2020年8月22日

995. 駿豆線 入線 E257系2500番台NC-32編成は、回生失効の夢を見るか(シリーズ第一弾)

E257系2500番台NC-32編成は、回生失効の夢を見るか

修善寺にE257系が試運転(誘導障害等の確認を含む)で初めて入線したので現調

原木変電所については「異聞」での記載だったので詳細現調した。

駿豆線の変電所については、過去に以下の記事をUpしている。

607. 伊豆箱根鉄道 三島変電所 駿豆線 ブログリンク
606. 伊豆箱根鉄道 横山変電所 駿豆線 ブログリンク
608. 伊豆箱根鉄道 大仁変電所 駿豆線と超電導き電線試験設備跡 ブログリンク

さらに駿豆線の変電所設備については、鉄道統計年報[平成29年度]国土交通省
(15)変電所設備表に鉄道各社の設備内容の統計集計内容がExcelでUpされている。(15)変電所設備表 Excel版 クリックするとダウンロードされる
作成者 国土交通省 江村 泰成 2020年4月24日作成版
ちなみに、弘南鉄道 水銀整流器 六甲山観光 回転変流器の記載がある。

平成29年(2017)が最新のデータとなるが駿豆線は以下の設備を持つ。
変成用シリコン整流器 6,500kW 変電所3カ所
 では、この6,500kwの各変電所への割り振りはどのようになっていたかは消去法で以下の通り

大仁変電所(6.6kV受電)1,500kW 銘板で確認



横山変電所(66kV受電)3,000kW 銘板で確認 2017年当時は横山変電所健在

必然的に
三島変電所(6.6kV受電)は、6,500-4,500=2,000で2,000kWとなる。

 この中で横山変電所は、伊豆箱根鉄道の安全報告書によると設備老朽化と66kV受電解消による安全への取り組みで、原木に新しい変電所を設けて横山変電所は、廃止とされる。との記載がある。

伊豆箱根鉄道 2019年 安全報告書 削除されている。鉄道各社は安全報告書については過去分もUpしているのが通例であるが、伊豆箱根鉄道では、鉄道部分のものだけ過去分が参照できない。

伊豆箱根鉄道 安全報告書 2019で画像検索するとTiwitter記事に当該ページをみることができる。
以下引用
2.設備対策
(1)横山変電所の更新
電車を動かすために中略変電所の更新工事を実施中略老朽化した横山変電所(伊豆長岡駅-田京駅間)を廃止し、原木変電所(原木駅構内)を新設中略安定輸送が確保されるとともに高圧機器の露出がなくなる中略保守作業員の作業上の安全性が向上中略
引用終わり

 特別高圧受電(66kV)→高圧受電(6.6kV)にすることで、設備点検、定期検査が簡略化され、また特別高圧充電部が無くなることでの安全管理のレベルを下げることが可能となる。

2019年3月ごろからネット上で、東京→修善寺間を走行する修善寺号(185系)老朽化のため別の車両に変更される。そのため原木に回生車両対応の設備が設けられている。との情報が散見されるようになった。

当ブログでは、他者がUpして頂いた現場画像の内容を確認し、回生車両対応の設備ではなく、単なる変電所の移設であると判断して以下の記事を「異聞」としてUpした。この時、現調はしていない。2019/8

902. 伊豆箱根鉄道 原木変電所新設 異聞 ブログリンク

 今回E257が初めて駿豆線に入線したのをTriggerとして懸案だった原木変電所を含む駿豆線変電所の再訪を行い、回生失効についての考察を行った。
まず初めに、E257系 修禅寺駅留置状態。
E257系 入線

パンタがショボい(ボロボロ)

床下機器 VVVF 三菱製
床下機器 VVVF 三菱製

床下機器 SIV用断流器


SIV 東洋電機製

補助整流装置 トーヨーコーポレーシィン
ホームから見える部分で、塗装等が新しくなっていた部分は、VVVFとSIV廻り

長野電鉄においては、山岳路線部分に回生対応車を導入するに当たり、回生電力吸収装置を中野変電所に設備して山岳路線の下り対応(回生失効対策)を行っている。
15. 長野電鉄 中野変電所 Compleat ブログリンク

