2020年9月20日

1000. 銚子電気鉄道は、空調の夢をみるか (シリーズ第三弾)1000号記念

銚子電気鉄道は、空調車両の夢をみるか(シリーズ第三弾・最終)

1000号記念

銚子電気鉄道の変電所は1箇所のみ

巷で言われているように、変成設備(変電所容量)が最低の容量しかない。とのうわさを調べた。

資料は、国土交通省の鉄道統計年報 平成29年度資料(この資料が最新版)

1.輸送成績表
(1)-1 運輸成績表(数量 注意 Excelがダウンロードされる
(2)運輸成績表(延日キロ、人(トン)キロ、平均数) 注意 Excelがダウンロードされる

この運輸成績表(数量)の集計結果が間違っている会社がある。具体例を示す(Pick Up)
Excelをダウンロードして検算してみたら合計の数値が違う会社がある
札幌市データは合計数値が違うが弘南鉄道、三陸鉄道は合っている
この総計の違いがかなりの頻度で運輸成績表総計に発生している

運輸成績表(延日キロ、人(トン)キロ、平均数)の同様な集計結果は、合っているので、運輸成績表(数量)作成時のミスのようだ。(2つの統計データは、まとめた担当者が違う Excelのpropertyで判断)

2.作業量 4)営業キロ及び走行キロ表
4)営業キロ及び走行キロ表 注意 Excelがダウンロードされる

4.施設・車両 (15)変電所設備表
(15)変電所設備表 注意 Excelがダウンロードされる

(4)と(15)を突合せ 営業キロには、無い路線も変電所設備表にある。特に新空港関係の第三セクター この場合は、変電所設備表の路線をそのまま載せ、Wikipediaで検索した路線㎞を載せた。

変電所設備表から除かれた鉄道会社
非電化
交流き電のみの会社
磁気浮上、索道、ロープウェイ、ケーブルカー
直流変電所は持つが、路線を持たない会社(日本鉄道貨物・住吉変電所)
交直両き電が行われていて直流部分が限定できない会社
JR各社

集計した鉄道会社
会津鉄道 全路線  57.4㎞うち電化部15.4㎞
首都圏新都市鉄道は、秋葉原・守谷間直流電化部 37.7㎞
東京都(舎人ライナーを除く)
大阪市(南港ポートタウンを除く)
えちごトキめき鉄道 はねうま37.7㎞+日本海34.5㎞
変電所設備表の路線で営業キロ及び走行キロに記載がない路線(主に空港関係)
秩父鉄道 貨物線を入れる 79.3km 貨物線に変電所有り

加工上で不自然なデータは、修正を行った。
データ修正内容
立山黒部館貫光の直流変電所は、大観峰の1カ所なので修正
会津鉄道の直流変電所は2カ所なので修正
大井川鐡道 本線39.5㎞+井川線1.5㎞
伊予鉄道 軌道9.6㎞+郊外線33.9㎞で計算
北近畿タンゴ鉄道(WILLER TRAINS)宮福線30.4㎞+宮津線4.4㎞

n=128がPickupされた。以下一覧表



DataCheck
通常、整流用変圧器の容量は以下の関係にある
整流用変圧器容量>整流器容量 
整流器容量の1.1倍が整流用変圧器容量となるのが通例であるので
整流器用変圧器容量/整流器容量の比を見ると 
N=128  平均1.100±0.18(SD) C.V.16%と収束しているので
0.9~1.3倍の会社は整流器定格D種で過負荷対応できるものとして整流器用変圧器容量を使った。

上田電鉄は、この関係が0.3倍であるので整流用変圧器の容量を使った。
明らかに整流器容量が大きすぎる。

整流用変圧器容量の減縮を行っている鉄道会社0.9倍以下(設備縮小を行っている会社)
しなの鉄道、北越急行、えちごトキめき鉄道、四日市あすなろう鉄道
は整流用変圧器容量を使った。

逆に整流器容量より大幅に整流器用変圧器容量が大きい鉄道会社
北九州高速鉄道 2.73もあり明らかにおかしいので整流器容量の1.1倍を使った。

1.3以上2.7以下の会社
湘南モノレール、福井鉄道、
は整流器容量の1.1倍を使った。

整流器数=整流器用変圧器数(1:1)となるのが通例である。しかし一部違う会社もあったので合計容量で計算した。

n=128の突合せデータを基にソートして各種順位をだした。
但し 設備容量だけだと営業キロが少ない会社は、必然に少なくなるので設備容量を営業キロで割ったデータのソートも行った。

変電所数に対して予備機を持つような場合は考慮していない。(通常は1台で運転、非通常時切り替えて、もう一台運転、もしくは繁忙期2台で運転のケースが考えられる)
設備されている全容量を使用するとして計算

単純に設備容量順 少ない順  但し営業㎞がファクターとして入っていない。
1位 銚子電鉄
2位 四日市あすなろう鉄道
3位 山万(全変成設備投入の場合3台 実際は2台で運用)2にしても順位は変化しない
4位 万葉線
5位 豊橋鉄道

単純に設備容量順 多い順  但し営業㎞がファクターとして入っていない。
1位 東京地下鉄
2位 東武鉄道
3位 近畿日本鉄道
4位 大阪市
5位 東京都
備考 
大阪市は直流変電所の数を調べてない


但し営業㎞のファクターが入っていない 営業㎞が長ければ、それだけ電力を供給する必要
があるとして設備容量を営業キロで割った数字でソート

設備容量にファクターとして営業㎞当たりをいれたもの 少ない順 
1位 銚子電鉄
2位 四日市あすなろう鉄道
3位 養老線管理機構(養老鉄道)
4位 上信電鉄
5位 万葉線


