2023年7月7日

1310. JR東日本 蕨交流変電所 2号系154㎸降圧66㎸変圧器搬入終了 その他現状観察

  2021年10月の火災から約1年と9ヵ月で新しい2号主変圧器154㎸降圧66㎸が越谷貨物ターミナルから蕨交流変電所へ運び込まれた。まだトレーラーに載せられたままだが、そのうち引き出され、基礎工事が終わったコンクリ台に固定され、放熱器板や付帯設備が設備されるであろう。

1138. JR東日本 蕨交流変電所 火災 号外  ←2021年火災発生

 1号主変圧器はLTC付(負荷時タップ切替)変圧器で、一次154㎸、2次66㎸、三次22㎸の仕様なので、2号主変圧器も仕様としては同じ物が採用されると思うが、小型化されるであろう。

手前 左の1号主変圧器と比較すると小さい
奥のブルーシートが掛かっているのが焼損した2号主変圧器と付属装置

コンクリート土台は完成、トレンチも構築されている。接地線も多数引き出されている


 土台に固定後、放熱器の取付、LTC付変圧器だと154㎸降圧66/22kVの配線が行われるがGIS化されるので単なるパイプが装置間を結ぶだけ。分路リアクトル、22㎸降圧6.6㎸のキュービクルの設置。既存のC-GIS母線2号への繋ぎこみ。鳩塚線2号の繋ぎこみ、経産省の立ち合い試験で運開となる。
2013年当時の蕨交流変電所 毎日新聞記事から引用
まだ気中配線の2段母線で一部運用されていた。
 現在 右手 四角いプラットフォーム上に新しいC-GIS化された直流変電所用母線が構築され鉄構が全部解体された。また直流変成設備3台も新しい物に交換された。

過去の1,2号母線。整流用変圧器3台、配電用変圧器1台、浦和線に分岐

右奥が配電用変圧器DTr

焼損 2号主変圧器

 最初は鳩塚線1号受電の154㎸降圧66/22㎸ 10万KVA LTC付(負荷時タップ切替)変圧器が1969年に設備された。1969年~1981年までは蕨交流変電所は、154㎸受電1回線であった。

1981年 
 鳩塚線2号受電設備新設 154㎸降圧66/22㎸ 10万KVA LTC付(負荷時タップ切替)変圧器が設備された。これが焼損した変圧器となる。1981年から42年ほど経過しているので、老朽化で交換まじかの時期であったかもしれない。またチャンネル鉄構の受電設備からC-GIS設備になる計画であった。もしかしたら、すでに2号主変圧器は発注を掛けていたかもしれない。作製が1年と9ヵ月で終わっている。実際はもっと短い制作期間だったと思われる。

1981年設置の2号主変圧器
ブルーシート内には22㎸降圧6.6㎸の所内変圧器が収容されていた。

焼損する前の2号主変変圧器 
左にある22㎸降圧6.6㎸キュービクル(トランス室)が焼損
 一番右にあるケーブルヘッドから主変1号が繋がるC-GIS母線につながっていた。奥に見える整流器及び整流用変圧器は、交換前の設備 現在は交換されているし、鉄構部分は撤去されている。


中性点引出口 ブローパイプにはブローアウトの跡がない
ケーブルが引き出されている

中性点が繋がる抵抗器群 中性点接地保護装置
前画像のケーブルからケーブルヘッドに配線され、さらに抵抗器群に繋がる

66㎸ブッシング 一番手前のブッシングが焼損している
66㎸ 引出ラインポスト碍子 1基がアークで溶損している

3次側 22㎸引出部 ブルーシートで包まれているキュービクルに繋がる
 奥のパイプは変圧器内圧が高まった場合ブローアウトするパイプ。変圧器内で過熱発生。最初内圧が高まり白煙を吐き出しブローアウトし、その後 霧状の絶縁油に隣接するトランス室の炎が引火。パイプからでた絶縁油蒸気が爆発的に燃えた。と同時に66㎸ブッシングから漏れ出ていた絶縁油にも引火アーク発生。

NHK NEWS Webから引用 GIS部は右のパイプ部分(154㎸側)


主変圧器上部から出ているパイプがブローアウトした
手前円筒形の装置は154㎸受電のケーブルヘッド(GIS化)と受電設備(断路器・遮断器等)



健全な1号主変圧器(154㎸/66/22㎸)