長野電鉄 2011鉄道安全報告書 pdf 注意 この文書中の回生吸収が出ている

 駿豆線において、線路の高度差を調べてみると約20m~40m(修善寺)の高低差であった。大仁から山の中に入るので、高低差があると勘違いしていた。狩野川流域なので大仁辺りまでは高低差がない。

 回生車が投入されている伊豆急の路線(伊東-川奈-伊豆高原-熱川)で調べてみると伊豆急の方が高度差がある。伊東8m 川奈140m 伊豆高原60m 熱川30mと駿豆線より高低差がある。しかしE257系も、E261系も問題なく走行している。また取り立てて回生対応の変電設備を導入した形跡もない。これから類推すると駿豆線では、高低差による回生失効は問題にならない程度と判断できる。

 もっとも大きな高低差がある会津鉄道、野岩鉄道に入線している500系リバティはバリバリのVVVF車であるが、変電所につては、回生失効の設備は無い。(今後Up予定)
最近のVVVF車については、回生失効に対して対策(回生発電ブレンディングブレーキ併用電気指令式空気ブレーキ)が取られているようだ。
(識者情報求む)

今回の現調の結果
三島変電所 過去に調査したままの設備構成 変化無し

原木変電所 新設 今回調査(見立て通り、ただの直流変電所) 

994. 伊豆箱根鉄道 原木変電所(直流) 駿豆線 ブログリンク

大仁変電所 過去に調査したままの設備構成 変化無し
は通常の直流き電用の変電所である。

また、横山変電所跡に回生対応設備が置けるので現調したが、ただの空き地になっていた。
横山変電所近影
横山変電所跡

横山変電所跡
横山変電所跡 き電線引き出し部 断路器で対応 き電線は510㎟×2条 約1,800A対応

右 次変電所 三島変電所 左 次変電所 大仁変電所 横山変電所を運用していた時のき電線引き出し部
真ん中 2本2条は、帰線
横山変電所跡 大仁方 き電線

大仁変電所方は、丘陵地帯にはいるのでき電線の条数を増やしている
横山変電所を運用していた時のき電線引き出し部 変化無し
横山変電所 原木方 き電線

横山変電所跡の変電所直下のセクション エアーセクションがあるが電車線区分標は無い

変電所手前のセクション 伊豆箱根鉄道唯一のエアーセクション 変電所区分
横山変電所を運用していた時のエアーセクション部

よって現時点で駿豆線には、回生対応の変電設備は存在しない。

では、今回の原木変電所はE257系 導入のために設備増強されてたのか?
答えは「否」である。安全報告書に書かれているように老朽対応と安全対策が主である。
たまたまタイミングがあったと思われる。以下に理由を述べる。

さて、前述で各変電所の変成用シリコン整流器の容量を確定したが、今回の横山変電所廃止、原木変電所新設でどのように容量が変化したかを調べてみた。

大仁変電所(6.6kV受電) 1,500kW 銘板で確認


原木変電所(6.6kV受電) 2,000kW 銘板で確認

三島変電所(6.6kV受電) 2,000kW 平成29年の統計から推定
合計5,500kWとなり1,000kWほど減少している。

横山変電所 廃止・3,000kW→原木変電所 新設・2,000kWと1,000kW分減少

 つまり、設備増強は、されていない。省電力型の車両が増えている中 設備を減縮して適切な容量に落としている。但し設備更新はされている。 回生した場合の電力を、き電線の断面積を増やして、遠くの変電所まで流す工夫は、為されているように思う。但し今回のE257系での回生対応の状況については、不明である。(回生を切るか、速度で規定するか)

 VVVF型車両の導入におけるネックは、通常運転時のインバーター・コンバータから発生する高調波による誘導障害、回生ブレーキ、発電ブレーキ動作時の高調波や駿豆線の変電所には直列リアクトル、電力濾波器がないのでに伴う変電所から発する高調波の誘導障害を含めた複合的内容が精査されるべき問題であると思う。

原木変電所には、高調波が抑制できるよう二重ブリッジ整流回路が取り入れられている

 山岳路線でもない限り、回生対応(失効)はVVVF側の駆動プログラムでの対応が、今後取られていくだろう。 つまり駿豆線 入線のE257系は、回生失効の夢を見ないのである。

