2018年1月2日

701. JR東日本 藤代変電所 定点観察 不等辺スコット結線変圧器の現状とデッドセクション新標識

藤代変電所 定点観察 
不等辺スコット結線変圧器の現状とデッドセクション新標識
正月特集号
 

藤代変電所 温故知新

 JR東日本管内で交直デッドセクションへ き電(AC・DC)を行っている変電所が
1. 東北本線 黒磯変電所
2. 東北本線(水戸線) 小山変電所
3. 常磐線 藤代変電所
4. 羽越本線 村上変電所
4箇所ある。

 羽越本線を除いてBTき電方式を採っている。これら変電所は、交流区間の末端に位置するため通常の交流き電変電所で使用されるスコット結線変圧器が使用できない。スコット結線変圧器の二次側出力は、T座、M座の区別があり、両座が使用された状態でないと一次側に電圧の不平衡が発生してしまうためである。

 黒磯変電所、小山変電所、藤代変電所は、三相の内二相を使用した単相変圧器が設備されている。黒磯変電所は、幹線へ交流き電だが、自営送電線からの受電なので、また矢板変電所の154kV受電の近傍に位置するため需要家側の電圧の不平衡があまり問題とはならない。
328. JR東日本 黒磯変電所(BTき電・交流・直流) 小山⇔黒磯間のJR送電線に繋がる変電所 ブログリンク
330. JR東日本 矢板変電所(直流) 小山⇔黒磯間のJR送電線に繋がる変電所 ブログリンク

 小山変電所は、水戸線へのき電のため、その電力量が少ないため、またTEPCOの小山変電所からの直結送電線での受電なのでそのバックボーンは強力であるため問題にはならない。
180. JR東日本 小山変電所(直流・交流BTき電)ブログリンク

 村上変電所では、現在一次側の不平衡を補償する不等辺スコット結線変圧器が稼動している。過去は面白い変電方式であった。受電電源は、概して日本海側はバックボーンが弱い
700. JR東日本 村上変電所(交直)とデッドセクション 羽越本線 700投稿記念 元旦号 ブログリンク

 藤代変電所は、常磐線へのき電であり、三相の内二相を使用した単相変圧器が2台設備されている。過去 まだ牛久き電区分所に設置された区分き電区間の電力融通装置RPCが稼動していない時点では、2台設置された三相の内二相を使用した単相変圧器のうち1台を交互に使用していた。受電電源は変電所間の分岐であった。
139. JR東日本 藤代変電所(交流・BTき電、直流) ブログリンク

その後、牛久き電区分所のRPCが稼動し始めると、土浦方からの電力の融通があり、藤代変電所からTEPCO送電線への逆送が発生し始めた。そのため需要家側の電圧の不平衡が経産省の基準の3%(2時間値)を超える可能性もあり、急場2台の単相変圧器を両方使用している。
140. JR東日本 牛久き電区分所(交流・BTき電)ブログリンク

 常磐線は、他の幹線と比べてECによる輸送量が多く発生しており、回生電力の有効利用のための牛久RPCの設置であったが、輸送量の増大に伴い、三相から二相を取る現在の変圧方式では、三相間の電圧の不平衡が免れない状況になった。
 そこで新幹線基地で使用されている不等辺スコット結線変圧器の導入となった。新幹線基地では、構内渡り線が多数あるため単相のき電が必須である。不等辺スコット結線変圧器の出力は、m,0,t相がありo相を挟んでコンデンサとリアクトルをt、m相間に入れることで、一次入力側の電圧不平衡をキャンセルできる方式である。
554. JR東日本 藤代変電所 再訪 不等辺スコット結線変圧器の設置 ブログリンク

 簡易的で電力の使用量が少ない場合は、コンデンサとリアクトルも省略できる。その他 単相き電を行う方法は、RPC自体を利用しT座M座間の電力融通を行い単相出力を得る方式(新幹線 新鳥飼補助き電区分所)があるが不等辺スコット結線変圧器のほうが費用は安い。
 常磐線は、既に鳴り物入りで牛久にRPCを導入しており、藤代変電所に再度RPCを導入する根拠が薄い。
620. JR東日本 藤代変電所 常磐線 定点観察(BTき電・交流)66kV対応不等辺スコット結線変圧器の設置 ブログリンク

その後の記事
720. JR東日本 藤代変電所 定点観察 不等辺スコット結線変圧器の現状とデッドセクション新標識 調査 ブログリンク


822. JR東日本 藤代変電所・我孫子変電所 定点観察  新デッドセクション標識の行方 不等辺スコット結線変圧器稼動 ブログリンク



それでは藤代変電所の現状を見てみよう。
不等辺スコット結線変圧器の設置、変圧器の一次側への遮断器の設置、不平衡補償用リアクトルの設置、ケーブル引き回しのためのケーブルヘッドの架台の設置が既に済んでいる。残すところの未設置機器は、三相遮断器、コンデンサと放電用コイル、66kV側断路器等がある。一つ気がかりなことがある。それは、不等辺スコット結線変圧器の二次側がケーブルで引き回されていることである。今まで見た不等辺スコット結線変圧器の二次側は、断路器を経てリアクトルとコンデンサが直結されていた。

 変圧器一次側には、断路器の架台ができており、き電側の架台及びケーブル敷設用のトラフ、ケーブルヘッド用架台が既に完成している。絶縁耐圧試験用の可変型補償リアクトルと高圧変圧器および制御盤が運び込まれている。年度内には、不等辺スコット結線変圧器の竣工がなされるであろう。

2台の単相変圧器R、T相に並列につながる。断路器2つとも「閉」 2台とも唸りをあげている

不等辺変圧器の二次側が立ち上げるケーブルヘッド架台

奥にリアクトル2台 予想通り設置。手前の架台コンデンサと放電コイル、奥は多分遮断器

リアクトル銘板

別角度

単相変圧器からのケーブルが立ち上がる 再利用されるのか?

不等辺スコット結線変圧器までトラフが敷設

不等辺スコット結線変圧器の二次側 ケーブルヘッド

不等辺スコット結線変圧器1台で賄う


不等辺スコット結線変圧器の一次側の奥に遮断器

これから設置される、コンデンサ、放電コイル、遮断器

放電コイル

不平衡補償装置用OF式放電コイル
コンデンサと直列につながる

ケーブル

断路器 2種 手前20kV、奥66kV用

66kV用断路器

断路器用 動力式駆動器

不平衡補償装置用OF式コンデンサ

何やら別の機器

絶縁耐力試験装置が持ち込まれている

左 絶縁耐力試験用高圧変圧器 右 可変型補償リアクトル


一次側400V 二次側最高10kV

遮断器の前の架台に断路器66kV用を設置
デッドセクション 新標識 
下り線側
下り線 交直切替標識 奥 藤代駅

第一場内信号 手前に架線死区間予告標識 ATOS場外、場内標識

死区間標識
二番目のセクション位置に標識と思ったが望遠効果でかなり先にある

直交セクション 最終のセクション先に新しい標識


力行用 奥に藤代変電所

デッドセクション 新標識 
どうやら単結線の回路図に示されるデッドセクションの記号が用いられている
 
下り線側
交直切替標識 上り線
直流遊流阻止装置のエアーセクション 右 奥に直流遊流阻止装置が見える

 

直流遊流阻止装置のエアーセクションを抜ける

 
電光掲示板 交直切換 奥に惰行標識

切換確認標識と電照架線死区間標識
電照架線死区間標識

上り線側にもセクション部分の先に新しいデッドセクション標識が羅列


デッドセクション標識 終了

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