電力貯蔵設備導入後の状態とその周辺
終点側の早稲田駅停留場付近で電圧降下により、電車線電圧が420Vになることがあった。(最低電圧は400Vを死守) 2018年にそのための対応として高戸交差点付近にリチウムイオン電池が導入された。
そもそも早稲田駅は、き電末端に当たり電圧降下が発生しやすい下地があった。き電線は、庚申塚変電所より1回線ではなく、途中にき電区分を入れて2回線引かれてあり分割き電を行っている。都電の特殊性(路面電車)により変電所から負き電線もレールとは別に引かれており、電食対応がなされている。 以下図参照
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庚申塚変電所は、王子駅が末端き電区分で早稲田駅までを担当している。 図中太い線が軌道のき電系統 その下の庚申塚1~4号線は(ー)記号がついている負き電線 今回 王子駅から順にき電線の敷設状況について調査した。 |
過去記事
873. 東京都交通局 都電 荒川線 西尾久変電所
872. 東京都交通局 都電 荒川線 王子変電所(廃止)
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王子駅から早稲田駅方面へ |
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庚申塚3号線 真中庚申塚3号線(ー)両側が庚申塚3号線(+) |
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王子ガード下 剛体架線モドキ 右ガードに沿ってコルゲートチューブ保護き電線 |
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コルゲートチューブに標識 |
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拡大 |
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王子ガードを潜り 庚申塚3号線(+)がトロリ線にき電 |
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600Vの電圧絶縁は簡単な仕様 |
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西ヶ原四丁目 き電区分 三ノ輪から7.263㎞ |
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セクションインシュレーター 右 庚申塚3号線き電 左 庚申塚2号線き電 |
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レール間ジャンパ線 |
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トロリ線間も均圧線でジャンパ |
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庚申塚3号線(+、ー) |
過去記事
実際の運転には苦労していることが資料から読み取れる。 早朝、夜間において蓄電池に電気を貯めず調整放電を行っている時間帯があったり、夏季では昼に逆に調整充電を行っている時間帯もあるなど、必ずしも効率的な運転状態ではない。
同様な例として、桶川の電力貯蔵装置も効率的な運用ができていない。
私見であるが、き電線を太くし、き電線による電圧低下を軽減させ、位置を最終の早稲田駅にもっていけば効率的な運用ができるかもしれない。鬼子母神から早稲田方は下り勾配なのでトロリ線が上下一括き電状態ならば、都電の運行頻度で回生電力の融通が発生し坂下に置いた電力貯蔵装置が上手く働いていないように思える。
参考資料
栗原 一浩;東京さくらトラム(都電荒川線)における電力貯蔵装置の導入と電圧降下補償:鉄道と電気技術,VOL.31,No.3,pp.44-50