拝島変電所
拝島変電所については初期に記事にしているが、簡単な説明だけなので、中央線12両化の状況確認のため再訪した。考えていたより複雑な構内き電線配置であった。
87. JR東日本 拝島変電所(直流) ブログリンク
アプローチ:拝島駅
受電:TEPCO 拝島線66㎸ 2回線
変成設備 6,000kW×2
電力貯蔵装置:リチウムイオン電池・IGBTチョッパ 2,000kW
き電:五日市線、青梅線上下、八高線、電留線、構内は本線と別回線き電(八高線を除く)
八高線 高麗川変電所まで18㎞ある。都市近郊では一番長い き電距離。八高線の八王子方は八王子変電所が繋がる
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踏切手前までJR用地なので近づけない |
受電・変成設備
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JR拝島線 66㎸ 2回線 |
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終端鉄塔から直でC-GIS設備に繋がる JR拝島線66kV2回線 |
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C-GIS受電設備 2つのC-GIS間はGISで繋がっている |
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左奥 高配用変圧器(防音壁で囲まれている) その次 整流用変圧器とシリコン整流器6,000kW(防音壁で囲まれている) |
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もう一つの古くからあるシリコン整流器 整流用変圧器は防音壁で囲まれている |
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6,000㎾ シリコン整流器 1,500V 4,000A |
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各シリコン整流器N極側(帰線側)が直列リアクトルに向かう P極側は、変電所建屋内の直流母線へ |
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帰線はここでトラフ収容となる |
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き電線引き出し部 昔と変わらず5回線分 |
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左から五日市線「五」13H その次4回線 青梅線「青」 古里SS方「青」14H上り、「青」13H下り、 立川SS方「青」11H下り、「青」12H上り どれも325㎟×2の硬銅撚線を使用(最大約1,800A流せる) 但し、駅構内は、これら き電線から分岐した構内専用線を使用している。 |
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八高線の電化が後なので別の場所から引き出し 八高13H 高麗川SS方 18㎞あるので き電線(ケーブル)が4条 八高11H 八王子方 八王子変電所方 距離が短いので2条 325㎟×2硬銅撚線=ケーブル4条=(最大約1,800A流せる)対応 325㎟×1硬銅撚線=ケーブル2条=(最大約900A流せる)対応 |
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直列リアクトル 線路側 1回線ケーブル8条=硬銅撚線325㎟×4=約3,600A×2回線分 |
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変電所側から見た直列リアクトル 2変成設備対応 負極母線断路器2組 |
電力貯蔵装置(発生回生電力を貯蔵)
立川側
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電力貯蔵装置の配置図 変電所内母線に直流高速度遮断器で繋がる |
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アルミ建屋 IGBT等制御部 2,000㎾ 定格電圧1,650V 定格電流1,200A 手前キュービクル 1台中 1セル3.6V、1モジュール(48セル直列)173V 4直列10並列 充電開始電圧1,650V/可変 放電開始電圧1,500V/可変 |
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左54CPが電力貯蔵装置からの回線 ケーブル2条=硬銅撚り線325㎟×1=約900A流せる |
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電力貯蔵装置用 正極母線断路器54CP、負極母線断路器89CN |
折角
回生電力有効利用を考え設置された電力貯蔵装置だが充放電の制御技術が確立されていないので有効利用はまだ先の話となる。特に拝島駅の構内専用線は325㎟のき電線1条(改修前)なので電車が速度を落とす部分での電力回収が325㎟1条(約900A)に頼っている。
せめて2条化にして回収効果を高めるべきである。回生電力は急な立ち上がりなので回収には抵抗値の低い回線を使用すべき。変電所に繋がるケーブルも4条にすべき(若干無駄が発生するが)
五日市線 き電線13Hと構内き電線のエアーセクション部
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構内き電線1条(900A)とき電線13H2条(1,800A)とのエアーセクション部 駅は奥 |
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ここから右方はき電線13H2条が担当 |
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五日市線構内き電線 325㎟×1 |
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拝島変電所は、青梅線沿いにあるため駅手前でき電線13H2条は反転 |
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五日市線沿いのき電線13Hは2条一括だがここでは1条づつ引き止められまた2条に纏められて青梅線沿いの拝島変電所方に向かう 反転部 |
八高線 駅構内は専用のき電線はない
