2025年1月6日

1411. 東急電鉄 新大橋変電所 推定 田園都市線

            新大橋変電所の情報は無いが推定はしている。

 当初の新玉川線は営団地下鉄銀座線と乗り入れを行なう予定で600Vの第三軌条からの集電で計画されていた。その計画では新大橋変電所,弦巻変電所(桜新町の北付近),新二子変電所の三変電所で終点は二子玉川駅となっていた。これが昭和35年2 月6 日付の工事施行認可申請時の内容であった。

 その後計画が変更され東京都市高速鉄道第11号線(半蔵門線)との直通運転でつきみ野駅までの延伸が決定された。電圧は1,500Vで架線から集電。そののち中央林間まで延伸している。

新玉川線の路線の変遷
緑が銀座線との乗り入れ
青が東京都市高速鉄道第11号線(弦巻変電所が計画された)
赤が実際の路線

 新玉川線全線9.4 キロメートルとして変電所は3ヶ所が安全係数を掛けた数であった。しかし二子玉川園で合流する大井町線の高津変電所との並列き電を考えれば2ヶ所まで減らせるということで大橋変電所と桜新町変電所を設けることになった。

 将来的に輸送量増大時には中間の三軒茶屋附近,および瀬田開口部附近に新変電所またはき電区分所を増設することで建設が始まった。

 大橋変電所の場所は、玉電車庫及びその後大橋バス営業所となった土地で地下が東電変電所部分の1,2Fを新玉川線の変電所として利用していた。

玉電廃止後玉電車庫を大橋バス営業所に変更

新玉川線大橋変電所の位置
地下に東京電力の変電所が有ったので東電用、東急電鉄用の2つの電力洞道があった。
2つの洞道は国道246号地下の新玉川線、共同溝につながっていた。


大橋変電所の外観 地下部に東電変電所が先にできていた。


 その後2002年に大橋営業所は廃止。大規模開発が行われ大橋変電所は移転撤去 大橋変電所があった部分は首都高の大橋ジャンクションとして生まれ変わった。

 以下は推定
 大規模開発はプリズムタワーが先行で建設開始2009年完成。大橋ジャンクションは2008年から建設開始
奥のプリズムタワーは完成まじか。左隅の変電所はまだ移転ができていない。

プリズムタワーの敷地101と102はタワーとは別棟で建てられている。
この101,102の後ろの黒い部分が新大橋変電所への地上部出入口
地下部が変電所の建屋と大橋ジャンクション間が変電所
緑の部分が変電所上部でマシンハッチがあると見た。

101,102の部分建物はいかにも後付けされた別棟とみる

101の後ろの三角部分にドアと換気口、


地下へのマシンハッチ
 どうもこの部分の地下に東急電鉄の新大橋変電所があるようだ。変電所と建屋は防火上別に建設しなければならないので、建物外側と大橋ジャンクションの間の中に変電所に組み込まれていると見た。


旧大橋変電所の単結線図
 66kVを一旦6.6kVに降圧して配電用とき電用で分割利用。このようにすることで配変66kV降圧6.6kVを整流用としても利用及び6.6kV降圧1.2kVの変圧器の大きさを小さくできる。受電設備は開放型のアルミパイプ母線式。き電方法はデッドセクションを挟む72D方式をとる

旧大橋変電所は、その地下にあるTEPCO新大橋変電所から受電していた

 新大橋変電所の情報が皆無であるので想像するしかないが受電設備はC-GIS化で小型化
66kV降圧6.6kVの方式は踏襲。(東京地下鉄でも多く採用されている)
 大きな直流高速度遮断器は直流高速度真空遮断器を採用して設置面積を減らす方策を取る。
 き電方法はデッドセクションを挟む72D方式を採用。東急電鉄は一部の変電所を除き72D方式を採用している。
 受電は246国道地下にある共同溝から66kV受電 近隣の配電用変電所は池尻変電所がある。この共同溝にはTEPCO葛南変電所ー世田谷変電所間の基幹送電線 葛南世田谷線275kVが敷設されているので元を辿れば世田谷変電所での275kV降圧66kVからだろう

受電:共同溝内の66kV回線T分岐もしくはTEPCO池尻変電所からの分岐
き電:変成装置 シリコン整流器3,000kW ×3 S種定格150%2時間 12パルス整流器
   上下線別き電(分割き電)停電時隣接の変電所からの延長送電を行なう二重系を取る
   のが基本(新大橋変電所の場合 メトロ変電所と三軒茶屋変電所からの延長き電)
   田都渋谷開閉所から1.4㎞ メトロ新渋谷変電所から1.8㎞ 三軒茶屋変電所まで1.8km 
このき電方法は新旧大橋変電所でも変わらない
直流デッドセクションをエアーセクションで挟んだ方式

この方式についての詳細は以下を参照


池尻大橋駅でのき電線接続部
下り線方 右側に新大橋変電所
複合き電線(き電吊架線方式) き電吊架線は325㎟の銅撚線
き電吊架補助線は200㎟の銅撚線
き電線は500㎟1条のケーブル配線

き電線を固定した金属ラックが変電所方に伸びる 駅構内

トンネル部のき電線ケーブルラック

奥で右に移動しているように見える。距離的にプリズムタワー付近

上り線側のき電線500㎟ケーブル1条とき電線ラック

トンネル部のき電線ケーブルラック
エアーセクションの電車線区分標が見える。あの奥が72Dが噛んだデッドセクション部

池尻大橋駅構内でのき電線ショート事故現場き電ケーブル切断中
東急電鉄資料から引用



国土交通省資料


参考資料(順不同)


松原優平;鉄道事業者の変電設備(17):鉄道と電気技術Vol.35,No.2,pp.82-85,2024

Wikipedia:大橋ジャンクション

金澤克美;特集:東京急行電鉄 電気設備の概要:鉄道ピクトリアル:Vol.57,No.749,pp63-65,2004

大迫裕治;東急田園都市線における電力ケーブル地絡事故の概要と対策:鉄道と電気技術Vol.29,No.9,pp.44-48,2018



正月企画 JR、私鉄 自営送電線 その他送電線(鉄道系)系統図 富士川以北を主に経路をGoogle My Map(New)に記載

1409. 正月企画 JR、私鉄 自営送電線 その他送電線(鉄道系)系統図 富士川以北を主に経路をGoogle My Map(New)に記載

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