2020年11月26日

1014. JR東日本 久喜変電所(直流) 架線柱内コルゲートチューブ発煙 東北本線

久喜変電所  架線柱内コルゲートチューブ発煙

久喜変電所については2014年に記事にしている。

176. JR東日本 久喜変電所(直流)とその周辺 ブログリンク

  
 発煙した場所は、変電所の直流き電線と帰線が引き出され東武線上を跨ぐ部分。このき電線帰線引き出し部の架線柱の部分が焼けた。よく見ると、高配6.6kVを帰線収容したコルゲートチューブが焼けている。信号系がやられていないところを見ると、帰線からの迷走電流がコルゲートチューブを焼いた可能性が高い。 コルゲートチューブの両端出口付近からの発煙 線路内発煙と同様な現象が帰線で起こった。これでは原因不明。 き電停止のまま原因調査を行わないと再加圧できない。 高抵抗地絡ではないことは確か

久喜変電所は、東武線を挟んで宇都宮線に き電を行っている。1500Vのき電線は、架空送電。帰線はケーブル、高配6.6kVもケーブルで東武線を跨いでいる。今回の発煙は帰線ケーブル部分からのもの。帰線なので変電所に帰る部分に該当。線条と帰線はインピーダンスボンド中性点で繋がっており、通常は電位差が発生しない。但し帰線に流れる帰還電流は、1500Vに供給している電流と同等に流れるので3000Aくらいは流れている。

日テレニュース24 JR宇都宮線で発煙トラブル 原因は漏電 11/26 21:14記事 リンク切れ注意


 変電所本体(建屋)変成設備(整流用変圧器、シリコン整流器、直列リアクトル等)は被害を受けていない。

 当該変電所は、2016年 電力貯蔵設備としてNi-Hの蓄電池で構成された設備を入れている。

川崎重工業Webから

川重Webから引用 蓄電池設備は変電所とは別回路

川重 Webから引用

 通常は、き電線の地絡が起これば変電所で検知して受電停止を行い、すみやかに電流が流れなくなるが、この久喜の場合 電力貯蔵設備が2台設置され、変電所き電回路とは別にき電線に接続されている。これの切り離しが上手くいかず、電力貯蔵装置からの電流が流れ続けた可能性がある。

  久喜変電所 上野方 白岡変電所と宇都宮方 栗橋変電所からの延長き電で久喜をスルー化できるが、帰線のコルゲートチューブでの発煙事故なので、き電停止を行い、この部分をまず切り離し、エアーセクション同士をジャンパ線でつないで き電を双方の変電所からの延長き電で対応可能かと思われる。



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