2013年12月9日

15.  JR東日本 新戸田補助キ電区分所SSP

新戸田補助き電区分所SSP(Sub Sectioning Post )
新与野き電区分所の東京方面は、次は新戸田補助き電区分所であり
変電所は新田端変電所である。
盛岡方面は、上越・長野、東北方面が立体交差する新大宮変電所である。
この辺の系統は以下の文献が詳しい(内容が古いが・30年前)
引用 日本国有鉄道新幹線新大宮変電所納入電力系統制御システムDECS
(この文献では、新川口補助キ電区分所となっている)

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新戸田補助き電区分所

SN中セクションがない簡単なき電区分所である。
 
SSPは上下線で2個のATがあるが、新戸田には通常あるはずのATの放熱器が見えない。SSPのATの容量は、SPより大きな10MVAが必要である。運用することにより巻き線温度が100℃を超えることもあるので放熱器が必須となる。
黄色下リ東京方面FTと盛岡方面FT、N中性線
白色上り東京方面FTと盛岡方面FT、N中性線
AT(単巻変圧器)は、SSPの場合上下で2台分なので収納されているかもしれないが、放熱機構を持っていないので単なる真空遮断器が装置されているかもしれない。ただNの線が入っているので通常は導通させておいて、区分き電が行われるような事態になったら機能させるかもしれない。 

新戸田SSPにはAT用の放熱器が建屋外に出ていないためATが無いかもしれないと書いたが、さらに文献を調査すると、 1FにAT、2FにATのブッシングと主回路があることが記載されていた。

この新戸田SSPでは、ノイズによる機器の誤動作が発生していた。
①新戸田SSPでは高圧ケーブル橋内の特高ケーブルのノイズが通信ケーブルに伝播している。
②このノイズが隣接するポスト(新与野SP)の切替開閉器動作と関連していることが確認された。
③ノイズによる不要動作対策としては高圧ケーブル橋の通信線の両端にパルス変換器を設置するのが有効である。
 
新戸田SSPへのケーブルは、新幹線高架からケーブル橋で川と道路を横断している。このケーブル橋に特高ケーブルと通信線が共架されているため特高ケーブルからのEMCが問題となった。

新与野SPの中セクションSNに新大宮SSの残留電圧が残っている状態で、開閉器のタイミングにより新田端SS電源が逆位相で重畳されこれによりサージ電圧が発生しているとの示唆であった。
 
同様なEMCによる誤作動例は、新田端第一・第二変電所や新水上き電区分所でも見られている。


川の上を配線ラックで補助き電区分所にケーブルで送っている。


引用 進古代さんのYouTube  JR東日本 上野―大宮間 新戸田補助キ電区分所通過
7min01secから7min12secで区分区間表示区間を過ぎる。架線柱に赤のライン            架線柱10本×50m=500m 

 
区分区間は、新戸田補助き電区分所を過ぎた大宮方面にある。
Tの線がトロリ線に繋がる。単純なセクションである。 東京方面は補助き電区分所付近である。

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参考文献
図 3.4.8は、日本鉄道電気技術協会編 変電所一般 き電変電シリーズより引用
 
ATの容量は、電気学会 交通・電気鉄道研究会資料
中島靖紀ら:東北・上越新幹線のき電用変圧器及び単巻変圧器の最適な容量検討
電気学会交通・電気鉄道研究会資料,TER-06,2006,40-47 pp.29-34

追加参考文献

菊池英雄ら:き電ロケーター不要表示発生の研究                                                                鉄道電気テクニカルフォーラム論文集;2008,21st,pp.17-20

林屋均ら:新幹線変電ポストで計測されるノイズについての考察                                          電気学会交通・電気鉄道研究会資料;2007,TER-07-14,pp.1-6

小川知宏ら:新幹線切替開閉室におけるノイズ波形とその考察                                              電気学会全国大会講演論文集;2007,5-171,pp.262-263

2013年12月8日

14.  JR東日本 新与野キ電区分所SP

新与野キ電区分所SP(Section Post)
新築で建て直されている(静止型切替開閉装置導入・JR東海で導入されている三菱電機製)