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八高線 中心 き電線11H 八王子駅まで片送り ケーブル2条 900A 左 ケーブル4条 き電線13H 高麗川SS方 18㎞あるためき電線の条数を増やしている 右 ケーブル4条 八高線帰線 |
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左 き電線13H 1,800A 右 帰線 1,800A |
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八高線 拝島変電所よりき電線13H4条ケーブルが立ち上がる 拝島変電所は右方500m |
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八高線 き電線13Hが き電吊架線325㎟×2に繋がる 高麗川方 |
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エアーセクション部 き電線13Hと11Hのエアーセクション 高麗川方はき電吊架線が2条、八王子方は1条 |
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拝島変電所からのき電線13Hがき電吊架線2条に繋がる 手前碍子で絶縁してあるき電吊架線は、き電線11H八王子方 |
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八高線 高麗川変電所まで2条のき電吊架線が続く |
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八高線 拝島駅 高麗川方 左 電留線分岐 電車線区分標がみえる。そのわき右にセクションインシュレーター |
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高麗川方 拝島駅分岐 左に電留線分岐 |
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拝島駅 八高線ホーム脇 電留線のき電区分断路器(接地回路付き) き電吊架線から分岐 |
青梅線 き電線11,12,13,14Hと構内き電き電線のエアーセクション部
福生方
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下り線側エアーセクション |
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エアーセクション部 手前 福生駅方 奥拝島駅 |
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先に下り線側が構内線に切り替わる 325㎟×1条 |
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次に上り線側が構内線325㎟×1(改修前)に切り替わる。変電所直下がエアーセクション |
立川側
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下り線側 構内き電線1条 最終き電区分装置部 手前側拝島駅 奥側にエアーセクション 左架線柱には上り方構内き電線1条がまだ伸びている 右架線柱 き電線立川方11H,12H各2条 |
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上画像拡大 |
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左 構内き電線上り方 最終接続点 右 青梅線立川SS方 下り線方 き電線接続点 |
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青梅線上り線エアーセクション開始点 構内き電線上り方とのき電区分 |
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下り線側エアーセクション 立川方 構内き電線下り線と青梅線下りのき電区分点 |
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奥側にエアーセクション 手前 下り線から上り線への渡り線開始点 |
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左 下り線側構内き電線とのエアーセクション 上画像の反対側から俯瞰 |
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青梅線 青梅線立SS方き電線上下より各上下線へき電点 最終 これより拝島方はエアーセクションを挟んで構内き電区分となる |
拝島駅構内のき電系統図(2022/02時点)
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拝島駅の構内線のき電は、変電所とは別の場所に置かれている構内き電切替断路器で対応
拝島変電所が落ちた場合でも、構内を立川変電所及びまたは小作変電所側に切替 入線可能な構造となっている。
拝島変電所からのき電線系統(12両化前電留線6番線までの状態)
本線き電線は325㎟×2条、待避線・構内線は電留線5~6番線を除きき電線325㎟×1条対応
構内線の電源は、立川変電所方き電 下図42,41断路器投入
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以前の状態 待避線・構内線は上下線とも325㎟×1条(約900A) 一部旧電留線の場所は325㎟×2条化(5,6番線) 立川、小作変電所に繋がる き電線は325㎟×2条(約1,800A) 構内線下りは、折り返して五日市線エアーセクションまで |
拝島変電所からのき電線系統(12両化前電留線を含んだ1~12番線までの状態)
電留線増線のため構内線、本線き電線を整理、電留線側上り方のき電線を325㎟×2条化
下図42,41断路器投入は以前と変わらず
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以前の状態 構内線は上り線が一部325㎟×2条化(約1,800A)変更 待避線・構内線下り線は、変更なし325㎟×1条(約900A)のまま 立川、小作変電所に繋がるき電線は325㎟×2条(約1,800A)のまま |
中央線12両化に伴い電留線を12番線まで増やしたため従来のき電線1条では必要な電流が流せないため2条化して対応している。旧電留線1~4もき電線2条化すればよいのだが、現状では5~6番線が2条化の恩恵に与っている。
