秋田変電所
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アプローチ:秋田駅 容易 歩く
154kV 1回線受電 御所野変電所からの専用送電線0554
き電:奥羽本線、羽後本線、秋田新幹線、秋田車両センター内在来線・新幹線
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変電所入口に銘板が無い |
国鉄初の154kV受電き電変電所(同時期の大館変電所も154kV受電)
奥羽本線・秋田新幹線のデッドセクションは、秋田車両センター脇にある。もう一つ羽後本線のデッドセクションは、羽後本線が秋田駅に入る直前の離れた場所にある。
スコット結線変圧器 三次巻き線付き同一タンク(6.6kV降圧は単なる三相変圧器)
通常 特別高圧変圧器1次側の中性点は、接地が求められるがスコット結線変圧器の場合 中性点がないので1次側から便宜的に引き出してアレスタを噛まして異常電圧に備えている。そのため中性点の名称でアレスタ接続用のブッシングが出ている。明電舎ではこのアレスタを付けない形の絶縁を強化したスコット結線変圧器を開発している。
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3次巻き線スコット結線変圧器 1次側にアレスタ(Ar)直結 154kV降圧40kV、154kV降圧6.6kV各2基
6.6kV降圧は、単なる三相変圧器 同一タンク内
秋田変電所例 |
AT き電変電所に付き物のAT(単巻き変圧器)は、変電所外の離れた場所にある。
車両センター脇デッドセクション大曲方に秋田新幹線・奥羽本線用として各1台、秋田方は、変電所から離れること1.4kmの羽後本線脇に、羽後本線用1台と奥羽本線・秋田新幹線用1台がある変則的な配置である。
さらにこの奥羽本線・秋田新幹線用1台のATからのTFが秋田駅構内に伸びて負荷断路器で4分割されて秋田駅構内のき電区分を担っている。この部分が、秋田変電所脱落時の秋田駅構内き電の肝となる。この4分割の内容は1.羽越本線、2.奥羽本線、3.秋田新幹線、4.秋田駅構内電留線もしくは、秋田駅以北の奥羽本線用と考えられる。
秋田変電所からのき電は、合計6(大曲方2、大館1、酒田1、基地(新幹線・在来線2)回路あるが秋田SS脱落時に田沢湖SSからのき電を振り分けるため複雑な回路を構成している。
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グーグルの画像では、分解されたスコット結線変圧器(ブッシング、本体、放熱器)が右上に見える。2019年9月現在 撤去されて無い |
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秋田変電所 き電系統 S,N 運転所は、S=標準軌、N=狭軌の略 羽越本線のき電系統が抜けている。秋田SS設備を経ないで大曲方を大館方に延長する回路がある |
では実際は
秋田駅構内から
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秋田SSからのき電線 TF、AF |
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構内はA~Dにき電区分
A=羽越本線
B=奥羽本線
C=新幹線
D=奥羽本線(電留線) |
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電留線(NG)が新幹線(SG)を横切る部分に、交流同相A型セクション(交流用 FRP同相用) |
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交流同相A型セクション(交流用 FRP同相用) |
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秋田SSからのAF(ATき電線)左は負荷断路器を経て、秋田泉SPへ向かう
TF(トロリき電線)右は、そのまま通過 奥の負荷断路器に向かう
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秋田SSからのAF(ATき電線)は負荷断路器を経て、秋田泉SPへ向かう
秋田泉SP事故あるときは、ここでAFを切り離す
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秋田SSからのTFは、この部分で4回路に分岐する(負荷断路器) |
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別角度 |
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秋田SSからのTFは4回路分岐
A=羽越本線
B=奥羽本線
C=新幹線
D=奥羽本線(電留線)
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分岐されたTFは、それぞれのトロリ線に繋がる |
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秋田駅構内は、AFとTFが混在するのでAFは強調されている |
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新幹線開通前のき電系を断路していた断路器操作架台 |
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秋田SS設備故障の際は、田沢湖SSからの延長き電
秋田SSは、海に近いため設備故障が起きやすい?? |
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秋田SSの系統図 |
秋田SSに入る前に秋田車両センターへの入出庫回送線を紹介
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秋田車両センター 秋田新幹線と701系5000番台 |
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真ん中 秋田車両センター行き 新幹線
右 在来線を異軌間可動平面交差で越える 一番右 新幹線 一番左 在来線 秋田車両センター行き |
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交流同相セクション 秋田新幹線-在来線のトロリ線を通過する部分 |
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クロス部分の異軌間可動平面交差 |
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拡大 異軌間可動平面交差 |
