2018年1月28日

727. JR東日本 常磐線 き電線接続部温度計測用センサー

 以前 インテグレート架線を導入した際に、き電線を積極的にケーブル化したが接合部の電力容量の見積もりミスから接合部の温度上昇がおこり、接合部でのケーブルシースの溶融発煙発火に至ったことが多数の線区で発生した。
 その後、接合部の温度設計の余裕度を増し、現在は感熱シールの貼付。サーモカメラでの点検を行っている。
不可逆サーモラベルでの感熱記録

紫外線による感熱色素の劣化等があり十分な点検ができない

き電線とケーブルの接合板での大電流による発熱により
ケーブルシースの溶融、発煙、発火が発生した例が
過去に多数発生した。
接合部どうしが裸電線ならば、ある程度の温度上昇は許容範囲に入るが
シースで包むと熱の影響を大きく受けるようになる
 今般 き電線の接合部に温度センサー付きRFIDタグを設置。営業車からのデータ収集及び巡回員の携帯端末からデータを読み込み保守管理に生かるようになった。


 RFIDタグはZigBee(2.4Ghz)の無線通信を行い130km/hの速度からも99.2%の読み取り率でよみこむことが可能となっている。RFIDタグ付きセンサーは、太陽電池パネルとEDLCによる構成として電池交換を不要としている。
 常磐線に2015年度から温度センサー付きRFIDタグを北千住SSと我孫子SS間に174個取り付けデータ収集を日常的に行うことが開始された。
重ね温度の上限は45度以下であり管理値70度には達していない
この無線付きセンサーを探したのだが、駅部での発見は、よほど注意しないと見つけられない。
また駅間部では、そこまで歩いていくのが大変である

黒色ナイロンインシュロック(耐候性)でのセンサー線の固定




接続部にセンサーが金属バンドで留められている
ステンバンドとアルミき電線の間には、電食防止の合金箔がまかれている
根岸線でも見つけることができた。
978. JR東日本 直流き電 首都圏の区分断路器(51,52)を巡る ブログリンク 根岸線 桜木町駅の項参照


参考文献
菅間陽二ら;電車線路モニタリングシステムの開発:電気学会研究会資料,2014,TER-14-27,2014(27-31・33-35)
下原光幸ら;無線式センサによる電車線路の設備のメンテナンス
:JREA,2015,Vol.58,No.10,pp.39849-39852

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