この拝島駅構内の構内き電線太線化のほかに中神に中神タイポストを設け上下線のき電電圧均圧化を行っている。タイポストは通常変電所間隔が長い場所の中間点に設けられるが、この中神タイポスト変電所間10㎞(拝島ー立川SS)の短い区間の丁度中間に設けられている。最初は俄かに、この箇所にタイポストが設けれれるとは常識から考えられなかった。(他の中央線タイポストの位置から考えても)
構内線き電線の変化
2021/06/30時点
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拝島変電所 き電線引き出し口 変化無し |
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別角度 変化無し き電保護パックが設備されている 架線柱 |
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駅方 一番奥 構内線上り方1条、青梅線本線上下各2条、構内線下り1条 |
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右から 構内線上り方1条、青梅線本線上下各2条、構内線下り1条 |
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青梅線本線上下各2条の上を構内線上下がクロスする 鋼管柱建植 |
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上記画像 全体視野 |
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待避線専用き電線から待避線へ き電 |
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駅を通過 左2本 構内線上下 右2本 青梅線本線上下各2条 |
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右 架線柱上部 き電線各1条 左構内線下りき電分岐(青梅線下り、五日市線) 右構内線上りき電分岐(青梅線上り) |
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廃止された踏切付近 中央トラス部 左構内線下り 青梅線下り、右構内線上り 青梅線上り、電留線1から6分岐 鋼管柱に切替の最中 鋼管柱上のき電線は、構内線上下に未接続 切替の準備は出来ている |
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上記画像拡大 鋼管柱上の き電線がループを描いて引き止められている |
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奥の電留線7~12番線はまだ き電線、架線が敷設されていない |
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中心架線柱 左 構内線上り 右 構内線下り 両方のき電線から分岐して 青梅線上下のき電 左 構内線上りはさらに電留線1~6番線へき電 構内線下りから青梅線上りにき電して見えるかもしれないが拡大すると違うことが判る |
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手前 構内線上りから電留線1番線への接地回路付き断路器 奥 構内線上りから電留線2~3番線への接地回路付き断路器 |
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拡大 |
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左 構内線上りから電留線4番線への接地回路付き断路器 中心 構内線上りから電留線5~6番線への接地回路付き断路器 この部分だけ き電線2条化 |
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拡大 |
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左 断路器 構内線上りから待避線き電線への供給用 画面中央のWクロス待避線へ供給と同時に 待避線 福生方へ き電線が延びている |
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左 上記画像 断路器部 トラス部 き電線 左構内線上り ここでT分岐して断路器に繋がるとともに青梅線上りに き電 右構内線下り 青梅線下り、五日市線に き電 |
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上記画像反対側 |
2021/07/20時点
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青梅線 小作SS方き電線下り方13Hから引き出されたき電線が駅に向かう |
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変電所引き出し部 青梅線上下 小作方、立川方き電線各2条引き出し 青梅線 小作方上り14Hから1条のき電線が駅方面へ引き出されている 画面下ここがキーポイント |
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構内線上下を立川方もしくは小作方に切り替える断路器 42,44が上り切替 42立川SS方 44小作SS方 定位は立川SS方 41,43が下り切替 41立川SS方 42小作SS方 定位は立川SS方 42,44はき電線が1条 同じく41,43はき電線が1条 |
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構内線上下を立川方もしくは小作方に切り替える断路器 42,44が上り切替 42立川SS方 44小作SS方 定位は立川SS方 41,43が下り切替 41立川SS方 42小作SS方 定位は立川SS方 42,44はき電線が1条 同じく41,43はき電線が1条 |
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同上 |
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右から 構内線上り方1条、青梅線本線上下各2条、構内線下り1条 鋼管トラス上に き電線保持架台が付く |
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右から 構内線上り方1条、青梅線本線上下各2条、構内線下り1条 トラス上に 仮設き電線保持架台が付く |
