号場構内(241)運輸管理所構内(242)

青森上下

野辺地上下
右より
運輸管理所構内、青森信号場構内、青森方上下


左 野辺地方上下


22kV方はM座 44kV方はT座

野辺地方 上下をき電する遮断器と右 直列コンデンサ
ケーブルで複電圧スコット結線変圧器 二次側と繋がる
構内のき電線の流れを単純化
手前 右断路器
複電圧スコット結線変圧器 44kV側から分岐
44kV降圧22kV 変圧器へ

44kV降圧22kV 変圧器
AT電源であった44kVをBT電源22kVへ降圧
44kV降圧22kV 変圧器
AT電源であった44kVをBT電源22kVへ降圧

44kV降圧22kV 変圧器
AT電源であった44kVをBT電源22kVへ降圧


AT、BT電源で運用していた時代の名残

AT、BT電源で運用していた時代の名残
22kV BT電源 PF(正き電線)NF(負き電線)
44kV AT電源 AF(ATき電線) TF(トロリ線き電線)

き電母線 左2列の一番左には、き電だった時分の分岐跡が残る
右2列は44kV


青森方上下と青森信号場、運輸管理所へのき電線には、過電流表示器がついている
高級なものはCT(変流器)がついているが、安価に済ませるため目視確認している
青森地区は、き電系が複雑になっているので、ところどころに、この過電流表示器がついている
 参考

線路に流れる過電流及び短絡電流を検出して表示し、一定時間経過後、自動的に復帰する機能をもつ過電流表示器です。



赤が検知した状態








複電圧スコット結線変圧器の44kV、22kV側は
この部分で左に遮断器で分岐して力率改善用コンデンサ、リアクトル、放電コイルに繋がる
右の断路器群は、22kV側 直列コンデンサ投入用

力率改善用コンデンサ、リアクトル、放電コイル
手前が22kV側 奥が44kV側

野辺地方をき電する 直列コンデンサとき電用遮断器
正面から右の部分
 
き電線引き出し鉄構
右から ポリマ碍子部分 野辺地方上下 ケーブルヘッドは野辺地方上り
次 NF(負き電線)2本
次 青森方上下
次 青森信号場241
次 運輸管理所242


野辺地方上りき電線は、このケーブルヘッドから引き出され
青い森鉄道 野辺地方上り線の脇をデッドセクションまで伸びる

別角度

青森方上りトロリ線に青森上方がつながる

別角度

青森駅方に伸びる
241,242き電線
241=青森信号場、242=運輸管理所
跨線橋があるためケーブルで潜る


跨線橋を潜った
241,242き電線
241=青森信号場、242=運輸管理所
青森駅方

青森信号場241 運輸管理場242に延びるき電線
青森駅方

青森信号場241 運輸管理場242に延びるき電線
青森駅方
跨線橋部分を潜るためのケーブルヘッド架台
幅が広いのは、奥羽本線、津軽線のき電線(AF,TF)が4本潜っていたため
現在は、運輸管理所242のみ

青森信号場方241き電線 跨線橋を潜る部分 ケーブルヘッド

運輸管理場構内き電242き電線 ケーブルヘッド

跨線橋部分を潜るためのケーブルヘッド架台
幅が広いのは、奥羽本線、津軽線のき電線(AF,TF)が4本潜っていたため
現在は、運輸管理所242のみ

青森信号場構内241き電線の途中に設置されているCT(変流器)

241き電線の行方

青森信号場構内241き電線の途中に設置されている断路器

青森信号場構内241き電線の途中に設置されている断路器
241き電線から分岐して青森方下りのトロリ線につながる
回路は、開極

241き電線
奥の断路器を開極し、手前の断路器を閉極すると
青森信号場内が青森下り方と同一のき電系統になる

241き電線の途中には過電流表示器がついている
この奥の架線柱から分岐して、青森信号場内をき電している。
この部分に見えるデッドセクションが並行在来分離時に設備されたデッドセクション

この架線柱から分岐して、右 青森信号場内をき電している。
この部分に見えるデッドセクションが並行在来分離時に設備されたデッドセクション
左架線柱から分岐して、右 青森信号場内をき電している。
右 加圧ビームに241き電電がき電
この部分のデッドセクションが並行在来分離時に設備された
241き電線は、この電柱で引き留められる
青森方には、伸びていない
241き電線引き留め電柱から青森駅方を俯瞰
青森変電所からのき電線は、この先に伸びていない