旧新与野き電区分所は撤去。跡地は淑徳学園に売却 

新幹線はATき電方式で、き電されている。現在JR東日本の新幹線の
 変電所間隔は50Kmにも及ぶため大容量の主変圧器が
変電所にあり、変電所は275kVもしくは154kVで受電してる。
引用 鉄道総合技術研究所 鉄道用語辞典
ATき電 で検索

新幹線は架線電圧は公称25kVだ。
しかし変電所の送電端では電圧降下も考慮して30kVで送電されてる。
引用 鉄道総合技術研究所 文献検索 交流き電方式

ここではJRに合わせてキ電線とする。 過去画像以前の新与野キ電区分所位置
引用 鉄道総合技術研究所 鉄道用語辞典
http://yougo.rtri.or.jp/dic/
き電区分所 で検索

アプローチ:大宮駅容易       東京起点30k195m                                      特徴:大宮駅暫定開業時から運用

新与野キ電区分所からは6本1組のキ電線が上下線分と残り4本のキ電線が出ている。
黄色下り
左から東京方 T・ATキ電線、F・トロリ線接続(さいたま市鈴谷付近接続)
SN・中セクション接続(与野本町付近接続)
 盛岡方 T・ATキ電線、F・トロリ線接続(き電区分所付近接続)N・中性線(オートトランス中性点・レールと同電位)碍子が小さいが絶縁はされている。保護線

同様に白色上り
N・中性線(オートトランス中性点・レールと同電位)碍子が小さいが絶縁はされている。保護線
左から東京方 T・ATキ電線、F・トロリ線接続(さいたま市鈴谷付近接続)
SN・中セクション接続(与野本町付近接続)
盛岡方T・ATキ電線、F・トロリ線接(き電区分所付近接続)

そして
下り黄色2回線、新潟方面T・ATキ電線 F・トロリ線(接続点大宮駅・ポイント上越方面分岐後)
上り白色2回線、新潟方面T・ATキ電線 F・トロリ線(接続点大宮駅・ポイント上越方面分岐後)

建物の中にはAT(オートトランス)と真空遮断器が設備されている
引用 鉄道総合技術研究所 鉄道用語辞典
http://yougo.rtri.or.jp/dic/ 
き電区分自動切替装置 で検索


SPのATは、初期の設定では7.5MVA/1台であった。
き電区分所の標準的な配線図 新与野では、これに上越方面が1組足されている変則的な構成である。
上下タイき電断路器が組み込まれている。

新上野から大宮駅き電系統

新幹線の枝分かれする部分に設けられた新幹線初めてのき電回路であり
  1. 常時電力供給と事故時のき電分離
  2. 渡り線部分でのエアセクション間電位差軽減
  3. 列車が渡り線通過時の出合いがしらの停電によるセクションオバー
  4. 延長き電、電源切替などの時に異電源交差の防止
   に対応するため新与野き電区分所を設けた。
 
 
与野本町駅付近の下りき電線
T・ATき電線、F・トロリ線接続、SN・中セクショントロリ線接続が見える。
T・ATき電線の上にはN・AT中性線(保護線PW)その上には架空地線が見える。

 与野本町駅付近の上りき電線
T・ATき電線、F・トロリ線接続、SN・中セクショントロリ線接続が見える。
T・ATき電線の上にはN・AT中性線(保護線PW)その上には架空地線が見える。


新与野キ電区分所は北与野駅・大宮駅間にあるが中セクションは、与野本町駅付近にある。
これは大宮からでた東京方面新幹線が大きくカーブしており、カーブ部分でのセクション分離ができないためである。
中セクション 導入部標識
与野本町駅付近SN・中セクションを力行通過する上がり方面E系新幹線。 よく見るとSNき電 線が碍子に引き止められ中セクション トロリ線に繋がっている。上り方面異相区分標識が見える

与野本町駅 東京寄りからみた下り方面鉄塔 SNき線接続部。上部にはTとFがまだ残っている。
上り方面は次の鉄塔でSNき電線が中セクションに接続されている。
中セクションの長さは400~1000mと言われている。(新幹線一編成分+α)

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中セクション接続部
 下り方面異相 区分セクションの標識が見える。SN中セクション始まり

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T トロリ線接続部
区分き電箇所始まり

 与野本町を過ぎ鈴谷付近のT・トロリ線接続部
奥の電柱には、まだTとFがある。
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門型架線柱に碍子で引き止められるTトロリ線接続部(鈴谷付近)