駿豆線 変電所の位置


三島変電所への給電
未調査
原木変電所への給電 
TEPCO大仁線 受電 TEPCO韮山変電所(配電用)からの6.6kV専用配電線、一般需要家とは分離

旧横山変電所への給電
TEPCO大仁線分岐 TEPCO長岡変電所(配電用)への分岐(長岡線)から受電、66kV受電であった。

大仁変電所への給電
TEPCO大仁変電所からの6.6kV専用配電線、一般需要家とは分離

原木変電所の絶妙な位置
 大仁変電所⇔旧横山変電所⇔三島変電所間の、旧横山変電所位置は供給範囲が歪(大仁変電所寄り)だった。三島⇔大仁変電所間の大体の中間地点が原木駅に該当。またちょうど、この部分にTEPCO韮山変電所(配電用)がある。 韮山、伊豆長岡駅には、空地(市街地該当)がないが、原木駅構内に空地(側線撤去跡)があるので選択された模様。変電所新設の場合 電磁波公害、騒音等で中々場所の選択と住人説明が大変であるが変電所付近に人家はない。

おまけ
大仁駅 謎のプレハブ設備
電気区大仁詰所と読める
安全報告書内に電気区の記載があった

三島駅 東海道本線分岐駿豆線分岐 オイル塗布

三島駅 東海道本線分岐駿豆線分岐 オイル塗布

三島駅 東海道本線分岐駿豆線分岐 オイル塗布

三島駅 東海道本線分岐駿豆線分岐 オイル塗布

三島駅 東海道本線分岐駿豆線分岐 オイル塗布

参考文献
Wikipedia 回生ブレーキ、E257系

2020年8月21日

994. 伊豆箱根鉄道 原木変電所(直流) 駿豆線

原木変電所(直流)駿豆線

原木変電所については、過去にWeb情報から推察して記事をUpしている。
丁度 1年前、中々きっかけが無く放置していた。


今回 現調したので記事をUpする。中々新設の変電所を傍で見る機会は無い。
まだ、グーグルマップで設備が反映されていない。踏切 上の側線部分

アプローチ:原木駅 容易
受電:TEPCO韮山変電所(配電用変電所)からの専用線 6.6kV1回線
変成設備容量 
整流用変圧器(SRTr) 多分2170kVA/2✖1120KVA D種
シリコン整流器(SR) 2,000kW 1,500V 1,333A  D種 
二重三相ブリッジ(並列12パルス)
明電舎製

直列リアクトル(SL)無
電力濾波器(FL )無
インピーダンスボンド 無
横山変電所(66kV受電・廃止)老朽化のため新設された。
ちなみに横山変電所 シリコン整流器3,000kW廃止
原木変電所  シリコン整流器2000kW設備新設 1,000kWほど設備容量が縮小


606. 伊豆箱根鉄道 横山変電所 駿豆線 ブログリンク

回生電力の吸収等の設備は無い。単純な直流変電所

工事している画像を発見 株式会社タカデン 中段」鉄道変電所1~5 Web

この直流盤を工事している


TEPCO韮山変電所(配電用変電所)大仁線66kV受電
専用配電線 一般需要家とは分離
電柱 一番上の配電線

400A 開閉器(TEPCO側)耐塩、方向性
整流用変圧器 一次側190A 

奥に変電所

右より受電盤、所内変圧器盤、受電遮断器盤、進相用コンデンサ盤、信号高圧盤
盤面からみると普通の6.6kV受電盤

整流用変圧器 2170kVA/2✖1120KVA
右 一次側6.6kV 190A
左 二次側 1180V×2 548A✖2
二重三相ブリッジ整流器用変圧器
3相Y結線とΔ結線の巻線を組み合わせ

直流電鉄用ヒートパイプ自冷式シリコン整流器

シリコン整流器 二重三相ブリッジ 2,000kW クラスD 定格直流電流1333A

直流遮断器盤と負極盤

変電所 制御盤(連携盤)

89P?切り離すと延長き電(原木変電所through)

