黒磯駅 交直地上切替 直流加圧事故
黒磯駅 デッドセクションで検索していたら黒磯駅での事故がひっかかった。
黒磯駅 デッドセクションで検索していたら黒磯駅での事故がひっかかった。
産経新聞ニュース ソース
どうやら黒磯駅で交流印加架線に直流を加圧してE721系をお釈迦にしたそうだ。
以下記事」引用JR黒磯駅で電車から発煙 直流と交流切り替えミスで機器ショートか
2日午後3時35分ごろ、栃木県那須塩原市本町のJR東北線黒磯駅に停車していた黒磯発福島行き普通電車(4両編成)の床下から発煙があった。床下の機器が破損しており、電車はそのまま運休した。乗客乗員約40人にけがはなかった。
JR東日本は駅係員が架線の直流と交流の切り替えを誤り、機器がショートしたとみている。
同社によると、東北線は黒磯駅を境に北が交流、南が直流で電化されている。このため運行状況などに応じ、駅の設備で交流と直流を切り替えている。貨物列車が止まっていた6番線の架線を直流にするつもりが、誤って普通電車が止まっていた隣の5番線を直流にした可能性があるという。切り替えは本年度中に自動化する予定になっている。
東北線は黒磯-新白河の上下線でほかにも運休や遅れが出て、約180人に影響した。
全文引用終わり
まとめ記事
事故が起こった上り線貨物列車時間帯運行状況
この時間帯は、貨物2本が時間差をおいて入線
当該貨物は
3050 500-172 15:31-15:41 札幌タ00:20発 隅田川18:25着 DF200-245 五 800-802 青
4088 500-147 15:38-15:48 仙台タ1124発 大阪タ0546着 4088-1085 新まで500-147S210-206
である。(JR貨物時刻表より引用)ともに黒磯駅10分停車 黒磯駅到着時間と出発時間を示す
通常ならば
15:30 5番線に2143列車停止中 交流加圧
15:31 6番線に3050貨物列車到着 交流加圧
15:32 5番線から2143列車発車 交流加圧
15:38 5番線に4088貨物列車到着 交流加圧
15:41 6番線から3050貨物列車出発 交直切換え直流加圧
15:48 5番線から4088貨物列車出発 交直切換え直流加圧
となるはずであった。
事故発生の時間経過(あくまで推定)
15:30 5番線停車中2143M 福島行き 4両編成 交流加圧で待機
6番線入線 3050 500-172 15:31-15:41 札幌タ00:20発 隅田川18:25着 交流加圧で入線 早着?
到着運転士
①単弁「運転」・自弁「固定」・マスコン「切」・逆転ハンドル「切」元ダメ圧力800kpa以上を確認
パン降下準備完了合図「・-」
乗継運転士
②テレスピで3050列車パン降下準備オーライを信号取扱所に連絡
信号取扱所
③テレスピで乗継運転士にパン降下承認を通告
乗継運転士
④口頭もしくは片手を上げてパン降下承認を到着運転士に通告
到着運転士
⑤交直切換SWを「直」に切換え VCB全切ランプ点灯確認 SIV(補助電源装置)停止の確認
⑥補助ハンドル「切」 パン降下確認・モニター画面の確認
乗継運転士
⑦テレスピで3050列車パン降下オーライを信号取扱所に目視確認して通告
時間軸で考えると3050列車 定刻15:31到着時で①~⑦までの手順を実行するには、少なくとも4分は係るはずである。
その時間軸で考えると5番線 2143列車は、既に黒磯駅15:32を出発 高久駅15:36に到着しているはずである。そうであれば5番線は、空の状態であり直流加圧しても問題は、発生しない。
なぜ15:32発の列車が5番線に在線していて直流加圧を食らったのかが不明である。
一番の事故の誘引は、3050貨物列車が早着した場合か、または2143列車が延発をした場合である。(宇都宮線の遅れで乗継による延発・どうやらこちらのようだ)
信号取扱所
⑧信号取扱所 信号取扱所は2人体制でチェックしながら切換えを行うことになっている。
6番線 3050列車の電源を「直」に切換えするのだが、5番線を「直」に切換←ミス発生
15:32
5番線停車中の2143M列車 直流加圧 交流専用電車なので直流1500Vが回路に流れ機器焼損 高抵抗地絡状態になる前に、直流の架線電流を計測しているCTが感知 黒磯変電所構内線の直流高速度遮断器が開放
もしくは、2143M列車(E721)の主ヒューズが溶断
参考文献;野元 浩:交直切替のための車上装置:鉄道ピクトリアルVol.63,No.6,pp10-17
以下引用