2代目の主変1号 2005年に設置 全体をGIS化 火災時こちらの変圧器は健全だった。
2005年交換された1号主変圧器 全体がGIS化されている

1号 主変圧器(LTC付)10万KVA 154㎸降圧/66/22㎸

1号主変圧器に付帯する設備 真ん中のキュービクルに1号主変圧器22㎸母線が繋がっているこのキュービクルから分路リアクトル、所内変圧器22㎸降圧6.6㎸に分配されている。
多分この1号所内変圧器は使用されていない


新しく設けられた所内変圧器盤 多分 2号主変圧器使用不能のため1号主変圧器からの22㎸を2台の所内変圧器22㎸降圧6.6㎸に分配している



1号主変圧器から主C-GIS設備へ

主変圧器から1本の3相一括パイプ母線がC-GIS設備(左)に伸びる

C-GIS設備 2重母線 母線1号と書いてあるのは予備端子箱
 1号主変圧器からの受電66㎸は主変1号ユニット110に入る。次の310ユニットは給電 蕨-上野1号線、一番左のBT600ユニットはブスタイ 1,2号母線をタイ接続

C-GIS設備 全体
 左から120主変2号ユニット(焼損した2号主変圧器からの66㎸受電)、720ユニット境-蕨2号受電、710ユニット境-蕨1号、520ユニット浦和2号給電、510ユニット浦和1号給電、330ユニット蕨-赤羽1号給電、320蕨-上野2号給電、BT600ユニット(ブスタイ)、310蕨-上野1号給電、110主変1号ユニット66㎸受電 2号主変圧器が焼損して使えないので境-蕨2号から2号母線に給電されているようだ。

2枚とも同じ内容
主変2号ガス制御回路使用中
主変2号ガス制御回路は主変2号盤から切離し実施
蕨2号ガス制御回路とパラ接続し蕨2号にて表示出力(遠制出力)
(GIS側で制御/パラ接続)
主変2号GIS制御電源仮設中
主変2号GIS制御電源は主変2号盤から切離し実施
蕨2号GIS制御電源より供給しガスモニタ回路電源供給
(GIS側で制御/接続中)

 地中送電ケーブルが長くなるので分路リアクトル3台が蕨-赤羽1号、蕨-上野1,2号の各ケーブルに並列に繋がっている。SHLの表示 分路リアクトルならSHrが表示となるがJR東日本ではリアクトルにLを使っている。似たような表示でSL=直列リアクトルがある

母線側予備端子に繋がる新しくできたC-GIS盤へのケーブル
1,2号母線それぞれから引き出されている。

右 C-GIS 予備母線1,2号からケーブル2回線が引き出され新しいC-GIS設備に繋がる
新しいC-GIS左からのトラフは4回線分 DTr、SRTr1~SRTr3へのケーブル収容


母線1,2号66㎸から引き出されたケーブルが繋がる新しいC-GIS設備 盤面は4面
これが毎日新聞記事の四角いプラットホームに該当

蕨交流変電所から直流変成設備に送られる
左からDTr配電用変圧器、SRTr1~3号ユニット

SRTr2号ユニット、奥にシリコン整流器とSL直列リアクトル、正極、負極母線断路器

右奥 SRTr2号、手前SRTr3号、其の奥SRTr1号左にシリコン整流器とSL直列リアクトル
鉄構は切断されて基礎だけ残っている

別角度 左SRTr2・シリコン整流器・SL、正面 SRTr1・シリコン整流器・SL
SRTr2の位置が横向きなのは理由がある。

左 燃えた2号主変の上 古い整流用変圧器(気中接続)、シリコン整流器、SL(2台一括)がまだ残っている。SRTr1~2の新しい整流用変圧器、シリコン整流器は設置されている

古い整流用変圧器、シリコン整流器、SLを撤去した後にSRTr3が設備されている
架台上の所内変圧器1,2号 負荷開閉器1,2号はまだ設置されてない

DTr高配変圧器


出入り口

かつては看板が掛かっていた

別の出入り口 看板が無い

別の出入り口 看板が無い


別の出入り口 看板が無い


き電線、帰線引出口には変化はない

帰線引き下ろし
貨物上下、客上下、浦電、電上下各4本ずつの引き下ろし

電上下、浦電の帰線が繋がるインピーダンスボンド中性点全部で12本
手前(右インピーダンスボンドから)と奥(左インピーダンスボンドから)の線路にインピーダンスボンドを介してつながる(京浜東北線)
浦電は南浦和のさいたま車両センターに伸びているかと思ったら電上下と同じインピーダンスボンド中性点に帰線がボンドされていた。








1360. 東京地下鉄 銀座線 浅草変電所(仮称)と花川戸機器棟(仮称)運用まじか

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