変電所全景 原木変電所と書かれた銘板は無い

き電線引き出し部


き電はTき電 1333A 出力 510㎟き電線×2条
左 三島変電所方 右 大仁変電所方
断路器でき電方を切替可能

帰線 インピーダンスボンドは無い

レール同士 クロスボンド
どこにも回生対応の設備は、無かった。

原木変電所の絶妙な位置
 大仁変電所⇔旧横山変電所⇔三島変電所間の、旧横山変電所位置は供給範囲が歪(大仁変電所寄り)だった。三島⇔大仁変電所間の大体の中間地点が原木駅に該当。また丁度、この部分にTEPCO韮山変電所(配電用)がある。 韮山、伊豆長岡駅には、空地(市街地該当)がないが、原木駅構内に空地(側線撤去跡)があるので選択された模様。変電所新設の場合 電磁波公害、騒音等で中々場所の選択と住人説明が大変であるが変電所付近に人家はない。


2020年8月10日

993. JR東日本 山形線・山形新幹線 大石田補助き電区分所 SVCが設備されている補助き電区分所 AT305

大石田補助き電区分所 SVC(Static Var Compensator )が設備されている補助き電区分所


アプローチ:大石田駅 容易
 過去に、デッドセクションがあったようだが確認のしようがない。山形新幹線開通時1999年にTSC方式のSVC(Static Var Compensator)が設けられた。この場所以外にTSC方式のSCVが設備されている場所は、羽前千歳変電所、大曲き電区分所があるが、どちらもデッドセクションを設備的に持っている。
 奥羽本線電化当時のき電系統図にデッドセクション記号があったので、現状は、どうなっているかGoogle Street Viewで見たところ、エアーセクションのようでもあり、またSVCが設備されているので、現調した。 SVCは設備されている機器の銘板を読むと1999年に設置されているので、山形新幹線新庄延伸時に設備された。

912. 東北巡検その七 JR東日本 院内変電所(ATき電)ブログリンク

以下 再掲
文献より引用 真室川SSP セクションの記号が新庄き電区分所(SP)と同じ三本線
同様に大石田も3本線 山形新幹線開通前の奥羽本線 電化時の構成

 電化当時のき電区分系統図 大石田、新庄、真室川にデッドセクション記号がある。
新庄はSP(き電区分所)なので羽前千歳変電所:院内変電所の突合せでデッドセクションがあるのは、当たり前。
では真室川SSPにデッドセクションがあるのは?
 
電化当時の新庄SPは、現在の新庄SPより山形方にあったため、院内SSが脱落すると、山形⇔新庄の行き来ができない。そのため真室川にデッドセクションを設けき電区分できるようにした。山形県内の経済活動範囲 米沢⇔新庄圏を生かすため(真室川⇔院内方向は山間部に入り経済活動が少ない)と思われる。
 では、最初から新庄SPを現在の新庄駅以北に設ければ、真室川SSPにデッドセクションを無くても対応できるのではと考えるが、ATき電区間100㎞の中間部にき電区分所(SP)を置くと言う不文律 羽前千歳SS⇔新庄SP間 54.5km 新庄SP⇔院内SS間 49.7km
羽前千歳SS⇔院内SS間 104.2km AT(単巻変圧器)は10㎞置きに設置。を律儀に守ると新庄駅手前に電化当時の新庄SPが設置されたものと思われる。

989. JR東日本 奥羽本線 真室川補助き電区分所(SSP) 補助き電区分所なのにデッドセクションがある補助き電区分所(SSP) ブログリンク

991. JR東日本 奥羽本線・山形新幹線 新庄き電区分所(SP) デッドセクションが無い き電区分所(SP) ブログリンク


では大石田SSPにデッドセクションがあったと思われる理由は?
大石田SSPは、大石田駅の新庄方にある。ここでき電区分すると新庄には行けない。 これまた山形県内の経済活動範囲 米沢⇔尾花沢・大石田圏を生かすためと思う


別の文献 やはり 豊里(真室川)SSPと大石田SSPはデッドセクション記号がある。 
CRはCR装置と思われる 湯沢は院内変電所を差す (山形新幹線開通前の状況)