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6/30時点の画像と見比べ 青梅線上下き電線が方向を変えている 福生方から見て左に移転準備中 |
2021/12/16時点
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青梅線上下き電線が移動した後に構内き電線が移動 上り方構内 き電線新品に交換済 そして新しき電線の誘導準備(仮設) |
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新しい き電線の誘導準備(仮設・赤ロープ) 上り方構内 き電線新品に交換済 |
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構内き電線上下と新しい き電線の誘導準備(仮設・赤ロープ) 上り方構内 き電線新品に交換済 |
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構内き電線上りPGクランプで仮設配線 新しい き電線の誘導準備(赤ロープ) 上り方構内 き電線新品に交換済 |
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新しい き電線の誘導準備(赤ロープ) 上り方構内 き電線新品に交換済 下り方構内き電線は、古いまま |
2022/02/05時点
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変電所引き出し口 奥 八高線以外 左青梅線、武蔵五日市線の間に2本のき電線が出ている。1本は、電力貯蔵装置からの き電線54CP もう1本は64P(蓄電装置)関係かもしれない |
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変電所き電線引き出し口の変化 青梅線小作SS方14Hき電線が2条化されている。 新しく電柱が建植 1条はこの電柱に引き止められて14Hに繋がる |
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この中心部分 14Hから旧来のき電線引出し方で1条 そこからもう1条分岐 圧接クランプでの接続なので恒久的 この後各1条が2条にまとまる |
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更に拡大 新しく建植された電柱に引き止められたき電線が青梅線小作SS 方14Hに繋がる |
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手前 新しく建植された電柱 き電線が引き止められている |
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そのほかの部分は変化無し |
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変電所からのき電線引出し口 左側に新しい電柱が建植 |
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構内き電線上下部分 構内き電線上り方がき電線2条化 |
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構内き電線上下部分 構内き電線上り方がき電線2条化 上部のき電線も構内き電線上り方は2条化 |
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右 構内き電線上り方 2条化 その隣 青梅線上下き電線元から2条 一番 左 構内き電線下り方 1条 |
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青梅線上下き電線2条は、右に移動 |
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青梅線上下き電線2条は、右に移動 延長した形跡がないので元のき電線を平行移動させたようだ |
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一番右 2条化された構内き電線上り方 分岐して構内上り線に接続 左 構内き電線下り方 1条 中央架線柱にき電線保持用のポリマー碍子が見える |
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左 構内き電線上り方2条 右 待避線用き電線1条 |
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構内き電線上り方2条から分岐する待避線き電線1条 この部分は2条化以外変化はない |
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かつての構内き電線上下 青梅線本線き電線上下が固定されていた架台 今は構内き電線下りだけが固定 そのうち手前の鋼管トラスに置き換わる |
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新しい電留線7~12番専用接地回路付き断路器 き電線は2条 電車線側は1条対応 |
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新しい電留線7~12番専用接地回路付き断路器 き電線は2条 電車線側は1条対応 |
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新しい電留線7~12番は、「入」表示だが実は加圧されていない 接地回路付き断路器の状態で「入」の表示が出ている 電圧を感知して「入」の表示ではない |
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新しい電留線7~12番用き電線は2条は、構内き電線上り方2条に接続されていない |
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新しい電留線7~12番用き電線は2条は、まとめられて未接続の状態 |
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電留線への線路は、まだ未完成 |
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左 2本のき電線各2条は青梅線立川SS方き電線 右 赤銅色のき電線は構内線上り2条き電線 その隣は 構内線下り1条き電線 |