T トロリ線接続部 電柱に赤のライン(鈴谷付近)
盛岡方面 T トロリ線接続部は、き電区分所付近にある


大宮駅構内付近 上越方面分岐後 T トロリ線接続
上越 方面の列車は、盛岡方面T トロリ線接続き電部を通過後 再度上越方面Tトロリ線接続部を通過する


引用 進古代さんのYouTube  JR東日本 上野―大宮間 
8min10secから8min18secで異相区間表示区間を過ぎる。架線柱10本×50m=500m


 新与野キ電区分所の東京方面端は、鈴谷、SN中セクション端は与野本町駅付近
盛岡方面端は新与野き電区分所である。
上越方面端は、大宮駅上越方面分岐後である。
新与野キ電区分所の東京方面は、新戸田補助き電区分所であり、次変電所は新田端第一第二変電所である。
上越・盛岡方面は、上越・長野、東北方面が立体交差する新大宮変電所である。
この辺の系統は以下の文献が詳しい(内容が古いが・30年前)
引用 日本国有鉄道新幹線新大宮変電所納入電力系統制御システムDECS

つづく

追記 6月27日 どうやら建て直す?様子 二重化対応? 
さいたま市中高層建築物の建築及び大規模開発行為等に係る紛争の防止及び調整に関する条例 標 識 設 置 届 出 状 況 ・ 説 明 報 告 書 閲 覧 期 間 確 認 表
南14-010 
届出日:H26.6.13
事業者:東日本旅客鉄道株式会社 大宮支社
設計者:東日本旅客鉄道株式会社 大宮一級建築士事務所
施工者:未定
建物名称:(仮称)新与野き電区分所新築工事
住所:中央区上落合5丁目734-6,746-5
区分:準工
構造:S 4階建て 21.73m
建築面積:514.74㎡
延べ面積:1699.36㎡
工期:H26.11.1~H27.9.30
新築で建てなおされている

参考文献
図 3.4.7は、日本鉄道電気技術協会編 変電所一般 き電変電シリーズより引用

ATの容量は、電気学会 交通・電気鉄道研究会資料
中島靖紀ら:東北・上越新幹線のき電用変圧器及び単巻変圧器の最適な容量検討
電気学会交通・電気鉄道研究会資料;2006,TER-06,40-47, pp.29-34

磯谷維辰:東北新幹線・大宮間電気設備概
電気鉄道;1983,Vol.38,no.3,pp.13-16



2013年12月7日

13.  JR東日本 北与野駅

JR東日本 北与野駅
 
直流饋電線につながるコンデンサー(隣の新幹線の交流25kVからくる誘導電流を逃している)
 
 これと同じコンデンサーは、JR西日暮里の上野寄りにある「日暮里変電所」から出る、直流饋電線にも設置されている。現在 日暮里変電所は、JR東日本変電技術センターの名称になっている。
第二上野トンネルから出た新幹線の上を、直流饋電線が横切る場所であり、誘導電流を逃している。


田端に変電所があったことは以下の文献で示されている。しかし日暮里変電所は直流変電所なので、この文献に示された田端の変電所はどこにあるのだろうか、新幹線用の新田端変電所はあるが田端変電所はない。過去のWebを調べると田端開閉所があることが判る。現在その場所は倉庫になっており、開閉所の片りんもない。
「施設・電気関連設備の総合運営・管理を目指した東京圏設備指令システム」日立論評Vo1.79 No2.1997-2」
給電設備20ヵ所(小千谷、千手、六日町、岡部、武蔵境、田端、浜松町、小岩)明示されている。給電設備で六日町の開閉所は、閉鎖されている。新小千谷発電所が抜けている。蕨、神田、王子、新宿の各交流変電所が抜けている。変電設備 中央方面47ヵ所、東海道方面48ヵ所、東北方面48ヵ所と書かれている。

  
北与野駅 新幹線架線 
 
新幹線 与野区分饋電所から架線セクションに向かう25kV AT饋電線類
TはAT饋電線、Fはトロリ線に向かう饋電線、SNは中セクションのトロリ線に繋がる
TのAT饋電線の上には、レールと繋がるAT保護線N(中性線)が配線されている。その上には架空地線が張られている。
 