当該部分拡大 〇部分がAT(単巻変圧器)
羽前千歳は、変電所から離れた場所にATがある。これは第一ATと呼ばれる方式で、他に秋田変電所、青森西変電所でも見られる形式である 豊里が現在の真室川。 釜淵、東根SSPは、斜線のエアーセクション 大石田、豊里(真室川)SSPはデッドセクション記号(山形新幹線開通前の状況) 新庄SPの位置は、現在と違い新庄駅手前にある。
CRはCR装置(HMCR)


国土地理院 空中写真 整理番号CTO7615-C28ー17 
1976年 400dpi画像から加工
電化当時の大石田き電区分所付近
1976年 奥羽本線電化時はSVCは設備されていない
山形新幹線 新庄延伸時の羽前千歳変電所、真室川補助き電区分所の運用形態
 山形線・山形新幹線のき電系統は、もともと東北電力側の短絡容量が小さく電源電圧変動が懸念される変電所ばかりであったため、、
1.赤岩き電区分所を設けて峠変電所を救済、さらにTCT方式のSVCを設ける。
2.米沢変電所は近傍の変電所直結の給電、
3.中川変電所これまた短絡容量が小さいのでTCT方式のSVCを設置、
同様に
4.羽前千歳変電所にはTSC型のSVCを設置(ATき電側に設備)
5.仙山線の作並SPにはACVRを設置(AVCRには極性があり、東仙台SS、羽前千歳SSどちらかのトロリ線電圧を上昇する動作を行う)
6.大石田SSPにもTSC方式のSVCを設置
等 電源の強化を図った経緯があるため、変電所脱落時の対応として特殊な運用を図っているものと思われる。ただし現状E3系統は力率1 回生ブレーキ利用等で変動要因は小さくなっているが、東北電力のバックボーンが強化されない限りはSVCの運用を避けることはできない。
運用の形態(多分このような形態で運用されていると思われる)


現状の大石田SSP
デッドセクションは無い、SVC(TSC型)が設けられている。理由は前述。




踏切側から俯瞰

SVC設備 手前 サイリスタスイッチ盤、コンデンサバンクと続く
全体の構成

羽前千歳SS方 TF,AFき電線引き入れ

院内SS方 TF,AFき電線引き入れ

AT(単巻変圧器)AT305

踏切方よりAT(単巻変圧器) AT305(羽前千歳ATから数えて5基目)


単巻変圧器 銘板 線間容量 4000kVA

大石田SSP エアーセクション部 通常のSSPのエアーセクション 踏切より俯瞰
奥 新庄方(院内SS方) 手前 羽前千歳SS方



エアーセクション間のAF,TFき電線から分岐するケーブルヘッド SVC装置へ
右にAT、左にCT

左 TFの電流測定用CT 中心 ケーブルヘッドを挟んで AF,TFの線間電圧測定用VT

SVC CT(電流測定)
先に分岐したケーブルヘッドが立ち上がるSVC装置部分 断路器を経由

左端 ケーブルヘッド立ち上がり 断路器の後はVCBへ 右 変圧器

SVC用変圧器 42000V? 降圧2700V 右端にVCBが位置する 左 コンデンサバンク

別角度 SVC用変圧器 二次側 2700V

左端にVCBが覗く

コンデンサバンク

コンデンサ銘板
コンデンサバンク 左にサイリスタスイッチ

サイリスタスイッチ盤

SCVは運転しているかどうか不明 Thy=Thyristor

表示灯が点灯していない

SVC制御用VT(トロリ線電圧測定) 電圧でバンクの入り切りをサイリスタで行う


判りやすい回路図があったので記載 T(TF)(トロリ線)とR(レール)間の電圧を測定
バンク切替を実施

大石田SSPに設置された無効電力補償装置の方式 サイリスタ方式

 大曲SPにあるSVC(TSC方式)
911. 東北巡検その六 JR東日本 大曲き電区分所(ATき電)ブログリンク
大石田SSPの約2倍の二次側電圧で作動させている。5400V
静止型無効電力補償装置(SVC,TSC方式・Thyristor Switched Capacitor) 
左 変圧器 中心 コンデンサ 右 サイリスタ 一番右 油冷冷却装置
 大曲SPのSVC作動原理
大曲SPの静止型無効電力補償装置(SVC,TSC方式・Thyristor Switched Capacitor) 回路構成
DSは断路器 GCBはガス遮断器
定格容量10MVA(5MVA×2) サイリスタの開閉によりコンデンサを投入する。制御は架線電圧値監視-V制御による段階的制御、投入制御は架線電圧18,200V以下で1バンク コンデンサ投入1バンク投入状態で再度架線電圧18,200V以下となった場合2バンク目投入。開放制御は架線電圧20,600V以上で段階的にバンク開放

