2025年3月13日

1437.  JR東海 綱島周波数変換変電所 受電MOF交換

 綱島周波数変換変電所

ここはガムテープの跡があるがちゃんと見えている


赤丸のSVCはもう無い



 現在は赤丸の横と上の静止形周波数変換器(4号、1号)とその上の建屋(回転式周波数変換機 2,3号)が動いている。
合計4台 60MVA×4=240MVA 力率1として77KV 1,800A

となりのTEPCO綱島変電所から154kV 2回線受電 受電部はGIS化されている

沿革

1964年 東海道新幹線 開業時に60MVA 稼働(回転式)各1台 60MVA 1号回転式

1970年 新幹線16両化と大阪万博のため2台目 稼働(回転式)合計120MVA 2号回転式

1994年 AT化完成後のスピードアップ、ダイヤ改定 3台目 稼働(回転式)合計180MVA
     3号機は2号機 の建屋と同列で建築。建物は繋がっている。3号回転式
2004年 静止形周波数変換器 4台目 稼働 合計240MVA 4号静止形

2022年 1964年に始動した1号回転式周波数変換器停止 静止形周波数変換器 稼働1号静止形

回転式周波数変換機 増設の歴史 浜松町FCはもう無い

周波数変換変電所の周波数変換機(器)の交換の歴史


 回転式は保守して部品交換していれば長寿命。静止形は使用している半導体が無くなれば静止形変換モジュール全体を作り替えなくてはならない。静止形4号はGTO素子で24年経過しているのでそろそろ交換時期だがもう製造していない。IGBT素子で作り替えが必要となる。それともトリプルゲートIGBTかSiC MOSFETか

この綱島周波数変換変電所は過去に記事にしている。2014年 静止形4台目が稼働した後

270. JR東海 綱島周波数変換変電所(新幹線)  静止形4号はまだなかった時期


おさらい

新幹線高架下 新横浜SS方 77kV2回線ケーブル立ち上り部分 昔OFケーブル3回線だった時の名残で上部の引き上げ部の幅が広い(曲げ半径が大きかった)今はCVTけーぶる

新幹線高架下 大崎SS方 77kV2回線ケーブル立ち上り部分


裏から俯瞰

大崎SS方 ケーブルが見える

この埋設標の下に管路に収まったCVTケーブルが敷設されている

奥 ケーブル立ち上げ部



国鉄時代の人孔
77kV4回線収容

人孔と左奥 綱島周波数変換変電所1号機(回転型運転停止撤去予定)

綱島周波数変換変電所1号機(回転型運転停止撤去予定)収容建屋

冷却機部分

綱島周波数変換変電所1号機 フィルター部分

綱島周波数変換変電所1号機(回転型運転停止撤去予定)収容建屋

三相パイプ母線 60Hz側

2,3号回転式周波数変換機収容建屋 上が50Hz側 下が60Hz側


周波数変換機 2号 60Hz側 パイプ母線と77kV昇圧変圧器


1号静止形周波数変換器立建屋


1号静止形周波数変換器収容建屋と昇圧変圧器22kV→77kV


昇圧変圧器22kV→77kV


大崎2号と書かれいるが直接つながる訳ではない

同じく

同じく 一端77kVGISに繋がりそこから分岐する

77kV 母線GIS部




77kV側母線部 赤丸は2025年現在無い、緑丸の部分にSVG
最新のGoogle Street Viewから切り取ったが時差がある。
左上のトラフ(太い白線)から77kV4回線が新幹線高架下に繋がっている



新しく新設された静止形無効電力発生装置(Static Var Generater=SVG)

新しく新設された静止形無効電力発生装置(Static Var Generater=SVG)
母線電圧を一定の範囲で維持する

4号静止形周波数変換器



4号静止形周波数変換器 最初にできた方


4号静止形周波数変換器 A系インバーター用変圧器
A,B系がありそれぞれ30MVAの変換能力


昔 この場所にはリール巻ケーブルがあったが掘り返されている


4号A系コンバーター部

4号B系コンバーター部

4号周波数変換器収容建屋

1号周波数変換器収容建屋

インバーター、コンバーター用の変圧器 放熱機が見える

関連記事

2021年(令和3年)

3月 西相模FCの静止形FC運転開始

東海道新幹線 西相模周波数変換変電所の静止型化について 2021年5月28日発表      
以下引用
 西相模周波数変換変電所と回転型FCを有する綱島周波数変換変電所が 連系しながら最適に電力供給する技術を開発しました。これにより、瞬間的な大電流が流れた場合は、綱島周波数変換変電所の回転型FCからの電力供給に切り替えることができ、西相模周波数変換変電所は全て静止型FCに置き換えることが可能となりました。
引用終わり 2027年運開予定 約200億円


2023年(令和5年)

東海道新幹線 すべての周波数変換装置の静止型化について 2023年5月24日       
以下引用
① 架線の地絡等が発生した際でも電力供給を継続できるように、静止型FCを制御して該当する回線の電圧を急激に下げ、電流を抑制する技術を開発(世界初の技術(特許取得済))     ② ダイヤ乱れ等で列車が集中する場合、過負荷の発生を事前に予測し、回避するために必要な加速制限を自動的に算出する技術(世界初の技術(特許出願済))
2032年度末 新3号静止型FC(綱島) 運用開始予定
2037年度末 新2号静止型FC(綱島) 運用開始予定                  ⇒2037年度末をもってすべてのFCの静止型化完了
工事費 :約268億円
引用終わり 約14年計画

「東海道新幹線 すべての周波数変換装置の静止型化について」 内容の一部訂正について 2023年6月28日


MOF交換

154kV受電部 緑丸が1号受電部、紺丸が2号受電部
今回1号受電部のMOFを計量法に基づき交換している
赤丸部分はもう無い。橙丸部にMOFがある。バイパス回路があるはず
紫ラインは二重母線方式をとっている三相一括母線収容管路

154kV 2回線受電

ケーブルでGIS部に引き込み


赤丸のGIS設備は撤去されている

154kV受電のTEPCO接続部は左右に分かれている。奥が2号 手前が1号


1号GIS設備のMOF部が取り外されている





VCT=MOF

受電部は右下の部分でスリップオン部・ケーブル終端箱となっている

取り外されたMOF 左接続部 右MOF本体

取り外されたMOF 接続部

取り外されたMOF本体


参考文献(順不同)

周波数変換機(器)については以下にまとめ記事がある






大木正之ら:静止形周波数変換機
東芝レビュー;2004,Vol.59,No.11,pp.35-38
静止形周波数変換機 リンク pdf リンク修正

長山徳幸:綱島4号静止形周波数変換装置新設に伴う運転方法について
JR東海旅客株式会社技術情報;2002,No.15,pp.116-120

久野村健ら:静止形周波数変換装置
電気学会誌;2010,Vol.130,No.8,pp.530-531
静止形周波数変換装置 リンク pdf

吉田孝登志:東海道新幹線電源増強工事完成
鉄道界;1996,Vol.37,No.1,pp.23-41

牧野茂樹:東海道新幹線における周波数変換
電気関係学会東海支部連合大会講演論文集(CD-ROM);2011,論文番号S2-3,

前川典生ら:東海道新幹線用周波数変換変電所
電気鉄道;1964,Vol.18,No.2,pp.9-13








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