12.  JR東日本 与野本町駅

JR与野本町駅
ダクトには与野大宮1号2号の表示(南与野変電所GIS室からの66kVCVケーブル収納)
 
ダクトとの呼び方もあるがトラフと呼ばれる場合もある。
この引用文献は、東海道新幹線の同様なケーブル収納法を示した概略図である。
ここではトラフと呼ばれている。東京都内はトラフと言う呼び名が多い
 

11.  JR東日本 浦和変電所(直流)

JR東日本 浦和変電所(直流)

蕨から南浦和・浦和経由
途中 ガス管の電気防食の排流器ある。
排流器の説明については下記Pdf参照
排流器の表示



地中ケーブルが収納された保護管



6万ボルトCVけーブルで送電(実際は66kV)

蕨駅構内の浦和線2号
お馴染みの表示(蕨駅)

国道463号線を潜る(東電の地中送電管)この部分はJRとは関係ない
地中送電管立ち上がり部 この部分はJRとは関係ない
浦和変電所(直流) 国道463号脇
国道463号から俯瞰
蕨からの66kVCVケーブルは1回線のみが見えるが、実は2回線引かれている
浦和変電所 建設時に引かれていた浦和1号 蕨⇔浦和線66kV  1回線
もう1回線は、南与野変電所からPGCケーブルで引き込まれていたが、廃止され
浦和2号 蕨⇔浦和線66kV  が代わりに追加された

 JR東日本 浦和変電所は、現在 蕨交流変電所から66kV 2回線で給電されている。
過去に埼京線 南与野変電所からT分岐されて供給されていた。

  浦和変電所は、東北本線輸送力増強のため1960年新設され、蕨⇔大宮間66kV架空送電線から分岐した、地中ケーブルで導入を行い、あわせて蕨交流変電所から東北線沿いの地中ケーブル1回線で2回線化された。その際、蕨⇔大宮変電所T分岐の地中ケーブルは、新しい方式のPGCケーブル(パイプタイプケーブル)が敷設された。 2方面受電対応

 その後 埼京線建設時に蕨⇔大宮間66kV架空送電線が廃止され、埼京線沿いに地中ケーブルが敷設(大宮⇔戸田開閉所)されて、南与野変電所が設置された。その際 先のPGCケーブルの接続変更が行われ、南与野変電所から分岐して、地中ケーブルPGCケーブル(パイプ型ガスコンプレッションケーブル)が敷設された。 その後区画整理により、このPGCケーブル撤去され、蕨からの2回線目が引き込まれている。


建屋内で浦和1号、浦和2号が母線を形成、外部にケーブルで引き出され
整流用変圧器2台と遮断器、断路器を介して繋がる
別角度 左ブロック建屋は整流用変圧器の建屋 右 66kVケーブル立上りと防音ケースに収まった遮断器

整流用変圧器 2台 左に1200V側引き出しと所内変圧器


ケ―ブル立ち上がり 隣の民家とは防音壁で遮蔽
帰線が繋がる母線が見える(西浦和変電所も同様な母線接続方式)
画面中央 金網で囲われた負極母線(レタン)帰線側

帰線立ち上がり 東北本線、東北貨物線

帰線は、線路側に下る

線路側 インピーダンスボンド 中性点に繋がる帰線 東北客線用

線路側 インピーダンスボンド 中性点に繋がる帰線 東北貨物線用

枕木にある黄色いカバー部分が帰線を固定している

1,500V 饋電線
左から白・北14,13(京浜東北)、黄・客14,13(東北・高崎)、青・貨14,13,11,12(新宿湘南)、赤・南11,12(京浜東北)



次の変電所(下り方面 大宮変電所 上り方面 蕨変電所) 

 


 


1360. 東京地下鉄 銀座線 浅草変電所(仮称)と花川戸機器棟(仮称)運用まじか

1360. 東京地下鉄 銀座線 浅草変電所(仮称)と花川戸機器棟(仮称)運用まじか

 過去に記事にした東京地下鉄 銀座線 浅草変電所(仮称)と花川戸機器棟完工まじかとの情報を得たので見学 1122. 東京地下鉄 銀座線 浅草変電所(仮称)と花川戸機器棟(仮称)  着工 2019/06/19 完成 2022/09/30の予定であった...

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