2022年4月15日

1216. 東北・北海道巡検37 JR北海道 北海道新幹線 函館総合車両所変電所

 函館総合車両所変電所

アプローチ:新函館北斗駅 接近不可能 遠望
受電:北海道電力 上磯変電所―北七飯変電所の連係線 
   上磯西線からのT分岐66kV 2回線受電

き電パターン
1.通常時の正常き電(基地内変電所・本線とは切替開閉器で分離き電)
2.函館総合車両基地変電所停電時の本線電源による車両基地構内への延長き電
 通常時 北海道新幹線は上下一括き電で運用されるため切替開閉器はスルー化
3.新函館変電所が落ちた場合、函館総合車両基地変電所電源で新木古内き電区分所までき電

特殊例
 吉岡変電所電源が新木古内き電区分所を延長き電さらに新函館変電所を延長き電(つまり吉岡電源で新函館北斗まで延長き電する)で、車両基地電源と突合せの場合 最大位相差135° 電位差56kV耐圧に耐える高耐圧化切替開閉器を設備。

車両保守部分は45回線でき電、本線と車両基地間の車両入換を行う発着線・回送線を46回線でき電。常時2回線き電(出所は一緒)


JR東日本もJR北海道も 北本直流幹線、新北本直流幹線とは密接な関係を持っている。
資料に新北本直流幹線と五稜郭変電所の系統を追加

き電: 函館総合車両所内同一き電 北海道新幹線は上下一括き電が定位
非通常時:新函館変電所が落ちた場合、新木古内き電区分所まで救済き電、基地からの本線
       き電はT(TF)のみ F(AF)は、新函館変圧ポストを利用して生成
 設備機器は、青森車両基地と同じ不等辺スコット結線変圧器を2台(1台予備)を使用し、補償装置のコンデンサ、リアクトルは共用で切り替えて使用する形態。
基地への入出庫線は、中間セクション(SN)を使用した切替方式。
本線への受送電はT(TF)トロリ線からのみ F(AF)き電線の引込は無い
 通常は、基地内完結なので使用しない。基地変電所が使用不能の場合 受電を行う。本線は上下一括き電なので、基地内は同一き電となる。
 また、新函館変電所が落ちた場合は、送電を新木古内き電区分所まで行なう。函館総合車両所変電所受電と新木古内き電区分所先の吉岡変電所受電は、北海道電力基幹変電所大野変電所を通じて共通の電源だが、基地内は、不等辺スコット結線変圧器を使用しているため位相差が発生するので新木古内き電区分所の切替開閉器(SN部)は高耐圧型を使用している。また通常時の基地き電でも、本線と基地入出庫線は基地内不等辺スコット結線変圧器を使用しているため切替開閉器(SN部)も高耐圧型を使用している。

トロリ線から引き出し F(AF)き電線は通過


66㎸受電部 受電母線とオレンジキャップMOF
受電回線毎

66㎸降圧 不等辺スコット結線変圧器 30kV右(出力側)

不等辺スコット結線変圧器30kV出力は3線を使用しているので
コンデンサ、リアクトルの補償回路が組まれている


出力端M,O,Tがあるので補償装置(コンデンサ、リアクトル)が組まれている
スコット結線変圧器は、2台あるが1台は予備なので補償装置は1台で切り替えて使用


以下文献より転載
リアクトルとコンデンサがつながる部分が、O相


SN1(下り線)があるので入出庫線は本線と切替セクションを通過して基地内同一き電に入る
SN2もある(上り線)

 SNセクション部
    43回線 基地内46回線と同電位


SNセクション部
41回線 下り回送線本線側
 
 SNセクション部42回線 
上り回送線本線側


       SNセクション部
上り回送線 基地内46回線と同電位


切替開閉器は、上下線予備を含めて2組 左建屋

以下は、画像が無いので資料から引用掲載

不等辺スコット結線変圧器 資料より引用 右一次側

不等辺スコット結線変圧器で補償装置が組まれている変電所例


615. 阿武隈急行 保原変電所 (ATき電・交流)


函館総合車両所変電所の不等辺スコット結線変圧器 補償回路用コンデンサ、リアクトル
不等辺スコット結線変圧器 補償用コンデンサ(PCT)とリアクトル(LM)資料より引用


受電部分 上磯西線66㎸ 2回線受電 1回線予備 MOFの位置が抜けている
89は断路器、52は遮断器を表現している。
 実際は89TSにつながる母線に不等辺スコット結線変圧器用補償装置が組み込まれている
回線は2回線受電で、片方が事故・点検等で停電の際は89RBの断路器で回線を切替える。
また、FTrの事故・点検等で停止の場合も89RBで受電を振り分けている。不等辺スコット結線変圧器で降圧されたき電電源はATを介さず直接基地内に45,46回線で分配される。
89YD63は「定位」切のヤード内母線振り分け機能を有する断路器。

函館総合車両基地き電系統図 資料より引用
中央下の函館総合車両基地変電所部分が数字が重なって見えないので別資料を展開

 新函館北斗駅の点線部分は、未完成。末端に当たるので新函館ATP(変圧ポスト)を設ける。基地内に入るには、下り回送線を利用して入区する。出区は上り回送線を利用する。本線とのき電区分は、切替セクション方式を取り切替開閉器がある。不等辺スコット結線変圧器は2台あるが切替て使用。そのため補償装置は1台で兼用している。


基地内同一き電だが、入出庫線、電留線と検修線等は別系統同一電源となっている

断路器番号(YD・ヤード断路器)と対応する設置場所

基地内のき電区分箇所に使用される区分装置

 基地内表示卓の表示内容 この場合1号受電、FRr1使用。補償装置(PCT,LM)は共用。母線電圧28.4~28.9㎸ 電流が流れてないので加圧のみ。(新幹線車両不在・補機電流無し)PT=電圧計、FC=延長き電(本線より)は無し、PCT=補償用コンデンサ、LM=補償用リアクトル

切替開閉器の特殊運用
 通常は駅終点側から基地内に入出庫する形を取るが、函館総合車両基地は駅の起点から入出庫する形を取る

切替開閉器の動作が通常と逆の切替形を取る

参考資料

衛藤憲行;(独)鉄道建設・運輸施設整備支援機構納入北海道新幹線(新青森・新函館北斗間)変電設備:明電時報,Vol.355No.2,pp.31-36

独鉄道建設・運輸施設整備支援機構. 納入北海道新幹線(新青森・新函館. 北斗間)変電設備.

北海道新幹線工事誌:(新青森・新函館北斗間)本州方//鉄道建設・運輸施設整備支援機構青森工事事務所編 第12編電気pp.333-356、第13編共用区間pp.419-422

北海道新幹線電気工事誌:新青森・新函館北斗間//鉄道建設・運輸施設整備支援機構鉄道建設本部東京支社編 第2編pp.53-58、第3編pp.67-116、第4編pp.370-373

北海道新幹線工事誌:(新青森・新函館北斗間)北海道方//鉄道建設・運輸施設整備支援機構青森工事事務所編 第12編電気pp.385-408、第13編共用区間pp.472-530

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