交流専用車両でも、地上切替を行う黒磯駅で折り返す場合など 直流区間への冒進の可能性がある場合は、主ヒューズを設けて万一の直流冒進にそなえてる
引用終わり
主ヒューズ溶断 機器焼損が最小限で止まる
2143M列車 パンタ下げ
3050貨物 黒磯駅及び4088貨物 高久駅付近で 抑止
消防到着 現場確認後 JRとの協議で安全確認の後
5番線使用停止で6番線 3050貨物 遅発 続けて4088貨物 遅発
黒磯変電所直流復帰 4番線使用で交流側抑止解除17:00ごろ
5番線 架線及び交直切換え断路器の損傷確認 5番線2143列車 郡山に移送?DLか
原因
交直切替断路器に繋がる交直架線電流検知装置の老朽化と信号係りの目視確認の失念
交直架線電流検知装置は架線に流れている電流が交流か直流かを判定して信号扱い所に信号を出す。その信号でパンタ上げの列車に対して信号所係りが異電源を切替えを防ぐ目的がある。
原理は直流遊流阻止装置の直流検出器と同様な原理である。近年 交流電車がE701系やE721系に変わってきており、交流車在線時の消費電力が減少して、この交直架線電流検知装置が不感状態(在線しているのに感知しない)になることがあり、信号係りが、目視で在線を確認して切替えていた。
今回の事故原因は、
1. 2143M列車の遅発が信号取扱所に通告されていなかった。交直架線電流検知装置が在線を検知できなかった。現車の目視確認を怠った。定時になったので直流加圧を行った。
2. 2143M列車の遅発は伝えられていたが、交直架線電流検知装置が在線を検知してなかったので出発したものとして、現車の目視確認を怠り、直流加圧を行った。
と考察できる。
交直架線電流検知装置は、直流と交流の電流を検知するが、最近設備の老朽化で検知できないことがあり、目視確認で現車を確認の後、交直切替えを実施していた。そのため新しい検知感度のよい交流加圧状態を判定する機器が開発されていたが、4番線の交直切換えSW3に設備されていたので、今回の事故を防げなかった。
交流電車がE701系やE721系の場合、春、秋など空調がいらない時期は、VCB投入でも消費電力が上がらず交直架線電流検知装置が正確に電流を検知できないことが起こっていた。
電気機関車が交流、直流の場合は、消費電力が大きいため検知は、十分できていた。
また宇都宮線も直流運用なので検知はできていた。
直流検知の方法 直流遊流阻止装置の場合と同じ
交流検知の方法 交流を直流に一旦整流して、直流遊流阻止装置に入れる
事故発生の防止 黒磯駅全面直流化の前の運用
4、5番線は、交流専用とする
6、7番線は、貨物専用として交直切換えを行う
この場合 線路を重複する貨物列車は次の通り 5番線、6番線入線
黒磯着 黒磯発
4070 500-163 | 00:14-00:33 | 0:14 | 0:33 |
3080 500-127 | 00:21-00:27 | 0:21 | 0:27 |
3084 500-120 | 02:40-02:52 | 2:40 | 2:52 |
8050 | 02:46-02:55 | 2:46 | 2:55 |
8050 | 02:46-02:55 | 2:46 | 2:55 |
3076 500-140 | 02:53-03:03 | 2:53 | 3:03 |
3050 500-172 | 15:31-15:41 | 15:31 | 15:41 |
4088 500-147 | 15:38-15:48 | 15:38 | 15:48 |
8170 | 18:12-18:40 | 18:12 | 18:40 |
9098 | 18:20-18:26 | 18:20 | 18:26 |
8178 | 19:48-20:07 | 19:48 | 20:07 |
3088 500-118 | 19:58-20:04 | 19:58 | 20:04 |
貨物列車の時間帯をずらし6、7番線専用とすれば運用は可能
4、5番線は、交流専用として固定
6番線到着貨物 交直S.W. 205使用 |
5番線到着貨物 交直S.W. 204使用 |
交直S.W 204=5番線、205=6番線、206=7番線 四角い箱は、交直架線電流検知装置であり、架線にながれている 電流が交流であるか直流であるかを検知している。 |
正面 |
裏側 |
駆動部 |
信号扱い所 正面 交直S.W.は203 4番線用 信号係りが現車を確認後 交直切替えを実施する手順であったが逸脱(失念)した。 |
JR日本 仙台支社発表 2017/7/7
黒磯⇔白河間に気動車および交直両用E531系の投入