2021年10月14日

1142. JR九州 鹿児島本線 西鹿児島変電所(BTき電)⇔鹿児島中央駅⇔鹿児島駅⇔鹿児島補助き電区分所⇔鹿児島ATP(ATき電) デッドセクションがないBT-AT接続部

  九州地方の変電設備をGoogle my mapにプロットして調査していたら、面白い箇所が見つかったので記す。

 富士川以北の交流電化区間(JRを主とする)でBT区間⇔AT区間の移行箇所は、すべてデッドセクションで区分してあるのだが、鹿児島本線と日豊本線に挟まれた西鹿児島変電所(BT区間・鹿児島中央方)⇔鹿児島ATP(AT区間)にはデッドセクションが無くBT⇔ATの移行が行われていたので紹介する。当ブログは原則現地取材をしたものをUpしているが九州地方は、遠距離のため現地取材を行わないで記事をUpすることにした。

当ブログで記事にしたAT-BT区間は以下の通り。

JR東日本 東北本線福島(BT区間)阿武隈急行線はデッドセクションでAT、BTを区分
福島方はデッドセクションのみ、槻木方はき電区分所でAT⇔BTの電力融通ができるはずであったが、水害時は融通しなかった。

616. 阿武隈急行 矢野目信号所 矢野目デッドセクションと鎌田ATP (BTき電・ATき電・交流)

680. 阿武隈急行 槻木き電区分所 AT-BTデッドセクション

939. 阿武隈急行 復旧(丸森-槻木間)の方策


JR東日本 奥羽本線・海峡線青森地区 デッドセクションでAT、BTを区分

956. JR東日本 青森西変電所(AT,BTき電20kV)  津軽線 complete

奥羽本線大館変電所から青森駅構内に延長き電できる設備がある。

JR奥羽本線 羽前千歳変電所 デッドセクションでAT、BTを区分

671. JR東日本 羽前千歳変電所 BT・ATき電 奥羽本線(山形線)仙山線


JR北海道 千歳線 デッドセクションでAT、BTを区分

288. JR北海道  新札幌き電区分所・銘板が無いので仮称(交流、ATき電・BTき電の分岐点にある) 今回取材したら新札幌き電区分所であった。


ところが
 鹿児島本線 西鹿児島変電所(BTき電)⇔鹿児島中央駅⇔鹿児島駅⇔鹿児島補助き電区分所⇔鹿児島ATP(ATき電)は、デッドセクションが無い状態でAT⇔BTをエアーセクションで区分している。もちろん熊本方は、西鹿児島変電所直下にデッドセクションがある。

「AT区間とBT区間の位相を合わせ、かつ電圧差が無い状態を保ち隼人き電区分所まで送電している」ことになる。
 
 前面展望でトロリ線、き電線、トロリ線(PF,TF,AF)を虱潰しに目を皿のようにして何往復もしたがデッドセクションがないのであった。(重富駅⇔鹿児島中央駅)


出発点は、西鹿児島変電所

 

右奥に複電圧スコット結線変圧器がある。AT側(AF,TF)は一般ガイシ、BT側(PF,NF)はポリマ碍子で引き出されているされいる。JR東日本にあるような力率改善用のコンデンサ、リアクトルがない。また直列コンデンサ類も無い。近傍の九電 田上変電所からの直接給電なので余裕があるのだろう

BT側は、車両センター用1回線とBT区間複線上下一括き電で引き出されている。
AT側は、もちろんデッドセクションで区分 複線なのでAT2台で方面別き電

大体の機器配置 JR東日本の複電圧変電所より機器が簡素化
力率補償用のコンデンサ、リアクトル類もない、直列コンデンサもない
赤色部分が66kV受電、黄色部分がBT区間用22kV出力
緑色部分がAT区間AF-TF間44kV AT部分で22kV(対地電圧)となる。

鹿児島中央方のき電系統

鹿児島事業所⇔車両センター間の区分がデッドセクションになっているのは理由は不明
  
西鹿児島変電所から送られてくる車両センター専用き電線PF
左架線柱に引き止め
車両センターから事業所に入る部分のデッドセクション
車両センターから事業所に入る部分のデッドセクション
奥のセクションインシュレーターは検修庫線のもの

車両センターに入る部分のエアーセクション


 鹿児島事業所への入線は、一旦車両センターに入り、デッドセクションを通過して事業所内に入る。事業所内のき電は、本線から仮称鹿児島事業所補助き電区分所を経由してき電している。
 鹿児島補助き電区分所は、本線から引き入れ、断路器、VCB、断路器を経由 架空送電線で途中BT(ブースタートランス)を経由しATき電側とエアーセクション後につながっている。

鹿児島ATPはATき電側の末端ATとなっている。

仮称 鹿児島事業所補助き電区分所 左建屋上部に「切」の表示灯あり  
鹿児島事業所補助き電区分所 拡大 本線より給電している




 JR日豊本線 複線部 ブースターセクション部 トロリ線にはエアーセクションが入っている


鹿児島補助き電区分所
   

鹿児島補助き電区分所とブースタートランス、エアーセクション 拡大
本線から給電している

 BTき電線 BT部分 トロリ線のセクションは無い PF,NFのみブースタートランスを通過
   
   同様な例でBT電化区間でPFの距離が長い場合途中にBTをいれて誘導障害を軽減している部分があった。以下の記事内に記載



 鹿児島補助き電区分所からのPFがエアーセクション後のトロリ線につながる  
ここからAT区間までのトロリ線は、太い、右碍子で引き留められているトロリ線と比較
ATき電区間にも供給するからであろう

鹿児島ATP
          
AFき電線は、この鹿児島ATPまで

 この部分でBTき電からATき電への融通を行っている。但しデッドセクショは無い。
隼人き電区分所までのATき電を、西鹿児島変電所のBTき電が受け持つことになる。

 延長き電の場合、過去文献には隼人き電区分所にはACVRがあったことが記載されているが、現在は撤去されている様子である。この場合 西鹿児島変電所からの一方的延長き電が取られると考える。

 都城変電所からの隼人き電区分所を通じて鹿児島方の延長き電は、都城変電所の系統違い、西鹿児島変電所との位相合わせ等が必要となるので、西鹿児島変電所のBTを殺して対応すれば可能かと思うが西鹿児島変電所の三相部分の平衡が取れない

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