242き電線の行方

奥 東青森駅方 青い森鉄道線 上下線 左 上り線 右 下り線
青い森鉄道経由の上がり方貨物列車は、必ずこの渡線を経由する
この渡線 手前に 下り線から青森信号場への分岐がある
架線柱左に 241き電線 右に242き電線
青い森鉄道 下り線から分岐する青森信号場への経路 左
青い森鉄道経由の貨物列車は、必ずこの分岐を経由する
左上 242き電線 右上 241き電線



青森方下り線から分岐する青森信号場への経路 青森方
貨物はすべて上下線ともこの経路を経る
下り線方とは、エアーセクションでき電区分
架線柱に242き電線が右から左へ移動

青森方下り線から分岐する青森信号場への経路 貨物列車は、全てこのエアーセクションを通過する
下り線方とは、エアーセクションでき電区分


先のエアーセクション部から延びる242き電線


 手前 線路脇から青い森鉄道 運輸管理所へ方向転換
奥のトロリ線へき電

線路脇から青い森鉄道 運輸管理所へ方向転換 別角度
手前トロリ線へき電 ここから青森鉄道運輸管理所全体をき電している

野辺地方 デッドセクション

野辺地方デッドセクション 青森変電所からのき電線が伸びる
野辺地方デッドセクション 青森変電所からのき電線が伸びる


デッドセクションは、高速型ポリマ碍子Type
但しトロリ線の引き留めは旧タイプ

東青森駅 貨物駅側き電設備

EH800 複電圧電気機関車(海峡線運用)


EH800 複電圧電気機関車

日本海縦貫線 運用のEH510

青い森鉄道 野辺地方上り トロリ線から分岐するき電線 ここは、青森上下のき電区分
右 トロリ線から引き上げ

右 トロリ線から分岐して左方向へ
上を通過するのは、野辺地方上り き電線

トロリ線から引き出されたき電線が、東青森駅貨物部へ戻る
東青森駅構内のき電設備からのき電線が右架線柱に引き留められ
貨物駅構内へき電される

青森上方き電のトロリ線から引き出されたき電線が、東青森駅貨物部へ戻りき電設備へ
補助き電区分所のような設備

左 断路器 引き込むき電線と送り出すき電線をタイ接続
トロリ線から分岐したき電線は、断路器、遮断既、CT(変流器)、断路器、避雷器を経て
貨物駅場内に戻る

東青森駅貨物駅部分のき電を担当

別角度

並行在来分離経営時の設備されたデッドセクション 3か所
青森駅構内への経路上に2か所

青森駅構内への経路に設備

青森駅構内への経路に設備

青森信号場の青森方に設けられたデッドセクション 1か所

単線部分 先に紹介したエアーセクション(青い森鉄道 青森方下り)とこのデッドセクションで挟まれた部分が、青森信号場241き電の範囲
左脇にデッドセクション表示 
貨物列車上下は、必ずこの経路を通り、津軽線、奥羽本線、青い森鉄道線へ向かう

デッドセクション

デッドセクション

デッドセクション 両方向表示 単線部分

トロリ線引き留めは改良型くさびタイプ
トロリ線引き留め確認用の穴がボルト部に開いている

トロリ線引き留めは改良型くさびタイプ
トロリ線引き留め確認用の穴がボルト部に開いている

このデッドセクション脇は、EH500,EH800電気機関車 機回し線となっており
電気機関車 付け替えのための留置線となっている(241き電範囲)

青い森 運輸管理所と青森信号場のき電区分 
左 青森信号場241き電
右 運輸管理所242き電


おまけ 青い森鉄道 鉄道まつり 2019







車庫内の区分装置
車庫内接地タイプの断路器

真下からのき電区分装置

断路器 開極の場合 念のため設置するアース棒の表示

接地用アース棒

除雪車

参考文献
窪田寧;並行在来線経営分離に伴う電力指令設備(青い森SCADA)のネットワーク構築について:鉄道と電気技術,Vol.23,No.10,pp.50-56,2012
日本海縦貫線近代化工事記録:奥羽本線秋田・青森間、羽越本線村上・秋田間/日本国有鉄道仙台工事局 編 第二編電化 

1360. 東京地下鉄 銀座線 浅草変電所(仮称)と花川戸機器棟(仮称)運用まじか

1360. 東京地下鉄 銀座線 浅草変電所(仮称)と花川戸機器棟(仮称)運用まじか

 過去に記事にした東京地下鉄 銀座線 浅草変電所(仮称)と花川戸機器棟完工まじかとの情報を得たので見学 1122. 東京地下鉄 銀座線 浅草変電所(仮称)と花川戸機器棟(仮称)  着工 2019/06/19 完成 2022/09/30の予定であった...

人気の投稿