2021年12月11日

1175. 東北・北海道巡検11 JR北海道 海峡線・道南いさりび鉄道 木古内き電区分所(異電圧デッドセクション)

 木古内き電区分所(現在は異電圧デッドセクション)

 

 アプローチ:新幹線・道南いさりび鉄道 木古内駅 
き電区分:25㎸今別変電所(新幹線)⇔20㎸五稜郭変電所(在来線)
異電圧デッドセクション

過去の木古内き電区分所20㎸-20kV 及び新幹線運転初期
 Google Street Viewでは、古い画像も見ることができる。新幹線建設前の在来線20㎸時の単なるき電区分所、でも設備は新幹線側は25㎸対応設備が既に備え付けられている。
木古内き電区分所 このころは20㎸-20kVの普通のき電区分所
この道路部分が新幹線高架となった模様

木古内き電区分所 設備は新幹線側は25㎸対応

函館方にOT(所内変圧器がある)全体が縦型構成

20kV-20KV,25kV-20kV時代の古い機器構成
左 青森方は60㎸対応 右 函館方は44KV対応
CR装置は在来線側に設備は、現在と同じ、違う点はOT(所内変圧器が函館方から受電)
DTR、ACVRが新幹線開通時に設備される予定だった。
函館方から中性点がひきだされている
配置が縦型でGIS設備 現在はC-GIS設備

新幹線側から見たデッドセクション

国道側から見たデッドセクション

20kV-20kV海峡線運用時のき電方法(新幹線運行前)

今別SSが落ちると北海道電源を中小国SPまで延長していた。

海峡線時代のき電系統 現在の函館A地区と道南いさりび鉄道のき電系統
函館駅、渡島当別駅のA記号はAT(単巻変圧器を示す)

現在の木古内き電区分所
 設備機器は全面的に入替が行われている。C-GIS化25kV-20㎸の異電圧デッドセクション
中小国き電区分所の屋外設備が、C-GIS化されたものとみればよい。



道南いさりび鉄道木古内駅構内 AFき電線は25㎸

踏切から見たデッドセクションと架線死区間予告標
デッドセクション標識上り方の裏側しか見えない
下り方は、木に隠れている



道南いさりび鉄道 20㎸ 函館側AT13 設備はC-GIS化されている
容量は2MVA(2000kVA)
裏に見えるのは 海峡線(在来線)25㎸ 青森方AT11


C-GIS 函館方からT(TF) F(AF)き電線が引き出される(奥の部分)

C-GIS 函館方から20kV T(TF),F(AF)き電線が引き出される(奥の部分)とAT13

函館側 き電線引き出し N中性線(PWと同じ)20㎸ T(TF)、F(AF)き電線



青森側に繋がるOT 25kV接続(仕様は30kVも可)




裏側 OTと記載

函館側C-GIS
左よりダウントランス盤、AT13盤、送出し盤(在来線)、CR装置接続版

CR装置の抵抗Rの部分の銘板 定格電圧22kV 電流10A 抵抗300Ω

木古内の高調波抑制装置はCRタイプ HMCR装置ではない
この部分は、過去の設備と替わっていない。

CR装置 函館側AT13 20kV T(TF)、F(AF)に繋がる

PW(保護線)及びAT 中点に繋がるGP装置
地絡した際レール電位上昇を放電ギャップで放電し接地回路を形成する

GP装置の裏にケーブルヘッドがみえるがこれがC-GISの中性点に繋がっている



 左 函館側20㎸ AT7,500kVAと右 青森方25kV AT10,000kVA 容量が違う

青森方25㎸ AT

青森方25㎸ ATとC-GIS部からのき電線引き出し

青森方き電線引き出し


ATへはT(TF)、N(中点)、F(AF)の一括管路配線(GIS)

青森側C-GIS部 左より送出し盤(新幹線)、AT11接続盤の2盤構成

AT11 定格容量 10MA(10,000kVA) 定格電圧60㎸




AT13側 ダウントランス接続盤の裏側に同表示


ダウントランス二次側20kV函館側 F(AF)、T(TF)

DT=ダウントランスの略
ダウントランス 銘板 一次側60㎸(対地30㎸)二次側44㎸(対地22kV)
今別変電所から函館方への降圧なのでダウントランス
計画では、ここにAVCRが設置される予定であった。方向性は吉岡SS→五稜郭SS



ダウントランス一次側25kV青森側 F(AF)、T(TF)
今別変電所電源




き電線引き出し部 中央
碍子4個左20㎸、碍子5個右25㎸ F(AF)き電線

青森方 25㎸
き電線引出し部 ここでやっとAF、TFの表示 青森方デッドセクションに引き出されるTF
碍子5個は沿岸部のため 通常内陸部では25㎸は4個

青森方 反対側見た構図 碍子は5個




函館方
き電線引出し部 ここでやっとAF(F)、TF(T)の表示 TFは道南いさりび鉄道のトロリ線と繋がる

函館方  反対側見た構図 碍子4個は沿岸部のため 通常は3個


デッドセクション青森方25㎸に伸びるF(AF)、T(TF)き電線

T(TF)き電線は左架線柱で25㎸側青森トロリ線に繋がる
国道側から見たデッドセクション

デッドセクションのトロリ線止めは、楔改良型を使用

変電所(新幹線側)から見たデッドセクション


踏切から見えなかったデッドセクション標識 下り方


踏切から見たデッドセクション部 右に標識


参考文献
津軽海峡線工事誌:中小国・浜名間/日本鉄道建設公団盛岡支社 津軽海峡線工事誌編集員会編,第5章電気、第6章連絡設備、第5編 開業設備 
津軽海峡線工事誌:湯の里・木古内/日本鉄道建設公団札幌支社 津軽海峡線工事誌編集員会編 第7編電気、第8編 連絡設備
津軽海峡線工事誌:電気/日本鉄道建設公団関東支社編 第3編変電 第1~2章
伊藤興一郎;青函トンネル特集 変電設備:鉄道と電気,Vol.10,No.10,pp9-15,1987








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