但し、2016年再度検討したところ、上記の運用で臨時列車の運行時 秋田変電所脱落時に秋田泉き電区分所の最低電圧が16,000Vと電圧変動範囲下限値を割り込んでいることが判明、現行の大曲き電区分所のSVC投入整定値18,200Vでは、大曲き電区分所以遠に負荷が集中場合の電圧降下が大きいことが課題として明らかになり、SVC投入電圧を19,000V開放電圧を21,000Vとすることが提言されている。

羽前千歳SSにあるSVC
671. JR東日本 羽前千歳変電所 BT・ATき電 奥羽本線(山形線)仙山線 ブログリンク
 羽前千歳SSのTSC方式 左 高インピーダンス変圧器 隣 コンデンサ 右サイリスタスイッチ群 SVC装置 全景
大曲より規模が小さいが同じ構成

交流電化区間のき電区分所、補助き電区分所について整理
BT電化区間(在来線)
き電区分所:
 変電所間の異相突合せ部分、概ね両端の変電所の中間地点に設備される。工事、事故時の 限定き電区分も担う。デッドセクション必須、上下タイき電も行うことがある。片方の変電所が落ちた場合延長き電を行う設備がある。
 変電所から重ね15~25㎞毎(変電所間隔30~50㎞)に置かれる。ACVRが置かれる場合もある。特殊な例として新幹線のき電区分所で採用されているSNセクション(中セクション)を挟んだき電区分所がある(赤岩)

補助き電区分所:
 変電所からき電区分所までの距離が長い場合、途中に補助き電区分所を設備する。上下タイき電を行うこともある。工事、事故時の限定き電区分を担う。
 ほとんどの補助き電区分所は、エアーセクションで構成されている。ACVR設置の場合は、電位差が大きいのでデッドセクション化される。

AT電化区間(在来線・新幹線)
き電区分所:
変電所間の異相突合せ部分、概ね両端の変電所の中間地点に設備される。工事、事故時の限定き電区分も担う。デッドセクション必須、上下タイき電も行うことがある。片方の変電所が落ちた場合 延長き電を行う設備がある。
 変電所から重ね在来線45~55㎞毎、新幹線25~35㎞毎(変電所間隔:在来線90~110㎞、新幹線50~70㎞)に置かれる。AT(単巻き変圧器)が必須で置かれる。(通常時 き電末端となるため)SVC(TSC型)やACVRが置かれる場合がある。新幹線の場合は、SN(中セクション)を挟んだき電区分所となる。

補助き電区分所:
ATき電の場合 新幹線は8~10㎞置き、在来線は10~12㎞置きにATを置き誘導障害対応、き電電圧担保が必須となっている。そのため、ATのみを置いている場所もある。ATP=(AT Post)ATが置かれている場所は、補助き電区分所として設備され、工事、事故時の限定き電区分を担ため、エアーセクションが構成される場合もある。上下タイき電も行うことがある。通常時エアーセクション両端の電位差は無いので、エアーセクションでの融通が可能であるが、ACVR設置の場合は、電位差が大きいのでデッドセクション化される場合がある。SVC(TSC型)が置かれる場合がある。






参考文献
石塚紘彰ら;奥羽本線・羽前千歳--秋田間の電化:鉄道ジャーナル,Vol.9,No.12.pp42-45.1975
石塚紘彰;奥羽本線・羽前千歳--秋田間電化開業:鉄道ピクトリアル,Vol.26,No.1.pp40-43.1976
松本 将卓ら;峠変電所の静止型無効電力補償装置についての考察:電気学会研究会資料,2013,LD-13-54,TER-13-15
渡辺信行;静止型無効電力補償装置(SVC)の有効性について:電気学会研究会資料,2016(38-57):2016.7.7pp.73-78

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