やはりダントツで銚子電鉄が少ない。
四日市あすなろう鉄道も2位は変わりない。
山万は営業キロの割に設備容量が多いので順位から外れる28位、2/3稼働でも13位に留まる。
四日市あすなろう鉄道、養老線管理機構(養老鉄道)、上信電鉄は冷房車の運用がされている。

設備容量にファクターとして営業㎞当たりをいれたもの 多い順
1位 東京臨海高速鉄道
2位 京阪中之島線
3位 北大阪急行電鉄
4位 相模鉄道
5位 札幌市 

備考 
輸送人員、旅客人員キロが、算出されてない事業者がある(変電所設備表のみ記載)
これら上位の変電所は1か所変電所に2台の変成設備をもったものが多い。
また最近できた事業者も多い

輸送人員、旅客人員キロが、算定されている事業者でソート
1位 東京臨海高速鉄道
2位 北大阪急行電鉄
3位 相模鉄道 
4位 札幌市
5位 東京都


単純に設備容量だけをみれば、直流電化路線で一番少ない設備容量となることは確かである。

もう一つの要因として運んでいる路客数(運行頻度)が関係する。あとは車両特性、運転曲線等種々のデータが必要である。
統計から得られる、情報として、旅客人員キロをファクターとして選んだ。
以下以降は数字のお遊び

効率の悪い事業会社順
旅客人員キロ/総設備容量kWの数字 

1位 芝山鉄道 2.2㎞に4500kWの設備容量
2位 立山黒部貫光(営業日の補正をしていない・5~11月営業)
3位 岳南電車
4位 野岩鉄道
5位 北越急行(160㎞運用を終了し設備を縮小しているが、設備がまだ多い?)
但し、路線の勾配、時間当たりのピーク電力量、運用する車両(VVVF・抵抗制御)の効率等を加味していない



効率の良い事業会社順
旅客人員キロ/総設備容量kWの数字 
1位 東京急行
2位 阪神電気鉄道
3位 阪急電鉄
4位 小田急電鉄
5位 東京地下鉄
但し、路線の勾配、運用する車両の効率(VVVF・抵抗制御)等を加味していない


変電所及び変成設備が1か所の事業者を抜き出して比較
当該 事業者は、銚子電気鉄道と四日市あすなろう鉄道が該当

 四日市あすなろう鉄道は、銚子電気鉄道と大体同じくらいの営業キロ、旅客人員キロが銚子電気鉄道の約6倍、設備容量が1.9倍となるが、空調車両は運行している。トロリ線以外にき電線が敷設されている。

この比較で、銚子電気鉄道が常時空調ができない(停車時 銚子、外川のみ)理由は何であろうか?

 単なる変電所の設備容量が少ないだけでは、無い 車両の問題、トロリ線以外にき電線がない(笠上黒生変電所の引き出し部分のき電線は125㎟位に見える)電気代が掛る…

さらに数字のお遊び
営業キロ当たりの旅客数(輸送密度) 単位:千人が大体同じ規模の事業者
銚子電気鉄道、野岩鉄道、立山黒部貫光が該当
立山黒部貫光は、そもそも空調車は必要ない



営業キロ 銚子電気鉄道6.4㎞ ±1㎞ 以内の事業者
豊橋鉄道、水間鉄道、流鉄、北大阪急行鉄道、関西電力、湘南モノレール、四日市あすなろう鉄道、北神急行電鉄が該当 銚子電気鉄道以外は空調車が運用されている
関西電力は、そもそも空調車は必要ない。


旅客人員キロ(単位:千人キロ)/総設備容量を設備容量/㎞で割った値
1位 四日市あすなろう鉄道
2位 養老線管理機構(養老鉄道)
3位 上信電鉄
4位 銚子電気鉄道
5位 三岐鉄道
となり、銚子電気鉄道より数値が大きい4事業者も空調車を運用している。


結論
四日市あすなろう鉄道は、先に示したとおり銚子電気鉄道より条件が悪いが、空調車の運用を行なっている。
銚子電気鉄道が空調車を運用するためには
1.営業収益を上げる(電気代の支払い能力) 
2.き電線の断面積を増やす(現行はトロリ線のみ)もう一条き電線を敷設する
2.現行の設備容量を2倍にする(さらに き電線をもう一条追加する)
が必要と思われる。

変電所設備は
関西電力のトロリーバス廃止により2か所の変電所設備が運用を停止しているので、廃棄されていなければ譲渡を受けて設備を更新する。(ちょうど600V電圧でシリコン整流器1000kW ×2台があるはず)
北越急行が変電所(1500V)を廃止しているので、シリコン整流器を譲渡してもらい、600V用に組み替える。 まだ設備は廃棄されていない。

 横川の横川 鉄道文化むら「EF63形電気機関車運転体験」用の変電設備でさえ最大1,000A
が用意されている。750V×1000A=750KW(最大を使うことはないだろうが…)

前進力行1ノッチに投入。電流計100Aが掛るようだ。
最大目盛り 1000A 常用500Aでも375kW

おまけ

碓氷峠鉄道文化むら EF63運転時の電流と電圧 文化むら変電所

運転前 機関車スタンバイ
EF63が通りかかった時点


780V 180A 140kWの消費

き電線接続部
帰線接続部
架線は、この地点まで加圧
トロリ線に碍子割り入れ

奥は加圧できない。 本来なら架線終端標識があるはず



電車線整流器盤 横川 鉄道文化むら

全体の直流き電設備 横川 鉄道文化むら 

6.6kV受電

電車線への供給ルート横川 鉄道文化むら 

あの山万でさえ1020kWの設備容量を持つ 2/3でさえ680kWを供給できる。


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