2017年11月26日

664. JR東日本 赤岩き電区分所と赤岩駅 在来線唯一の切替セクション方式 BTき電 奥羽本線(山形線)

赤岩き電区分所と赤岩駅 在来線唯一の切替セクション方式

赤岩駅廃止 2021年3月12日 2021年1月20日以降構内立ち入り禁止

赤岩き電区分所の役割

因みに中セクションにホームがあるのは、JR北海道 竜飛定点



何とグーグルマップで表示名がでる
在来線で、唯一なセクション切替方式(下りのみ)、上り方は、デッドセクション方式
山形新幹線の12分間隔での運転を設定し、上り坂での継続力行を想定して新たに建設された。言うなればオーバースペックなき電区分所

アプローチ:庭坂駅から徒歩片道3時間 遠い 熊・猿注意 藪漕ぎ必須 お勧めしない 到達困難
集落の端からジグザグの下りで約高度差100mを下る。途中分岐があるが左に入ると、松川橋梁が望める場所にたどり着く。紅葉の時期は、さぞかしきれいだろう。

赤岩駅の現状
辿りついても、取り付け道路駅入り口に、結界が張られているので駅構内には入れない。き電区分所は、取り付け道路があるので近傍までたどり着ける。

 き電区分所は、全屋内式であり壁からSN部(中セクション)のブッシングが出ている。
駅ホーム部下り線の架線は、SN部に位置する。き電区分所付近から第一のエアーセクションが開始、駅部を通り赤岩トンネルを出たところから第二のエアーセクションが開始。この間が中間セクションとしてSN部に繋がる(駅部)津軽海峡線の竜飛き電区分所と同様なSN部を駅に置いた構成

 デッドセクション部は、赤岩駅から庭坂方 松川橋梁までの中間部に位置する。鉄道敷地内を経由しなければ直下まで行けないので断念。松川橋梁部からの遠望で済ませようと思ったが、片道3時間も掛けてきたので途中の林道から、目安をつけたデッドセクション部まで藪漕ぎ。若干目標位置を外れたがデッドセクションを目にすることができた。

当初の交流電化当時の変電所配置
峠SSを頂点に左右に勾配があり、き電区分所が設けられなかった
また通常交流き電変電所間には、き電区分所(SP)が置かれるが、福米線電化の際には、峠変電所を境に両端に急勾配が連続する。そのためSPのデッドセクションは、ノッチオフでの惰行が必要なための設置は避けられた。特に峠変電所は、電力回生制御用変電所として整備され分水嶺として両端に連続勾配があるため、板谷トンネル内の3‰の水平に近い部分300mの距離の中にデッドセクションを構築し、また勾配区間のブースターセクションにはコンデンサによるアーク防止装置を置いている。これが福米線で、なぜき電区分所が設けられなかったかの理由である。


 
 
赤岩き電区分所ができる前のき電 系統図


図2-2が現在の赤岩き電区分所のき電系統図






赤岩き電区分所 全景


右 SN部を含んんだ下り方き電設備(下り線・登り勾配)
左 従来のデッドセクション設備(上り線・下り勾配)


従来のデッドセクション設備(上り線・下り勾配)


SN部を含んんだ下り方き電設備(下り線・登り勾配)


下り線側 エアーセクション開始 38‰

206上りデッドセクション福島方につながるき電線
205 エアーセクション下り福島方につながるき電線

一番左 SN部トロリ線につながる 次福島方下りにつながる 次NF 一番右峠方面下り

一番左 福島方上り 次NF 右 峠方上り

エアーセクションで分離されたSN部につながるき電線

側道までは通行可能
後部車中より遠望 上り線デッドセクション 38‰

後部車中より遠望 上り線デッドセクション 奥に松川橋梁とトンネル

赤岩き電区分所に行く径路から分岐した林道を下ると線路脇にでる
奥に上り方デッドセクションが見える

拡大


さらに拡大
これ以上は、結界が張られていて接近不可能

藪漕ぎをして山斜面から接近 デッドセクション

デッドセクション
赤岩き電区分所からの206き電線が福島方につながる

車中 最後尾 SN部通過中 奥にエアーセクション始まり 赤岩駅手前 38‰


SN部は、第二赤岩トンネルを抜ける 左赤の線は、下り方峠方面き電線SN部 終了のエアーセクションにつながる

SN部終了エアーセクション 車中後方
赤岩駅
赤岩駅遠望 24‰
下り赤岩駅架線はSNとなっている(中セクション)

左 トンネル架線はSN部 下り峠方面き電線がトンネル右に配線

藤代駅構内にある保安器とコンデンサー付きCR装置と同じ装置がトンネル入り口に設備
203き電線の地絡対応
負荷電流の増加に伴いNF電位が高くなるのと相まって、
保安器SDが電車線からの誘導サージで放電した場合
一旦放電が開始されると、負荷電流が継続している間
放電が続く(続流)SDの放電時間は数秒であるため、カバー
溶損や放電面の焼損が発生するようになった。その対策として
地絡事故時のみSDが確実に放電するようサージ吸収用CR
装置が考案された。CR装置はコンデンサーと抵抗を並列に
接続して一体形にしてSDと並列に接続する。(き電・変電技術変遷史より引用)

もう近づくことができない赤岩駅ホーム


無慈悲なお知らせ
おまけ
スイッチバックの待避線トンネル
 


林道の途中から見えた松川橋梁 

林道の終点は、線路脇


参考文献
鴻巣 哲昭;電力設備と工事の概要:鉄道と電気技術,1992,Vol.3,No.7,pp.9-13
永峰 秀市ら;最近の新幹線 山形新幹線き電系統強化:鉄道と電気技術,2004,Vol15,No.5,pp69-73
永峰 秀市ら;山形新幹線き電系統強化:平成16年度電気学会産業応用部門大会講演論文集,2004,Ⅲ-355-338

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