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秋田車両センターからの新幹線は在来線を通過する為 2回の交流同相セクションを通過する |
さて本題 秋田変電所
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154kV 1回線受電 御所野変電所からの専用送電線0554 |
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154kV 受電部分 |
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左から 断路器、遮断器、VT、CT(この部分がMOF)、避雷器、154kV降圧44kVスコット結線変圧器と同一タンク154kV降圧6.6kV三相変圧器(三次巻き線) |
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別角度 変圧器一次側 左端に4本目のブッシング アレスタ接続 同一タンク三相変圧器が同居 |
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44kV側一次巻き線アレスタ |
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右に出力 44kV 6.6kVはケーブル接続 右端 6.6kV側アレスタ |
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下から立ち上がるダクトは6.6kV降圧部 右上にアレスタ
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44kV側は、アレスタを経て直列コンデンサへ 一部機器は絶縁架台上に設置 |
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き電母線 M、T側 AFとTF 断路器、遮断器を経てき電回路へ
断路器(TF,AF)×4
手前から院内方2回路、酒田1回路は同一の座、秋田方1回路は別の座
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き電母線は、力率改善用コンデンサ、リアクトル、放電コイルに繋がる |
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き電回路 秋田車両センター(新幹線・在来線)が割り込むので6回路分
回路の定義(ATき電は、AFとTFが組み1回路、基地き電は単独TFで1回路)
左から院内2回路(AF,TF)上下
酒田1回路(AF,TF) 単線は同一の座
秋田車両センター 向け新幹線、在来線 2回路(TFのみ)
大館方 最後1回路(AF、TF)新幹線・在来線は、同一の座 区分は秋田駅構内で分離される
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左から 院内系(大曲方)2回路 AF,TF |
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その次 酒田方 1回路 AF,TF |
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次 新幹線、在来線 TFのみ2回路 |
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最後 大館方 1回路(TF、AF) |
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振り分け 左2回路 院内系(大曲) 左へ
真ん中 2回路 秋田車両センター 新幹線・在来線
右2回路 羽越本線(酒田方)、奥羽本線・新幹線(大館方) |
秋田変電所の肝 田沢湖系の大館方延長き電の設備
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大曲SPから羽後境SSPを経て秋田SSまでのき電系統図(田沢湖SSからの延長き電時)
秋田SS脱落で406ZBを介して400Zを経由秋田泉SPまでき電
T はタイき電用遮断器を表す Bは断路器を表す
451は院内系、459は田沢湖系、
453,415は、在来線秋田系 454,416系は、新幹線秋田系 |
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院内系上下(大曲)の下には、大館方(秋田泉SP)延長き電用の断路器(405ZB,406ZB)と
タイき電用遮断器(400T)中央下が変電所構内外に設備されている |
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院内系下上り2分割され断路器(405ZB,406ZB)を通り 片方は右遮タイき電遮断器(400T)を経る
左の遮断器は400Z |
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院内系上下は2分割され断路器(405ZB,406ZB)を通り 片方は正面タイき電用遮断器(400T)を経る。
この部分が、院内系上下をどちらを大館系に繋げるかの部分Z母線 |
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院内系(大曲)下からの延長き電用(AT,FT)は右遮断器(400Z)を経てラインポスト碍子で延長され、酒田方(羽越本線)の下を潜り大館方(AT,FT)に断路器を経て繋がる |
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院内系(大曲)下からの延長き電用(AT,FT)はラインポスト碍子で延長され、酒田方(羽越本線)の下を潜り
大館方(AT,FT)に断路器を経て繋がる 右にかすかに見えるのは遮断器(400Z)Z母線
この部分が、田沢湖SSの秋田SS脱落時の延長き電用回路 |
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秋田車両センター(旧南秋田運転所)新幹線、在来線はTFのみ |
院内系(大曲)き電
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院内系2回路は、デッドセクションまで伸びる 緑、青で色分け |
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院内方(大曲)上下線のデッドセクション 手前 新幹線 奥 在来線 |
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デッドセクション部
左架線柱に手前 新幹線側 秋田SSからのAFが引き止められ トロリ線に繋がる
在来線側はT分岐でトロリ線に繋がるが左方は、引き止められており、やはりこの部分でトロリ線に繋がる |
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拡大 |
大曲方 単巻変圧器 設備部分
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デッドセクションを通り過ぎ、院内系2回路のAFは、ATのAF側に繋がる
ATのTF側は、デッドセクション 大曲方に繋がる
左 引き下げの下にAT単巻変圧器 2台が設備されている
在来線 新幹線とも 左 ATのAF側は、一端手前 右で変電所側からきた
AFがトロリ線に落ち、この部分でまた引き出される。ATポスト(ATP)の様なつなぎ方
文献では、ATPとなっていた。 |
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大曲方 デッドセクション タイプが違う 奥 在来線 手前 新幹線
き電線は、5本 一番奥 新幹線基地き電用、手前4本は、院内系(AF,TF 2回路) |
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新幹線側 デッドセクション 変電所からのTFがトロリ線 大館方に繋がる |
秋田車両センター系 き電
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秋田車両センター 在来線・新幹線 TFの引き出し 上段 在来線 下段 新幹線 |
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秋田車両センター 在来線・新幹線 TFの引き出し 上段 在来線 下段 新幹線 |
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秋田車両センター 新幹線車庫へのき電 断路器は閉路 表示「入」 |
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右 秋田SSから来た秋田車両センター新幹線 き電線は、ここでさらに電留線へと分岐する
右にあるのはATへの引き下し線 |
奥羽本線・秋田新幹線、羽越本線系き電
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奥羽本線、羽越本線用のAF,TFが秋田方に延びる 藍色、黄色で色分け |
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秋田SSからの奥羽本線・新幹線用のAF、TF 秋田駅方に延びる |
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秋田SSからの羽越本線用のAF、TF 秋田駅方に延びる |
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秋田駅構内 き電線が2回路 但しこの2回路は、奥羽本線・新幹線用であって、片方は羽越本線用でない |
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奥羽本線・秋田新幹線用の1回路(AF,TF)はここで2分岐する
片方は、秋田駅構内方へ
もう片方は、羽越本線方に方向転換する |
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奥羽本線・秋田新幹線用の1回路(AF,TF)はここで2分岐する
片方は、秋田駅構内方へ
もう片方は、羽越本線方に方向転換する 秋田新幹線側から見た位置関係 |
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奥羽本線・秋田新幹線用の1回路(AF,TF)はここで2分岐する
片方は、秋田駅構内方へ
もう片方は、羽越本線方に方向転換する 羽越本線側から見た位置関係
き電線がT分岐している |
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奥 秋田駅方 羽越本線のき電線1回路が方向転換する
左は、先に方向転換した奥羽本線・秋田新幹線のき電線1回路 |
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奥羽本線・秋田新幹線 き電線1回路と
羽越本線 き電線1回路は共架となる
左 秋田SS方 右 羽越本線方 |
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共架された奥羽本線・秋田新幹線 き電線と羽越本線き電線 |
羽越本線、奥羽本線・秋田新幹線 AT位置
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共架された奥羽本線・秋田新幹線 き電線と羽越本線き電線はATに繋がる
羽越本線用のTFはデッドセクション 酒田方に繋がる
奥羽本線・秋田新幹線は、ATに繋がるだけ 奥羽本線・秋田新幹線用のATが離れた場所に設備されている
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左 羽越本線用 右 奥羽本線・秋田新幹線用の単巻変圧器AT |
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羽越本線用のTFは、さらにデッドセクションの酒田方に繋がる |
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羽越本線 デッドセクション 踏切から俯瞰
左架線柱に羽越本線用き電線1回路(AF,TF) |
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羽越本線 デッドセクション |
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右 トロリ線に繋がるTF |
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701系通過 |
参考文献(順不同)
戸石泰司;奥羽本線(秋田・青森間)電気運転設備の概要〔Ⅰ〕電気設備について:電気鉄道,Vol.25,No.10,pp10-20,1971
二階堂彰一ら;秋田新幹線の電気設備工事:電気と工事,Vol.37,No.12,pp.57-65,1996
清水俊孝;ATき電方式における延長き電時の電圧降下及び無効電力補償装置に関する研究
:電気学会研究会資料:LD-16-15,TER-16-49,pp.63-66,2016
井上一ら;秋田新幹線のき電システム:電気学会産業応用部門大会講演論文集,pp.57-60,1996